彼女の印象的なニュー・アルバム『Things I Left Behind』は、その前と後の旅の記録であり、そのスナップショットが示唆するように、深く個人的で力強い感動を与えてくれる。 10曲の新曲で構成されたこのアルバムは、ファイスト、スパークルホース、ダニエル・ジョンストンなどの影響を受けながら、その不完全さを受け入れている。
彼らが最初に取り組んだ曲は「Still Young」で、アルバムの最後を飾る曲であり、後にLP『Things I Left Behind』となる作品のキッカケとなった瞬間だった。 この4分間の "Still Young "は、ジョニが放つ魅力、告白的な歌詞、疲れた心を、愛らしく説得力のあるポップ・ハートで昇華させたことを示している。
これはタイトル・トラック「Things I Left Behind」で前面に出てくるもので、成長することの多くがいかに人や場所やものを失うことに集中しているか、前進するにつれていかに自分自身の断片を置き去りにしてしまうかを魅惑的に語っている。 シャッフルするようなドラム・ビートに支えられながら、曲は永遠に前進を続け、ジョニの歌声は、微妙に渦巻くギターと様々な音色の変化に対して適切に魅力的に感じられ、この曲に妖艶なエッジを与えている。
しかし、ご存知の通り、人生にはそれなりの計画があることが多く、全体として見れば、『Things I Left Behind』は、そのようなものへの痛烈で喚起的な頌歌である。 揺れ動く始まりから、ジョニは片足を前に出し、自分自身に戻るだけでなく、アーティストとしても個人としても成長できる新しい道を見つける方法を見つけたのだ。
『The Things I Left Behind』を制作するために、ジョニは数年を費やして音楽性に磨きをかけてきた。本作の冒頭を飾る「Your Girl」で、その成果ははっきりと見えている。現在の洋楽のトレンドでもあるドリームポップに属する甘美なメロディーを元にし、プロデューサーの魔法のようなサウンド処理を通じて心地よい音楽性を作り出す。
ルーク・シタル=シンのプロデュースは、この曲にダンス・ポップ/シンセ・ポップの要素をもたらし、The Japanese Houseを彷彿とさせるようなモダンなポップソングの印象へと変遷していく。アルバムの中では、最近のイギリスのミュージックシーンの影響を感じさせる。続く「Strawberry Lane」は、ベッドルームポップのソングライティグをベースにして、ファンシーな風味のポップソングを書いている。
Chihei Hatakeyama: electric guitar and sound effects Shun Ishiwaka: drums and percussion, piano on ‘M6’ Cecilia Bignall: Cello on ‘M3’ Hatis Noit: voice on ‘M4_Future Days Mix’
Composed by Chihei Hatakeyama and Shun Ishiwaka ‘M3’ composed by Chihei Hatakeyama, Shun Ishiwaka and Cecilia Bignall ‘M4_Future Days Mix' Composed by Chihei Hatakeyama, Shun Ishiwaka and Hatis Noit
Produced by Darrel Sheinman
Recorded at Aobadai Studio Engineered by Masato Hara
‘M3’, ‘M2’, ‘M5’ mixed by Caspar Sutton-Jones ‘M6’, ‘M1_Space Age Mix’, ‘M4_Future Days Mix’, ‘M3_Unreliable Angel Mix’ mixed by Chihei Hatakeyama Mastered by Caspar Sutton-Jones
EP『Magnificent Little Dudes (The Remixes)』4/25(金)配信スタート!
<トラックリスト>
1. M1_Space Age Mix 2. M4 (feat. Hatis Noit)_Future Days Mix 3. M3 (feat. Cecilia Bignall)_Unreliable Angel Mix
2006年に前衛音楽専門レーベルとして定評のあるアメリカの<Kranky>より、ファースト・アルバムをリリース。以後、オーストラリア<Room40>、ルクセンブルク<Own Records>、イギリス<Under The Spire>、<hibernate>、日本<Home Normal>など、国内外のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表している。
映画音楽では他にも、松村浩行監督作品『TOCHKA』の環境音を使用したCD作品『The Secret distance of TOCHKA』を発表。第86回アカデミー賞<長編ドキュメンタリー部門>にノミネートされた篠原有司男を描いたザカリー・ハインザーリング監督作品『キューティー&ボクサー』(2013年)でも楽曲が使用された。
また、NHKアニメワールド:プチプチ・アニメ『エんエんニコリ』の音楽を担当した。2010年以来、世界中でツアーを精力的に行なっており、2022年には全米15箇所に及ぶUS ツアーを、2023年は2回に渡りヨーロッパ・ツアーを敢行。2024年5月、ジャズ・ドラマーの石若駿とのコラボレーション作品『Magnificent Little Dudes Vol.1』をリリース。その後同作のVol.2も発売した。
2016年からは「うた」をテーマにしたプロジェクト「Songbook」も始動させている。近年はゲスト・ミュージシャンとしても評価が高く、くるりやKID FRESINOなど幅広いジャンルの作品やライヴに参加している。2019年には新たなプロジェクトAnswer To Rememberをスタートさせた。
2023年公開の劇場アニメ『BLUE GIANT』では、登場人物の玉田俊二が作中で担当するドラムパートの実演奏を手がけた。2024年5月、日本を代表するアンビエント/ドローン·ミュージシャン、畠山地平とのコラボレーション作品『Magnificent Little Dudes Vol.1』をリリース。その後同作のVol.2も発売した。
ボー・マクドナルドは新しい時代の『偉大なるアメリカの歌』を書きたかったという。彼女のバンド、Home Is Whereによる3rdアルバム『Hunting Season』には13曲が収録されており、そのひとつひとつが、自動車事故で噴煙と炎に飲まれたエルヴィスのモノマネ芸人の死にゆく思いを詳細に歌っている。このアルバムではブラックユーモアと風刺が滲んでいる。
1.reptile house 2.migration patterns 3.artificial grass 4.black metal mormon 5.stand-up special 6.bike week 7.everyone won the lotto 8.shenandoah 9.milk & diesel 10.mechanical bull 11.the wolf man 12.roll tide 13.drive-by mooning
Stereolabが15年ぶりのニューアルバム『Instant Holograms on Metal Film』を発表した。同時に、ファーストシングル「Aerial Troubles」のミュージックビデオを公開した。Instant Holograms on Metal Film』は5月23日にDuophonic UHF Disks/Warpから共同でリリースされる。先行シングル「Aerial Troubles」のビデオはローラン・アスキナジーが監督しました。
現代アンビエント・シーンの注目株と称されるUKの作曲家、The Vernon Spring(ヴァーノン・スプリング)。本日、5/9に発売予定のニューアルバム『Under a Familiar Sun』より先行シングルとして「Esrever Ni Rehtaf (feat. aden) 」が配信開始されました。 この曲ではボーカリストのadenがフィーチャーされ、美麗な雰囲気を漂わせる。(ストリーミングはこちらから)
UK/ノースロンドン生まれブライトン在住のアーティスト/作曲家/ピアニスト/プロデューサーのThe Vernon Spring(ザ・ヴァーノン・スプリング)ことサム・ベステ。大きな飛躍を遂げる可能性に満ちた待望のニューアルバム『Under a Familiar Sun』が来月ついにリリースされる。
「Esrever Ni Rehtaf (feat. aden) 」
Ólafur Arnaldsのレーベル”OPIA Community”、ニューヨークの実験音楽のレーベル”RVNG Intl”、そして”インパートメント”の3レーベルからの共同リリースが示すとおり、2025年のアンビエント・シーンで大きな注目を集める可能性を秘めています。
最新作『Under a Familiar Sun』は、彼の芸術的進化の幅の広さと深みを物語る作品です。作曲とプロセスに基づく長い実験期間を経て生まれたもので、これまでの即興的なプロダクションから、より複雑なアプローチへの転換を果たしました。
プロデューサーのIko Nicheとともにアルバム制作を進めるプロセスのなかで、ヒップホップの影響や、サンプリングを活用した手法を取り入れながら、The Vernon Springならではのピアノ・コンポジションを全編にわたって貫き、前人未到のサウンドスケープを描き出しています。
近年、The Vernon Springの音楽は、静かで美しい音楽を求めるリスナーの耳を魅了しつづけています。
ザック・ボウカー(ヴォーカル/ギター)、ユアン・バートン(ベース)、ドラマーのジョエル・スミス、エディ(マスコット)からなるイギリス/クルー(Crewe)の4人組”UNIVERSITY”に注目しよう。デビューアルバム『McCartney, It'll Be OK』を2025年6月20日にTransgressiveよりリリースすることを発表した。本日、彼らはニューシングル「Curwen」(試聴はこちら)も発表した。
プロデューサーのKwes Darko(Sampa The Great、Denzel Curryの作品をプロデュース)とロンドンにあるDamon AlbarnのStudio 13でレコーディングされた『McCartney, It'll Be OK』は、UNIVERSITYの2023年のデビューEP『Title Track』の非常にエキサイティングな始まりをさらに発展させたもので、フックはより明るくメロディアスに、ブレイクダウンはよりヘヴィに、歌詞はより洗練されている。
バンドは『McCartney, It'll Be OK』を完全ライヴでレコーディングし、これまでの彼らの作品を特徴づけてきた、すべてが今にも崩れ落ちそうなスリリングで狂おしいエネルギーを保持している。
1.Massive Twenty One Pilots Tattoo 2.Curwen 3.Gorilla Panic 4.Hustler’s Metamorphosis 5.GTA Online 6.Diamond Song 7.History Of Iron Maiden Pt. 1 8.History Of Iron Maiden Pt. 0.5
Black Country, New Road 『Forver Howlong』
Label: Ninja Tune
Release: 2025年4月4日
Review
ファーストアルバム『For The First Time』では気鋭のポストロック・バンドとして、続く『Ants From Up There』では、ライヒやグラスのミニマリズムを取り入れたロックバンドとして発展を遂げてきたロンドンのウィンドミルから登場したBC,NR(ブラック・カントリー、ニューロード)。
一方で、ビートルズの中期以降のアートロックを現代のバンドとして受け継いでいくべきかを探求する「The Big Spin」が続く。「ラバーソウル」の時代のサイケ性もあるが、何より、ピアノとサックスがドラムの演奏に溶け込み、バンドアンサンブルとして聞き所が満載である。新しいボーカリスト、メイ・カーショーの歌声は難解なストラクチャーを持つ楽曲の中にほっと息をつかせる癒やしやポピュラー性を付与する。
ロック寄りの印象を持つ瞬間もあるが、終盤では古楽やバロックの要素が強まり、さらにアルバムの序盤でも示されたフォークバンドとしての性質が強められる。「For The Cold Country」では、ヴィヴァルディが使用した古楽のフルートが登場し、スコットランドやアイルランド、ないしは、古楽の要素が強まる。結局のところ、これは、JSバッハやショパン、ハイドンのようなクラシック音楽の大家がイギリスの文化と密接に関わっていたことを思い出させる。特にショパンに関しては、フランス時代の最晩年において結核で死去する直前、スコットランドに滞在し、転地療養を行った。彼の葬式の費用を肩代わりしたのはスコットランドの貴族である。ということで、イギリス圏の国々は意外とクラシック音楽と歴史的に深い関わりを持ってきたのだった。