Bleachers(ブリーチャーズ)は、一足はやくクリスマスのプレゼントをファンに捧げている。ジャック・アントノフのバンドが過去2年間ライブで披露してきたホリデーソング「Merry Christmas, Please Don't Call」をリリースした。爽やかなクリスマスソング。以下よりお聴きください。


ブリーチャーズのセルフタイトルの4枚目のスタジオ・アルバムは、新しいレーベル、ダーティ・ヒットから3月にリリースされた。最近、デビュー・アルバム『A Stranger Desired』の10周年を記念して、そのイマジネーション・ヴァージョンである『A Stranger Desired』を発表している。

 


「Merry Christmas, Please Don't Call」

 


世界中の音楽ファンを魅了してやまない音楽家、青葉市子。最新アルバム『Luminescent Creatures』から先行シングル「Luciférine」をリリース! キャリア最大規模のワールド・ツアーの開催も決定!

 

本日、青葉市子はニューシングル「Luciférine(ルシフェリン)」の配信と同時に、最新アルバム『Luminescent Creatures』のリリースを発表しました。8枚目のオリジナル・アルバムとなる『Luminescent Creatures』は来年2025年2月28日(金)に全世界でリリースが決定。

 

国内外から高評価を得た前作アルバム『アダンの風』(2020年)に引き続き、共同制作者に作曲家・梅林太郎を迎え、レコーディング及びミックスを葛西敏彦、マスタリングをオノセイゲン(Saidera Mastering)、アート・ディレクション及びジャケット写真を小林光大が手がけています。

 

リリース形態はデジタルとフィジカル(CD/Vinyl)の同時リリースとなり、北米はアメリカのアーティスト主導型インディペンデント・レーベル 'Psychic Hotline'、他の地域は自主レーベル 'hermine' から発売となります。


そして、来年2月からアジア、ヨーロッパ、北米にて36公演(本日現在)のキャリア最大規模となるワールド・ツアー <Luminescent Creatures World Tour> の開催も決定!チケットは11/15(金)から一般発売。


また、先日発表されたデビュー15周年記念公演 <ICHIKO AOBA 15th Anniversary Concert>のチケット二次先行受付が明日11/14(木)12:00から開始されます。




■リリース情報
青葉市子 シングル「Luciférine」(ルシフェリン)


 


11/13(水)配信開始
https://ichiko.lnk.to/Luciferine

--わたしたちが生物としてあれるとき、
原風景には、星の広場や、
発光の深海のようなものがある気がしてならないのです。-- 青葉市子

・青葉市子 8thアルバム『Luminescent Creatures』

 



2025/2/28(金) 全世界同時発売(配信/CD/Vinylの3形式で発売予定)

収録曲
01. COLORATURA
02. 24° 03' 27.0" N 123° 47' 07.5" E
03. mazamun
04. tower
05. aurora
06. FLAG
07. Cochlea
08. Luciférine
09. prisomnia
10. SONAR
11. 惑星の泪


■Luminescent Creatures World Tour




Asia:
Mon. Feb. 24 - Hong Kong, CN @ Xi Qu Centre, Grand Theatre [with Musicians from HK Phil]
Wed. Feb. 26 - Seoul, KR @ Sky Arts Hall
Wed. March 6 - Taipei, TW @ Zhongshan Hall

Europe:
Mon. March 10 - Barcelona, ES @ Parallel 62
Tue. March 11 - Valencia, ES @ Teatro Rambleta
Thu. March 13 - Milan, IT @ Auditorium San Fedele
Sat. March 15 - Zurich, CH @ Mascotte
Tue. March 18 - Hamburg, DE @ Laiszhalle
Wed. March 19 - Berlin, DE @ Urania (Humboldtsaal)
Fri. March 21 - Utrecht, NL @ TivoliVredenburg (Grote Zaal)
Sun. March 23 - Groningen, NL @ Oosterpoort
Tue. March 25 - Antwerp, BE @ De Roma
Thu. March 27 - Paris, FR @ La Trianon
Mon. March 31 - London, UK @ Barbican [with 12 Ensemble*]
Wed. April 2 - Manchester, UK @ Albert Hall
Fri. April 4 - Gateshead, UK @ The Glasshouse
Sat. April 5 - Glasgow, UK @ City Halls

North America:
Thu. April 17 - Honolulu, HI @ Hawaii Theatre
Sat. April 19 - Vancouver, BC @ Chan Centre
Sun. April 20 - Portland, OR @ Revolution Hall
Mon. April 21 - Seattle, WA @ The Moore
Wed. April 23 - Oakland, CA @ Fox Oakland
Sat. April 26 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet]
Sun. April 27 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet]
Tue. April 29 - Scottsdale, AZ @ Scottsdale Center
Thu. May 1 - Denver, CO @ Paramount Theatre
Fri. May 2 - St. Paul, MN @ Fitzgerald Theatre
Tue. May 6 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Wed. May 7 - Chicago, IL @ Thalia Hall
Thu. May 8 - Detroit, MI @ Masonic Cathedral Theatre
Sat. May 10 - Cleveland, OH @ Agora Theatre
Mon. May 12 - Boston, MA @ Berklee Performance Center
Wed. May 14 - New York, NY @ Kings Theatre [with Wordless Music Quintet]
Sat. May 17 - Philadelphia, PA @ Miller Theatre
Sun. May 18 - Washington, DC @ Warner Theatre
Thu. May 22 - Mexico City, MX @ Teatro Metropolitan


https://ichikoaoba.com/live-dates/



■ICHIKO AOBA 15th Anniversary Concert

2025年1月13日(月祝)@京都・京都劇場
開場17:00 / 開演18:00

2025年1月20日(月)@東京・東京オペラシティ コンサートホール
開場17:30 / 開演18:30

■チケット(京都公演)
全席指定¥6,800 / 全席指定<学割>¥4,800
※学割:公演当日、入場口におきまして学生証を確認させていただきます (小、中、高校生、大学生、専門学校生 対象)。

■チケット(東京公演)
S席¥6,800 / バルコニーA席¥5,800 / バルコニーB席¥4,800
※バルコニーA席 / バルコニーB席 お席によって一部演出、出演者が見えにくい場合がございます。座席の変更、振替はできませんので予めご了承ください。

※2公演共通 ⼩学⽣以上有料 / 未就学児童⼊場不可

■チケット先行受付
受付期間:11/14(木)12:00〜11/24(日)23::59
受付URL:https://eplus.jp/ichiko-15th/
※抽選受付。
※海外居住者向けチケット先行受付(先着)URL:https://ib.eplus.jp/ichikoaoba_15th

チケット一般発売日:12/1(土)



■お問い合わせ
京都公演:清水音泉 06-6357-3666 / info@shimizuonsen.com http://www.shimizuonsen.com
東京公演:ホットスタッフ・プロモーション 050-5211-6077 http://www.red-hot.ne.jp


ICHIKO AOBA Japan Tour 2024(全公演チケット完売御礼!)

 
2024年10月31日(木)@福岡・福岡市立中央市民センター ※終了
2024年11月2日(土)@広島・広島YMCA国際文化ホール ※終了
2024年11月8日(金)@札幌・ふきのとうホール ※終了
2024年11月15日(金)@金沢・金沢市アートホール
2024年11月22日(金)@高松・サンポートホール高松 第1小ホール
2024年12月1日(日)@名古屋・中電ホール
2024年12月8日(日)@仙台・仙台銀行ホール イズミティ21 小ホール


■青葉市子/ICHIKO AOBA

 
音楽家。自主レーベル "hermine" 代表。2010年デビュー以降、これまでに7枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターと歌を携え、世界中を旅する。"架空の映画のためのサウンドトラック" 『アダンの風』はアメリカ最大の音楽アーカイブ "Rate Your Music" にて2020年の年間アルバム・チャート第1位に選出されるなど、世界中で絶賛される。2021年から本格的に海外公演を行い、これまで、Reeperbahn Festival, Pitchfork Music Festival, Montreal International Jazz Festival 等の海外フェスにも出演する。今年6月にはフランスの音楽家 "Pomme" と2020年にリリースされた「Seabed Eden」のフランス語カヴァーをリリース。FM京都 "FLAG RADIO" で奇数月水曜日のDJを務め、文芸誌「群像」での連載執筆、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンス等、様々な分野で活動する。



Clara Mann(クララ・マン)がデビュー・アルバムを発表した。『Rift』は3月7日にstate51からリリースされる。また、ロンドンを拠点に活動するSSWは、先月の「Stadiums」に続く新曲「Til I Come Around」を公開した。


「Til I Come Around』は、あらゆる意味での親密さについて歌っている。「一度それを知ってしまうと、一度それを経験してしまうと、重苦しさを考えずに美しいものを生きるのは難しい。この作品は、苦みや喪失感、愛や情熱など、あらゆる矛盾を抱えながら生きていこうとするものなんだ」。


『Rift』は、主にロンドンの4ADスタジオでレコーディングされ、プロデュースとミキシングはファビアン・プリン(マーサ・スカイ・マーフィー、Ex:Re、ファビアナ・パラディーノ)が担当した。

 

 「Til I Come Around」



Clara Mann 『Rift』


Label: State 51

Release: 2025年3月7日


Tracklist: 

1. It Only Hurts
2. Til I Come Around
3. Driving Home The Long Way
4. Stadiums
5.Reasons
6.Remember Me (Train Song)
7/Doubled Over
8.Rift
9.Oranges
10.The Dream



 

©Harrison Fishman


Squidは、2月7日にワープ・レコードからリリースされる次作『Cowards』を発表した。2023年の『O Monolith』に続くこのアルバムの発表とともに、リードシングル「Crispy Skin」の伊藤高志監督によるミュージックビデオが同時公開された。以下からチェックしてほしい。


「Crispy Skinは、カニバリズムが社会の規範となり、人間が製造され、スーパーマーケットで売られるという筋書きのディストピア小説「Tender Is The Flesh」を読んで、歌詞のインスピレーションを得たんだ」


「このような本を読むと、たいていの人は自分がこのような物語の中で道徳的に優位に立つような人間だと思い描くと思う。この曲は、このような絶望と恐怖の物語の中で道徳心を持つことがいかに難しいかということについて書かれたんだ」


ジャッジは、「もし私が実際にその世界にいたら、おそらくこの例では臆病者になっていただろう」と付け加えた。


このミュージックビデオは、1995年に受賞した伊藤高志の実験的短編映画『Zone』の映画化である。伊藤は次のように説明している。

 

「顔のない男の映画。手足をロープで縛られ、白い部屋の中で微動だにしない男。荒唐無稽な妄想に包まれたこの男は、私自身の再構築だ。この部屋での一連の異常な光景は、私の内面にあるものを表現している。私は、記憶、悪夢、暴力的なイメージの間につながりを作ろうとした」

 


『Cowards』には、デンマークの実験的なソングライター、クラリッサ・コネリー、作曲家、ピアニストのヴォルフガングが参加している。

 


「Crispy Skin」


Squid 『Cowards』

Label: Warp

Release: 2025年2月7日


Tracklist:


1. Crispy Skin

2. Building 650

3. Blood on the Boulders

4. Fieldworks I

5. Fieldworks II

6. Cro-Magnon Man

7. Cowards

8. Showtime!

9. Well Met (Fingers Through The Fence)

bdrmm
©Stew Baxter

 

ハルを拠点とする4人組、bdrmm(bedroom)は、2月28日にモグワイの主宰するレーベル”Rock Action”からリリースされる3枚目のフルアルバム『Microtonic』を発表しました。bdrmmは、モグワイとのツアー中に彼らから見初められ、レーベルとの契約を結ぶことになった。2ndアルバム『I Don’t Know』では、気鋭のオルトロックバンドとしての存在感を示した。シューゲイズという括りで紹介されることの多い彼らであるが、特にエレクトロニクスとの融合に最大の魅力が宿る。まさしくモグワイの後釜とも言えるような実験的なロックバンドです。

 

2023年の『I Don't Know』に続く本作は、シングル「John on the Ceiling」がリード曲となっている。ダンスミュージックとロックの融合はまた次の段階に差し掛かっていることが分かる。


「ジョン・オン・ザ・シーリングを取り巻くテーマは、混乱と疑念についてなんだ」ヴォーカル兼ギタリストのライアン・スミスは声明で説明しています。「何かが終わり、別のことが始まると、犯した過ちは二度と起こらないという誤った安心感に誘われる。これは、宙ぶらりんの状態で麻痺するまで、何度も何度も繰り返される。人は本当に変わることができるのだろうか?」


バンドの長年のコラボレーターであるアレックス・グリーヴスと共に録音された『マイクロトニック』には、ワーキング・メンズ・クラブのシドニー・ミンスキー・サージェントとナイトバスのオリヴェスクがゲスト参加している。

 

「私たちが得意としていた)ジャンルに合うように、ある種の音楽を書くことにとても制約を感じていたんだけど、何かが解けて、もっと自由に自分の好きなものを作れるようになったんだ」とスミスは付け加えた。

 

「ダンス・ミュージックからアンビエント、より実験的なソースまで、エレクトロニカの様々な範囲から影響を受けている」

 


bdrmm 『Microtonic』

Label: Rock Action

Release: 2025年2月28日


Tracklist: 


1. goit [feat. Sydney Minsky Sargent]

2. John On The Ceiling

3. Infinity Peaking

4. Snares

5. In The Electric Field [feat. Olivesque]

6. Microtonic

7. Clarkycat

8. Sat in the Heat

9. Lake Disappointment

10. The Noose



「John On The Ceiling」

ロンドンを拠点に活動するプロデューサーでシンガー・ソングライターのLiza Lo(リザ・ロー)が5thシングル「Morning Call」を発表した。「A Messenger」、「Confiarme」「What I Used To Do」「Gipsy Hill」に続く作品です。


「Morning Call 」デーモン・アルバーン(Blur)のスタジオ13に4日間滞在し、彼女のバンドとジョン・ケリー(ケイト・ブッシュ/ポール・マッカートニー)と共にレコーディングされた。不気味で親密なギターが組み合わされ、脆弱さと感情の充足感についての感動的な歌を駆り立てている。この曲は、一方通行の関係にあることで避けられない別れ、そして、それに伴う感覚の高まりを反映している。


同楽曲について、リザは次のように語っています。


「『Morning Call』は、愛情への憧れについて書かれたものよ。見知らぬ人が突然私たちの世界の中心となり、そしてまた見知らぬ人に戻ってしまうような、現代の恋愛の旅を紐解いているの。最初のトキメキから別れの最後の瞬間まで、つながりの繊細な軌跡を振り返っているわ。叶わぬ夢と満たされることのない期待の集まりの中で、大切なのはオープンな心を持ち続けることだって歌っているの」


なお、彼女のBandcampおよびライヴ会場限定で購入可能な7インチも発売中となっている。(詳細はこちら)また、2025年にはアルバムのリリースも予定しているとのことなので、まだしばらくリザから目が離せなさそうです。

 


「Morning Call」



Liza Lo 「Morning Call」 New Single

 

楽曲のストリーミング:  https://bfan.link/morning-call

 

 

Liza Lo Biography:

 
スペインとオランダで育ち、現在はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、プロデューサー、ミュージシャン。

 

ドーター、マロ、ビリー・マーテンなどからインスピレーションを受けながら、独自の親密で詩的な音楽世界を創り出している。生のヴォーカルと誠実なソングライティングでリスナーを内省の世界へと誘う。EP『Flourish』はSpotifyの 「New Music Friday UK/NL/BE 」に選出され、「The Most Beautiful Songs in the World 」プレイリストでも紹介された。

 

2024年5月、Gearbox Recordsと契約し、これまでに「A Messenger」「Confiarme」「What I Used To Do」「Gipsy Hill」「Morming Call」の5曲のデジタル・シングルをリリース。現在は、来年発売予定のアルバムの制作をジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とバンドと共に取り組んでいる。



ジェシー・ウェアがイギリス・マンチェスターを拠点とするプロデューサー、サルートと新曲 「Heaven in Your Arms 」でタッグを組んだ。ダンスナンバーはNinja Tuneからリリースされている。(ストリーミングはこちら


今回のコラボレーションについて、ジェシー・ウェアはプレスリリースで次のように語っている。

 

 「以前からサルートのファンで、今年の夏にSonarで彼らのセットを観たんだ。そのときから、彼らと一緒に仕事をしようと決めていた。サルートはたくさんのトラックを送ってくれたが、ビートは際立っていた。楽観的でロマンチックなものを作りたかった。10代の頃によく踊っていたガレージを思い起こさせるけど、もちろんサルートのユニークで未来的なサウンドは真新しく感じる! この曲は大好きで、サルートのアメリカでのライヴでの盛り上がりを見ていると、いつか彼らと一緒に、あるいは2人でこの曲を演奏するのがとても楽しみになってくる」



ノエル・ギャラガーがオアシスの1995年のヒット曲の新バージョンを制作した。「アンビエント・ミックス」されたこの6時間に及ぶ演奏は、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催されるゾーイ・ロウの肖像画展の一環として演奏される予定です。ギャラガーの肖像画も展示されるという。


ノエル・ギャラガーの写真はゾエ・ロウ(Zoe Law)が撮影し、彼女の人生やキャリアに影響を与えた99人のポートレートとともに11月29日から展示されます。また、2025年3月2日の展示終了後は、ギャラリーのパーマネントコレクションの一部となる。ギャラガーが「Champagne Supernova」の作曲に使用した1967年製のエピフォン・ギターを持っているシーンを撮影されたオーランド・ブルーム、キム・キャトラル、シエナ・ミラーなどのポートレートも展示される。


「写真を撮られるのが正直嫌いな不機嫌な男の肖像画が、後世の人々の驚嘆のために永久に展示されるということは、とても特別なことだ。感謝したい」


「伝説的なノエル・ギャラガーを描いた私の肖像画がナショナル・ポートレート・ギャラリーに収蔵されたことは、この上ない名誉であり、すべての肖像写真家やアーティストが夢見る永遠の遺産です」

 


ピッチフォーク・ミュージック・フェスティバルは、およそ20年にわたり世界で最も評価の高い音楽フェスティバルのひとつとして開催され、地元の人々に親しまれてきました。今回、主催者側が2025年度のシカゴでのフラッグシップ・イベント(根幹イベント)の開催を見送ることを発表しました。


「音楽フェスティバルの状況が急速に進化し続ける中、私たちは2025年にシカゴでピッチフォーク・ミュージック・フェスティバルを開催しないという難しい決断を下しました」と主催者は声明に記した上で、こう続けています。


「この決断は決して軽いものではありませんでした。19年間、ピッチフォーク・ミュージック・フェスティバルは、音楽、アート、コミュニティの祭典であり、思い出が作られ、声が増幅され、音楽への愛を共有することで私たち全員がひとつになれる空間でした。このフェスティバルは、Pitchfork編集部のテイストに沿ったものでありながら、常に共同作業であり、シカゴのアートシーンの重要な柱として独自の人生を歩んできました。20年近くにわたりフェスティバルの本拠地となってくれたシカゴ市、忘れられないパフォーマンスでステージを飾ってくれたアーティストたち、そして毎年比類ないエネルギーをもたらしてくれたファンの皆さんに深く感謝しています。アット・プルートをはじめとする、献身的で創造性豊かなフェスティバル・チームの皆さん、そしてフェスティバルを真にユニークな体験にしてくれた、より広範なコミュニティの皆さんのスピリットとサポートに感謝いたします。そして、フェスティバルを創設し、インスピレーションを与えてくれたマイク・リードにも感謝いたします」


「ですが、ピッチフォークは、2025年以降もイベントをプロデュースしていきます。私たちは、音楽、文化、コミュニティが一体となる空間を創造し続けることを楽しみにしています」



 

©Barbora Krizova


ロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Joni(ジョニ)はKeeled Scalesとの契約を発表し、シングル「Avalanches」をリリースした。下記をチェックしてほしい。


ジョニは、プロデューサーのルーク・シタル・シンのロサンゼルスのスタジオで新曲を完成させた。「Avalanches、は愛と失恋の二面性について歌った曲です。そして、もう一方がなければ、一方を手に入れることはできない。そして、すべての痛み、恐怖、爽快感、リスクにもかかわらず、私はもう一度、何度も何度もそれを行うだろう...」と彼女は声明を発表した。

 

ジョニは潜水艦乗りの娘で、幼少期はアメリカ、ヨーロッパ、アジアを転々とした。しかし、特に最近のある年、彼女は著しく孤独だった。同じようなロサンゼルスに幻滅を感じた彼女は、移り変わる季節と新しいインスピレーションを求めてロンドンに移り住んだ。秋には、10年来の恋人であり、バンド仲間であり、最も親しい音楽仲間との関係が破壊的に終わった。その冬、彼女は30歳になった。異国で失恋した彼女の人生は、つながりのない馴染みのないものに感じられた。しかし、何かが彼女にここに留まれと言った。そして春の訪れとともに、悲しみの庭から新しい歌が育ち始めた。


ジョニは、ローラ・ヴィアーズ、アクアラング、ダン・クロール、オールド・シー・ブリゲードといったアーティストとツアーを行ってきた。RIAA認定のプラチナ・レコードを持ち、Netflixの『Never Have I Ever』のような映画やテレビ番組にも出演している。

 

ジョニのソングライティングの中心は、地震による失恋、大きな喪失のトラウマ、そしてその余波から得られる痛烈な教訓である。曲は暗さと明るさの間をたゆたう。スパークルホース、ザ・ストロークス、ジョン・ブリオンといったインディー・ロックからの影響は、彼女の切ないヴォーカルとクライロ、ビーバドビー、フィーストのようなポップ・センスによって、女性的な軽快さを生み出している。


「Avalanches」

 

 ©︎Sonia Abbas


ブライトン在住のスコットランド/タイ人のシンガーソングライター、Helen Ganya(ヘレン・ガニャ)はニューアルバム『Share Your Care』を発表しました。Bella Unionから2月7日に発売される。(プレオーダーはこちら)ヘレンはアルバムの発表と合わせてタイトル曲をリリースした。


ヘレンはこの曲についてこう振り返る。「私は日記帳を手にして、タイで過ごした子供時代の思い出をひとつひとつ書いた。彼女や祖父、叔母やいとこたちと一緒に過ごしたこと、全部。思い出のスナップショットを書き留めたの」


ガニャは以前はDog in the Snowという名義で2015年から音楽をリリースしている。これまで彼女が発表してきたレコードでは、ダークで芸術的なロックやオフキルターなサウンドに傾倒し、サンデー・タイムズ、アンカット、クラッシュ、ラウド・アンド・クワイエットなどから賞賛を得た。しかし、『シェア・ユア・ケア』は、ガニャの過去の音世界をベースに、タイの伝統的な楽器を散りばめ、豪華で光り輝く、サイケ調の情感溢れる作品に仕上げた新時代の作品です。


タイトルトラックは、ガーニャが最初に取り組んだ曲の1つで、彼女自身のスタイルとタイのサウンドを融合させています。


お祝いの歌は、母親、叔母、亡き祖母など、家族の年配の女性を追いかけて祖父の墓を訪れ、供物を持って行った彼女の記憶に基づいている(Am Pichaが監督したビデオは、同様のストーリーラインを備えている)。


「彼らを再び見つけるためにトレイルを下るのは、かなり魔法のような旅のように感じました」と彼女は言います。


「それはあなたの祖先を称え、まだ彼らがそこにいると感じる感覚を得ようとしているだけです。あなたの悲しみを分かち合い、あなたのケアを分かち合い、それらを忘れず、彼らに食べ物と水を持って来る」一般的に、彼女の最後のアルバムのテーマに続いて、それはガーニャの哲学のもう一つのリマインダーとなる。


「現代社会での私たちの生き方は非常に個人主義的であり、非常に孤独であると思います」と彼女は考えます。「私にとって、コミュニティと集団的責任は社会にいるための最良の方法です」


「Share Your Care」

 Andrea Belfi & Jules Reidy 『dessus oben alto up』


Label: Marionette

Release: 2024年11月8日

 

Review

 

Andrea Belfi(アンドレア・ベルフィ)とJules Reidy(ジュール・レイディ)による初のコラボレーション・レコーディング『dessus oben alto up』は実験音楽の一つの未来を提示している。

 

レイディとベルフィは、オーストラリアとイタリアという異なる出身地でありながら、ともに長年ベルリンに住んでいて、そのアプローチには多くの共通点がある。19世紀の機械工場を改装したベルリンの芸術施設「Callie's」のサウンド・スタジオに滞在していた2人(マルコ・アヌッリがデスクを担当した)は、ギターとエレクトロニクスのきらめく靄の中を美しく録音されたベルフィのドラムのパーカッシヴな透明感が通り抜ける、4つの広がりのある作品を完成させた。

 

『dessus oben alto up』は、新しい音楽の息吹を感じさせる作品である。ミニアルバムは実験音楽を中心に展開され、アンドレア・ベルフィのジャズ・ドラム等で頻繁に使用されるブラシ・ドラムとコラボレーターであるジュールズ・レイディの変則的なチューニングを施したギター(12弦ギターが使用されることもあるという)に電子的な音響加工が施されて、異質なサウンドが組み上がる。彼らの音楽は、フロイドの『The Dark Side Of The Moon』、あるいはHolger Czukay(ホルガー・シューカイ)のように神妙でありながら、そしてアヴァンジャズやエスニック、エレクトロニック等を行き来する。全体的な枠組みとしてはジャズドラムを中心とする作品のように聴こえるかもしれないが、エレクトロニックの要素が前衛的な要素をもたらす。


最近の音楽は、ドラムにせよ、ギターにせよ、付属的に導入される弦楽器やエレクトロニクスにせよ、音楽の構造自体が省略化されてしまうことが非常に多い。そのせいで音楽自体に深みがなくなり、深く聴くことを拒絶させるのである。それは例えば、Tiktokなどで音楽を省略的に聴く人々が増加しているから止むを得ないとしても、音楽自体を痩せ細らせる原因ともなりうる。60年代、及び、70年代のミュージシャンは、マスターやミックスで音楽をごまかすことが出来なかったため、音の細部に至るまで入念に配慮していたし、全般的な楽器等の音色や出力には必要以上にこだわっていた。要するに、自分の納得のいかない音は、一切出そうとしなかったのだ。だが、それが結果的に、デジタル・リマスター等の普及によって(技術の向上自体は歓迎すべきことだけれど)自分たちの出す音にかなり無頓着になっていったのである。ミュージシャンの中には、何をやっても一緒ではないか、と思うような方々もいるかもしれない。

 

しかし、トム・ヨークやマルタ・サローニとの共演で知られるアンドレア・ベルフィ、そして弦楽器奏者のジュールズ・レイディのコラボレーションアルバムを聴くと、そういった幻想はすぐさま吹き飛ぶ。『dessus oben alto up』は、デチューニングを施したインドのシタールのようなエキゾチックなギターが、無限に鳴り響き、それらに電子音楽のマニュピレーションが組み合わされ、ジャズドラムが加わると、強固な音楽の構造体が組み上がる。繊細なドラムプレイ、弦楽器のピッキング/タッピング、エレクトロニクスがどのように組み合わされるのかに耳を傾ければ、音楽の持つ深さはもちろん、実験音楽の本質的な魅力に気づくことだろう。そして音楽を一切簡略化することなく、セッションの組み合わせにより、誰も到達しえない境地に到達している。もちろん、音楽というフィールドの奥底にある霊妙な領域へと聞き手を誘うのである。


このミニアルバムは、ある種の変奏曲のように組み上げられ、同じような形式による実験音楽が4曲収録されている。しかし、その音楽的なボリュームの圧倒的な量に驚かされるはずだ。オープナー「dessus」は、連曲のモチーフのような役割を担い、作品全体に影響を及ぼす。しかしながら、同じような手法や作曲の形式が用いられるからと言え、全然飽きが来ないのが不思議である。しかも、歌がないのは欠点にならず、ひたすら心地よいセッションが繰り広げられ、彼らのライブセッションに、ずっと身を委ねていたいという欲求すら覚えることもある。ジャズドラムのブラシとシタールのような弦楽器は、たとえ同じような旋律の曲線を描いたとしても、また、同じようなリズムの構成を経たとしても、聞き手側の聴覚には同じ内容には聞こえない。それは彼らが上辺だけの「曲」を作ろうとせず、音楽の奥深い泉に迫ろうと試みているから。そして曲のセクションの中で、クローズのハイハットの連打やジャズ的な微細なピッキングギターによって、およそ二人だけで作り上げたとは思えない刺激的かつ壮大なライブセッションが繰り広げられる。このことは二曲目「oben」を聴くとよく分かるのではないか。

 

私自身は、これまでアンドレア・ベルフィというドラマーを全然知らなかった。それでも、三曲目「alto」を聴くと、彼が世界屈指の技術を誇る天才的な演奏者であることが分かる。良い打楽器奏者というのは、自らの技術を十分に洗練させた後、曲に対してどのような影響を及ぼすのかを熟知している人々である。それは、ギター、ベースと同様に、曲の細かな抑揚やニュアンスの変化に際して、最適な演奏方法を知っていて、それを忠実に実践できる、ということである。つまり、アンドレア・ベルフィのような卓越した演奏者は、無自覚に音を発生させることはほとんどなく、すべての音の要素が十分に計算されて出力され、まるで頭脳と楽器が一体化しているような印象すら受ける。これは全盛期のヤング兄弟のギターにも言えることだろう。

 

アンドレア・ベルフィの場合は、ハイハットの連打の間に組み込まれるタム/スネアが、ギターの超絶的なビッキングに対して、音階的な影響を及ぼし、タブラのような演奏効果を生み出す。これは、ロックやポップスのドラムだけではなく、民族音楽を熟知しているからなし得る神業の一つ。そして、アンドレア・ベルフィのドラムは、単に技巧的な側面をひけらかすことはなく、曲の構造に対する音響効果やテンションによる音階効果を重視している。さらに、それらの組み合わせに強い影響を及ぼすのが、マニュピレートされた電子音である。これらは、NEU、CAN、ホルガー・シューカイ等が探求していた「実験音楽の結末」とも呼ぶべきであろう。

 

アルバムの終曲「up」だけは実験音楽の枠組みから遠ざかり、民族音楽のイメージが強調される。そして、インドのカシミール地方の民族音楽、ないしはパキスタンのアラブ音楽の雰囲気が強まる。これは民族楽器の専門的な演奏者として知られ、世界各地を放浪しながら、珍しい楽器を探訪する、Stephan Micusというミュージシャン(ドイツのECMの録音でよく知られている)の音楽的なアプローチに準ずるものである。しかし、ジュールズ・レイディの弦楽器の連続性、反復性は「up」に対して瞑想的な要素を及ぼしている。そして、ミニマルミュージックの魅力は、画一的な連続性や反復性にあるわけではなく、変奏や倍音の発生により、原初の反復的な曲の構成からどれだけ遠くに行けるかという、冒険心や遊び心にあることが分かる。最終的には、最初のモチーフからセッションの巧みさによって、全く印象の異なる音楽へと変貌していく。つまり、音楽によって遠い場所に連れて行くような不思議な力を備えているのである。

 

 

 

95/100


 

 



ザ・キュアーの『Songs Of A Lost World』がUKアルバム・チャートで1位を獲得した。バンドにとって16年ぶりのスタジオ・リリースとなる待望の14枚目のアルバムは、50,000枚以上のセールスを記録し、公式チャートで1位を獲得した。批評家から絶賛されたこのアルバムは、バンドがチャートのトップに返り咲いただけでなく、1992年4月の『Wish』を最後に、32年ぶりに全英チャート1位を獲得した。従来通り、チャートの集計を行ったのはオフィシャル・チャート社。


キュアーのフロントマンのロバート・スミスは、このアルバムが圧倒的に好意的に受け止められていることについて、こう語っている。「このアルバムを買ってくれた人、聴いてくれた人、愛してくれた人、長年にわたって僕らを信じてくれた人、みんな、本当にありがとう!」


『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』はUSチャートも席巻している。ビルボードのアルバム・チャート(11月16日付)33年の歴史を持つトップ・アルバム・セールス・チャートで初の1位を獲得し、ビルボード200では1992年以来最高位(4位)を記録した。また、トップ・ロック&オルタナティヴ・アルバム、トップ・ロック・アルバム、トップ・オルタナティヴ・アルバム、レコード・アルバム、インディーズ・ストア・アルバム・セールスでも1位を獲得した。


ニュー・アルバムの初週売上は、5種類のビニール盤(合計2万3,000枚を売り上げ、1991年にルミネイトが売上追跡を開始して以来、ビニール盤ではバンド最高の週となった)、スタンダードCD、CD/ブルーレイ・オーディオ・パッケージ、2種類のカセット、スタンダード・デジタル・ダウンロード、5曲のボーナス・ライヴ・トラックを収録したデラックス・デジタル・ダウンロード(バンドのウェブストア限定)により強化された。

Rafael Anton Irisarri  『FAÇADISMS 』

Label: Black Knoll Editions

Release: 2024年11月8日



Review     創造とは何を意味するのか? 



結局のところ、音楽における創造性の多寡を見極めるのに不可欠な指針となるのは、その創造性の発露となるものが、単なる模倣的な二次表現に留まらず、(制作者の)自己を超越するための重要な機会となっているのか。より端的に言えば、以前の音楽の系譜や作品をしっかり咀嚼した上で、それをオリジナリティの高い作品としているのか、ということに尽きるのではないだろうか。例えば、J.Rimasという専門的な研究家が今年発表した論文「The Concept of Creativity and its Importance For Musical Expression』(2024)において、著者は、リトアニアの作曲家のイグナス・プリエルガウスカス(Ignas Prielgausukas)の言葉を引用し、「古くから決められていることに満足する者たちは、模倣の道を歩み、創造性を放棄している」と指摘している。

 

つまり、模倣や引用に過ぎないものが、生産的な意味を持つことは稀であり、それは大量のコピー製品を製造していることを意味する。また、最低限の創造性を乗り越える上では、原初的な体験や経験等を通して培われた感受性を発露する必要があり、なおかつ、制作者の技術や知識が対象物の本質を知るために駆使されなければならず、さらにいえば、音楽的な表現が単一の自己の世界の反映だけにとどまらず、他者とのコミュニケーション、イメージの共有という意義を持つ必要がある。これらに該当しなければ、「創造未満の何か」と呼ぶよりほかない。こういった音楽とは言いがたい商品が世の中に氾濫する一因としては、音楽の大衆化により、模造品が大量に生産され、常識下に留まることや模倣を良しとする社会的な風潮が一役買っているのである。

 

おそらく、ニューヨークの実験音楽シーンを代表するプロデューサー、ラファエル・イリサリはその限りではない。このアルバムを聞けば瞭然ではないか。表向きのアウトプット方法こそ、エレクトロニックを中心とするアンビエント、要するに抽象音楽なのだが、その始まりは、ヘヴィメタルのような音楽を聴き、それらを幾つかの実験音楽のフィルターに通して、さらに自らのミックス/マスタリングの高い技術を駆使し、独自の音楽表現として昇華するのである。

 

アントン・イリサリの音楽には、ブラック・メタル、ドゥーム・メタルといった、かなりマニアックな音楽の引用を感じることがあるが、たとえギターが使用されることがあっても、独創性の高いスタイルの音楽が組み上がる。そして例えば、プロデューサーの音楽に歌詞がないからと言え、概念や言葉に乏しいというわけでもない。イリサリの音楽には、時々、資本主義に対する風刺的な暗喩や政治的な主張性が、言葉ではなく、音の流れの中に組み込まれている。一見すると、無機質な電子音楽のように感じられるかもしれないが、意外なことに、感覚的なものがしっかり組み込まれ、そして珍しいことに、琴線に触れる瞬間も含まれているのである。

 

制作はニューヨークのプロデューサーがイタリア・ツアーに行った時期に始まったという。ミラノの 「il Mito Americano」(「アメリカン・ドリーム」という意味で、英語に直訳すると「アメリカの神話」)という名の食堂の言語的な不具合(看板?)が、コンセプチュアルかつ音楽的な一連のアイデアに火をつけた。2020年の混沌の中、ブルータリズム建築の荒涼とした世界を探求し、「FAÇADISMS」というヴィジョンが作り上げられた。およそ3年の歳月をかけて作曲されたこの作品は、「煮えたぎるような電気的な落胆に満ちた後期資本主義の嘆き」であるという。そして最近のアルバムのようにディストピア的なイメージを持って始まるが、それと同時に、そのディストピアの向こうに、ぼんやりとユートピアが浮かび上がってくる瞬間がある。

 

アルバムはノイズ/ドローンを中心とする抽象的な楽曲「Broken Intensification」ではじまり、巨大な共同体や構造物が崩壊していく過程がサウンドテクスチャーによって組み上げられる。旧社会の常識や規範であると看過されていた構造全体が少しずつ崩壊していくような瞬間がサウンドスケープによって巧みに表現されている。この曲は、アーティストが2010年代にかけて追求していた、荒野に象徴付けられる旧約聖書の黙字録的な世界観の集大成でもあろう。まるで、それは例えるなら、人類が打ち立てていったバベルの塔の崩落の瞬間が刻印されているとも言える。この端的なトラックに、ジャック・アタリのような資本主義に関する暗喩が含まれていると考えるのは行き過ぎだろうが、幻想的なものと現実的なものがないまぜとなり、およそラファエル・イリサリしか作り得ないであろうフリューゲル的な世界観が打ち立てられている。

 

2010年代にはディストピアを予見させる異質な世界観を鋭いノイズ性と合わせて表現してきたアントン・イリサリであるが、近年、それらの対極に位置する天国的、祝福的な音楽性が顕現するようになった。西洋的な美学としては、「コントラスト」という概念があらゆる美術形態の基礎となったというのは、ボローニャ大学のウンベルト・エーコも指摘していたが、イリサリは、この対比性という要素を上手く活用して、西洋的な観念を作品に取り込もうとしている。また、生楽器を録音し、リサンプリングするという方法は「A Little Grace Is Abundance」に見出すことが出来る。この曲は複数の段階に分割され、前半部では、ドローン/ノイズアンビエント、一方の後半部では、ギターのリサンプリングを用いた音響系の音楽へと変化していく。さらに、ランタイムごとに少しずつ情景的な変化があり、曲の最後では、クワイアのサンプリングによってミュージック・コンクレートの技法が用いられ、祝福的な音楽性が登場する。

 

また、チェロのジュリア・ケント、ヴォーカルのエリザベス・コックスをフィーチャーした「Control Your Soul's Despite For Freedom」では、プロデューサーの重要な音楽性の一つである「混沌ーカオス」という概念が登場する。例えば、経済学者のジャック・アタリは「ノイズ」という概念について、原罪的なものや暴力的なものと定義付け、「それらに調和をもたらすために音楽が発生した」と指摘している。(また、楽譜出版、録音、ライブといった時代ごとの音楽形式の変化とともに、ノイズの概説的な意味もまた徐々に変化していったということも指摘している)


そして、この曲には、ノイズという概念の原初的な意義が表されているような気がする。それは言い表しがたいが、「世の中に混沌をもたらすノイズの現象中にある調和」という非常に難解な概念を読み解けるのだ。これは二元論を超越し、「善と悪」を始めとするキリスト教的な原理主義の観念を乗り越えるための手助けをする。(世の中には対極的な二つの考えのほかに、「中庸」という概念が存在する)そして、結果的に、一般的には醜悪な要素とされているノイズの原初的な意味が転化し、本来は醜いはずのものが美しい印象に縁取られる稀有な瞬間が刻印されている。これはアンビエントが経過的な段階を持たぬという一般的な定説を覆すものである。

 

曲の中においても時間的な経過や音楽の変化といった多彩な段階が示されるが、アルバム全体でも徐々に音楽的な印象が変化し、楽曲とアルバムの相似形を形づくる。ディストピアな印象を持つ序盤とは正反対に、後半の収録曲では、 ユートピア的な印象に縁取られていく。これは言ってみれば、地獄から煉獄、そして天国にかけての旅行のようでもあり、また、それらが概念的な表現を通じて繰り広げられていく。「The Only Thing that Belongs To Us Are Memories」は、エイフェックス・ツイン、ティム・ヘッカーのノイズ/ドローンの系譜に属しているが、一方では、最初に述べたように、ミステリアスな印象を持つアンビエントの音像の向こうから天国的なサウンドスケープが浮かび上がる。この曲では、他曲と同じように、明確な言語は出てこないが、確実に音楽が言語以上のメッセージの役割を果たし、啓示に近づいているのである。そして珍しく、この曲では感情的なシークエンスが最後に登場し、やや泣かせるものがある。

 

しかし、ステレオタイプの音楽にはならず、予想を裏切るようにして曲が続く。例えば「Forever Ago Is Now」では、ポスト・ロックや音響派のアプローチを図り、Explosions In The Skyのような映画的なギターロックのコンポジションを採用している。それらがストリングスのリサンプリング等の手法を用い、ドローン・アンビエントへと昇華されている。そして音楽は、更に抽象的になり、明確な意味を持つことを放棄する。つまり、当初は概念的であったものが、そういった現実的な領域を離れて、混沌とした生命の原初的な領域へと還っていくのである。

 

もちろん、アルバムでは、地上的な概念が暗示されることもあるが、制作の一番の意図は、生命の神秘的な領域、あるいはその一端に触れるということではないだろうか。「Dispersion of Belief」、「Red Moon」ではプロデューサーらしいと言うべきか、ノイズの形式を通して、「カオス」を描出している。それは地上的な何かを表したというよりも、宇宙的なワンネス、もしくは、根源的な生命の神秘へ迫るというような意義が込められている。むしろ本作の音楽は、アンビエントというより、スピリチュアルジャズやフリージャズに近い文脈に属するように思えた。

 

 

86/100

 






2025年度のグラミー賞の部門別のノミネートアーティスト、作品が主催団体のレコーディングアカデミーによってついに明らかになった。


主要なノミネートアーティストはそれほど大きな波乱はなく、予想通りの結果となりました。ビヨンセ、ポスト・マローン、ビリー・エイリッシュ、ケンドリック・ラマー、チャーリーXCX、チャペル・ロアン、テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらがノミネートされています。


ビヨンセは、アルバム・オブ・ザ・イヤーの "Cowboy Carter"、ソング&レコード・オブ・ザ・イヤーの "Texas 'Hold Em "を含む計11部門でノミネートされ、全アーティストをリードしている。さらに、ビヨンセは、CMAから締め出された後、カントリー・ミュージック4部門すべてでノミネートを受けた。2025年グラミー賞での11ノミネートをもって、ビヨンセはキャリア通算99ノミネートとなり、夫のJAY-Zと並ぶグラミー賞史上最多タイ記録を更新した。グラミー賞史上最多の32冠を達成したビヨンセであるが、実はアルバム・オブ・ザ・イヤーはまだ受賞していません。


最新作『Hit Me Hard and Soft』で7部門にノミネートされたエイリッシュは、最初の3作が年間最優秀アルバムにノミネートされた初のアーティストとなった。また、彼女の楽曲「Birds of a Feather」は、2025年の年間最優秀楽曲賞と年間最優秀レコード賞の両方にノミネートされています。


オルタナティヴ・ミュージック、ロック、フォーク部門には、エイドリアン・レンカー、フォンテーヌD.C.、セント・ヴィンセント、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ、ジャック・ホワイト、ブリタニー・ハワード、IDLES、ザ・ビートルズなどが候補に上がっています。ノミネートされた全アーティストをご覧ください。



Record of the Year


The Beatles – Now and Then

Beyoncé – Texas Hold ’Em

Billie Eilish – Birds of a Feather

Chappell Roan – Good Luck, Babe!

Charli XCX – 360

Kendrick Lamar – Not Like Us

Sabrina Carpenter – Espresso

Taylor Swift Featuring Post Malone – Fortnight


Album of the Year


André 3000 – New Blue Sun

Beyoncé – Cowboy Carter

Billie Eilish – Hit Me Hard and Soft

Chappell Roan – The Rise and Fall of a Midwest Princess

Charli XCX – Brat

Jacob Collier – Djesse Vol. 4

Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Taylor Swift – The Tortured Poets Department


Song of the Year


Beyoncé – Texas Hold ’Em

Billie Eilish – Birds of a Feather

Chappell Roan – Good Luck, Babe!

Kendrick Lamar – Not Like Us

Lady Gaga & Bruno Mars – Die With a Smile

Sabrina Carpenter – Please Please Please

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)

Taylor Swift Featuring Post Malone – Fortnight


Best New Artist


Benson Boone

Doechii

Chappell Roan

Khruangbin

Raye

Sabrina Carpenter

Shaboozey

Teddy Swims


Producer of the Year, Non-Classical


Alissia

Daniel Nigro

Dernst “D’Mile” Emile II

Ian Fitchuk

Mustard


Songwriter of the Year, Non-Classical


Amy Allen

Edgar Barrera

Jessi Alexander

Jessie Jo Dillon

Raye


Best Pop Solo Performance


Beyoncé – Bodyguard

Billie Eilish – Birds of a Feather

Chappell Roan – Good Luck, Babe!

Charli XCX – Apple

Sabrina Carpenter – Espresso


Best Pop Duo/Group Performance


Ariana Grande, Brandy & Monica – The Boy Is Mine – Remix

Beyoncé Featuring Post Malone – Levii’s Jeans

Charli XCX & Billie Eilish – Guess Featuring Billie Eilish

Gracie Abrams Featuring Taylor Swift – Us.

Lady Gaga & Bruno Mars – Die With a Smile


Best Pop Vocal Album


Ariana Grande – Eternal Sunshine

Billie Eilish – Hit Me Hard and Soft

Chappell Roan – The Rise and Fall of a Midwest Princess

Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Taylor Swift – The Tortured Poets Department


Best Dance/Electronic Recording


Disclosure – She’s Gone, Dance On

Four Tet – Loved

Fred Again.. & Baby Keem – Leavemealone

Justice & Tame Impala – Neverender

Kaytranada Featuring Childish Gambino – Witchy


Best Dance Pop Recording


Ariana Grande – Yes, And?

Billie Eilish – L’Amour de Ma Vie [Over Now Extended Edit]

Charli XCX – Von Dutch

Madison Beer – Make You Mine

Troye Sivan – Got Me Started


Best Dance/Electronic Music Album


Charli XCX – Brat

Four Tet – Three

Justice – Hyperdrama

Kaytranada – Timeless

Zedd – Telos


Best Remixed Recording


Charli XCX – Von Dutch A. G. Cook Remix Featuring Addison Rae

Doechii & Kaytranada Featuring JT – Alter Ego (Kaytranada Remix)

Julian Marley & Antaeus – Jah Sees Them (Amapiano Remix)

Sabrina Carpenter – Espresso (Mark Ronson x FNZ Working Late Remix)

Shaboozey & David Guetta – A Bar Song (Tipsy) (Remix)


Best Rock Performance


The Beatles – Now and Then

The Black Keys – Beautiful People (Stay High)

Green Day – The American Dream Is Killing Me

Idles – Gift Horse

Pearl Jam – Dark Matter

St. Vincent – Broken Man


Best Metal Performance


Gojira, Marina Viotti & Victor le Masne – Mea Culpa (Ah! Ça ira!)

Judas Priest – Crown of Horns

Knocked Loose Featuring Poppy – Suffocate

Metallica – Screaming Suicide

Spiritbox – Cellar Door


Best Rock Song


The Black Keys – Beautiful People (Stay High)

Green Day – Dilemma

Idles – Gift Horse

Pearl Jam – Dark Matter

St. Vincent – Broken Man


Best Rock Album


The Black Crowes – Happiness Bastards

Fontaines D.C. – Romance

Green Day – Saviors

Idles – Tangk

Jack White – No Name

Pearl Jam – Dark Matter

The Rolling Stones – Hackney Diamonds


Best Alternative Music Performance


Cage the Elephant – Neon Pill

Fontaines D.C. – Starburster

Kim Gordon – Bye Bye

Nick Cave & the Bad Seeds – Song of the Lake

St. Vincent – Flea


Best Alternative Music Album


Brittany Howard – What Now

Clairo – Charm

Kim Gordon – The Collective

Nick Cave & the Bad Seeds – Wild God

St. Vincent – All Born Screaming


Best R&B Performance


Chris Brown – Residuals

Coco Jones – Here We Go (Uh Oh)

Jhené Aiko – Guidance

Muni Long – Made for Me (Live on BET)

SZA – Saturn


Best Traditional R&B Performance


Kenyon Dixon – Can I Have This Groove

Lalah Hathaway Featuring Michael McDonald – No Lie

Lucky Daye – That’s You

Marsha Ambrosius – Wet

Muni Long – Make Me Forget


Best R&B Song


Coco Jones – Here We Go (Uh Oh)

Kehlani – After Hours

Muni Long – Ruined Me

SZA – Saturn

Tems – Burning


Best Progressive R&B Album


Avery*Sunshine – So Glad to Know You

Childish Gambino – Bando Stone and the New World

Durand Bernarr – En Route

Kehlani – Crash

NxWorries – Why Lawd?


Best R&B Album


Chris Brown – 11:11 (Deluxe)

Lalah Hathaway – Vantablack

Lucky Daye – Algorithm

Muni Long – Revenge

Usher – Coming Home


Best Rap Performance


Cardi B – Enough (Miami)

Common & Pete Rock Featuring Posdnuos – When the Sun Shines Again

Doechii – Nissan Altima

Eminem – Houdini

Future, Metro Boomin & Kendrick Lamar – Like That

Glorilla – Yeah Glo!

Kendrick Lamar – Not Like Us


Best Melodic Rap Performance


Beyoncé, Linda Martell & Shaboozey – Spaghettii

Future, Metro Boomin & The Weeknd – We Still Don’t Trust You

Jordan Adetunji Featuring Kehlani – Kehlani (Remix)

Latto – Big Mama

Rapsody Featuring Erykah Badu – 3:AM


Best Rap Song


Future, Metro Boomin & Kendrick Lamar – Like That

Glorilla – Yeah Glo!

Kendrick Lamar – Not Like Us

Rapsody & Hit-Boy – Asteroids

¥$, Kanye West, Ty Dolla $ign & Rich the Kid Featuring Playboi Carti – Carnival


Best Rap Album


Common & Pete Rock – The Auditorium Vol. 1

Doechii – Alligator Bites Never Heal

Eminem – The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)

Future & Metro Boomin – We Don’t Trust You

J. Cole – Might Delete Later


Best Spoken Word Poetry Album


Malik Yusef – Good M.U.S.I.C. Universe Sonic Sinema Episode 1: In the Beginning Was the Word

Omari Hardwick – Concrete & Whiskey Act II Part 1: A Bourbon 30 Series

Queen Sheba – Civil Writes: The South Got Something to Say

Skillz – The Seven Number Ones

Tank and the Bangas – The Heart, the Mind, the Soul


Best Jazz Performance


The Baylor Project – Walk With Me, Lord (Sound | Spirit)

Chick Corea & Béla Fleck – Juno

Dan Pugach & Nicole Zuraitis Featuring Troy Roberts – Little Fears

Lakecia Benjamin Featuring Randy Brecker, Jeff “Tain” Watts & John Scofield – Phoenix Reimagined (Live)

Samara Joy Featuring Sullivan Fortner – Twinkle Twinkle Little Me


Best Jazz Vocal Album


Catherine Russell & Sean Mason – My Ideal

Christie Dashiell – Journey in Black

Kurt Elling & Sullivan Fortner – Wildflowers Vol. 1

Milton Nascimento & Esperanza Spalding – Milton + Esperanza

Samara Joy – A Joyful Holiday


Best Jazz Instrumental Album


Ambrose Akinmusire – Owl Song

Chick Corea & Béla Fleck – Remembrance

Kenny Barron – Beyond This Place

Lakecia Benjamin – Phoenix Reimagined (Live)

Sullivan Fortner – Solo Game


Best Large Jazz Ensemble Album


The Clayton-Hamilton Jazz Orchestra – And So It Goes

Dan Pugach – Bianca Reimagined

John Beasley Featuring Frankfurt Radio Big Band – Returning to Forever

Miguel Zenón – Golden City

Orrin Evans & The Captain Black Big Band – Walk a Mile in My Shoe


Best Latin Jazz Album


Donald Vega Featuring Lewis Nash, John Patitucci & Luisito Quintero- As I Travel

Eliane Elias – Time and Again

Hamilton de Holanda & Gonzalo Rubalcaba – Collab

Horacio ‘El Negro’ Hernandez, John Beasley & Jose Gola – El Trio: Live in Italy

Michel Camilo & Tomatito – Spain Forever Again

Zaccai Curtis – Cubop Lives!


Best Alternative Jazz Album


Arooj Aftab – Night Reign

André 3000 – New Blue Sun

Keyon Harrold – Foreverland

Meshell Ndegeocello – No More Water: The Gospel of James Baldwin

Robert Glasper – Code Derivation


Best Traditional Pop Vocal Album


Aaron Lazar – Impossible Dream

Cyrille Aimée – À Fleur de Peau

Gregory Porter – Christmas Wish

Lake Street Dive – Good Together

Norah Jones – Visions


Best Contemporary Instrumental Album


Béla Fleck – Rhapsody in Blue

Bill Frisell – Orchestras (Live)

Julian Lage – Speak to Me

Mark Guiliana – Mark

Taylor Eigsti – Plot Armor


Best Musical Theater Album


Hell’s Kitchen

Merrily We Roll Along

The Notebook

The Outsiders

Suffs

The Wiz


Best Country Solo Performance


Beyoncé – 16 Carriages

Chris Stapleton – It Takes a Woman

Jelly Roll – I Am Not Okay

Kacey Musgraves – The Architect

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)


Best Country Duo/Group Performance


Beyoncé & Miley Cyrus – II Most Wanted

Brothers Osborne – Break Mine

Dan + Shay – Bigger Houses

Kelsea Ballerini & Noah Kahan – Cowboys Cry Too

Post Malone Featuring Morgan Wallen – I Had Some Help


Best Country Song


Beyoncé – Texas Hold ’Em

Jelly Roll – I Am Not Okay

Kacey Musgraves – The Architect

Post Malone Featuring Morgan Wallen – I Had Some Help

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)


Best Country Album


Beyoncé – Cowboy Carter

Chris Stapleton – Higher

Kacey Musgraves – Deeper Well

Lainey Wilson – Whirlwind

Post Malone – F-1 Trillion


Best American Roots Performance


The Fabulous Thunderbirds Featuring Bonnie Raitt, Keb’ Mo’, Taj Mahal & Mick Fleetwood – Nothing in Rambling

Rhiannon Giddens – The Ballad of Sally Anne

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

Sierra Ferrell – Lighthouse


Best Americana Performance


Beyoncé – Ya Ya

Gillian Welch & David Rawlings – Empty Trainload of Sky

Madi Diaz & Kacey Musgraves – Don’t Do Me Good

Madison Cunningham – Subtitles

Sarah Jarosz – Runaway Train

Sierra Ferrell – American Dreaming


Best American Roots Song


Aoife O’Donovan – All My Friends

Iron & Wine & Fiona Apple – All in Good Time

Mark Knopfler – Ahead of the Game

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

Sierra Ferrell – American Dreaming


Best Americana Album


Charley Crockett – $10 Cowboy

Maggie Rose – No One Gets Out Alive

Sarah Jarosz – Polaroid Lovers

Sierra Ferrell – Trail of Flowers

T Bone Burnett – The Other Side

Waxahatchee – Tigers Blood


Best Bluegrass Album


Billy Strings – Live Vol. 1

Bronwyn Keith-Hynes – I Built a World

Dan Tyminski – Dan Tyminski: Live From the Ryman

The Del McCoury Band – Songs of Love and Life

Sister Sadie – No Fear

Tony Trischka – Earl Jam


Best Traditional Blues Album


Cedric Burnside – Hill Country Love

The Fabulous Thunderbirds – Struck Down

Little Feat – Sam’s Place

Sue Foley – One Guitar Woman

Taj Mahal – Swingin’: Live at the Church in Tulsa


Best Contemporary Blues Album


Antonio Vergara – The Fury

Joe Bonamassa – Blues Deluxe Vol. 2

Ruthie Foster – Mileage

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

Steve Cropper & The Midnight Hour – Friendlytown


Best Folk Album


Adrianne Lenker – Bright Future

American Patchwork Quartet – American Patchwork Quartet

Aoife O’Donovan – All My Friends

Gillian Welch & David Rawlings – Woodland

Madi Diaz – Weird Faith


Best Regional Roots Music Album


Big Chief Monk Featuring J’wan Boudreaux – Live at the 2024 New Orleans Jazz & Heritage Festival

Kalani Pe’a – Kuini

New Breed Brass Band Featuring Trombone Shorty – Live at the 2024 New Orleans Jazz & Heritage Festival

The Rumble – Stories From the Battlefield

Sean Ardoin & Kreole Rock and Soul – 25 Back to My Roots


Best Gospel Performance/Song


Doe – Holy Hands

Melvin Crispell III – Yesterday

Ricky Dillard – Hold On (Live)

Tasha Cobbs Leonard, Erica Campbell & Israel Houghton Featuring Jonathan McReynolds & Jekalyn Carr – One Hallelujah

Yolanda Adams – Church Doors


Best Contemporary Christian Music Performance/Song


Bethel Music, Jenn Johnson Featuring CeCe Winans – Holy Forever (Live)

CeCe Winans – That’s My King

Elevation Worship Featuring Brandon Lake, Chris Brown & Chandler Moore – Praise

Honor & Glory & Disciple – Firm Foundation (He Won’t)

Jwlkrs Worship & Maverick City Music Featuring Chandler Moore – In the Name of Jesus

Maverick City Music, Naomi Raine & Chandler Moore Featuring Tasha Cobbs Leonard – In the Room


Best Gospel Album


CeCe Winans – More Than This

Karen Clark Sheard – Still Karen

Kirk Franklin – Father’s Day

Melvin Crispell III – Covered Vol. 1

Ricky Dillard – Choirmaster II (Live)


Best Contemporary Christian Music Album


Brandon Lake – Coat of Many Colors

Doe – Heart of a Human

Elevation Worship – When Wind Meets Fire

Forrest Frank – Child of God

Maverick City Music, Chandler Moore & Naomi Raine – The Maverick Way Complete


Best Roots Gospel Album


Authentic Unlimited – The Gospel Sessions, Vol. 2

Cory Henry – Church

The Harlem Gospel Travelers – Rhapsody

Mark D. Conklin – The Gospel According to Mark

The Nelons – Loving You


Best Latin Pop Album


Anitta – Funk Generation

Kali Uchis – Orquídeas

Kany García – García

Luis Fonsi – El Viaje

Shakira – Las Mujeres Ya No Lloran


Best Música Urbana Album


Bad Bunny – Nadie Sabe Lo Que Va a Pasar Mañana

Feid – Ferxxocalipsis

J Balvin – Rayo

Residente – Las Letras Ya No Importan

Young Miko – Att.


Best Latin Rock or Alternative Album


Cimafunk – Pa’ Tu Cuerpa

El David Aguilar – Compita del Destino

Mon Laferte – Autopoiética

Nathy Peluso – Grasa

Rawayana – ¿Quién Trae las Cornetas?


Best Música Mexicana Album (Including Tejano)


Carín León – Boca Chueca, Vol. 1

Chiquis – Diamantes

Jessi Uribe – De Lejitos

Peso Pluma – Éxodo


Best Tropical Latin Album


Juan Luis Guerra 4.40 – Radio Güira

Kiki Valera – Vacilón Santiaguero

Marc Anthony – Muevense

Sheila E. – Bailar

Tony Succar & Mimy Succar – Alma, Corazón y Salsa (Live at Gran Teatro Nacional)


Best Global Music Performance


Angélique Kidjo & Soweto Gospel Choir – Sunlight to My Soul

Arooj Aftab – Raat Ki Rani

Jacob Collier Featuring Anoushka Shankar & Varijashree Venugopal – A Rock Somewhere

Masa Takumi Featuring Ron Korb, Noshir Mody & Dale Edward Chung – Kashira

Rocky Dawuni – Rise

Sheila E. Featuring Gloria Estefan & Mimy Succar – Bemba Colorá


Best African Music Performance


Asake & Wizkid – MMS

Burna Boy – Higher

Chris Brown Featuring Davido & Lojay – Sensational

Tems – Love Me JeJe

Yemi Alade – Tomorrow


Best Global Music Album


Antonio Rey – Historias de un Flamenco

Ciro Hurtado – Paisajes

Matt B & Royal Philharmonic Orchestra – Alkebulan II

Rema – Heis

Tems – Born in the Wild


Best Reggae Album


Collie Buddz – Take It Easy

Shenseea – Never Gets Late Here

Various Artists – Bob Marley: One Love – Music Inspired By the Film (Deluxe)

Vybz Kartel – Party With Me

The Wailers – Evolution


Best New Age, Ambient, or Chant Album


Anoushka Shankar – Chapter II: How Dark It Is Before Dawn

Chris Redding – Visions of Sounds De Luxe

Radhika Vekaria – Warriors of Light

Ricky Kej – Break of Dawn

Ryuichi Sakamoto – Opus

Wouter Kellerman, Éru Matsumoto & Chandrika Tandon – Triveni


Best Children’s Music Album


Divinity Roxx & Divi Roxx Kids – World Wide Playdate

John Legend – My Favorite Dream

Lucky Diaz and the Family Jam Band – ¡Brillo, Brillo!

Lucy Kalantari & the Jazz Cats – Creciendo

Rock for Children – Solid Rock Revival


Best Comedy Album


Dave Chappelle – The Dreamer

Jim Gaffigan – The Prisoner

Nikki Glaser – Someday You’ll Die

Ricky Gervais – Armageddon

Trevor Noah – Where Was I


Best Audio Book, Narration, and Storytelling Recording


Barbra Streisand – My Name Is Barbra

Dolly Parton – Behind the Seams: My Life in Rhinestones

George Clinton – …And Your Ass Will Follow

Jimmy Carter – Last Sundays in Plains: A Centennial Celebration

Various Artists – All You Need Is Love: The Beatles in Their Own Words


Best Compilation Soundtrack for Visual Media


London Symphony Orchestra, Yannick Nézet-Séguin & Bradley Cooper – Maestro: Music by Leonard Bernstein

Various Artists – The Color Purple

Various Artists – Deadpool & Wolverine

Various Artists – Saltburn

Various Artists – Twisters: The Album


Best Score Soundtrack for Visual Media (Includes Film and Television)


Kris Bowers – The Color Purple

Hans Zimmer – Dune: Part Two

Laura Karpman – American Fiction

Nick Chuba, Atticus Ross & Leopold Ross – Shōgun

Trent Reznor & Atticus Ross – Challengers


Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media


Bear McCreary – God of War Ragnarök: Valhalla

John Paesano – Marvel’s Spider-Man 2

Pinar Toprak – Avatar: Frontiers of Pandora

Wilbert Roget II – Star Wars Outlaws

Winifred Phillips – Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord


Best Song Written for Visual Media


Barbra Streisand – Love Will Survive (From The Tattooist of Auschwitz)

Jon Batiste – It Never Went Away (From the Netflix Documentary “American Symphony”)

Luke Combs – Ain’t No Love in Oklahoma (From Twisters: The Album)

*NSync & Justin Timberlake – Better Place (From Trolls Band Together)

Olivia Rodrigo – Can’t Catch Me Now (From The Hunger Games: The Ballad of Songbirds & Snakes)


Best Music Video


A$AP Rocky – Tailor Swif

Charli XCX – 360

Eminem – Houdini

Kendrick Lamar – Not Like Us

Taylor Swift Featuring Post Malone – Fortnight


Best Music Film


Jon Batiste – American Symphony

June Carter Cash – June

Run-DMC – Kings From Queens

Steven Van Zandt – Stevie Van Zandt: Disciple

Various Artists – The Greatest Night in Pop


Best Recording Package


The Avett Brothers – The Avett Brothers

Charli XCX – Brat

iWhoiWhoo – Pregnancy, Breakdown, and Disease

Kate Bush – Hounds of Love (Baskerville Edition)

The Muddy Basin Ramblers – Jug Band Millionaire

Post Malone – F-1 Trillion

William Clark Green – Baker Hotel


Best Boxed or Special Limited Edition Package


Alpha Wolf – Half Living Things

John Lennon – Mind Games

Kate Bush – Hounds of Love (The Boxes of Lost at Sea)

Nirvana – In Utero

Unsuk Chin & Berliner Philharmoniker – Unsuk Chin

90 Day Men – We Blame Chicago


Best Album Notes


Alice Coltrane – The Carnegie Hall Concert (Live)

Ford Dabney’s Syncopated Orchestras – After Midnight

John Culshaw – John Culshaw – The Art of the Producer – The Early Years 1948-55

King Oliver’s Creole Jazz Band & Various Artists – Centennial

Various Artists – SONtrack Original de la Película “Al Son de Beno”


Best Historical Album


King Oliver’s Creole Jazz Band & Various Artists – Centennial

Paul Robeson – Paul Robeson – Voice of Freedom: His Complete Columbia, RCA, HMV, and Victor Recordings

Pepe de Lucía & Paco de Lucía – Pepito y Paquito

Prince & the New Power Generation – Diamonds and Pearls (Super Deluxe Edition)

Rodgers & Hammerstein & Julie Andrews – The Sound of Music (Original Soundtrack Recording) (Super Deluxe Edition)


Best Engineered Album, Non-Classical


Charlotte Day Wilson – Cyan Blue

Kacey Musgraves – Deeper Well

Lucky Daye – Algorithm

Peter Gabriel – I/O

Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Willow – Empathogen


Best Engineered Album, Classical


Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina

Los Angeles Philharmonic, John Adams & Los Angeles Master Chorale – John Adams: Girls of the Golden West

Pittsburgh Symphony Orchestra & Manfred Honeck – Bruckner: Symphony No. 7 – Bates: Resurrexit (Live)

Skylark Vocal Ensemble & Matthew Guard – Clear Voices in the Dark

Timo Andres, Andrew Cyr & Metropolis Ensemble – Timo Andres: The Blind Banister


Producer of the Year, Classical


Christoph Franke

Dirk Sobotka

Dmitriy Lipay

Elaine Martone

Erica Brenner

Morten Lindberg


Best Immersive Audio Album


Ensemble 96, Current Saxophone Quartet & Nina T. Karlsen – Pax

Peter Gabriel – I/O (In-Side Mix)

Ray Charles & Various Artists – Genius Loves Company

Roxy Music – Avalon

Trondheim Symphony Orchestra & Nick Davies – Henning Sommerro: Borders


Best Instrumental Composition


Akropolis Reed Quintet, Pascal Le Boeuf & Christian Euman – Strands

André 3000 – I Swear, I Really Wanted to Make a “Rap” Album but This Is Literally the Way the Wind Blew Me This Time

Chick Corea & Béla Fleck – Remembrance

Christopher Zuar Orchestra – Communion

Shelly Berg – At Last


Best Arrangement, Instrumental or A Cappella


Béla Fleck – Rhapsody in Blue(Grass)

Henry Mancini & Snarky Puppy – Baby Elephant Walk (Encore)

Jacob Collier Featuring John Legend & Tori Kelly – Bridge Over Troubled Water

Säje – Silent Night

Scott Hoying Featuring Säje & Tonality – Rose Without the Thorns


Best Arrangement, Instruments and Vocals


Cody Fry Featuring Sleeping at Last – The Sound of Silence

John Legend – Always Come Back

Säje Featuring Regina Carter – Alma

Willow – Big Feelings

The 8-Bit Big Band Featuring Jonah Nilsson & Button Masher – Last Surprise (From “Persona 5”)


Best Orchestral Performance


Buffalo Philharmonic Orchestra & JoAnn Falletta – Kodály: Háry János Suite, Nyári este & Symphony in C Major

Esa-Pekka Salonen & San Francisco Symphony – Stravinsky: The Firebird

Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina

ORF Vienna Radio Symphony Orchestra & Marin Alsop – John Adams: City Noir, Fearful Symmetries & Lola Montez Does the Spider Dance

Susanna Mälkki & Helsinki Philharmonic Orchestra – Sibelius: Karelia Suite, Rakastava & Lemminkäinen


Best Opera Recording


Los Angeles Philharmonic, John Adams & Los Angeles Master Chorale – John Adams: Girls of the Golden West

Lyric Opera of Kansas City & Gerard Schwarz – Moravec: The Shining

The Metropolitan Opera Orchestra & The Metropolitan Opera Chorus – Catán: Florencia en el Amazonas

The Metropolitan Opera Orchestra & The Metropolitan Opera Chorus – Puts: The Hours

San Francisco Symphony Chorus & San Francisco Symphony – Saariaho: Adriana Mater


Best Choral Performance


Apollo’s Fire & Jeannette Sorrell – Handel: Israel in Egypt, HWV 54

The Choir of Trinity Wall Street, Artefact Ensemble & Novus NY – Sheehan: Akathist

The Crossing, Donald Nally & Dan Schwartz – Ochre

Skylark Vocal Ensemble & Matthew Guard – Clear Voices in the Dark

True Concord Voices & Orchestra, Jeffrey Biegel & Eric Holtan – A Dream So Bright: Choral Music of Jake Runestad


Best Chamber Music/Small Ensemble Performance


Caroline Shaw & Sō Percussion – Rectangles and Circumstance

JACK Quartet – John Luther Adams: Waves & Particles

Lorelei Ensemble & Christopher Cerrone – Christopher Cerrone: Beaufort Scales

Miró Quartet – Home

Yo-Yo Ma, Leonidas Kavakos & Emanuel Ax – Beethoven for Three: Symphony No. 4 and Op. 97 “Archduke””


Best Classical Instrumental Solo


Andy Akiho – Akiho: Longing

Curtis J Stewart, James Blachly & Experiential Orchestra – Perry: Concerto for Violin and Orchestra

Mak Grgić & Ensemble Dissonance – Entourer

Seth Parker Woods – Eastman The Holy Presence of Joan d’Arc

Víkingur Ólafsson – J. S. Bach: Goldberg Variations


Best Classical Solo Vocal Album


Fotina Naumenko – Bespoke Songs

Joyce DiDonato, Il Pomo d’Oro & Maxim Emelyanychev – Wagner: Wesendonck Lieder

Karen Slack & Michelle Cann – Beyond the Years

Nicholas Phan, Farayi Malek & Palaver Strings – A Change Is Gonna Come

Will Liverman & Jonathan King – Show Me the Way


Best Classical Compendium


Amy Porter, Nikki Chooi, Buffalo Philharmonic Orchestra & JoAnn Falletta – Lukas Foss: Symphony No. 1 & Renaissance Concerto

Andy Akiho & Imani Winds – BeLonging

Danaë Xanthe Vlasse, Royal Philharmonic Orchestra & Michael Shapiro – Mythologies II

Experiential Orchestra, James Blachly & Curtis J Stewart – American Counterpoints

Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina


Best Contemporary Classical Composition


Andrea Casarrubios – Casarrubios: Seven for Solo Cello

Decoda – Coleman: Revelry

Esa-Pekka Salonen, Fleur Barron, Nicholas Phan, Christopher Purves, Axelle Fanyo & San Francisco Symphony Chorus & Orchestra – Saariaho: Adriana Mater

Eighth Blackbird – Lang: Composition as Explanation

Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & Los Angeles Master Chorale – Ortiz: Revolución Diamantina