New Album Review: Fucked Up 『Someday』 三部作の完結 

 Fucked Up 『Someday』 Label: Fucked Up RecordsRelease: 2024年11月1日 Review カナダ・トロントの伝説的なハードコアバンド、Fucked Upは、一日で録音された『One Day』、今夏に発売された『Another Day』に続いて、『Someday』で三部作を完結する。今作は、エレクトロニックとハードコアを融合させた前二作の音楽性の延長線上に属するが、他方、ハードコアパンクのスタンダードな作風に回帰している。 それと同時に、ボーカルの多彩性に関しても着目しておきたい。例えば、『One[....]

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東京国立博物館・庭園内の四つの茶室でサイレントリスニングが12/7(土)に開催。  aus、Ulla、Hinako Omoriの新作音楽が公開予定

ausのキュレーションのもと、音楽のもう一つの魅力を探求する魅惑的なサウンドイベントが開催される。12/7(土)、東京国立博物館・庭園内の四つの茶室「春草廬・転合庵・六窓庵・九条館」において、サイレント・リスニングが開催される。今月新作「Fluctor」をリリースする日本人エレクトロニカ・アーティストaus、レフトフィールド・アンビエントにおける最重要アーティストUlla、Houndstoothからのリリースなどで知られるロンドンのコンポーザーHinako[....]

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Review: Haley Heyndrickx  『Seed Of a Seed』

Haley Heyndrickx 『Seed Of a Seed』  Label: Mama Bird Recordings Co.Release: 2024年11月1日 Review ポートランドのギタリスト、ソングライター、ヘイリー・ハインデリックスは、三作目のアルバムで自らのフォーク/カントリーの形式を完全に確立している。ヘイリー・へインドリックスにとって音楽制作の動機となるのは、内向きの感覚であり、ナビゲーションであり、みずからの内的な声に静かに耳を傾け、そして純粋な音楽として昇華することにある。ニュース、ソーシャルメディア、または絶え間ない自己疑念など、私達を取り巻く喧騒から身を守るためのシェルターでもある。しかし、それらは決して閉鎖的にならず、開放的な自由さに満ちあふれている。 アルバムは、いくつかのテーマやイメージに縁取られているという。花(ジェミニ)、空想(フォックスグローブ)、森(レッドウッズ)、友人(ジェリーの歌)という地点を行き来するかのように、へインドリックスの歌とアコースティックを中心とするギターは鬱蒼とした森の中に入り、果てしない幻想的な空間へとナビゲートする。その導き役となるのは、妖精ではない。彼女自身の内的な神様であり、それらの高次元の自己がいわば理想とする領域へと誘う。 へインドリックスの音楽はオープニングを飾る「Gemini」から明確である。フィンガーピッキングのなめらかなアコースティックギター、ナイロン弦の柔らかな響き、そして何よりへインドリックスのソフトな歌声が心地良い空気感を生み出す。ツアー生活でもたらされた二重の生活、時間の裂け目から過去のシンガーが現在のシンガーを追いかけようとする。過去の自分との葛藤やズレのような感覚が秀逸なフォーク・ミュージックによって描出される。しかし、御存知の通り、「数年前の誰かは明日の誰かではない」のである。その違いに戸惑いつつ、彼女は自分の過去を突き放そうとする。しかし、その行為はどうやら、歌手にとっては少し恥ずべきことのように感じられるらしい。背後に遠ざかった幻影をどのように見るべきなのだろうか。そういった現在の自己を尊重するためのプロセスやステップが描かれている。秀逸な始まり。 フォーク・ミュージックから始まったアルバムはディラン、ガスリー、キャッシュ以前のハンク・ウィリアムズのような古典的なカントリーへと舵取りを果たす。「Foxglove」はトロットのリズムに軽快なアコースティックギターのフィンガーピッキングを乗せ、軽快な風のような感覚を呼び起こす。カントリーの忠実な形式を踏襲したアルペジオを見事であり、歌手の歌うボーカルの主旋律とのカウンターポイントを形成している。古典的なカントリーソングには、時々、ストリングスのレガートが重なり、ロマンチックな雰囲気を帯びる。鬱蒼とした森の中を駆け抜けるかのようである。曲の最後は、神妙なコーラスが入り、ほど良い雰囲気を生み出す。 その反面、タイトル曲では、アップストロークのアコースティックギターでしんみりとしたフォーク・バラードを提供している。この曲でもナイロン弦が使用されており、裏拍を強調するリズムカルなギター、そして艷やかな倍音がこの曲の全体的なアトモスフィアを醸成している。美しいビブラートを印象付けるへインドリックスのボーカル、そして、こまやかなフィドルの役割をなすバイオリンの音色が、これらのフォークミュージックの音楽性をはっきりと決定付けている。この曲では、フォーク/カントリーに加え、60、70年代のUSポピュラーの音楽的な知識が良質な音楽性の土台を形作っている。例えば、ジョニ・ミッチェルの『Blue』のような。  「Mouth[....]

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ベイルート出身の世界唯一の微分音トランペッター、イブラヒム・マーロフ、今月末、最新アルバムを掲げての来日公演をブルーノート東京で実施!

・河瀨直美監督映画の音楽も担当したベイルート出身の世界唯一の"微分音トランペッター"、イブラヒム・マーロフ、今月末、最新アルバムを提げての来日公演を実施!トランペット奏者の父、ナシム・マーロフが開発した4分音が出せる”微分音トランペット”を操る世界唯一のアーティスト、Ibrahim Maalouf(イブラヒム・マーロフ)。7歳の頃からトランペットでクラシック音楽やアラブ音楽を学んだ彼の音楽は、西洋的なポップ感覚、高度なジャズの即興、そしてアラブ音楽を武器としている。これまで19枚のアルバムを発表し、グラミー賞に2度ノミネート。さらにはフランスのグラミー賞といわれる”ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュージック”で史上初の全編インスト・アルバムでの受賞という快挙を果たしている。スティング、エルヴィス・コステロ、デ・ラ・ソウル、アンジェリーク・キジョーや、シャロン・ストーンといったビッグネームと共演経験のある、まさに世界的スター・プレイヤーである。2017年にはカンヌ国際映画祭「コンペティション部⾨」に選出され、エキュメニカル審査員賞を受賞した、河瀨直美監督がオリジナル脚本で挑んだラブストーリー『光』の映画音楽を担当。河瀨直美監督、主演の永瀬正敏、⽔崎綾⼥、神野三鈴、藤⻯也とともにカンヌのレッドカーペットにも登場した。そんなイブラヒムは今年9月に最新アルバム『ミケランジェロのトランペット』をリリースする。ヒップホップ/エレクトロ/ポップ/ジャズ/ロックを網羅するそのユニークな音楽性が特徴の彼らしく、今作にはニュー・オーリンズのスター、トロンボーン・ショーティにデトロイトのダブルベース奏者エンデア・オーウェンズ、今年7月に逝去した伝説的コラ奏者のトゥマニ・ジャバテ、その息子シディキ・ジャバテなど、多くのゲストが参加。ジャケット写真は1925年の故郷レバノンに実在したファンファーレ・バンドで、その中にはイブラヒム自身の祖父も含まれているのだとか。そしてアルバムのサウンドはまさに「ファンファーレ」という表現がピッタリの、聴けば踊り出さずにはいられない、お祭りや式典で大盛り上がりしそうな楽曲ばかり。 「Love[....]

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Fontaines D.C.  最新アルバムの収録曲「Bug」のMVを公開  アンドレア・アーノルドが監督

アイルランドの英雄、Fontaines D.C.(フォンテインズ・ダブリン・シティ)がニューアルバム『Romance』の収録曲「Bug」のミュージックビデオを公開した。 映像は、イギリス人映画監督アンドレア・アーノルド(『アメリカン・ハニー』、『フィッシュ・タンク』)が監督した。また、彼の新作映画『Bird』は今週金曜日、11月8日に公開される。 この映画の主演はバリー・キョーガンとフォンテーヌD.C.のカルロス・オコンネルで、ミュージック・ビデオはこの映画の「短編再映画化」と銘打たれており、この映画だけの未公開映像が使用されている。以下よりご覧ください。アンドレア・アーノルドは声明で「フォンテーヌを初めて聴いたときから大好きでした。「音楽には、いつも自分のものであるかのように、すでに知っているかのように、自分の一部であるかのように、骨の髄まで染み込むものがある。だからこそ、『Too[....]

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The Weeknd、 ブラジルのポップスター、アニッタと組んだニューシングル「São Paulo」を発表  次回作『Hurry Up Tomorrow』の収録曲

ザ・ウィークエンドがブラジルのポップスター、アニッタと組んで新曲「São Paulo」を発表した。Abel TesfayeとAnittaは、9月にブラジルの都市でこの曲をデビューさせた。アニッタが妊娠し、そのお腹に唇を生やしてウィークエンドの歌詞を歌うという内容だ。以下で視聴・試聴できる。「アニッタは素晴らしい友人だよ。彼女が送ってくれたものがとても素晴らしかったから、この曲を作ったんだ。ステージで演奏するだけでは、あまりにも特別な曲だとわかっていた。私たちはこの曲に大きな可能性を見出し、ショーの核となるビートを見つけたのです」アニッタはこう付け加えている。「冗談のつもりでいくつかの詩を書いたのですが、それがシリアスになるとは想像もしていませんでした。突然、完成した曲が届いた。とても気に入ったわ!とても光栄で、光栄なことだと思いました。私はずっと彼と彼の作品の大ファンでした。こんなことが起こるなんて想像もしていなかったし、今は夢が叶った気分だよ。約束通り、世界中でもう少しブラジリアン・ファンクが楽しめるよ」「São[....]

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Moonchild Sanelly、BBCの番組「Later...With Jools Holland」に出演 最新アルバムの収録曲「Do My Dance」をパフォーマンス

Moonchild Sanelly(ムーンチャイルド・サネリー)は、ビヨンセやティエラ・ワック、ゴリラズ、スティーヴ・アオキなどのアーティストとコラボしてきた南アフリカのゲットー・ファンク・スーパースターだ。アフロ・ファンク、ソウル、レイヴ、ポップスを融合させ、刺激的なダンスビートを提供する。 先月、ムーンチャイルド・サネリーは、2025年1月10日にTransgressive[....]

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米国の伝説的なプロデューサー、クインシー・ジョーンズが91歳で死去 

米国の伝説的なレコード・プロデューサー、作曲家、マルチ・インストゥルメンタリストであり、現代音楽への貢献は70年以上に及び、ジャズ、ポップス、ヒップホップなど様々なジャンルに及んだクインシー・ジョーンズが91歳で亡くなった。1980年代のアーバンコンテンポラリーをリードしただけではなく、ポピュラーミュージックに大きな影響を与えた偉大なミュージシャン。クインシー・ジョーンズの家族は声明の中で次のように訃報を明らかにした。「今夜、私たちの父であり兄であるクインシー・ジョーンズの訃報に接し、胸が張り裂けそうになりました。そして、これは私たち家族にとって信じられないような損失ですが、私たちは彼が生きた偉大な人生を祝福し、彼のような人は二度と現れないことを知っています」ジョーンズは音楽業界で最も称賛されたアイコンの一人であり、3度の年間最優秀プロデューサー賞、2度の年間最優秀アルバム賞と年間最優秀楽曲賞を含む、グラミー賞の最多ノミネート80回、受賞28回を記録した。最近の受賞は2019年で、娘のラシダ・ジョーンズが脚本と共同監督を務めた半自伝的ドキュメンタリー『クインシー』が最優秀音楽映画賞を受賞した。プロデューサー、アレンジャーとして、ジョーンズは20世紀で最も決定的なレコードのいくつかを手がけた。1982年のマイケル・ジャクソンの大ヒット作『Thriller』をプロデュースし、このアルバムは今でも史上最高の売り上げを記録している。ディジー・ガレスピー、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、ルーファス&チャカ・カーン、アル・ジャロウなど、各時代のトップ・タレントとコラボレートし、レスリー・ゴアの[....]

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【Interview】 Passepartout Duo  〜音楽は言語外にあるアイデアの伝達者として存在する〜

Interview- Passepartout Duo   ~  Music exists as a communicator of ideas outside of language~(音楽は言語外にあるアイデアの伝達者として存在する)  - Passepartout Duo(Nicoletta Favari)Passepartout[....]

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The Horrors、ニューシングル「Trial By Free」をリリース  

  The Horrorsはニューアルバム『Nightlife』のセカンドシングル「Trial By Fire」をリリースした。ゴシック、ポストパンク、インダストリアル、ダンスロックが結びついたアンセミックなナンバーだ。バンドはプレスリリースで、このニューシングルについて次のように語っている。「Trial By Fire」は『Night[....]

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Bartees Strange、ニューシングル「Too Much」をリリース  次作『Horror』の2ndシングル

 ©Elizabeth De La Piedra米国のシンガーソングライター、Bartees Strange(バーティーズ・ストレンジ)はハロウィーンに合わせて次作『Horror』からのニューシングルを発表した。ケイト・アーサーが監督したミュージックビデオは、ボルチモアのお化け屋敷で撮影された。「これはアルバムの音のテーゼだ」とストレンジは声明の中で「Too[....]

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Magdalena Bay、「Jimmy Kimmel Live!」に出演  

10月30日、ロサンゼルスのインディーポップシーンのリーダー、Magdalena BayはABCテレビの番組「Jimmy Kimmel Live!」に出演した。マグダレナ・ベイは業界の人間から受けの良いデュオである。  ライブステージにせよ、録音にせよ、独創的でワイアードなキャラクターを演出するのが夫婦のデュオ、マグダレナ・ベイ。ステージでは、オペラ座の怪人のようなマスクを身につけることもある。 今回のテレビ出演では、ワイアードさに拍車がかかっている。スタジオセットの背後には鏡のプロジェクターが設置され、1つ目の妖怪や最新アルバムのイメージである回転するCDディスクが映し出され、床からはスモークが舞い上がり、幻想的な雰囲気を演出。そして、アラビアンナイト風のエキゾチックなドレスに身を包んだマイカ・テネンバウムがディスコ調のインディーポップソングを歌い始めてからしばらくすると、ステージの階段にゴジラのような巨大ヒトデが登場し、踊り始めた。果たして、ここまで手の込んだセットを作る必要があったのか!! 今年に入り、マグダレナ・ベイはニューアルバム『Imaginary[....]

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Ethel Cain(エセル・カイン)、次回作『Perverts』からのリード・シングル「Punish」をリリース

  Ethel Cain(エセル・カイン)が、来年1月8日に発売される次回作『Perverts』のリード・シングル「Punish」をリリースした。バリトン・ギターとラップスティールのヴィヴァ・メリンコリヤをフィーチャーしたこの曲は、カインとシルケン・ワインバーグが監督したミュージック・ビデオと合わせて公開された。「羞恥心はどこまで深く、許されざる行為はどこまで許されるのだろう。自分のせいではないし、どうしようもなかったと自分に言い聞かせるだろうか?それを本当に信じる人がいるだろうか?そうだろうか?」2022年の『Preacher's[....]

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Superchunk & Quivers、ハロウィン・コンピレーションでデッド・ムーン、ヨ・ラ・テンゴをカバー

スーパーチャンクとクイヴァーズは、USツアーを終え、ハロウィンをお祝いするスプリット7インチでタッグを組んだ。ダブルA面のハロウィン・シングルは2曲のカヴァーをフィーチャーしており、スーパーシャンクはデッド・ムーンの「Fire in the Western World」を、そしてクイヴァーズはヨ・ラ・テンゴの「Pass the Hatchet, I Think[....]

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世界中の音楽ファンを魅了する音楽家、青葉市子。2025年新春にデビュー15周年記念公演開催決定!

世界中の音楽ファンを魅了する音楽家、青葉市子。2025年新春にデビュー15周年記念公演開催決定!先週末、総勢10名のバンド編成で来年2月リリース予定の最新作『Luminescent Creatures』を再現した”世界初演”のコンサート<ICHIKO AOBA “Luminescent Creatures” World Premiere>を大盛況のうちに終えた青葉市子。現在は来年2月から予定されているワールド・ツアーに先駆け、約5年ぶりとなる国内ツアー<ICHIKO[....]

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