©Steve Gullick |
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Jessie Murph 『That Ain't No Man That's The Devil』
Label: Columbia
Release: 2024年9月6日
Review
アラバマ州出身のジェシー・マーフは、驚くべきことに若干19歳のシンガーだ。2021年、コロンビア・レコードとレコード契約を結び、デビューシングル「Upgrade」をリリースした。現代的なシンガーソングライターと同様に、TikTokやYoutubeから登場したシンガーである。すでに彼女の楽曲「Pray」は、UKチャート、ビルボードチャート、それからカナダのチャートの100位以内にランクインしている。今後ブレイクする可能性の高い歌手と見るのが妥当だろうか。
ジェシー・マーフは、エイミー・ワインハウスのポスト世代の歌手である。喉を潰したような、この年齢からは想像の出来ないハスキーな声の性質は、むしろこの歌手の最大の強みであり、スペシャリティとも言えるだろう。そして、巧みなビブラートを駆使することによって、ハスキーな声は、人間的な奥深さや業へと変化する。そして、アラバマ出身という長所は、「サザン・ソウルの継承」という音楽的なテーマに転化し、カントリー、ブルース、R&Bを変幻自在に横断する。さながら今は亡きエイミー・ワインハウスの歌声が現代に蘇ったかのようでもあり、リリックの内容も歌手のプライベートのきわどい話題に触れている。実際的にオープナー「Gotta Hold」でのブレイクビーツに反映されているように、ヒップホップのビートからの影響も含まれていることがわかる。ソーシャルメディア全盛期に登場したシンガーと言うと、耳障りの良いライトな感じのインディーポップを思い浮かべる方もいるかもしれないが、ジェシー・マーフの音楽性はそれとは対極にあり、現代のミュージックシーンから孤絶している。マーフは、むしろ自分自身の声色のダーティーさや醜さをいとわず、米国南部的な感覚を徹底して押し出そうと試みる。それもまたワインハウスの人間的な業のようなものを引き継いでいると言える。近年のR&Bの流れに与せず、70年代のソウルミュージックのヘヴィーさに重点が置かれている。この点に、並み居るシンガーとはまったく異なる個性を見出すことが出来る。
ジェシー・マーフの曲は、お世辞にもきれいだとか都会的に洗練されているとは言いがたい。いや、むしろその粗削りで、どこまで行くか分からない、潜在的な凄みがデビューアルバムの醍醐味でもある。現代の歌手は、どこにいようと、インターネットで楽曲をオープンにすると、音楽ファンやレーベルに見出されてしまうが、コロンビアがこういったある意味、現代性とは対極にある古典的なR&Bシンガーに期待していることは、この名門レーベルが時代を超越するような存在、そして現代の音楽シーンを変えうる存在、さらに宣伝的なアイコンではなく、本物の歌のパワーで音楽そのものの意味を塗り替えてしまう存在を待望していることの証でもある。トラックの編集や他の楽器による脚色、ないしは、マスタリングのエフェクトとは関連のない「音楽そのものの良さ」を表現することが、2020年代後半の音楽家やアーティストの使命である。そういった重圧にジェシー・マーフが応えられるかどうかはまだ定かではない。
しかしながら、このデビューアルバムでポップスターとしての前兆は十分見えはじめている。もちろん、ラディカルな側面だけが歌手の魅力ではあるまい。「Dirty」では、Teddy Swimsとの華麗なデュエットを披露し、カントリーやアメリカーナ、そしてロックをR&Bと結びつけて、古典的な音楽から現代への架橋をする素晴らしい楽曲を制作している。ジェシー・マーフの歌声には偉大な力が存在し、そしてどこまでも伸びやかで、太陽の逆光を浴びるかのような美しさと雄大さを内含している。この曲こそ、南部のソウル・ミュージックの本筋であり、メンフィスのR&Bを次世代へと受け継ぐものである。そこにブルースの影響があることは言うまでもない。さらに「Son Of A Bitch」も、バンジョーの演奏を織り交ぜ、カントリーをベースにして、ロック的な文脈からヒップホップ、そしてモダンなR&Bへ、まるで1970年代から50年のブラック・ミュージックの歩みや変遷を再確認するような奥深い音楽的な試みがなされている。
ヒップホップに近いボーカルのニュアンスが披露されるケースもある。「It Ain't Right」は、背景となるソウルミュージックのトラックに、ポピュラー、ラップ、ロックの中間にある歌声を披露している。音楽としての軸足がラップに置かれたかと思うと、次の瞬間にはロックへと向かい、そしてポップスへと向かう。これらの変幻自在のアプローチが音楽そのものに開放的な感覚を付与し、聞き手側にもリラックスした感覚を授けることは疑いがない。一つの形式に拘泥せず、テーマとなる音楽を取り巻くように音楽を緩やかに展開させていることが素晴らしい。
アルバムの冒頭では、マスタリング的なサウンドは多くは登場しないが、反面、中盤にはエクスペリメンタルポップの範疇にある前衛的なポップスの楽曲が登場する。例えば、「I Hope It Hurts」はノイズポップの編集的なサウンドを織り交ぜ、シネマティックなR&Bを展開させている。また、続く「Love Lies」では、ヒップホップの文脈の中で、ロックやカントリーといった音楽を敷衍させていく。これらは、「ビルボードびいきのサウンド」とも言えるのだが、やはり聞かせる何かが存在する。単に耳障りの良い音楽で終わらず、リスナーを一つ先の世界に引き連れるような扇動力と深み、そして音楽における奥行きのようなものを持ち合わせているのだ。
アルバムの中盤の2曲では、形骸化したサウンドに陥っているが、終盤になって音楽的な核心を取り戻す。いや、むしろ19歳という若さで音楽的な主題を持っているというのが尋常なことではない。探しあぐねるはずの年代に、ジェシー・マーフは一般的な歌手が知らない何かを知っている。それらは、「High Road」を聞くと明らかではないだろうか。マーフはこの曲で基本的には、主役から脇役へと役柄を変えながら、デュエットを披露している。実際的に、Koe Wetzelのボーカルは、80年代のMTVの全盛期のブラック・コンテンポラリー/アーバン・コンテンポラリーのR&Bの世界へと聞き手を誘うのである。サビやコーラス、そしてその合間のギター・ソロも曲の美しさを引き立てている。何より清涼感と開放感を持ち合わせた素晴らしいポップスだ。さらに、Baily Zimmmermanとのデュエット曲「Someone In The Room」では、アコースティックギターの演奏を基にこの年代らしいナイーヴさ、そしてセンチメンタルな感覚を織り交ぜ、見事なポップソングとして昇華させている。また、マーフのボーカルには、やはり、南部のR&Bの歌唱法やビブラートが登場する。もちろん、デュエットとしての息もピッタリ。二人のボーカリストの相性の良さ、そして録音現場の温和な雰囲気が目に浮かんできそうだ。
アルバムの最終盤では、エイミー・ワインハウスのポスト世代としての声明代わりのアンセム「Bang Bang」が登場する。この曲では、自身のダーティーな歌声や独特なトーンを活かして、フックの効いたR&Bを生み出している。やはり19歳とは思えない渋みと力感のある歌声であり、ただならぬ存在感を見せつける。デビューアルバムでは、そのアーティストが何者なのかを対外的に明示する必要があるが、『That Ain't No Man That's The Devil』では、その水準を難なくクリアしている。何より、商業主義の音楽でありながら、一度聴いて終わりという代物ではない。
本作のクローズでは、現代のトレンドであるアメリカーナを主体とし、アラバマの大地を思い浮かばせるような幽玄なカントリー/フォークでアルバムを締めくくっている。音楽や歌の素晴らしさとは、同じ表現性を示す均一化にあるわけではなく、他者とは異なる相違点に存在する。最新の音楽は「特別なキャラクターが尊重される」ということを「I Could Go Bad」は暗示する。2020年代後半の音楽シーンに必要視されるのは、一般化や標準化ではなく、他者とは異なる性質を披瀝すること。誰かから弱点と指摘されようとも、徹底して弱点を押し出せば、意味が反転し、最終的には大きな武器ともなりえる。そのことをジェシー・マーフのデビュー作は教唆してくれる。文句なしの素晴らしいアルバム。名門コロンビアから渾身の一作の登場だ。
90/100
Best Track 「Dirty」
ロンドンのシンガー、Suki Waterhouse(スキ・ウォーターハウス)は、Vogue誌でも特集が組まれ、今最もホットな話題を振りまくシンガーである。9月13日(金)にSub Popからリリースされるアルバム『Memoir of a Sparklemuffin』から最終シングル「Model, Actress, Whatever」を公開した。
タイラー・ファルボが監督したビデオは、先日の米国のMTVライブ、MTVU、MTV Biggest Popで初公開されたほか、パラマウント・タイムズスクエアのビルボードにも登場した。Sub Popが現在最もプロモーションに力を入れており、イチオシするシンガーであることは疑いない。
ミュージックビデオでは、ウォーターハウスは混沌とした映画撮影現場で、アクション満載のシーンをこなしながら、 "お堅い "監督に批判され、リセットして "テイク33 "に挑む。ハッピーなことに、ウォーターハウスは最終的にグチャグチャのリベンジを果たし、その場を後にする。
ウォーターハウスは、2024年のMTVビデオ・ミュージック・アワードのプレゼンターも務め、アルバム・リリース後は、9月28日のコロラド州デンバーの公演を皮切りにスパークルマフィン・ツアーに出発し、9月21日には、ポートランドのモーダ・センターでMitskiをサポートする。
「Model, Actress, Whatever」
MEW |
MEW(ミュウ)が解散を発表した。デンマークのロックバンドは、5月29日にオーフスのオーフス・コングレス・センターで、5月31日に地元コペンハーゲンのロイヤル・アリーナで開催される2つのコンサートでファンに別れを告げる。
シンガーのヨナス・ビェーレ、ドラマーのサイラス・ウトケ・グラエ・ヨルゲンセン、ベーシストのヨハン・ウォーラート、ギタリストのボー・マドセンは1995年にミュウを結成。バンドの最後のアルバムは2017年の『Visuals』だった。
ヨナス・ビェールは声明で次のように述べている。
親愛なる友人たちへ
来年でMewは30周年を迎えます!私や素敵なバンド仲間に数え切れないほどの冒険をさせてくれたこの旅は、本当に素晴らしいものでした。そしてそのどれもが、Frengersの皆さんと皆さんのサポートがなければ実現しなかったことです。これは決して当たり前のことではなく、これからも変わらない。
私にとって、この旅は終わりに近づいている。来年がミュウでの最後の年になる。私個人としては、別の旅に出て、他のクリエイティブなプロジェクトに集中する時期だと悟りました。こうしてお別れ公演ができること、そして大切な友人であり共同創設者であるヨハンとサイラス、そしてドクとマッズ・ウェグナーと最後の旅に出られることをとても嬉しく思っている。このことについては、近いうちにもっと長い記事を書くつもりだ。とりあえず、来年のショーで会えるのが待ちきれないよ!
愛を込めて、ジョナス。
そして、フルラインナップはこう付け加えた。「30年? まともな神経をしていたら、1995年当時、僕らがまだここにいるなんて想像もしなかっただろうね」
デンマークのエレクトロ・ロックバンド、MEWは2000年頃にスウェーデンのHIVESとともに北欧のミュージック・シーンがどれほど素晴らしいか、世界的に紹介した貢献者である。両バンドともに、実際のライブを見たことがあるが、それぞれ持ち味こそ異なるにせよ、素晴らしいライブを披露していた。MEWは北欧のロックの旋律の素晴らしさ、そして音響派としてのロックという長所を持っていた。MEWの紡ぎ出す耽美的な旋律はMBVに匹敵するものがあった。
Best New Tracks- Dawn Richard & Spencer Zahn 「Diet」 (Sep. Week 2)
Dawn Richard(ドーン・リチャード)、Spencer Zahn(スペンサー・ザーン)はともにマルチ奏者として活躍している。リチャードは、R&Bやエレクトロニックを得意とし、ボーカリストとして主に活躍する。他方、ザーンは器楽奏者の性質が強く、昨年、モダン・クラシカルの連作アルバム『Statues Ⅰ』、『Statues Ⅱ』を立て続けに発表。ピアノ、ギターを中心とする鍵盤楽器や弦楽器を得意とする。二人はともに、トラック制作の名手でもあるが、今回のコラボレーターでは、まさしく両者の長所を活かしながら、短所を補うという意義が込められている。
「Traditions」と「Breath Out」に続く三作目のシングル「Diet」は、Teddy Swimsをフィーチャーしている。スペンサー・ザーンの美しいピアノにエレクトロニックやミニマルの効果を加えて、ドーン・リチャードのソウルフルなボーカルに洗練された響きをもたらす。秋の夜長にじっくりと耳を澄ませたい良曲である。近日リリース予定のアルバム『Quiet in a World Full of Noise』の第3弾となる。試聴は以下から。
『Quiet in a World Full of Noise』は、このデュオの2022年のコラボレーションアルバム「Pigments」に続く作品で、Merge Recordsから10月4日にリリース予定。
「Diet」
©Fiona Torre |
スコットランド/グラスゴーのロックバンド、Franz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)が6枚目のアルバム『The Human Fear (ザ・ヒューマン・フィア)』を発表した。2018年の『Always Ascending』に続くこの作品は、2025年1月10日にDominoからリリースされる。
このアルバムは、2013年の『Right Thoughts, Right Words, Right Action』でバンドと仕事をしたマーク・ラルフがプロデュースした。アルバムの最初のリードカット「Audacious」は、長年のコラボレーターであるアンディ・ノウルズが監督し、グラスゴーのバロウランドで撮影されたビデオと対になっている。また、アルバムのジャケットとトラックリストは以下の通り。
「このアルバムの制作は、私がこれまで経験した中で最も人生を肯定する経験のひとつだった。恐怖は、自分が生きていることを思い出させてくれる。私たちは皆、恐怖が与えてくれる喧騒に何らかの形で中毒になっているのだと思う。それにどう反応するかで、人間性がわかる。だからここにあるのは、恐怖を通して人間であることのスリルを探し求める曲の数々だ。一聴しただけではわからないだろうけど」
ニューシングルについて、アレックス・カプラノスはこう語っている。「この曲は、自分の周りの存在の布が解けていくのを感じたときに、大胆な反応をすることについて歌っているんだ。大胆で、反抗的で。存在しない永遠を端から覗いて、アイと言うんだ!くそったれ!今日は結構だ!"
アンディ・ノウルズは次のように付け加えた。「初めて "Audacious "を聴いた後、すぐにお祝いのビデオが必要な曲だと感じた。2022年に'Curious'を制作したときの陽気なアプローチをベースにしたかった」
「Audicious」
Franz Ferdinand 『The Human Fear』
Label: Domino
Release: 2025年1月10日
Tracklist:
1. Audacious
2. Everyday Dreamer
3. The Doctor
4. Hooked
5. Build It Up
6. Night Or Day
7. Tell Me I Should Stay
8. Cats
9. Black Eyelashes
10. Bar Lonely
11. The Birds
オフィシャル・チャートの報道によると、イギリス最大規模のレコードショップ、ラフ・トレードが来月、英国7店舗目のショップをオープンすることが分かった。
2024年初めにリバプールにオープンしたインディペンデント・レコード・ショップ最大店舗に続き、7店舗目が10月中旬にロンドンのデンマーク・ストリートにオープンする。同地は伝説的な英国音楽のメッカでもある。
ローリング・ストーンズがデンマーク・ストリート4番地でレコーディングし、ビートルズがチャリング・クロス・ロードと交差するこの通りで出版契約を交わしたことは有名で、デヴィッド・ボウイはデンマーク・ストリート9番地にあるカフェ、ラ・ジョコンダでバンド・メンバーを見つけていた。この場所は言わば音楽が文化とされていた時代の名残を残すストリートでもある。
ラフ・トレードUKのマネージング・ディレクター、ローレンス・モンゴメリーは新店舗オープンを発表し、次のように語っている。
「ラフ・トレードをロンドンの象徴的な場所であるデンマーク・ストリートにオープンできることをたいへん嬉しく思っています。新店舗では、あらゆるジャンルの厳選されたレコードのほか、専門書籍のセレクションや限定グッズも販売される予定です」
「豊かな伝統と現在進行形の遺産を持つデンマーク・ストリートは、ラフ・トレードを訪れるお客さまが期待する活気と専門知識を提供し、同時に、独自のコミュニティを育む、私たちの次の章にとって完璧な舞台となります」
「私たちラフトレードは、音楽と文化を探求し、発見し、祝うために音楽ファンを歓迎することを楽しみにしています。単なるレコード店以上の存在であるという私たちの伝統を継続します」
デンマーク・ストリート店は、ラフ・トレードのロンドン4号店となる。店内では時々、アーティストのイベントも開かれます。ぜひ、ロンドン観光の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか??
HELLO LONDON!
— Rough Trade (@RoughTrade) September 11, 2024
We are thrilled to open our seventh UK store and bring Rough Trade to London’s iconic Denmark Street this October.https://t.co/ltLS4TEisl pic.twitter.com/0FX1O8P3ea
また、ラフ・トレードは1984年から2024年のロンドンのミュージックシーンを紹介するプレイリストをspotifyで公開した。スミス、デペッシュ・モード、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ペットショップ・ボーイズの楽曲を紹介する5時間に及ぶロング・プレイリストはこちらで視聴可能。
本日、カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の歴史的な討論会が終了してから1時間も経たないうちに、テイラー・スウィフトが民主党候補に一票を投じることを発表した。
今週火曜日、スウィフトはスターがトランプを支持するという偽のAIの投稿に対処した。
「最近、私 がドナルド・トランプの大統領選出馬を支持するAIが彼のサイトに投稿されたことに気づかされた。AIにまつわる私の恐れと、誤った情報を広めることの危険性を思い起こさせたわ。そこで有権者として、この選挙に対する私の実際の計画について透明性を持つ必要があるという結論に至った。誤認情報に対抗する最もシンプルな方法は、真実であると思っている」
「私は2024年の大統領選挙でカマラ・ハリスとティム・ウォルツに一票を投じる。私が@kamalaharrisに投票するのは、彼女が私が戦士が必要だと信じる権利と大義のために戦うからです」とスウィフトは続けた。
「そして、もし私たちが混沌ではなく冷静さによって導かれるなら、この国でもっと多くのことを成し遂げられると信じています。LGBTQ+の権利、体外受精、そして女性が自分の体を持つ権利のために何十年も立ち上がってきた@timwalzを伴走者に選んだことに、私はとても心を打たれ、感銘を受けている」 とスウィフトは続け、シンガーは自分の決断を強調し、次のように書いている。
「私は自分自身の研究をし、自分の選択をした。また、特に初めて投票する人に言いたい。投票するためには登録が必要だということを忘れないでください! また、早めに投票する方がずっと簡単だと思います。私のストーリーの中で、登録先や期日前投票の日程や情報をリンクしておくわ」
過去グラミー賞を14回受賞している彼女は、投稿に "テイラー・スウィフト "と "Childless Cat Lady "と署名している。
テイラー・スウィフトは、現在の米国の音楽業界で最も影響力を持つアーティストである。最近ではイギリスのツアーでも大きな経済効果を及ぼすとの試算が出た。スウィフトのもたらす影響は、今や大統領の水準に達しつつある。果たして、「スウィフティー」と呼ばれる熱狂的なファンを率いるスウィフトがカマラ・ハリスへの支持を表明したことにより、大統領選に何らかのエフェクトを及ぼすことが出来るのか。米国の大統領選挙は11月5日火曜日に行われる。
St. Vincent(セント・ヴィンセント)が米国の深夜番組"The Tonight Show Starring Jimmy Fallon"に出演し、最新アルバム『All Born Screaming』の収録曲「Flea」をパフォーマンスした。オンライン限定として「Big Time Nothing」も披露。ライブパフォーマンスの模様は以下よりご覧ください。
セント・ヴィンセントのアルバム『All Born Screaming』は今年4月にリリースされた。アニー・クラークは、フー・ファイターズのデイヴ・グロール、ジョシュ・フリース、ジャスティン・メルダル=ジョンセン、レイチェル・エクロース、マーク・ギリアナ、ステラ・モグザワ、デヴィッド・ラリッケ、ケイト・ル・ボンとともに、『ダディーズ・ホーム』の続編に取り組んでいる。
「Flea」
「Big Time Nothing」
◾️ST.VINCENT 新作アルバム『ALL BORN SCREAMING』を発表 デイヴ・グロール、ケイト・ル・ボンが参加
©Jessie Cowan |
名門パンクレーベル、Epitaphに所属するカルフォルニアのティーネイジ・パンクの注目株、The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダス)は、新作アルバムの撃鉄ハードコア・ナンバー「No Obligation」を公開した。
ライオット・ガールとしてのパンク・スピリットは以前より迫力味を増し、ボーカルのエッジはこれまでになく激烈。リンダリンダズのサウンドは、デビュー当時のガレージパンクのテイストを残しつつも少しずつ変化してきていて、いよいよファストコアやストレートエッジのハードコアパンクに近づきつつある。前のめりな勢い、気忙しい焦燥感、渦巻くようなエナジー。これらは若いパンクバンド特有の魅力でもあろう。
さらに、今回のアルバムのニューシングルでは、サーフロックの影響に加えて、Dead Kennedysのジェロ・ビアフラのボーカルに比する不敵なアジテーションを纏う。タイトル曲は紛うことなきカルフォルニアのパンクロックであり、The Linda Lindasのベストトラックの一つに挙げられる。
この曲は、"Weird Al" Yankovicをフィーチャーした前作「All In My Head」と「Yo Me Estreso」に続いてストリーミング配信された。ライブツアーの映像を収録したミュージックビデオは以下からご覧ください。
The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)はプレスリリースの中で「No Obligation」について次のように語っている。
「私たちは義務で音楽を作っているのではなくて、愛で音楽を作っています。そして、日本に行って、少年ナイフのナオコを含むチームとミュージックビデオを制作したように、音楽が与えてくれた全ての機会に心から感謝しています! お楽しみに!!」
The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)の新作アルバム『No Obligation』はエピタフから10月11日に発売予定。
「No Obligation」
◾️THE LINDA LINDAS ニューアルバム『NO OBLIGATION』を発表 エピタフから10月11日にリリース
1969年、ニューヨークの歴史的なフィルモア・イーストでのコンサートは、その最初のツアーの初期の瞬間をとらえたもので、2枚組のライヴ・アルバムとして10月25日にリリースされる。
『Live At The Fillmore East, 1969』は、Rhino.comからビニール盤(2LP)とCDで発売される。同日、一部の小売店のみで特別クリア・ビニール・エディションが発売される。Helplessly Hoping」の未発表ライヴ・ヴァージョンが本日デジタル配信開始。試聴はこちらから。
Crosby Stills Nash & Young(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)は、1969年8月のウッドストック・フェスティバルで2度目のパフォーマンスを行ったことで有名だ。その後彼らは1970年のアルバム『Déjà Vu』の制作に取り掛かった。数十年後、1969年9月にニューヨークのフィルモア・イーストで行われたカルテットによる4度目のライヴのマルチトラック録音が発見された。LP『Live At The Fillmore East』として来月発売されることになった。
クロスビー、スティルス、ナッシュ、ヤングは、この未発表ライヴの制作に大きく関わった。スティルスとヤングは、ロサンゼルスのサンセット・サウンド・スタジオで、ジョン・ハンロンと共にオリジナルの8トラック・コンサート録音をコンパイル、ミックスした。このオーディオは、最高のオーディオ忠実度を提供するために、レコード・リリース用にAAAラッカー・カットされている。
ヤングは最近こう語っている。「私たちはテープを持っていて、とてもリアルに聞こえる。ミキシングはサンセット・サウンドで行ったんだ。制作中はずっとアナログなんだ。アナログ。デジタルは一切なし、アナログ・オリジナルだ。
ウッドストックからわずか1ヵ月後にレコーディングされた9月20日のコンサートは、フィルモア・イーストでの2日間で4回目のライヴで、アコースティックとエレクトリックの両方のセットが披露された。
「アコースティック・ショーは自分たちでやったけど、ダラス(・テイラー、ドラムス)とグレッグ(・リーヴス、ベース)の機材と大きなショーができたから、とにかくやってみたんだ。僕らに欠けていた繊細さは、熱意で補ったんだ」
ニール・ヤングとスティーヴン・スティルスは、来月LAで『Harvest Moon』のベネフィットを一緒に演奏する予定で、サンセット・サウンド・スタジオでジョン・ハンロンと共に『Live At The Fillmore East』をミックスした。
プレスリリースの中で、ニール・ヤングはこう語っている。「サンセット・サウンドのアナログ・エコー・チェンバーでミックスしたんだ。制作中はずっとアナログだったんだ」このアルバムには、バンドのアコースティック・セットとエレクトリック・セットが収録されており、後のグループのレコードに収録される曲や、メンバーの別のプロジェクトの曲も収録されている。
Crosby Stills Nash & Young 『Live At Fillmore East. 1969』
Live At The Fillmore East, 1969
LP Tracklist
Acoustic Set
Side One
1. “Suite: Judy Blue Eyes”
2. “Blackbird”
3. “Helplessly Hoping”
4. “Guinnevere”
5. “Lady Of The Island”
Side Two
6. “Go Back Home”
7. “On The Way Home”
8. “4 + 20”
9. “Our House”
10. “I’ve Loved Her So Long”
11. “You Don’t Have To Cry”
Electric Set
Side One
1. “Long Time Gone”
2. “Wooden Ships”
3. “Bluebird Revisited”
4. “Sea Of Madness”
Side Two
5. “Down By The River”
6. “Find The Cost Of Freedom”
CD Tracklist
Acoustic Set
1. “Suite: Judy Blue Eyes”
2. “Blackbird”
3. “Helplessly Hoping”
4. “Guinnevere”
5. “Lady Of The Island”
6. “Go Back Home”
7. “On The Way Home”
8. “4 + 20”
9. “Our House”
10. “I’ve Loved Her So Long”
11. “You Don’t Have To Cry”
Electric Set
12. “Long Time Gone”
13. “Wooden Ships”
14. “Bluebird Revisited”
15. “Sea Of Madness”
16. “Down By The River”
17. “Find The Cost Of Freedom”
©Anna Pollack |
サッカー・マミーが、近日発売予定のアルバム『Evergreen』からの新曲「Driver」を発表した。
何の変哲もないミドルテンポのオルタナティヴのギターロックソングのように思えるが、やはり先行公開された「M」と同様に、サッカー・マミーらしい素晴らしいオルトロックソング。90年代のオルタナティヴロックのテイストが漂い、ソングライティング能力の水準は一般的なアーティストよりも高い。2ndシングルと同じようにメロトロンを薄く重ね、エモーショナルなフレーズや音階、そしてスケールの移調を部分的に織り交ぜたりというように、創意工夫が凝らされている。少なくとも、新作アルバムが秀作以上の内容であると期待させるものがある。
ナッシュヴィルのシンガーソングライター、ソフィー・アリソンはまた、新作アルバムの宣伝を兼ねた2025年の北米、イギリス、ヨーロッパ・ツアーも発表した。
来年1月のアトランタ公演から始まり、ブルックリン、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴ、ダラス、オースティン、ロサンゼルス、地元のナッシュビルの公演で北米ツアーを締めくくり、4月下旬からヨーロッパツアーを敢行する。スペイン、ポルトガル、スイス、イタリア、ドイツ、イギリスを経て、一連の大規模なツアーは5月にポーランドのワルシャワで幕を閉じる。
2022年の『Sometimes, Forever』に続くニューアルバム『Evergreen』は、10月25日にLoma Vistaからリリースされる。
「Driver」
モントリオールとともに魅力的なアーティストやバンドを輩出するケベック。この土地はカナダの先住民が暮らしていた場所で、現在はフランス語圏でもあり、多彩な生活様式が入り交じる都市である。こういった様々な考えやルーツを持つ土地から魅力的な音楽が登場するのは、必然といえる。自分と同じ考えをかき集めるのではなく、それとは対極にある今まで思いもよらなかったような考えに触れたり、それらを自分の中で吸収した時、新しい概念が生み出される。
同地のオルタナティヴポップバンドのMen I Trust(メン・アイ・トラスト)もまた、ケベックの象徴的なポップ・グループ。
昨日(9月10日)、彼らは2024年最初の単独シングル「Husk」をリリースした。2014年に結成されたバンドは、ベーシストのJessy Caron、マルチインストゥルメンタリストでプロデューサーのDragos Chiriac、ボーカリストでギタリストのEmmanuelle Proulxで構成されている。
メン・アイ・トラストは、現在ツアー中で、2021年に最新アルバム『Untourable Album』をリリースしている。以来、彼らは「Hard to Let Go」、「Billie Toppy」、「Girl」、そして昨年の「Ring of Past」など、数々のシングルを発表してきた。
ニューシングルのリリックは、このバンドにしては珍しくメッセージ性が含まれ、啓示的な示唆に富んでいる。リスナーに向けて直接的に歌われたようなポップソングだ。冒頭では「騒動、すべてのチャイム/諦めて、大丈夫さ/冷静さ、ラインの上に/もっと強くなって、解き放て」とボーカリストのエマニュエルはおなじみの軽快なオルトポップソングに乗せて歌っている。
「Husk」
©︎Kacey Makal |
Jordana(ジョルダナ)が、10月18日にグランド・ジュリーからリリースされるアルバム『Lively Premonition』のプレビューを公開した。今回のミュージックビデオではアーティストが宇宙飛行士に扮し、カルフォルニアかどこかを歩き回るというユニークな内容となっている。
この曲は「Anything for You」というタイトルで、以前に公開された「We Get By」と「Like a Dog」のフォローアップとなる。ジャスティン・テイラー・スミス監督によるミュージックビデオは以下よりご覧ください。
「”Anything For You”は別れについての曲よ」とジョーダナは声明で説明している。「誰かがあなたの魂にあったエネルギーを枯渇させた後、もう一度自分自身を見つけようとする歌なの。新しい自分を探したり、かつてそこにあったものを取り戻そうとしている」
「Anything For You」
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