Sean Ono Lennen(ショーン・オノ・レノン)が、父ジョン・レノンの楽曲「マインド・ゲーム」のメディテーション・ミックスをリリースすると発表した。『Mind Games - The Meditation Mixes』は10月4日にCapitol/UMeからリリースされる。日本盤は10月11日に発売される。
「2- My Family」は、Deerhoofの影響も含まれているかもしれないが、少年ナイフ、Melt Bananaといったガールズパンクバンドの音楽性を受け継いでいるように感じられる。そして、その中に、グリーン・デイのような男性中心のバンドとは相異なるファンシーな音楽の印象をもたらそうとしている。表面的には、パンクロックの印象が目立つが、その中にジャングルポップ、パワー・ポップの甘酸っぱい魅力が凝縮されている。甘いメロディーと夢想的な感覚については、Fastbacksの系譜に位置づけられると言える。それらをマスロックやポストロックの変拍子を織り交ぜたテクニカルな曲構成によってバリエーションをもたらし、モダンな感覚を添える。
「4- You're Not Helping」に見出されるような、ちょっとシュールで斜に構えたような感じは、従来のガールズパンクバンドの直系にあるといえようが、もう一つのアート・ロックバンドとしての性質が垣間見える瞬間もある。そして、「音楽でしっかり連携が取れていたので、録音現場で会話をする必要がなかった」というエピソードは、この曲にはっきりと反映されている。
「8- Never Saw It Coming」では、70年代のX-Rey Specsのようなコアなポストパンクの影響を受け継ぎ、アート・ロックに近い音楽性へと昇華させている。また、バンドの趣味なのかもしれないが、曲の中には心なしか、アメリカンコミックやスチームパンクのようなサブカルの匂いが感じられる。それはセサミストリートのようなユニークな音楽性とパンクによって縁取られる。
「9- Druid, Fox And Dragon」は、初期のDeerhoofの系譜にあるアートパンクであるが、たとえ後追いのような内容であるとしても、バンド全体のファンシーでユーモラスなイメージや、高い演奏力において、じっくり聞かせるものがあるため、単なるフォロワー以上の意義を見出すことができるはずである。そしてやはり、楽器全体の音作りは、IDLESに匹敵するくらいのマニア性とこだわりがあるのだが、しかし、ライヴで矢面に立つフロントパーソンのボーカルは、一貫してビートルズのようなわかりやすさ、歌いやすさが重視されている。そのため、曲全体はまったく難解にもならなければ、複雑怪奇にもならない。そして、どれほど複雑な構成をセクションに交えようとも、美しい旋律性が損なわれることはない。これはバンドとしての全体的な役割がはっきりしており、さらに言えば、音楽で会話が出来ているからなのかもしれない。
アルバムの後半にも凄まじい曲が収録されている。音源からバンドの演奏の卓越性がストレートに伝わってくる事例として、例えば、Hiatus Kaiyoteの最新アルバムが挙げられるが、「10 - Big Life」はそれに匹敵するか、もしかすると、上回る瞬間もあるかも知れない。ロンドンのIDLESのような実験的なベースやギターの音作りを起点に、Led Zeppelinの「Achiless Last Stand」を彷彿とさせるトロットのようなリズム、鋭い風車のようなドラミングのタム回しが炸裂する。
オースティン出身のヘヴィロックバンド、The Jesus Lizard(ザ・ジーザス・リザード)は、''Touch and Go''から初期のキャリアを出発させ、以降、グランジ/オルタナティヴのもう一つの流れを形作った。ある意味では、ワシントン州アバディーンのMelvinsとともに最重要視すべき存在である。
ジーザス・リザードの代表作は1990年代に集中しており、「Shot」、「Down」、「Liar」等がある。狂気的なボーカル、Drive Like Jehuを彷彿とさせるサイケデリック性とドライブ感のあるハードコアパンクを劇的に融合させた。どうしようもない駄曲もあるが、一方でハードコアやグランジの名曲もあるという点では、掴みどころがないバンドというのがJesus Lizardの正体であると言えそうである。同レーベルでは、スティーヴ・アルビニのバンド、Big Black、Shellacが有名だが、音楽そのものの過激さという面では、The Jesus Lizardがはるか上である。
ロックバンドは、常に社会的な役割の中で生きざるを得ない。そしてバンドはいつも社会的な生き物である。作り上げた音楽によって、社会や多くの人々にどんな影響を及ぼすのか。メジャーバンドからカルトバンドまで役割はさまざまである。The Jesus Lizardは、人間の中にある狂気や内面的な悲鳴を、カルト映画にようにリアルに描き出してきた。普通ではないもの、一般的ではないもの、異端的なもの、嫌悪を誘うもの、おぞましいもの、目をそむけたくなるようなグロテスクさ、彼らのロックミュージックは、そういった狂気がいかなる人々の中にも内在し、それをときにひた隠しにしていることを示唆する。かつてはピンク・フロイドがそのことをやったが、Jesus Lizardに関しては、それをアンダーグラウンドのレベルで行ってきた。
* The Jesus Lizardの26年ぶりとなる『Rack』は、9月13日にIpecacよりリリースされる。
The Jesus Lizard 『Rack』
Label: Ipecac
Reelase: 2024/09/13
Tracklist:
1. Hide & Seek
2. Armistice Day
3. Grind
4. .What If?
5. Lord Godiva
6. Alexis Feels Sick
7. Falling Down
8. Dunning Kruger
9. Moto(R)
10. Is That Your Hand?
11. Swan the Dog
ブルックリンのアートポップデュオ、Fievel Is Glauqueがセカンドアルバム『Rong Weicknes』を発表した。2022年の『Flaming Swords』に続くこの作品は、Fat Possumから10月25日にリリースされる。リード・シングル「As Above So Below」は本日リリースされ、ミュージックビデオは以下よりチェック。
「As Above So Below」について、デュオのザック・フィリップスは声明の中で次のように述べている。
「映画配給会社の最大手、パラマウントのテレビ・スタジオが今週末にも閉鎖され、また、会社の従業員の何割かが解雇予定であり、制作中の映画がテレビ・メディアのCBSの管轄に入り、さらに、同社の社長のクレメンス氏がすでに会社を離れる準備をしている」と、昨日報道されたような映画業界の難しい事情があるにせよ、NIKIは、そういったシネマ・スターのいるであろう街角で、現代的な産業の動向を軽やかに笑い飛ばすかのように歌い、涼やかな目で見守り続ける。''スターなんてどこ吹く風''という感じなので、どちらかと言えば、アンチ・ヒーローのような立ち位置を取り、涼やかなボーカル及びポップソングを披露するのである。これが現代的なリスナーに支持される要因ではないかと思われる。つまり、歌手は、トレンドを見ているようでいて、そこから少し距離を取っているのである。ただし、NIKIという歌手が単なるソーシャルメディア世代の範疇を出ないティーンネイジャー風のシンガーソングライターであると侮るのは早計かもしれない。「Too Much of A Good Thing」は、 レニー・クラヴィッツのようにファンクとロックを融合させたスタイルで本格派のミュージシャンの気配を漂わせる。この曲はロサンゼルスのR&Bのニューエイジを象徴付けるような素晴らしいナンバーである。
アルバムの中盤では、他のインディーポップスターと同じように、ギターロックやロックスターへの愛着を象徴付ける収録曲が目立つ。例えば、それは現代的な他のベッドルームポップのアーティストと同じようにヘヴィネスを徹底して削ぎ落とした聞きやすく耳障りの良いロックソングという形に昇華されている。ただ先にも述べたように、トレンドを意識しているからとはいえ、まったくこのシンガーのカラーやキャラクターがないかといえばそうではない。「Colossai Loss」では、エンジェル・オルセン風の「ポスト・プリンス」としてのポップソングが登場し、また、アルバムの前半のハイライト「Did You Like Her In The Morning?」では、内省的なインディーポップへと傾倒している。これらの2曲は一貫して、甘口のメロディーとキャチーなフレーズという現代のポップスの黄金比を駆使しながら、しなやかな雰囲気を持つ楽曲へと昇華させている。そして特に「Did You Like Her In The Morning?」では、バラードシンガーとしての才覚を秘めていることを伺わせるのである。まだそれは涙腺を震わせるほどのものではないにしても、少なくとも良質なポップソングを書こうというソングライターの心意気を感じさせる。
ドイツの人気ポピュラーシンガー、クリス・ジェームス(Chris James)のように軽快な感じで始まったこのアルバム。特に中盤において歌手の優れた才覚が見出だせる瞬間がある。「Take Care」は、 ストリングスの録音をミニマルミュージックとして解釈し、その枠組みの中で、Lana Del Reyの系譜に属するポピュラー・ソングを構築しようとしている。この曲に満ちわたるセンチメンタルな感覚と内省的な叙情性は、もしかすると、西海岸のポップスターの再来を断片的に予兆するものなのかもしれない。また続く「Magenets」でも、ティーンネイジャーらしいセンチメンタルな感覚をモチーフにして、キュートな感覚をポップスにより表現している。また、西海岸の歌手らしくローファイやチルウェイヴの反映もある。日本語のトラック「Tsunami」は、ヒップホップの系譜にあるメロディアスな要素を持つこのジャンルの特徴を受け継ぎ、西海岸の夕暮れの感覚や海辺の情景が暗くなっていく頃の切ない感覚を巧みに表現している。アンビエント、チルアウト、ローファイを複合的に組み合わせ、詩的で情緒溢れる音楽を巧みに作り上げるのだ。
アルバムの後半では、コンテンポラリーフォークとベッドルームポップの融合というテーマがある。これがオーガニックな雰囲気を持つアンビエント風のシーケンスにより演出されている。「Strong Girl」はポピュラーとしては注目したい曲で、商業的なコンテンポラリーフォークの歌手としての卓越した才覚が示されている。ただ、本格派というより、親しみやすいTikTok時代の歌手としての立ち位置を取っているため、メロディーが聴覚にすんなり馴染んでくる。「Paths」では、Lana Del Reyが示唆した映画的なポップスという手法を受け継ぎ、バイオリンのピチカートをトラックの背後に配置し、モダン・クラシカルの影響下にあるポピュラー音楽を作り上げている。これらは実のところ、ディズニー映画のサウンドトラックで何度も繰り返されてきた作曲の手法であるが、ポピュラーの領域にそれを呼び込もうという姿勢に関しては、2020年代後半の商業音楽の呼び水、言い換えれば、前兆のようなものとなっている。
「友人たち、バイク、ダンス、ありもしないビジネス、ベックのボディガード、アイスクリーム、ハリウッド、シュールレアリスム、小さな家......。とてもゆっくりと、私たちが本当にしていること、つまり音楽に注意を向けてもらえるよう、皆さんを導きたいと思いました。The Bed, The Room, The Rain and You』では、すべての始まりであるアルバムのレコーディングから物語を終わらせたかった」
デビュー・アルバムでの初々しさや衝動性、そして荒削りさは、続くセカンド・アルバムでは「パンクバンドとしての大胆不敵さ」に変化するかもしれない。少なくとも、四人組が新しいフェーズに差し掛かったことを意味している。今年の秋に発売される次回作『No Obligation』からのセカンドシングル「Yo Me Estreso」は、ウィアード・アル "ヤンコヴィックをアコーディオンでフィーチャーしている。リンダ・リンダズらしいフックがあり、そして骨太なギターリフに加えて、彼女たちのもうひとつのルーツであるスペイン語のシラブルを交えて、ワルツのリズムをベースに、ティーンネイジャーらしい楽しさをロックソングにより全身全霊で表現する。
「"Yo Me Estreso "は、いつもストレスがあり、いつも不安で本当は怒っていないのに人が怒っていると思っていることについて。この曲は、コリージョス・トゥンバドス、バンダ、デュランゲンセを聴いてインスピレーションを受け、それを自分たちのパンク・スタイルで作った」という。
The Linda Lindasの次作アルバム『No Obligation』は10月11日にエピタフからリリースされる。
エモーショナル・ハードコアとしての要素は、続く「7- The One To Break It」にも引き継がれている。ここでも叙情的なリードギターをいくつか重ね合わせ、メタルコアとエモーショナル・ハードコアの中間にある際どいサウンドを追求している。そして同じように、ボーカルとコーラス、そしてタメを意識した巧みなドラム、さらにリードギターを複雑に重ね併せて、精妙な感覚を作り出す。いうなれば最もハードでノイジーな曲の中に、それとは対比的な静謐な瞬間を見事に生み出すのである。これについては、パンクロックのノイズ、及び、それとは対象的なサイレンスという二つの側面をよく知るベテランバンドとしての音楽的な蓄積と勘の良さのようなものが感じられる。このアルバムの中では、最も素晴らしい一曲なのではないかと、個人的には思った。
この世界の本質は、憎しみでもなく、ましてや分離でもなく、友情で繋がること、無条件の愛によって一つに収束する、ということなのである。ファックド・アップは、苛烈な印象を持つハードコアパンクサウンドによって、それらのことを伝えようとしているのではないだろうか。「9- Follow Fine Feeling」はまさしく、そんなことを表していて、彼らの友愛的なパンクの一面が導き出されている。このアルバムを聴いて、あらためてパンク・ロックの素晴らしさに気づく人も少なくないだろうと思われる。真実の伝道師、ファックド・アップは、クローズ曲「10- House Light」においてもやはり同じように、パンクロックの結束力や友情という側面に焦点を当てている。
ニューシングル「Tarantula Type」は、デビュー作『SEE IT FADES』に収録。先月公開されたリードシングル「Pretend」と並び、ソングライターの傑出したポテンシャルを伺わせる。『SEE IT FADES』はプロデューサーのライアン・ポリーと録音され、アレックス・ファーラー(Snail Mail、Wednesday、Indigo De Souzaなどのプロデューサー)がミックスを手掛けた。
マッカシムは、2021年にノースカロライナ州を離れた後、『SEE IT FADES』を制作した。LAに到着して一年も経たないうち、彼女は、シャロン・ヴァン・エッテンのオープニングを務め、『トランプ』11周年を祝うトルバドール公演はソールドアウトとなった。その先には、驚くようなシンデレラストーリーが待ち受けているかも知れない。「LAに移り住んでから、このレコードを作ることは、薄氷を踏むかのような状況だった」とマカッシムは声明で述べている。
Adriana McCassim(アドリアナ・マッカシム)のデビューアルバム『SEE IT FADES』は8月30日に発売される。
元来、ケイティ・J・ピアソンは、英国の伝統性を受け継いだオルトフォークを制作していた。しかし、歌手は次なるステップに進もうとしている。二作の先行シングルを聴くかぎり、古典的なポップス/フォークのソングライティングに触発されながらも、ソフィスティポップとバロックポップのクロスオーバーに取り組もうとしている。Tears For Fearsの系譜にある耳障りの良いインディーポップソング「Maybe」により、シンガーソングライターは未知なる境地を切り拓く。
「Maybe」についてケイティ・ピアソンは次のように説明している。
「ヒュー・エヴァンス(H. Hawkline)とリハーサルスタジオにいたとき、歌詞の微調整をしてみた。サビの部分は、"Maybe I need your love / to show me that I'm good enough. "という歌詞だったんだけど、彼(ホークライン)は "なんで自分に対してそんな態度を取るの?という感じだった! そして、私は、''ああ、わかった、ありがとう、フェミニストの味方がいてくれて''と思った。スタジオで男性に指図されたりすると、すぐに腰が引けてしまうことがあった。それでも、この曲の歌詞を変更したとき、誰と一緒に部屋にいるのは重要だということに気がついた...」
アダム・コロドニーが監督した
"Calling You Out "のビデオは、プレスリリースによると、"1989年のビースティ・ボーイズの "Shake Your Rump
"のミュージック・ビデオと1995年のウォン・カーウァイの映画 "Fallen Angels "にインスパイアされた "という。
「Calling You Out」
3rd Single 「Waiting For You」
Charly Blissが、8月16日にLucky Numberからリリースされるアルバム『Forever』からニューシングル「Waiting for You」をドロップした。
バンドのエヴァ・ヘンドリックスによると、「Waiting for You」は「バンドメンバーへのラブソング」だという。パンデミックの間、サム、スペンサー、ダンと離れ離れになっていたとき、ライヴのビデオを見て、『どうしてこんなことが当たり前だと思っていたんだろう』と思ったのを覚えている。すべてが本当に美しくて、自分たちがどれだけ幸運だったのかがわからなかった。あんなに長い間離れ離れになっていたのは苦しかったけど、役に立った。