◾️ Letting Up Despite Great Faultsが10月にリリースするニューアルバム『Reveries』から「Past Romantic」を先行解禁!
5度の来日公演を成功させるなど、日本でも人気を集めるテキサス・オースティンのドリームポップ/ インディーポップ・バンド、Letting Up Despite Great Faultsが10月11日にリリースするニューアルバム『Reveries』から新曲「Past Romantic」を本日リリースした。ストリーミングは記事の最下部をチェック。
「Past Romantic」はLetting Up Despite Great Faultsらしいインディーポップを軸にした楽曲だが、UKガラージ、ドラムンベース、ブレイクビーツなどから発想を得たというリズムが絡み合うバンドらしさを残しつつも、新鮮な要素も含んでいる。
Letting Up Despite Great Faultsは先日アルバムの冒頭を飾る2曲「Powder」「Dress」を2曲まとめたMusic Videoも公開しているので、合わせて下記よりチェックしてほしい。
LAで結成され、現在は音楽の街、テキサス・オースティンで活動中のLetting Up Despite Great Faultsが5枚目のオリジナルアルバム『Reveries』を10月11日にリリースする。
Letting Up Despite Great Faultsはデビューアルバムで完成させたエレクトロなシンセサウンドをシューゲイズやドリームポップというジャンルに落とし込むという発明で、日本でも5回の来日公演を成功させるなど人気を集めるバンドだ。
『Reveries』はミックスにJay Som、マスタリングにSlowdiveのドラマーであるSimon Scottを迎えて制作された作品で、3曲目に収録されている「Color Filter」ではLAで注目を集めるシューゲイズ・バンド、Soft Blue ShimmerからMeredith Ramondをゲストヴォーカルに迎えるなど、インディーポップやシューゲイズ・リスナーにはたまらないメンバーが参加した作品。
本作でもLetting Up Despite Great Faultsの特徴であるエレクトロ+シューゲイズ/ドリームポップにキャッチーなメロディーラインを加えるという彼らのオリジナリティーを武器にした作品に仕上がっているが、その上で冒頭を飾る「Powder」や6曲目「Past Romantic」のように実験的なリズムを取り入れた楽曲も収録。
K-POPからHyper Popまで様々なポップスを聞くようになったというフロントマンのMike Lee(マイク・リー)がLetting Up Despite Great Faultsのインディーポップな良さに様々なジャンルをポップセンスを加えた楽曲たちもアルバムの中で存在感を放っている。
2曲目「Dress」はインディーポップのルーツが存分に感じ取れる心地良い楽曲であり、7曲目に収録されている「Collapsing」のコード感やメロディーセンスも90sのインディーポップやギターポップが好きな人たちにはたまらないであろう。シングル曲として公開された「Swirl」は2010年代の〈Captured Tracks〉が好きな人にはオススメな楽曲であり、国内盤CDに収録されている2曲も間違いない。Letting Up Despite Great Faultsが感じ取れる楽曲が収録!!
アルバムの中盤では、シンセサイザーをオルガンのように見立てた「A Hand Held Strong」において、深妙なポップスを制作している。繊細な感覚を示すことをためらわず、アーティストなりの神聖な感覚で縁取ろうとしている。若手のシンガーソングライターであるにも関わらず、それほど傲慢にならず、謙虚な姿勢を持つことは、アーティストとして素晴らしい資質のひとつである。音楽に対する敬意を欠かさない姿勢や音楽に対して一歩距離を置いたような控えめな感覚は、実際的に良質な作品を生み出すための入り口となる。モリー・ペイトンは現在のところ、完璧なソングライティングの術を身につけたとまではいいがたいが、音楽に対する真摯な姿勢は、今後、何らかの形で花開く時が来るかもしれない。少なくとも、この曲では、それらがバラードというポピュラーシンガーとしての最初の関門をくぐり抜けるきっかけを与えている。
「Teenager Bedroom Floor」では、再びクランチなギターロックへと舞い戻り、総仕上げとなるクローズ「Get Back To You」では、アルバムの冒頭と同じように、夢想的なオルタナティヴフォークを最後のテーマに掲げている。しかし、これらは、流行りのサウンドの模倣的な側面を示したに過ぎない。デビューアルバムとしては、一定の力量以上の何かが示されている。しかし同時に、現時点では、「スペシャル・ワン」の存在感が示されたとまでは言いがたい。オセアニア圏のシンガーソングライターとして世界の音楽ファンに何を伝えていくのか、そして、モリー・ペイトンとは一体何者なのか、二作目のアルバムにおいて、それらが明示されることを期待してやまない。
City Lights』のリリースを記念して、ザ・ウェイヴはラフ・トレードで以下の4つのスペシャル・ライヴを行う: 9月20日のラフ・トレード・リバプール、9月21日のラフ・トレード・ノッティンガム(SOLD OUT)、9月23日のラフ・トレード・ブリストル(SOLD OUT)、9月24日のラフ・トレード・イースト(ロンドン)。
September is Blood Cancer Awareness Month so it’s a good opportunity to have a dialogue about these diseases. In September last year I was diagnosed with a very rare and aggressive form of lymphoma. I had ignored the symptoms for a few months but finally went… pic.twitter.com/8Xftcd5nPL
『Deaf Ears Are Sleeping EP』も新しいタイプのダンスミュージックで、聞き手に強いインパクトを及ぼすのは間違いない。三曲収録のEPで、逆向きに収録されたリミックスが並べられている。オリジナル曲との違いは、リミックスバージョンの方がよりディープ・ハウスに近いダンサンブルなナンバーとなっている。
二曲目「Deaf Ears Are Sleeping」は、例えば1990年代のCLARKの『Turning Dragon』など、ドイツのゴアトランスに触発された癖の強いダンスミュージックだが、オープナーと同じようにSEの効果音を用いながら、オリジナリティ溢れる音楽を追求している。部分的には、最近のオンラインゲームのサウンドトラックのようなコンセプチュアルな音楽が、ダブステップのようなリズムと結び付けられ、近未来的なEDMが構築されている。
「Deaf Ears Are Sleeping」に発見できるのは、バーチャル(仮想空間)の時代の新しい形式のダンスミュージックであり、それらが一貫して重低音の強いベースやバスドラム、Spuarepusher(スクエアプッシャー)のようなアクの強いリズムと結び付けられている。さらに、モジュラー・シンセなのか、サンプラーで出力しているのかまでは判別出来ないが、ドローン風の効果音もトラック全体に独特なドライブ感と、映像的な音楽性を付け加えていることも付記すべきだろう。
例えば、Killing Jokeは、かつてイギリスに固有の音楽が存在しないことを悩んでいたが、彼らの場合は、すでに存在するリズムを複雑に組み替えることで、新しいイギリスの音楽(複合的なリズム)の形式を確立させた。これは、Gang Of Fourはもちろん、Slitsのようなグループを見ても同様だ。新しい音楽が出来ないと嘆くことはなく、すでにあるものに小さな改良を加えたり、工夫をほどこすだけで、従来に存在しなかったものが生み出される場合がある。Killing Jokeのようなポスト・パンクの代名詞的なグループは、歴史的にこのことを立派に実証している。ロンドンのMarmoもまたこれらの系譜に属する先鋭的かつ前衛的なダンスユニットなのである。
確かに、「Talkie Talkie, Charlie Charlie」では、カッティングギターが軽快なグルーブを呼び覚ましている。ただ、このサウンドも70年代の音楽の焼き増しか後追いに過ぎず、いまいち新奇性に乏しい。AORとクンビアのような民族音楽をかけ合わせた「Don't Change」は、ロス・ビッチョスの持ち味であるトロピカルなテイストと、ダンサンブルな熱狂を呼び起こすことに成功している。ただ、ボーカルなしのインストであるため、飽きの来るサウンドであるのが気がかりである。また、曲の盛り上がりにも欠け、非常に平坦なサウンドであるのも難点である。
ただ、アルバムの一つのポイントとしては、ロス・ビッチョスの持ち味であるラテン音楽の影響が本作に個性味を与えることがある。「Kiki, You Complete Me」では、ラテン音楽の旋律とリズムが、バンドサウンドとしてエキゾチズムをもたらす。 ただ、難点としては、クルアンビンのようなセッションとしての白熱した感覚や、ライブのような雰囲気を形づくるまでには至っていない。このサウンドでボーカルなしというのは、少し間が持たないため、飽きてしまうのだ。
唯一、終盤に収録されている「Tango & Twirl」ではアルゼンチンタンゴの音楽性が登場するが、果たして、ピアソラが築いたアルゼンチンの文化がこのように軽薄な内容であると考えることは妥当と言えるのだろうか。アルバム全体に感じるのは、ヨーロッパ主義から見た他の地域の文化に対する奇妙な優越感と搾取的な軽視である。その点ははっきり言えば、容認することが出来ない。音楽の表現は自由であるべきだが、表現における放埒と自由性はまったく意味が異なる。最大の問題は、他地域の文化圏に対する敬意が欠如していることである。このアルバムを手に取るくらいなら、クルアンビンの最新作「A La Sala」を先に聴くことをおすすめする。
その後、高木正勝さんは、ピアノ、メディエーション、ミニマルミュージックとボーカルを融合させた「Tai Rei Tei Rio」を発表後、映画音楽やドラマ音楽の世界に入っていった。言わば、映像効果のための音楽、また、ストーリーやシナリオを強化するための音楽にシフトチェンジしていく。これは、彼の音楽がもともと何らかの文学性や物語性が込められていたことを表す。そして、その中には映像を伴わずに聞いても聴き入らせる作品もきわめて多い。
Music Tribuneは、日本、海外を問わず、制作者の実際的な考えや意見を何らかの形でストレートに反映し、10年後も楽しめるアーカイブシリーズのような形として残しておきたいと思っています。何かしら下記のエピソードの中から、音楽制作者、もちろん高木正勝さんのファンに至るまで、興味深いエピソードが紹介出来れば非常に光栄です。
Best New Tracks: Roger Eno 「Above And Below」(August Week 5)
ブライアン・イーノの弟であるロジャー・イーノは、9月下旬にドイツ・グラモフォンから発売予定のアルバム「The Skies: Rarities」のセカンドシングル「Above And Below」を公開した。最初のリードシングルでは、音数の少ない清涼感のあるピアノ曲を聴くことが出来た。この曲では、アンビエントシリーズのイーノの作曲に依拠し、瞑想的な音楽を組み上げている。
ブライアン・イーノのアンビエントの概念は、今は亡きハロルド・バッドのピアノの演奏と分かちがたく結びついていた。弟のロジャー・イーノは、「Above And Below」において、上記の二人の作曲家のイデアを受け継いで、それらを瞑想的な作曲として昇華させている。おそらく、イーノの名作『The Plateaux of Mirror』に触発されたと推測される。その中には、神秘的な音の要素が含まれ、映画のような音響効果、ドローンのような抽象的な音像の中から、ダークでありながら静謐な音楽がぼんやりと立ち上ってくる。アンビエントの名品の登場である。
「Find Out」では、90年代のYo La Tengoの作風をベースにし、ブレイクビーツのドラムを背景に一気呵成に録音し、ドリーム・ポップやインディーポップの音楽性で縁取っている。MTRで録音したような素人臭さがあるのだが、結局、やはり前の二曲と同じように、それらの荒削りなプロダクションの向こうから、Palmela Valferのボーカルが立ち上ると、独特な空気感を呼び覚ます。
ニューポートにあるバンドのDoor To The Riverスタジオとモンマスのロックフィールド・スタジオでレコーディングされた "Decline & Fall "は、常連コラボレーターのデイヴ・エリンガとロズ・ウィリアムズがプロデュースし、シーザー・エドマンズ(ビーチ・ハウス/スウェーデン/ウェット・レッグ)がミックスした。
バンドは、先月のマンチェスター公演を含め、『Under the Radar』で軒並み素晴らしい評価を受けたスウェードとのUK共同ヘッドライン・ツアーを完売させたばかりで、絶賛されたサード・アルバム『The Holy Bible』は明日8月30日(金)に発売30周年を迎える。彼らの次のライブは、9月8日にプレストンのムーア・パークで行われるRadio 2 In The Parkである。