ロンドンのシンガーソングライター、Matilda Mann(マチルダ・マン)がデビューアルバム『Roxwell』の詳細を発表した。本作は来年2月28日にリリースされる。


マティルダ・マンは、誰かを追いかけたり、追いかけられたりするタイプであるが、この数年、個人的な恋愛に纏わるいくつかの疑問をソングライティングの中で解き明そうと試みてきた。ニューシングルのテーマも同様である。マティルダ・マンは次のように説明している。「"Say It Back "とは、こんなに誰かを愛しているのに、できるかぎりのことをしているのに、なぜ彼らはまだあなたを愛し返してくれないのだろ」という、もどかしい混乱のことについて」

 

「片思いが一番傷つくのは、"追いかける "という感覚があって、それが決して報われないからなの。あなたは相手のタイプではないのでしょうか? 頭が悪い? クールなだけ? 相手のためならクレイジーなこともしてしまうほど、考えすぎてしまう」


「これは正真正銘のデビュー・アルバム。どの曲も自分の一部のように感じられ、ついに発売されることになり、本当に感動しています。様々なタイプの愛、成長し過去を振り返る経験、誰かに全力を尽くせない葛藤、過去に囚われること、変えられないものを受け入れることを探求しています」

 

ニューシングルはベッドルームポップをベースにした聴きやすいポップソング。 同じような悶々とした思いを抱えるリスナーの琴線に触れるものがあるに違いない。

 


「Say It Back」

 

 

Matilda Mann 『Roxwell』

 

Label:7476

Release: 2025年2月28日

 

*収録曲は未公開

 

 

彼女の日記に鉛筆で書き留められた歌詞から、キッチンのスピーカーでデモを演奏するまで、このアルバムはマチルダ・マンの生き生きとした姿を描いている。ロクスウェルは、長年にわたって彼女を支え続け、大人へのほろ苦い移行の紆余曲折を見てきた。このデビュー・アルバムは、親密な描写であり、無数の愛の形をとらえている。曲目はその主題と同じように様々だが、マチルダ・マンの古典的な歌詞がすべてを結びつけている。



伝説的なスロウコアバンド、LOWのAlan Sparhawk(アラン・スパーホーク)が、ソロデビューアルバム『White Roses, My God』を今週金曜日にSub Popよりリリースする。


今回、彼はアルバムの3枚目のシングル「Heaven」のミュージックビデオを公開した。ビデオの監督はリック・アルヴァーソンが務めた。


スパーホークの妻でありローのバンドメイトであったミミ・パーカーは、卵巣がんを2年間患った後、2022年11月に他界した。それによってローは実質的に終焉を迎えた。White Roses, My God』は、スパーホークの悲嘆のプロセスにインスパイアされている。


スパーホークは、ミネソタ州ダルースの20 Below Studiosでレコーディングし、ナット・ハーヴィーと共同プロデュース、エンジニアを務め、彼はアルバムのミックスも担当した。ヘバ・カドリーがマスタリングを担当した。



「Get Still」




 

©Ashley Armitage

シカゴのロックバンド、Beach Bunny(ビーチ・バニー)がニューシングル「Clueless」をリリースした。この曲には、バーティ・ギルバートが監督したビデオが付いている。以下からチェックしてほしい。


トリフォリオはこのニューシングルについて次のように説明している。「この曲は2月に、過ぎゆく新年を振り返って書いた。悲しくなるような曲ではなく、何かを感じてもらえたらと思う。時間と変化というのは複雑なテーマで、この曲は結論を出そうと思って書いたわけではないの」


今年初め、ビーチ・バニーは「Vertigo」という曲で復帰し、「Beloved」ではハンク・ヘヴンに参加した。最後のアルバムは2022年の『Emotional Creature』である。

 

 「Clueless」


 US Capital(アメリカ合衆国連邦議会議事堂内)の敷地内に、カントリー/フォークの伝説ジョニー・キャッシュのブロンズ像が出現した。昨日、分厚い黒いシートが厳かに取り払われ、その全容が明らかとなった。各州から寄贈された2体の銅像は、各州の歴史上の著名人を称えるために設立された。除幕式は今週火曜に行われた。


「ジョニー・キャッシュは、このような形で称えられるにふさわしい人物です。ジョニー・キャッシュは、このような形で表彰されるにふさわしい人物です。彼は、アメリカン・スピリットを体現した人でした」と、除幕式でマイク・ジョンソン下院議長は語った。


 ジョニー・キャッシュは、大恐慌時代の1932年にアーカンソー州キングスランドで生まれ、カントリー・ミュージックと結びつけられていることが多いが、彼の作品はジャンルを超えている。



 ブロンズ像には、ギターを背負い、聖書を手にしたキャッシュの姿が描かれている。これは彼がキリスト教観念を元に人生を歩み始めたこと、そして晩年に伝道師的な活動を行ったことに因んでいる。実際的にキャッシュは刑務所に収監されている囚人のために演奏することがあった。


「彼は力強いクリスチャンとしての信仰を持ちながら、神秘主義者の心を持ち、神への道や宇宙の神秘を尊重する人でした」と娘のロザンヌ・キャッシュはセレモニーで語った。「彼女はこのイベントに出席した100人のキャッシュ・ファミリーのひとりだった」


「父は素晴らしい矛盾を抱えた人でした。「彼はベトナム戦争に反対し、軍隊のために演奏した。ホワイトハウスでニクソンのために演奏し、大統領からリクエストされた曲のひとつ、生活保護受給者を批判する曲を歌うことを丁重に断りました」


 歌手のジョニー・キャッシュの妹ジョアン・キャッシュは、今週火曜日に連邦議会議事堂で行われた除幕式で、亡き兄の銅像に手を伸ばして触れた。ジョニー・キャッシュの娘であるロザンヌ・キャッシュは、叔母が視力を失っており、銅像に触れる機会を与えて感謝するよう求めたと、イベントの聴衆に語った。



「彼は刑務所で歌った。彼は、この国でネイティブ・アメリカンに行われた不正について歌い、語る初期のパイオニアでした」と、キャッシュと20年来の友人であったスティールパーは語った。


「彼は1969年から1971年にかけて全国ネットのテレビ番組で、この件についてのフル・アルバムを発表した。彼はそこに立ち、貧困にあえぎ、打ちのめされ、絶望的で飢えた街の片隅で生きる人々のことを歌っていた。バラエティー番組というのは本来、ああいった良質なメッセージを面と向かって伝えるために作られたものなんだ。バラエティ番組は、私たちにもっと良い存在になれるのではないかと考えさせるようなものだった。そして、それこそが彼の50年にわたるメッセージだった」


アーカンソー州議会は2019年、当時同州にあったユライア・ローズとジェームズ・クラーク上院議員の2体の銅像を置き換えることを議決した。今回、ついにカントリーの伝説の銅像が観衆の前にお目見えとなった。





◾️ ジョニー・キャッシュとその生涯   カントリーとロックの伝道師としての姿

 

Amyl and The Sniffers(


オーストラリアのAmyl and The Sniffers(アミル・アンド・ザ・スニファーズ)は、10月25日にリリースされる『Cartoon Darkness』の最新シングル、新曲「Big Dreams」のビデオを公開した。


この曲は、ゆったりとした曲調で、心に残るギターのアルペジオとシンガーのエイミー・テイラーの前向きの淡々としたヴォーカルで幕を開ける。バンドは3分間のバラードを徐々に盛り上がるクレッシェンドへと導き、テイラーの歌詞と融合し、勝利のオーラを作り出している。


『「Big Dreams」がリリースされる前にこの曲を書いているんだけど、実はこの曲がシングルになることに少しナーバスになっているんだ。この曲は、私の人生の中で経済的に苦しんでいる人がたくさんいて、毎日を何とかやり過ごそうとしている時に夢を叶えるのは本当に難しいから書いたの。でも、好きなことをしている友人たちのことを考えると、そして彼らがどれだけそれを得意としているかを見ると、彼らが決して退屈していないこと、いつも輝いていること、そしてそれを壊したり、奪ったりするものは何もないことがわかるんだ」



「Big Dreams」

 

Searows
©Marlowe Ostara


ポートランドを拠点に活動するSearows(シーロウズ)は、11月22日にLast Recordings on EarthからリリースされるニューEP『flush』を発表した。昨年の『End of the World EP』に続くこのEPは、プロデューサーにジョナサン・ピアース(The Beths)を迎えて制作された。最近のシングル「martingale」と新曲「toothache」が収録されている。


アレック・ダッカートのソロプロジェクト、シーロウズは声明の中で、「私は人生の多くの間、そうする必要がない状況でも親切にしたり、融通を利かせたりすることに力を入れすぎてきた。「この曲は、自分の尊厳や人間性を犠牲にしてまで、他人を心地よくさせる必要性を手放す方法を学ぶことを歌っていると思う」と述べている。

 

 

Searows 『flush』 EP


Label: Last Recordings on Earth

Release: 2024年11月22日

 

Tracklist:


1. martingale

2. to be seen

3. toothache

4. calico

5. [there is still time]

 


Primal Scream(プライマル・スクリーム)は、12枚目のアルバム『Come Ahead』のリリースを控えている。これまでスコットランドのエレクトロニック・ロックの英雄は、シングル「Love Insurrection」と 「Deep Dark Waters」でこのアルバムをプレビューしてきたが、今日はダンス・レディなアンセム 「Ready To Go Home」と解放感溢れる曲「The Centre Cannot Hold」で戻ってきた。ミュージックビデオが本日公開された。下記よりチェックしてみてください。

 

「”Ready To Go Home"についてボーカリストのボビー・ガレスピーはインスタグラムで次のように説明している。「この曲を書いた後、父が亡くなる前夜に歌ったんだ。病院では僕と父だけだった。彼の体は諦めていた。年をとって疲れて、体が『もう十分だ。時間だ』と。その気持ちを書こうとしたんだけど、なぜだかわからない。自分でも疲れていたのかもしれない。この曲を書いたとき、人生の中で、そろそろ家に帰ろうと思うときがあるはずだと思ったんだ」


Primal Screamのニューアルバム『Come Ahead』はBMGから11月8日に発売される。



「Ready To Go Home」

 

 

 

 




◾️PRIMAL SCREAM ニューアルバム『COME AHEAD』を発表 11月8日にBMGから発売

 Lutalo  『The Academy』

 

Label: Winspear 

Release: 2024年9月20日



Review


意外なことに、『The Academy』は、ルタロのフルレングスのデビュー作となる。バーモントのシンガーソングライターは、2022年から、2作のEP『Once Now, Then Again』、『Again』を発表してきた。最初のEPのリリース後、ガーディアン誌から注目され、続く『Again』ではソングライターとしての地位をしっかりと踏み固めたと言える。ルタロの作曲は非常に幅広い、レーナード・スキナードのサザンロック、ボブ・ディランのようなフォーク・ロック、さらには、ヒップホップの系譜にあるブレイクビーツ、そして何よりレディオヘッドから2010年代にかけてのオルタナティヴ・ロックなど、ジョーンズの音楽からはレコードショップで良盤を探す、フリークとしての姿を見出せる。また、ギターロックとしては、Beach Fossilsの系譜にあるニューヨークのベースメントロックの位置づけにある。もちろん、バーモントというニューヨークの意外な一面を紹介するシンガーソングライターでもある。

 

最近では、ルタロは、マンチェスターでのギグを始めとする英国圏でのライブ、そして、Nilfur Yanyaのツアーサポートを務めていることもあり、イギリスでの知名度をじわじわ上昇させているといえるのではないだろうか。少なくとも、ローファイ以降のヒップホップを吸い込んだロックをベースにし、その上にフォーク・ロック、オルタナティヴロックなどのエッセンスをまぶした曲はかなり聴きやすく、そして時々、前作の収録曲「Strange Folk」のように何かすごみのある雰囲気が漂うこともある。ジョーンズの声はかなり渋めで、低いトーンで歌われるが、むしろそれは、90年代以降のインディーフォークやスロウコアの系譜にあると言えるかもしれない。そしてもちろん、ダウンタウンや地下鉄の空気感を吸収したストリート向けのロックソングは、むしろ、今まで見過ごされてきたオルタナティブロックの可能性を示唆する。

 

これまでアンダーグラウンドなロックやフォークのあらたな可能性を追求してきたルタロは、このデビュー・アルバムにおいて、過去の自分の姿を回想している。 スコット・フィッツジェラルドが卒業したスクールに通っていたジョーンズは、幼い頃にそれほど裕福ではなかったというが、奨学金制度を受けて、セントポール・アカデミーに通っていた。イギリスでいえば、パブリック・スクールのような学校だろうか。若い頃のルタロ・ジョーンズにとって、セントポールに通うことは、ある意味では米国の古典的な貴族社会の一面を垣間見ることが出来、もうひとつの人生の扉を開いたということができよう。実際的にこのアルバムでは、『グレート・ギャツビー』の持つ世界に触れることが出来た自分自身の過去の姿を振り返る。それは現代では、金融社会や資本主義社会の構造の中に絡め取られ、その本義的な意義を失いつつあるエリート社会への原初的な憧れを意味する。しかし、多くの場合は、現代的な人々の場合は、これらのエリート意識は、学校を卒業したのち、全く別のものに成り代わり、虚栄心や特権意識、はたまた社会的な名誉心等といった奇妙な概念に変化してしまうことがあるが、少なくとも、このアルバムでは、そういった考えとは無縁なところにあると思う。ある意味では、ダークなトーンに縁取られながらも、青春の意味合いを持つオルタナティヴ・ロック、あるいはフォーク・ロックを、従来の彼の音楽的な蓄積の上に積み上げたという感じである。これらのロックソングは、耳にすんなり入ってくるにとどまらず、これらのアメリカの旧社会に存在していたイギリス的な気風をブレイクビーツを配したロックソングという形で表現していくのである。

 

このアルバムは、爽やかな雰囲気のあるフォーク・ソング「Summit Hill」で始まる。しかし、それはワールド・ミュージックやマスロックのような構成を用いて、旧来のフォーク・ロックからの脱却を意味する。彼は単にアナクロニズムに陥ることなく、現代的なポピュラー・ソングのメチエを用いて、時にはBon Iverの編集的なサウンドを活用して、モダンなインディーロックソングを書いている。これらのIverの系譜にあるサウンドは二曲目でも続くが、やはり古典的なサザン・ロックやフォークロックに対する敬意を欠かさない。そして、これらは音楽的に言えば、アナログレコードを聞くようなノスタルジア、そして反対に、モダンなデジタルなロックを聞く時のようなモダニズム、これらの合間の新しい音楽の息吹を擁する楽曲なのである。「Ganon」は旧来のリスナーであれば、ボブ・ディランやヤングの楽曲のように聞こえるかもしれないし、もしくは現代的なリスナーであれば、マック・デマルコやHorseyの楽曲のように聞こえるかもしれない。面白いのは、聞き手側の音楽的な嗜好性によって、その音楽の聞こえ方が全然異なってくる。古典的なものを好むリスナーには、間違いなくフォーク・ロックのリバイバルに聞こえ、そして、現代的なものを好むリスナーにはローファイやミッドファイ、それらに纏わるテープミュージックやミックステープ、あるいはNinja Tuneの90年代のサンプリングサウンドに聞こえるかもしれない。多面体としての音楽の要素を持つ音楽なのである。


これらの合間を縫って、ニューヨークのシンセポップの音楽性を吸い込んだ楽曲が続く。Nation Of Language,Porches、それ以前のBlack Marbleの系譜にあるレトロな音質をあえて強調させ、それらを2010年代のニューヨークのベースメントロックで縁取っている。これらは、レトロなシンセポップとシンプルな8ビートのロックソングという2つの要素により、現代的な印象を持つ楽曲へと昇華されている。ダンサンブルな要素はビートの乗りやすさ、そしてオルタナティヴロックの要素は、メロディー的な親しみやすさという利点をもたらす。いわば、リズムに乗れるし、メロディーに聞き惚れる、一挙両得のロックソングなのである。もうひとつルタロの現時点のソングライティングの強みは、フレーズのリフレインを介して、アンセミックな響きをもたらすということである。これらは、ロック的な方向に傾く場合もあれば、フォークの静かな方向に傾倒する場合もある。リフレインの要素は、ルタロの作曲において、最も強いエナジーを持つ瞬間でもあり、欠かせないものである。少なくとも、「Broken Twins」では、背後のリズムとビートに合わせて、コステロやトム・ペティのようなギターロックの系譜を踏襲することで、改めてこのジャンルの魅力に肉薄しようとする。もちろん、リズムの側面は、ブレイクビーツの要素を付与して、この曲に強いグルーブをもたらす。

 

また、Nilfur Yanyaのツアーサポートを務める理由は、続く「Big Brother」のような曲を書けるという点にある。この曲はネオソウルとまではいかないが、R&Bのビートのエッセンスをまぶし、 それらを掴みやすいフォーク・ソングとしてアウトプットしている。やはり、ヤンヤと同じようにルタロの作曲の中心には、アコースティックギターがあると思われるが、ギターのストリークはリズム的な側面を強調し、ジョーンズの温和なボーカルを巧みに引き立てるのだ。はたしてタイトルが、ジョージ・オーウェルにちなむのかは定かではないが、ややウィットに富んだ表現でこれらの生真面目な側面にジョークのようなものを添えようとするのである。「Caster」では、古典的な70年代のフォーク・ミュージックをサンプリング的に処理し、それらにブレイクビーツとネオソウルの要素を付け加えている。女性的な音楽がYanyamの手のうちにあるとすれば、この曲はそれらを男性的な性質を強調させたものなのかもしれない。少なくともビートの制作には刮目すべき瞬間があり、グリッチやドリルの要素を部分的に散りばめている。表向きにはそれほど強調されることはないけれども、ダンスミュージックや近年のNYドリルの要素をフォークやソウルの中に付け加えている。センスの良さを感じさせる。

 

 それがすべてというわけではないが、前の2作のEPではややサウンドそのものがシリアスになりすぎることもあった。それは美点でもあるのだが、このアルバムでは、少し肩の力を抜くかのように開けた感じの曲が収録されている。「3」はルタロ・ジョーンズの人物的にフランクな姿勢がこういったユニークなギターロックソングになった。曲の雰囲気はロンドンのオスカーラングに少し似ていて、せわしなく移調を繰り返しながら、おなじみの少し脱力したようなロックソングを展開させる。しかし、やはりリズム感という側面では傑出していて、それほど背後のビートやリズムは強調されていないにもかかわらず、強いグルーブを感じさせる。これはまたアコースティクギターのみでグルーブを作り出すという演奏者としての個性を印象付ける。

 

また、いつものように、ファズやディストーションを強調させたギターロックソングも収録されている。今回は、Dinasour Jr.やJ Masicisのような極大の音像を持つオルタナティヴロックソングで、これらのグランジ以降の90年代のロックの系譜を踏襲しているようだ。しかし、イミテーションになることはなく、現代のミュージシャンとして何をもたらすのか、という考えが含まれていることに注目しておきたい。「Oh Well」は、新しいアメリカン・ロックのスタイルが登場したと言えるかもしれない。 そしてこれらは、ギターのリバーブやディレイを使用して、抽象的な音像をアンビエントのように敷き詰めて、ドリーム・ポップやシューゲイズ、あるいはそれ以降のダンスミュージックを反映させたポスト世代のシューゲイズへと移行していく。ルタロのオルタナティヴロック好きの姿はこの曲を聞けば瞭然なのではないだろうか。

 

ルタロのボーカルはいつもダークな雰囲気があり、独特な格好良さがある。それは明確には言えないが、バッファローのストリートの空気感が含まれているような印象を受ける。例えば、それは地下鉄の空気感だったり、ダウンタウンの狭い通りだったり、はたまたそれとは対極にある。ストリートからぼんやりと煉瓦壁の摩天楼を見上げる感覚である。ボーカリストとしての最も強い性質が続く「About」に登場する。それは、ラップとも言えず、ソウルのファルセットとも言えず、またオルタナティヴロックのシンガーのようなアーティスティックな側面とも異なり、ニュアンスに近いものである。明確に言えば、旋律性があるのだが、節回しはラップに近いというロンドンのWu-Luに近い歌唱法であるが、これらの曖昧で抽象的なボーカルのニュアンスは、2020年代のロックの一つのスタンダードとなっていきそうな気配である。いわゆる抽象絵画の暈しの技法のような感じで、歌う音程をあえてぼかすというものである。

 

これらのダークな感覚はそれほど深刻になることはなく、その一歩手前のユニークな感覚にとどまっている。また、それはブラックジョークの範疇にあるようで、続く「 Haha Halo」に見出すことが出来る。この曲に満ちる夢想的なダークネスは、ある意味ではゴシック的な文化性を通過した結果とも言える。やはり女性的なドリーム・ポップ音楽ではなく、男性的な性質を持つドリーム・ポップという側面では、もしかすると、The Cureのような音楽性に近いかもしれない。 前の2曲でやや暗鬱な印象を持つロック/ポップソングを挟んだ後、やはりこのアルバムの最大のテーマである、回想的なフォーク・ロックソングでこのアルバムは締めくくられる。

 

「Lightning Strike」は、ルー・リードのソロアルバムの作風を彷彿とさせる。たとえば、「Walk On Wild Side」のような懐かしさが溢れ出す。 これらはアメリカの黄金時代の音楽を思わせるし、重要であるのは、音楽的な表現に温和さと穏やかさが内包されているということだろう。アルバムのクローズ「The Bed」は、果たして寮生活を送っていたセントポール・アカデミーの時代を振り返ったものなのか。かりにそうであるとするなら、それらの追憶は、同じような体験を聞き手がしたか否かを問わず、追体験のような意義をもたらす。誰もが経験したことのある学生時代の思い出、少なくとも、ルタロ・ジョーンズにとっては、フィッツジェラルドのように、文学的な才能や最初の音楽的な経験を深めるきっかけとなったのかもしれない。個人的な体験や追憶、それは意外なことに、時に、一般的な広い意味を持つ場合があるのだ。

 

 

 

82/100

 



「Bed/ Broke Twin」



Lutalo  『The Academy』はWinspearから発売中。ストリーミングはこちら



【先行情報】




【レビュー】


 

©Shervin Lainez

 

先週の9月19日、Sub Popは、ギタリスト兼ヴォーカリストのジェシカ・ドブソンが率いるシアトルを拠点とするロックバンド、Deep Sea Diver(ディープ・シー・ダイバー)との契約を発表した。同レーベルに所属するShannon Layのような良質なメロディー、インディーロック・バンドとしての矜持、そしてシンセポップの華やかさを兼ね備えた注目すべきグループである。

 

2025年初頭にリリース予定のアルバムから新曲「Billboard Heart」のオフィシャル・ビデオを公開した。このビデオは、ドブソン、彼女のディープ・シー・ダイバーのバンドメイトでパートナーのピーター・マンセン、そして撮影監督のタイラー・カルバーグが監督した。
 
 

「Billboard Heart」は、ディープ・シー・ダイバーの世界観への衝撃的な導入である。この曲でドブソンと彼女のバンドは、セント・ヴィンセント、TVオン・ザ・レディオ、フロック・オブ・ダイムスといったバンドと比肩する存在になった。彼らは、インディー・ロックがどう聴こえなければならないか、何を言わなければならないかという概念を捨て、華麗で魅力的な作り方を発見した。ドブソンはこの新曲と近日発売のアルバムで、彼女の過去を打破する。ビルボード・ハート」で彼女が吠えるように、彼女は 「未来を手放すことで未来を迎える 」のだ。


 
ドブソンはこの曲についてこう語っている。「ビルボード・ハートは、奇妙な伝達、新しい感情、そして精神に満ちた夢のように感じた曲。私の好きなトム・ペティの曲のシンプルさと、ヴィム・ヴェンダースの映画『パリ、テキサス』への私の愛を表現している。孤独な砂漠に佇み、自分自身のあらゆる粒子を、たとえ見るのがつらいものであっても受け入れ、この世界をもつれなく進むために自分の精神と戦う感覚。それは、現在に存在し、未来を受け入れながら、この人生で自分が持っていると思ういかなるコントロールも心から手放すことなのだ。ビルボード・ハート」は、存在しないかもしれない何かへの憧れであり、自由になれる場所でもある。


 
「"Billboard Heart "は、2020年にビルボード・チャートにランクインしたアルバム『Impossible Weight』以来となるディープ・シー・ダイバーの新曲である。このアルバムには、シャロン・ヴァン・エッテンとのデュエットによるタイトル曲と、NPR Musicの 「2020年のベストソング100 」にランクインした 「Stop Pretending 」が収録されている。Impossible Weight』はKEXPの 「Top 90.3 Albums of 2020 」でも1位を獲得した。


 
ディープ・シー・ダイバーとしての活動に加え、ドブソンはベックやザ・シンズのツアー・メンバーとして活動し、ヤー・ヤー・ヤーズ、スプーン、ベックナー、ダイナソー・ジュニアなど数多くのミュージシャンと共演してきた。最近では、ディープ・シー・ダイバーは昨年中に2度、パール・ジャムのサポートを務め、キャリア最大の観客を前に演奏した。


 
今月初め、ディープ・シー・ダイバーは、銃の安全のための募金と意識向上を目的としたベネフィット・コンピレーション「Every Possible Way」のために、ヨ・ラ・テンゴの「ストックホルム・シンドローム」をカヴァーした(9月6日付ローリング・ストーンのニュース記事を参照)。

 

「私は、Everytown For Gun Safety Support Fundの活動が大好きで、この素晴らしいカヴァー集に貢献するのは当然のことだった。ヨ・ラ・テンゴの 「ストックホルム・シンドローム 」を選んだのは、彼らのゴージャスなギター・ソロを学ぶのが大好きだし、この曲がそのキャッチーさとシンプルさの中で、どのように忍び寄るかが好きだからだ」


 
ディープ・シー・ダイバーは、シンガーでマルチ・インストゥルメンタリストのジェシカ・ドブソン、ドラマーのピーター・マンセン、キーボーディストのエリオット・ジャクソンの3人組。



「Billboard Heart」

 

©Niamh Barry


ダブリンのSpirnts(スプリンツ)がニューシングル「Feast」を発表した。この曲は、結成メンバーであるコルム・オライリーの円満な脱退後、ザック・スティーヴンソンをギターに迎えた新体制での初リリースとなり、Gilla Band(ギラ・バンド)のダン・フォックスがプロデュース。映像はゴシック調で、同地のPillow QueensのPVのニュアンスに近い。以下のビデオでチェックしてみよう。

 

「Feast」は、基本的にはフックのあるパンキッシュなロックソングだが、映像には中世的な雰囲気が漂う。これがキリスト教社会の旧来の価値観や固定観念に対するウィットの効いた皮肉となっているようだ。ある意味では、それらの原初的なテーゼを打破するためのロックソングだ。


「グランジとゴシックへの愛から引き出された'Feast'は、特にセクシュアリティとロマンスに関して、大食、消費、欲望のアイデアを探求しているため、そのように名付けられた」とバンドは声明で共有した。

 

「アイルランドでは、私たちが最初に意識して体験する物語の多くは”宗教的な概念”である。聖書の物語や善悪、道徳、罪についての寓話は、私たちに押し付けられていた類のもの。このような図像やイメージを、クィアの文脈で再構築して使うのは面白いと思った。『饗宴』は、ダークでゴシックで官能的で、私たちが自分の欲望や欲望を堂々と追求することを促すものです」


SPRINTSのデビュー・アルバム『Letter to Self』は1月にリリースされた。その数ヵ月後、バンドは「Help Me, I'm Spiralling」と「Drones」を発表した。

 

 

「Feast」

 

©Sina Nasseri


今年初め、ニュージャージーのロックバンド、Real Estate(リアル・エステート)はダニエル・タシアンがプロデュースした最新アルバム『Daniel』をリリースした。
 
 
アルバムのリリースを記念するライヴは、名前のバリエーションを持つ人が参加している。ライブは、エルトン・ジョンの1973年のヒット曲「Daniel」のカヴァーで幕を開けた。Real Estateは、このカヴァーのスタジオ・レンディションを配信した。以下よりチェックしてみよう。
 
「ダニエル」 (Daniel) は、イギリス出身のシンガーソングライターであるエルトン・ジョンのヒット曲で、1973年発表のアルバム『Don't Shoot Me I'm Only the Piano Player(邦題: ピアニストを撃つな!)』に収録された。エルトン・ジョンが作曲し、バーニー・トーピンが作詞した。全米シングルチャートで2位を、およびアダルト・コンテンポラリー・チャートでは1973年春に2週間1位を記録した。全英シングルチャートでは4位を記録した。


作詞を手掛けたバーニー・トーピンは、ベトナム戦争にインスパイアされて「ダニエル」を作詞した。
 
 
歌詞(最終版では削られたオリジナルの草稿の詩を含む)は、戦闘の末に盲目となった(「兄さんの眼は死んでしまった。だけど僕よりも良く見えるんだ。("your eyes have died"/"but you see more than I")架空の退役軍人が帰国してからの自分を取り巻く状況(「癒えない傷の痛みをまだ感じるのかい?」("do you still feel the pain"/"of the scars that won't heal?")から逃げ出すためにスペインへ旅立つ様子を弟の目線から見た話として描いている。
 
 
「『ダニエル』は『最も誤解されている歌』」であるとバーニーは『Two Rooms』の中で釈明している。「これはベトナム戦争から帰還して故郷テキサスの小さな町に戻ってきた男の話なんだ。町の人々は『彼が帰って来る』と歓声を上げて迎え、あたかもヒーローの様に扱った。だけど彼はただ単純に家に帰り、元の農場で働きたかっただけで、出征する以前のような生活に戻ろうとしただけ・・・という内容さ。僕は戦争から帰還した人達を思いやる何かを書きたかった」




「Daniel」



©Tamsin Topolski

Laura Marling(ローラ・マーリング)は、次作『Patterns in Repeat』の最新プレビュー曲「Child of Mine」を公開した。この曲は、前作「No One's Gonna Love You Like I Can」と「Patterns」に続くもの。以下よりチェックしてほしい。
 

マーリングは、この新曲を「生後4週間の娘をバウンサーで揺らしながら書いた」とシンガーソングライターは説明している。
 
 
「私は書くために座っていなかった。時間をつぶすためにギターを手にしてからしばらく経っていたから、それがトリックになったのかもしれない。その後すぐに子守唄を書いて、"よし、今年はレコードを作れるかもしれない "と思ったんだ」
 

2020年の『Song for Our Daughter』に続く『Patterns in Repeat』は、クリサリス/パルチザン・レコードから10月25日にリリースされる。
 
 
 
「Child of Mine」
 


 

©Alexa Viscius


MUNAのシンガー、Katie Gavin(ケイティ・ギャヴィン)が、ソロ・デビュー・アルバム『What a Relief』からの新曲「Inconsolable」を発表した。この曲は、これまでのシングル「Aftertaste」と「Casual Drug Use」のフォローアップとなる。フィドルの演奏を生かし、アメリカーナとポップスの融合にシンガーソングライターは取り組んでいる。以下よりチェックしてみよう。


「この曲は2020年の3月に書いたんだ。恋愛をしていると、教わっていない言葉を話そうとしているように感じることがある。私たちは皆、直面することがたくさんあり、全く異なる愛し方を教え込まれたので、心を通わせるのは難しく、私たちが努力し続けることがとても愛おしい」

 

「この曲は何通りかのレコーディング方法を試したが、サラとショーン・ワトキンスを迎えてブルーグラスに戻すことにした。スタジオでの最後の日に10分ほどでレコーディングしたんだけど、それはとても特別な経験だった。ビデオの監督はアマリア・アイアンズで、それを可能にするために私の友人たちが集まってくれた。彼らにはとても感謝している」


『What a Relief』はフィービー・ブリジャースのレーベル、Saddest Factory Recordsから10月25日にリリースされる。



「Inconsolable」



 Joan As Police Woman 『Lemon Limes, and Orchid』



 Label: PIAS

Release: 2024年9月20日

 

 

Review

 

 

ニューヨークのシンガー、ジョアン・アズ・ポリス・ウーマンは、ポピュラー、ソウルをメインテーマに起きつつも、クラシック音楽に通底するミュージシャンである。かつて、十代の頃、ボストン大学公共楽団でヴァイオリンを演奏していた。しかし、古典音楽はすでに気の遠くなるような回数が演奏されており、すでに最高の演奏は時代のどこかで演奏済みで、それ以上の演奏を出来ることは難しい、という考えを基にオリジナルソングの制作を行うようになった。当初はエレクトラでバイオリン奏者として活躍した後、ソロシンガーに転向した。以後は、ソロ・アルバムを多数リリースしてきたが、彼女は同時にコラボレーションを行ってきた。エルトン・ジョン、ルー・リード、スパークルホース、シェリル・クロウ等を上げれば十分だろう。ソウルシンガーでありながら、ロックやインディーズバンドとの交流も欠かさなかった。

 

主要なチャートにランクインすることもあったジョアン・アズ・ポリス・ウーマンはこの最新作で、純粋なポピュラー・ミュージックを制作しようとしている。それはまたジャズやソウルが含まれたポピュラーとも称せる。これまでのソロ作、及び、コラボレーションの経験を総動員したようなアルバムである。少なくとも近年の作品の中では、象徴的なカタログとなるかもしれず、古典的なソウル(ノーザン・ソウル、サザン・ソウル)、ゴスペル、ファンクソウル、そして現代的なポピュラーやロックの文脈を交え、聴き応え十分のアルバムを制作している。ファンク・ソウルのテイストが強く、リズムは70年代のソウルに根ざしている。そこにヒップホップ的なビートを加えて、モダンなソウルのテイストを醸し出すことに成功している。ファンクの性質の強いビートは、主に、プリンスが登場する以前のグループのサウンドを参考にして、グルーヴィーなビートを抽出している。「Long For Ruin」等はその象徴的なトラックで、ハスキーボイスを基に、ファンクのギターやゴスペル風のコーラスを背景としながら、しんみりとした感じとまた雄大さを兼ね備えたブラック・ミュージックの真骨頂を示している。

 

同様に先行シングルとして公開された「Full Time Heist」はサザン・ソウル/ディープ・ソウルのビートを基に、聴きごたえのあるバラードソングを作り上げている。オーティス・レディングのような深みを持つこの曲を取り巻くクインシー・ジョーンズのアーバンコンテンポラリーの要素は、やはりピアノの演奏や渋みのあるゴスペル風の深みのあるコーラスと合わさると、陶酔的な感覚や安らいだ感覚を呼び起こす。特に、細部のトラック制作の作り込みを疎かにしない姿勢、そして、ファルセットからミドルトーンに至るまで、細かなボーカルのニュアンスを軽視せずに、歌を大切に歌い込んでいるため、聴き入らせる何かが存在しているのかもしれない。

 

また、それとはかなり対象的に、「Back Again」では、70,80年代以降のファンクソウルを踏襲し、ディスコビートを反映させ、キャッチーなヴォーカルを披露している。懐古的なナンバーであるが、ポリス・ウーマンは一貫して現代的なポピュラーの要素を付け加えている。また、デスティニーズ・チャイルドのダンス・ナンバーに近い「Remember The Voice」等などを聞くと分かる通り、古典的なソウルだけがポリス・ウーマンのテーマではなく、一大的なブラックミュージックの系譜を改めて確認しなおすような狙いを読み取ることもできる。

 

 こういったポピュラーな良曲が含まれている中で、フルアルバムとして精彩を欠く箇所があることは指摘しておくべきかもしれない。しかし、それはソングライターとしてポピュラー性を意識したことの証であり、音楽的な表現が間延びしたり、選択が広汎になりすぎたせいで、そういった印象を受けるということも考えられる。そんな中で、タイトル曲は、チャカ・カーンが追求した編集的なソウルミュージックの系譜を捉えなおし、その中でニューヨークで盛んなエクスペリメンタルポップという要素を付け加えている。

 

ただ、全体的にはエレクトロニクスを追加し、リズムを複雑化したとしても、全体的なサウンドプロダクションは、古典的なバラードに焦点が絞られているため、やはり上記の主要曲と同じように静かに聞き入らせる何かが存在している。 エレクトリック・ピアノとシンセサイザーの組み合わせの中から、ボーカルの力によって何か霊妙な力を呼び起こすことがある。これまでの音楽的な蓄積を踏まえて、エルトン・ジョンのような親しみやすいバラードを書こうという意識がこういった良曲を生み出す契機となったのかもしれない。それに続く「Tribute to Holding On」は、ソウルミュージックとして秀逸なナンバーである。ポリス・ウーマンはハスキーな声を基に、シンプルなバンド構成を通じて、サザンソウルの醍醐味を探求しようとしている。バックバンドの演奏も巧みで、カスタネット等のパーカッション、ヴォーカルの合間に入るギター等、ポリス・ウーマンのヴォーカルを巧みに演出している。これらのバンドサウンドは少しジャズに近くなることがあり、それらのムードたっぷりな中で、アーバンソウルの系譜にある渋いボーカルを披露している。ニューヨークの夜景を思わせるようなメロウさがある。

 

従来から培ってきたソングライターとしての経験の精華がアルバムのクローズ曲「Help Is On It's way」に顕著に現れている。ジャズピアノをフィーチャーし、良質なポピュラー・ソングとは何かを探求する。この曲はまた現代的なバラードの理想形を示したとも言えるかもしれない。


 


80/100

 

 

Best Track 「Tribune To Holding On」

Divorse

 

ノッティンガムの4人組、Divorce(ディヴォース)が、デビューアルバム『Drive To Golden hammer』とリード・シングル「All My Freaks」を発表した。

 

「ミュージシャンというのは残酷なものだ。ミュージシャンであることの試練や苦難を純粋に歌った曲をアーティストから耳にすることが多くなった。考えてみれば、ちょっとメタな話になってきたよね」とタイガー・コーエン・トウェルは言う。


「この曲は、ユーモラスで悲劇的な風刺画のような新進気鋭アーティストの視点から書かれたもので、私たち自身のエゴを笑いながらも、それが持つ力を認めている。この曲をデビュー・アルバムの最初の作品として発表することは、仮に私たちがジェットスキーにまたがり、妄想の海を渡り、世間から承認される小島に辿り着きたいと願っていて、とてもふさわしいと感じた」


『Drive to Goldenhammer』は、ノース・ヨークシャーの田舎町にあるカーム・ファームに4回滞在してレコーディングし、デモを制作した。セッションは春、夏、秋、冬にまたがり、バンドは昼夜を問わず曲を書き続けた。完成した曲は、リアル・ワールド・スタジオでプロデューサーのキャサリン・マークス(boygenius、Foals、Wolf Alice)と共に命を吹き込まれた。


ドライブ・トゥ・ゴールデン・ハンマー』をとても誇りに思っている。自分たちがやりたいようにアルバムを作ることができたし、奇妙な部分も残せたし、温かみに従ったし、考えすぎなかった。このアルバムは、場所と家を求めることに敬意を表している。人生の多くは、この特別な欲求と相反するように感じられる。そしてゴールデンハマーへ。あなたが走り続ける理由なのだ。

 


Divorceの『Drive to Goldenhammer』は2025年3月7日にGravity / Capitolよりリリースされる。

 

 

「All My Freaks」