この "The Emptiness Machine "は、今週のHot100(9月21日付)で初登場21位を記録し、ニューメタルグループとしては15年ぶりのビルボードHot100最高位となった。彼らのこれまでの最高位は、2009年に9位を記録した『トランスフォーマー/リベンジ・オブ・ザ・フォールン』のサウンドトラック・シングル「ニュー・ディバイド」だった。
イギリス/リーズを拠点に活動するポストパンクバンド、HONESTY(オネスティー)がデビューアルバム『U R HERE』を2025年2月7日にリリースすると発表した。
昨年の『WHERE R U EP』、今年の『BOX mix』に続き、『U R HERE』の最初のテイストは、推進力のあるニュー・シングル/ビデオ「MEASURE ME」。
流動的で爽快なクラブ・ミュージックのコレクションに、深く内省的なひねりを加えた''U R HERE''は、現代の心理的影響を音によりマッピングし、新たな始まりに伴う活力と自由を利用しようという、HONESTYによる斬新なチャレンジでもある。彼らの幅広い実験的な影響力を基に作られたU R HEREは、時に崩壊しそうな世界の中で、新たな創造的表現の感覚を表現している。
デビュー・アルバムについて、HONESTYはこう語っている。「このアルバムは、二次会でAUXケーブルを回すような、有機的な共同作業になった。シューゲイザーからUKベースラインにいたるまで、かなり幅広い音楽にインスパイアされたから、ひとつのジャンルにとらわれないようにしようと決めたんだ。リスナーには、自分たちだけのサウンドスケープの地図を自由に歩き回りながらも、''U R HERE''というピンポイントを明確に示すような感覚を味わってほしかった」
「MEASURE ME」
■2nd Single「Tormenter」
リーズを拠点に活動するグループ、HONESTYは、待望のデビュー・アルバム『U R HERE』からの最新曲、推進力のあるシングル「TORMENTOR」をリリースした。
Allegra Krieger 『Art of the Unseen Infinity Machine』
Label: Duble Double Whammy
Release: 2024年9月13日
Review
Rolling Stone、Pitchforkの両メディアが先週注目していたのが、ニューヨークのシンガーソングライター、アレグラ・クリーガーである。先週のアメリカのインディーロック/フォークの注目作の一。大げさに騒ぐほどのアルバムではないかも知れないが、良質なメロディーや切ない感覚を織り交ぜ、ソングライター/ギタリストは一応のことニューヨークの音楽シーンで存在感を堅持している。 以前のアルバムまでは、分散的な音楽という印象もあり、少し散漫な感じであったが、この最新作『Art of the Unseen Infinity Machine』ではフォーク・ロックやオルタナティヴロックを起点として、秀作を制作している。アルバム全体には、何かしら淡いペーソスのようなものが漂うが、これは制作時、アーティストの住居の一室が燃えたという不幸に見舞われたことのよるものか。そして、ぼんやりとしているが、何かそういった哀感が漂う作品である。
西海岸のカルチャー「フラワー・ムーブメント」とも称されるこれらの現代的な牧歌性は、「Burning Wings」にも見出すことが出来る。例えば、この感覚が太平洋を隔てたリスナーにも共鳴するものがあるとしたら、それは、現代の競争主義、新自由経済社会、後期資本主義社会に疲弊していることを意味している。主流派とは別の指標や価値観がないものか、多くの現代人はそれらの考えをシェルターに見立て、その場所を安息所とする。謂わば、そうではないふりをしていても、日常的な違和感や何らかのボタンの掛け違いのような感覚は日を追うごとに増えている。そういった現代的な感覚ではなく、牧歌的な空気感や平和主義を折衷したフォークソングは、「I'm So Happy I Can't Face Tomorrow」にわかりやすい形で表れ出ているのではないか。Florist、Big Thiefの系譜にある紛うことなくニューヨークのフォークロックソングであるが、やはりこの曲に滲み出ているのは、現代的な人間として生きる「しがらみ」のようなものを抱えながらも、そこから一歩踏み出したいというような思いである。それらの思想はやはりアコースティックギターをベースにした牧歌的で温和なフォーク・ソングという形に乗り移っている
アルバムの中盤の3曲「Over And Over」、「Into Eternity」、「Interude to Eternity」では、華美なサウンドを避け、徹底して70年代のレオナード・コーエンのような古典的なフォーク・ロック主義に沈潜しながら、アルバムの序盤の切ないような感覚を織り交ぜる。これらは表面的な思想に潜っていくというよりも、その音楽的な感覚をより深い場所へと踏み込もうと試みているように感じられる。それはまたフォーク・ロックの音楽性に基底に含まれる瞑想的なイメージを呼び覚ますような感じなのである。これらの感覚的なフォークロックは、現代的なサウンドプロダクションではなく、アナログのレコーディング寄りのミックスやマスターによって、ビンテージな感覚を呼び覚ますことがある。中盤から中盤にかけて、クリーガーはより内面の世界に一歩ずつ降りていくかのように、内省的なフォーク・ロックソングの世界を作り上げている。これらは稀に、エリオット・スミスのようなサッドコア「How Do You Sleep」に近づく。
本作は単なるフォークロックの集積というより、個人的な感覚の流れをエモーショナルなフォークソングで縁取ったかのようである。それは一定して暗鬱な印象が起点となっているが、アルバムの終盤で、アレグラ・クリーガーの曲は少しだけ明るい場所へと抜け出る。謂わば悲しみからの再起や立ち上がる瞬間の過程を縁取るかのように。「Where You Want To Go」では、力強いボーカルと巧みなドラム、ギターに支えられるようにし、はつらつとした瞬間を描き出す。 クローズ「New Mexico」では、古典的なカントリーの文脈に近づく。しかし、やはり、そこには包み込むような温かさと優しさという感覚が内在している。懐古的な音楽というイメージは表向きのもので、むしろ現代的なフォークロックのサウンドといえるのではないか。
ジョッシュ・ティルマンは、ドリュー・エリクソンと共に新作アルバム『Mahashmashana』をプロデュースした。さらにジョナサン・ウィルソンがエグゼクティヴ・プロデュースした。シングル「I Guess Time Just Makes Fools of Us All」は、先月リリースされたベスト盤にも収録されている。最新アルバムは2022年の『Chloë and the Next 20th Century』である。
ジョン・コングルトンのプロデュースによる 『God Gets You Back』は、典型的なモグワイの曲のようにゆっくりとした雰囲気で始まり、豊かなハーモニーとともにドリームポップ/ロックの領域へと突入する。
この曲には意外なコラボレーターもいる。バリー・バーンズはこの曲について、「メロディーかボーカルが必要だと思ったが、歌詞が思いつかなかったので、7歳の娘に歌詞を作ってくれるように頼んだ。「Hand Held Cine Club 」(Justin and James Lockey)によるビデオは以下から。
2022年のKITCHEN. LABELデビュー作『In Science and the Human Heart』に続く本作は、Hiroshi Ebinaの特徴とも言える静謐で浮遊感のあるアナログ・サウンドスケープをより深く掘り下げ、夜の静かな時間のために特別に制作された作品。パートナーの不眠症のために音による癒しを作ろうとしたのがきっかけで、Ebinaはこのプロジェクトに着手したのだが、レコーディングが進むにつれて、夜のミステリアスで神聖な性質を探求する複雑な作品へと変化していった。