南アフリカが生んだニュースター、Moonchild Sanellyムーンチャイルド・サネリーがニューシングル「To Kill a Single Girl (Tequila)」を発表しました。この曲はEDMをモチーフにしたメロディアスなナンバーで、ハイパーポップのエッセンスが追加されている。(試聴はこちらから)

 

「To Kill a Single Girl (Tequila)」は、ムーンチャイルドのニュー・アルバムからの4枚目のシングルで、「アルコールで真実を語ることの危険性を歌った、メロディアスなパワーバラード」[THE TIMES]。「To Kill A Single Girl (Tequila)」はテキーラを使った別れの曲で、サネリーの言葉遊びとリリックの巧みさ、そして最もシリアスなテーマにもユーモアのセンスを発揮している。

 

ムーンチャイルドはこう語っている。「私はいつも正直だけど、自分の真実に関しては不必要なとげがあった」

 

ミュージックビデオの監督を務めたジェシー・ロスは、「このビデオのコンセプトは、ムーンチャイルドのテキーラとの愛憎関係を遊び心で表現したものだ。スノーリカムのチェストカメラを使い、彼女の紛れもない顔と髪に固定することで、酩酊感を映し出す没入的な視点を作り出し、同時にビデオのエネルギーを遊び心とポジティブなものに保つことを目指した」と述べている。


「撮影は、ホテルからタクシーで会場まで移動し、Coloursでのライブ・パフォーマンスで最高潮に達した。ビデオには歌詞を反映した台本的な要素も織り交ぜていますが、率直で予定外の瞬間もたくさんありました」

 

「ムーンチャイルドのファンとのやりとりや、彼女のチームとの楽屋でのやりとりなど、当日の生のエネルギーをリアルに感じることができる。自然発生的な瞬間をとらえるという予測不可能な性質が、エキサイティングで本物のレイヤーを映画に加え、監督として私を満足させてくれる」


Moonchild Sanelly(ムーンチャイルド・サネリー)の新作アルバム『Full Moon』は2025年1月10日にTransgressive Recordsからリリースされる。

 

 

 「To Kill a Single Girl (Tequila)」

Elliot Galvin


先日、ニューシングル「From Beneath」を発表したエリオット・ガルビンが、来年2月にニューアルバム『The Ruin(ザ・ルイン)』をリリースすることがわかった。この発表と合わせて新曲「A House, A City」が配信された。


受賞歴もある作曲家で、シャバカ・ハッチングスのピアニストとしても知られる即興演奏家のエリオット・ガルビンは、英国ジャズ界のスーパーグループ、ダイナソーのメンバーで、マーキュリー賞にもノミネート経験をもつ。


グラミー賞、マーキュリー賞、MOBOにノミネートされたレコーディング&ミキシング・エンジニア、ソニー・ジョンズ(トニー・アレン、アリ・ファルカ・トゥーレ、ローラ・ジャード)との3回のセッションでレコーディングされた今作『ザ・ルイン』は、エリオットの新たな出発点となる作品だ。「このアルバムは、ジャンルや位置づけを気にすることなく、僕に影響を与えたすべての音楽を組み合わせた、これまでで最もパーソナルな作品だ。自分という人間を最もピュアに表現したアルバムだと思う」とエリオットは話している。


アルバムには、著名なベーシスト兼ヴォーカリストのルース・ゴラー、ポーラー・ベアのドラマーでパティ・スミス/デーモン・アルバーンのコラボレーターでもあるセバスチャン・ロックフォード、そして長年のコラボレーターであるリゲティ弦楽四重奏団といったUK音楽シーンの錚々たるミュージシャンたちが参加している。


すでにファースト・シングル「From Beneath」が公開となっているが、本日新たな新曲「A House, A City」が配信された。同楽曲は、エリオットにとっての最初のピアノで弾いた最後の即興演奏をiPhoneで録音したものから始まり、その後、彼の家と成長期の思い出にインスパイアされた個人的で繊細なソロ曲へと発展していく。


そしてこの度、エリオットと映像作家のアレポとジェイムス・ホルコムが古いアップライトピアノに火をつけるというドラマティックなミュージック・ビデオも公開された。ビデオはアナログのボレックスカメラで撮影され、出来上がったフィルムは化学的に劣化させられ、ピアノの火がフィルムそのものを燃やしているように見える。このコンセプトは、アルバム全体に流れる廃墟と記憶の劣化(ruin)というテーマと結びついており、エリオットが新しい何かを求めて、これまでやってきたことをすべて解体するということを表している。


今回のシングル「A Horse, A City」とミュージック・ビデオについて、エリオットは次のように話している。


「子供の頃に使っていたピアノを売る直前に、座って即興演奏を録音したんだ。このピアノは祖父が亡くなった後に彼のお金で買ったもので、すごく特別な意味を持つ。アルバムの核になるとわかっていた即興曲があったんだけど、それを作るまでに5年くらいかかった。レコーディングしていたスタジオにボロボロになった古いピアノがあって、それでこの曲を録音するのが相応しいと感じたんだ。人生を生きてきたピアノには、壊れやすくて美しいものがある。音の不完全さには、この音楽の核心となる人間味がある」

 

 

 「A House, A City」



 

Elliot Galvin 『The Ruin』


【アルバム情報】

アーティスト名:Elliot Galvin(エリオット·ガルビン)

タイトル名:The Ruin(ザ・ルイン)

品番:GB4005CD (CD) / GB4005 (LP)

発売日:2025年2月発売予定

レーベル:Gearbox Records


<トラックリスト>

Side-A


1. A House, A City

2. From Beneath

3. Still Under Storms

4. Gold Bright

5. Stone Houses

Side-B


1. High And Wide

2. In Concentric Circles

3. As If By Weapons

4. Giants Corrupted

5. Fell Broadly

6. These Walls



アルバム『The Ruin』のご予約:  https://bfan.link/the-ruin

Credits:

Elliot Galvin – Piano, Synthesizers and Electronics

All Tracks

 

Ruth Goller – Bass and Voice

Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 10

 

Sebastian Rochford – Drums

Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 8

 

Ligeti Quartet

Freya Goldmark – Violin I

Patrick Dawkins – Violin II

Richard Jones – Viola

Val Welbanks – Cello

Tracks 3, 4, 5, 7, 9

 

Recorded at Giant Wafer Studios, Powys 

Recorded, Mixed and Co-produced by Sonny Johns

Mastered by Caspar Sutton-Jones

Co-produced by Sebastian Rochford

Produced by Elliot Galvin

 

All Music Composed by Elliot Galvin

All Music Published by Gearbox Music Publishing



Elliot Galvin:

 

受賞歴のある作曲家、ピアニスト、即興演奏家。作品は主に、即興演奏の取り入れと、様々な環境と文脈における音の折衷的な並置の使用で知られている。Downbeat誌とJazzwise誌の両方で2018年の年間最優秀アルバムに選ばれ、2014年には栄誉ある"ヨーロピアン・ヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー"を受賞した。

 

これまでシャバカ・ハッチングス、ノーマ・ウィンストン、マリウス・ネセット、マーク・ロックハート、エマ・ジーン・サックレイ、マーキュリー賞ノミネート・バンドのダイナソーなどとのレコーディングや国際的なツアーを数多くこなしてきた。

 

即興演奏家としては、マーク・サンダース、ビンカー・ゴールディングとのアルバムや、パリのルイ・ヴュイトン財団でのコンサートで録音された全曲即興のソロ・ピアノ・アルバムをリリースしており、Guardian誌の"アルバム・オブ・ザ・マンス"やBBCミュージック誌の"アルバム・オブ・ザ・イヤー"に選ばれている。

 

作曲家としては、ロンドン・シンフォニエッタ、リゲティ弦楽四重奏団、アルデバーグ・フェスティバル、ジョンズ・スミス・スクエア、ロンドン・ジャズ・フェスティバルなど、一流のアンサンブルやフェスティバルから委嘱を受けている。また、オーディオ・アーティストとしても活動し、ターナー・コンテンポラリー・ギャラリーや、最近ではオックスフォード・アイデア・フェスティバル等でインスタレーションを展示している。2024年10月、Gearbox Recordsからの初リリースとなるシングル「From Beneath」を発表。2025年2月にはアルバム『ザ・ルイン』が発売決定。

 

Photo: Nelson Espinal


Mdou Moctorがニューシングル「Takoba (Injustice Version) 」を Matadorからリリースしました。オリジナルバージョンでは、同曲はギターソロが連動する壮大なクレッシェンドへと展開していく。アレンジバージョン『Tears Of Justice』では、伝統的なパーカッションとコール・アンド・レスポンスのヴォーカルを前面に出し、親密で催眠的な楽曲に仕上がっている。(ストリーミングはこちら)


来年早々、Mdou Moctarは、アコースティック編成で全米ツアーを行い、秋にキャンセルされたカナダ公演も行う予定。詳しい日程は近日中に発表される。


このアルバムは、国家的大災害にその存在を負っている。2023年7月、ニジェール大統領がクーデターで退陣したとき、ムドゥ・モクターは米国でライブツアー中だった。

 

モクタール、アフムードゥ・マダサネ、スレイマン・イブラヒムの3人は家族のもとに帰ることができなかった。彼らはこの機会を捉え、『正義のための葬送』の続編として、自国の新しく深刻な状況を反映した作品を録音することを決めた。ツアーが終了した2日後、カルテットはエンジニアのセス・マンチェスターとともにブルックリンのバンカー・スタジオで『Tears of Injustice』のレコーディングを開始した。


彼らは『ティアーズ』のレコーディングをひとつの部屋で一緒に行うことにし、セッションはルーズでストリップダウンされ、自然発生的に行われた。1ヵ月後、バンドはニジェールに帰国することができ、その際、ベーシスト兼プロデューサーのマイキー・コルトゥンはマダサネにズーム・レコーダーを渡した。リズム・ギタリストはそれを使って、コール・アンド・レスポンスのヴォーカルをとるトゥアレグ族のグループを録音し、後に最終ミックスに加えた。


『Funeral for Justice』では、ニジェールとトゥアレグ族の窮状に対する怒りが、音楽の音量と速度に端的に表現されている。他方、『Tears Of Justice』では、曲は増幅されることなく、その重みを保っている。貧困、植民地からの搾取、政治的動乱の絶え間ない渦に巻き込まれた国の悲しみを伝える。これはトゥアレグのプロテスト・ミュージックであり、生々しく本質的な形である。

 

前作アルバムではMdou Moctorのハードロックバンドとしての姿、そして編曲バージョンである次回作は西アフリカのニジェールの民族音楽の伝承者としての姿を捉えることが出来る。



「Takoba(Injustice Version」





 

 

長崎出身の日本人シンガー・ソングライター/クリエイターのAi Kakihiraが、今年5月にリリースされた第1弾デジタルEP『IN』に続く第2弾、『MAKUNOUCHI』が全世界配信された。なお、最新EPから新曲「♡」が公開となったので、チェックしよう!


先月には、彼女自身のハイライト曲ともいえる「IBU」のMuchaMuchaMによるリミックスを発表したことが記憶に新しい。Ai Kakihiraのサウンドは、チル・ウェイヴ、ディスコ、ソウル、テクノ、グローバル・ミュージック、ドリーム・ポップなどの要素を巧みに取り入れたユニークなサイケデリック・ブレンド。彼女が生み出す繊細なヴォーカルとメロディは、濃密でありながら複雑でダイナミックなアレンジに満ちている。


「私は音楽制作において、古いものと新しいもの、自然と人為など、異質性が高い要素や対照的なものを混ぜ合わせ、なおかつポップに鳴らすことをとても大事にしています。その過程で感じる魔法のような感覚は、私を常に新たなる音楽の探求へと駆り立て、未来の音楽シーンに向けて前進する原動力となっています。新しい日本の響きを楽しんでいただけたら何よりです」と本人は話す。


さらに今作について彼女は、次のようなコメントを寄せている。「私はあなたになろうとしたり、あなたが私だと思ってしまったのかもしれない。私と世界の話だと思っていたけど、あなたと私だけの話だったのかもしれない」


そんなAi Kakihiraは来年1月に沖縄県にて開催される"Music Lane Festival Okinawa 2025"に出演することが決定している。同イベントは、主にアジア各都市から音楽関係者を招きアーティストとのマッチングを行なう目的で開催されている。沖縄とアジアの音楽ネットワーク構築、沖縄市(コザ)発の新たな音楽産業の創出などを目指す国際ショーケース・フェスティバルとなっている。今後、南日本(九州以南)地域のミュージックシーンを盛り上げる活動にも注目しましょう。


「♡」






◾️「Listen and Believe」  KEFの主催するポッドキャスト収録が11/7に開催



イギリスのオーディオメーカー、KEFの主催するトークイベント「Listen and Believe」が11/7(木)にKEF Music Gallery Tokyo(南青山)にて開催された。この日は15名ほどの観客を前に魅力的なポッドキャスト収録が行われた。(メーカーの特集記事はこちらからお読み下さい)


メインゲストにAi Kakiharaを迎え、メインMCにはイギリス人のニック・ラスコムさん、そしてサブMCには西川顕さんが登場。今回のポッドキャスト収録は、メーカーにとって8回目となり、トークセッションを中心に45分程の公開収録が行われた。Ai Kakihira さんが音楽を始めるきっかけや曲作りで意識していることについてエピソードを語った。さらに、思い入れのある曲を紹介しました。
 
 
 
 
 
現在(12/5)、この公開収録の模様は、MixcloudSpotifyApple Podcastsにて視聴可能です。
 
 
 
 
Ai Kakihara 「MAKUNOUCHI』 - New EP


 
 
 <トラックリスト>
1. INTRO
2.雨上がりのI Miss You Pt.2
3.♡
4.いつかは
5.percusshun

<商品情報>
アーティスト名: Ai Kakihira(カキヒラ・アイ)
タイトル名: MAKUNOUCHI(マクノウチ)
レーベル: Gearbox Records
 
配信リンク: https://bfan.link/makunouchi


本日、米国のシンガーソングライター/作曲家、Peter Broderick(ピーター・ブロデリック)が、新作EP『Mimi』をErased Tapesからリリースしました。ミュージシャンの亡き祖母ミミ・パーカーへのトリビュート「Mimi」、Lowの「Lazer Beam」のカヴァーソングが収録されている。(ストリーミングはこちら

 

この二曲は追悼曲として制作され、ピーター・プロデリックがヴァイオリンを奏でている。先日のアルバムではケルト民謡に根ざしたフォーク音楽をモダンクラシックの観点から追求していた。新作『Mimi』でもこの作風は維持されている。フィドルにも聴こえるヴァイオリン、そしてオルガンの演奏に合わせてコラール風のボーカルが加わっている。一方のカバーソングについては、伝説的なスロウコアバンド”Low”の楽曲をインディーフォークの観点から編曲している。いずれも哀感がありながらも、魂を開放させるような精妙な感覚に充ちた素晴らしい楽曲です。


「祖母ミミの追悼式で”ヴァイオリンを弾いてほしい"と家族に頼まれた。この曲は、私たち家族の最愛の家長のために書いた。驚くべきことに、従兄弟のジョン・ドーランが追悼式でこの曲を聴いて、オルガンの伴奏を書く気になった。一方、同じ頃、もう一人の偉大なミミが亡くなった。Lowのエンジェル・ボイス、ミミ・パーカー。私は彼らの曲「Laser Beam」を学び、妹のヘザー・ウッズ・ブロデリックが親切にもハーモニーを歌ってくれた。この2曲で、私はこの世で失われた偉大なミミに敬意を表したいと思う"- Peter Broderick(ピーター・ブロデリック)


ピーター・ブロデリックは、モダンクラシカルからフォーク・ミュージックまで幅広い作風で知られている。最近はジャズ・シーンで活躍するベーシスト、Yosef Gutmanと共同制作を行い、ピアノ、バイオリン、コントラバスを融合させた『River Of Eden』をSoul Song Recordsからリリースした。このアルバムも素晴らしいので、ぜひチェックしてみていただきたい。

 


「Mimi」

Brueder Selke & Midori Hirano

ポツダムを拠点に活動する兄弟デュオ、Brueder Selke(ブリューダー・ゼルケ)、ドイツ/ベルリンを拠点に活動する作曲家、Midori Hirano(ヒラノ・ミドリ)がコラボ・アルバム『Split Scale』のリリースを発表した。Thrill Jockeyから2025年1月24日に発売される。最初の先行シングル「Scale F」が10月末に公開されているが、本日、続いて「Scale A」が配信された。


ブリューダー・ゼルケ&平野翠のデビューアルバムは、比類なき技巧と深い表現力を共有する2人のアーティストを結びつけた。ベルリンのミュージックコミュニティの柱で、世界的に賞賛される作曲家である彼らは、それぞれクラシックの伝統を背景に持ち、現代音楽の最先端で活動している。


セバスチャン、ダニエル・ゼルケ兄弟は、オープンマインドで、批評家からも高く評価されている器楽奏者で作曲家である。国際的なプロダクションのカタログを所有している。ブルーザー・セルケ、通称”CEEYS”として知られるポリインストゥルメンタル・デュオは、ジャンルを超えた音楽への情熱を、ローラ・カネル、マベ・フラッティ、レシーナ、ジュール・レイディ、グランド・リバー、ヤイル・エラザール・グロットマン、そして今回の制作のコラボレーター、平野みどりといったアーティストと”Q3Ambientfest”のステージを共にしたこともあるという。


平野みどりは、卓越したサウンド・スカルプティングにより、映画やテレビの作曲家として著名なミュージシャンで、最近では『All or Nothing』、『Tokito』、プレミア・リーグのドキュメンタリーのサウンドトラックを手がけたほか、アンチ・ポップ・コンソーシアムのHprizm、パンソニックのIlpo Väisänenといったアーティストとコラボレーションも行っている。

 

平野は自身の作曲に加え、Robot KochやRival Consolesなどのリミックスも手がけている。グループ初のアルバム『Split Scale』は、一連のライブ・コラボレーションに続くものだ。アーティストたちは、西洋の音階を最初から最後までたどるというシンプルなコンセプトを選び、そこから崇高で共感覚的なサウンドスケープとシネマティックな動きの組曲を作り上げた。音と色彩の鮮やかなタペストリーは、光り輝き、感情を揺さぶる。


本作は、多くの西洋音楽家が音に関する基礎とした経験、とくに平均律音階をテーマにしている。ゼルク兄弟は制作に関して次のように回想している。

 

「私たちの音色の選択は比較的シンプルで、直感的で、ほとんど子供の遊びのようでした。私たちは、みどりとのこのまたとない機会に、ゼロからスタートし、一緒にやってみたかったのです」

 

『スプリット・スケール』は、楽器演奏とアレンジの経験と熟練が結集して生まれたアルバムであり、まるで初めて楽器を演奏し、本当に耳を傾けているかのような、まばゆいばかりの不思議な感覚を伝えることに成功している。アルバムの収録曲は、西洋音階のAからGまでのスケールが厳密に割り当てられているが、最後の曲だけは特殊なAAというスケールが銘打たれている。

 

 


Brueder Selke・Midori Hirano 『Split Scale』



Label: Thrill Jockey

Release: 2025年1月24日


Tracklist:

 

1.Scale A

2.Scale B

3.Scale C

4.Scale D

5.Scale E

6.Scale F

7.Scale G

8.Scale AA


Scale A


Sharon Van Etten& The Attachment Theory
 

Sharon Van Etten& The Attachment Theory(シャロン・ヴァン・エッテンと彼女のバンド、アタッチメント・セオリー)が、セルフタイトルアルバムからセカンドシングルを発表しました。「Southern Life (What It Must Be Like)」はリード・シングル「Afterlife」に続く作品です。イーサン・ドーズ監督が手掛けたミュージックビデオは以下よりご覧ください。


ヴァン・エッテン曰く、「サザン・ライフ」は「全く異なる視点や背景を持つ人々を理解しようとする一方で、過去、現在、未来の自分自身に対して思いやりを持とうとすること」をテーマにしているという。

 

「アルバムに収録されている曲のリハーサルを何日も続け、ライヴでどう演奏するかを考えた結果、自分の声を聴くのに疲れてきた。死ぬほどリハーサルをやりたくなかった。で、初めてバンドに "ジャムりたい"、"何もしなくても演奏したい"、"頭をスッキリさせたい "と言ったんだ」


Sharon Van Etten& The Attachment Theoryによるセルフタイトルアルバムは、2025年2月7日にjagujaguwar(ジャグジャグワー)からリリースされます。

 


「Southern Life (What It Must Be Like)」






  Jakob Bro  『Taking Turns』



Label: ECM

Release:2024年11月29日

 

Review

 

ジェイコブ・ブロはデンマーク出身のギタリスト。同国の王立アカデミーで学習した後、アメリカにわたり、ボストンのバークリースクール、ニューヨークのニュースクールで学習を重ねた。元々、ブロはポール・モチアン、トーマス・スタンコのバンドメンバーとして、ECMに加入した。ジャズマンとしてソロリーダーとしてデビューしたのは2015年のことだった。以降、ジャズアンサンブルの王道であるトリオ編成を始め、ジャズ・ギターの良作を発表してきた。

 

先日、同レーベルから発売された『Taking Turns』は、10年前にニューヨークで録音され、長い月日を経てリリースされた。ブロの作品としては珍しくセクステット(6人組)の編成が組まれている。作品に参加したのは、リー・コニッツ、アンドリュー・シリル、ビル・フリセル、そしてジェイソン・モラン、トーマス・モーガン。ジェイコブ・ブロはこの作品に関して、感情を垣間見て、それをつぶさにスケッチし、記録しながら展開することにあった」と説明する。内省的なソングライティングをベースに制作されたジャズアルバムという見方が妥当かもしれない。

 

基本的なソロアルバムとは異なり、「オールスター編成」が組まれたこのアルバムでは、ソロリーダーというより、ジャズアンサンブルの妙が重視されている。よって彼の演奏だけが魅力のアルバムではない。金管楽器(サクスフォン)がソロ的な位置にある場合も多く、ブロのギターは基本的にはムードづけというか、補佐的な役割を果たすケースが多い。演奏の中には、サックス、ピアノ、ドラム、ウッドベース、そしてギターといった複数の楽器の音楽的な要素が縦横無尽に散りばめられ、カウンターポイントの範疇にある多声部の重なりが強調される。収録曲の大半は、ポリフォニーではなく、音楽的基礎をなすモノフォニーが重視されるが、ピアノ、ギターを中心とする即興的な演奏から、ロマンティックでムードたっぷりの和音が立ち上がる。

 

アルバムの冒頭曲「Black Is All Colors At Once」で聞けるギターの巧みな演奏は空間的な音楽性を押し広げ、そしてピアノの微細な装飾的な分散和音が加わると、明らかに他のセクステットではなしえない美麗で重厚感のある感覚的なハーモニーがぼんやりと立ち上ってくる。二曲目「Haiti」では、ドラムの演奏がフィーチャーされ、民族音楽のリズムが心地よいムードを作り出す。同じように構成的な演奏が順次加わり、金管楽器、ギター、ベースが強固なアンサンブルを構築していく。当初はリズムの単一的な要素だったものが、複数の秀逸な楽器の演奏が加わることにより、音楽全体の持つイメージはより華やかになり、豪奢にもなりえる。そういった音の構成的な組み上げを楽しむことが出来る。リズムの構成はエスニック(民族音楽)の響きが強調されているが、対してジェイコブ・ブロのギターはスタンダードなフュージョンジャズの領域に属する。これがそれほど奇をてらうことのない標準的で心地よいジャズの響きを生み出す。

 

三曲目「Milford Sound」ではウッドベース(ベース)やドラムの演奏がイントロでフィーチャーされている。例えば、トーマス・スタンコなどの録音ではお馴染みの少し明るい曲調をベースにしている点では、ECMジャズの王道の一曲と言えるかもしれない。しかし、そういったスタンダードなジャズを意識しながらも、多彩な編成からどのような美しい調和が生み出されるのか。ジェイコブ・ブロを始めとする”オールスター”は、実際の即興的な演奏を通じて探求していきます。これはジャズそのものの楽しさが味わえるとともに、どんなふうに美しいハーモニーが形作られていくのか。結果というよりも過程をじっくり楽しむことが出来るはずです。

 

特にアルバムの全体では、リーダーのジェイコブ・ブロの演奏の他に、リー・コニッツによるサクスフォンの演奏の凄さが際立つ。「Aarhus」ではピアノとベースの伴奏的な音の構成に対して、素晴らしいソロを披露している。彼のサクスフォンは、ジャズのムードを的確に作り出すにとどまらず、実際的に他の楽器をリードする統率力のようなものを持っている。だが、それは独善的にはならず、十分に休符と他のパートの演奏を生かした協調的なプレイが重視されている。これが最終的には、ジャズの穏やかでくつろげるような音楽的なイメージを呼びおこす。

 

「Pearl River」はおそらくアルバムの中では最も即興的な要素が色濃い楽曲となっている。ドラムのシンバルを始めとする広がりのあるアンビエンスの中から、ギター、ベース、ピアノのインプロバイゼーションが立ち上るとき、ぼんやりした煙の向こうから本質的な核心が登場するようなイメージを覚える。そしてアルバムの序盤から作曲的に重視されている抽象的なイメージは同レーベルの録音の特性ともいえ、このアルバムの場合では感情的な表現を重視していると言える。そういったジャズの新しい要素が暗示された上で、古典的なジャズの語法も併立する。楽曲の二分後半にはマイルス&エヴァンスが重視したアンサンブルとしての和音的な要素が強調される。また、それらに華やかな効果を及ぼすのが、金属的な響きが重視されたドラムのシンバル、もしくはタム等の緩やかなロールである。これはジャズドラムの持つ演出的な要素が、他のパートと重なり合う瞬間、アンサンブルの最高の魅力を堪能することが出来るでしょう。

 

 

ジャズというと、旧来はマイナー調のスケールが重視されることが多く、また、それがある種の先入観ともなっていたのだったが、ECMは2000年頃からこういった旧来のイメージを払拭するべく新鮮な風味を持つ作品をリリースしてきた。それがメジャー調のスケールを強調づける、爽やかで高級感のあるサウンドであった。このアルバムは、ジェイコブ・ブロの移行期に当たる作品であるとともに、ドイツのジャズレーベルの主要なコンセプトに準じており、アンサンブルとしての音の組み立ての素晴らしさのほか、BGM的な響きを持つアルバムとしても楽しめるかもしれません。つまり、それほど詳しくなくとも、聴きこめる要素が含まれています。


「Peninsula」は同レーベルのエスニックジャズを洗練させた曲で、ピアノの演奏がミュート技法を用いたギター、ベースに対して見事なカウンターポイントを構成し、曲の後半ではまったりした落ち着いたハーモニーを形成する。クローズ「Mar Del Plata」は、アルバムではジェイコブ・ブロのギタープレイがフィーチャーされる。ラルフ・タウナーのギターほど難解ではなく、フュージョン・ジャズを下地にした心地よいギターの調べに耳を傾けることが出来るでしょう。



84/100

 


「Black Is All Colors At Once」

 


Anna B Savageが2025年の幕開けに『You & i are Earth』をリリースする。ロンドンのシンガーソングライターは本日、アコースティックギターをフィーチャーしたフォークナンバー「Lighthouse」を発表した。10月にアンナ・ミーケをフィーチャーしたシングル「Agnes」に続く作品となる。

 

「私は一人で終わると思っていたけれど、私を抱きしめてくれて、安全で、そしてまだ夜の独立した船のようなものだと感じさせてくれる人を見つけたという優しいラブソング」とミュージシャンは説明する。「プロダクションも曲のように比較的シンプルにしようとした。とにかくいい感じ」


Anna B Savageの『U & I ARE EARTH』は2025年1月24日にCity Slangからリリースされる。

 


「Lighthouse」




 

米国のシンガーソングライター、ベッカ・ハーヴェイの音楽プロジェクト、girlpuppy(現在はトリオ編成)が新しいレーベル、Captured Tracksとのライセンス契約を発表した。また、最初のリリースとしてパンキッシュなロックソング「Champ」を発表した。(ストリーミングはこちら)


「Champ」は、2022年のデビュー・アルバム『When I'm Alone』に収録されたシングル「Wish」の "お姉さん "にあたるという。"また同じことが起こる、あなたは私の友達になりたくない "っていうのは、ランダムに友達と別れること、そしてその理由がわからないことについて歌っているの。この曲は基本的に、その友達がどんなに私を無視し、自分の人生に私を必要としていないことを示しても、私は私たちの友情が好きだったから、まだ頑張ろうという嘆願なの」


「Champ」


Casino Heartsがニューシングル「Ice In Mouth」を発表した。リノで結成され、LAを拠点に活動するこのプロジェクトは、歪んだデジタリズムとポップ・メロディーの分断されたテイストを融合させ、熱狂的にユニークなアプローチで世界を構築している。(ストリーミングはこちら

 

デビューEP「Lose Your Halo」は今年の八月にリリースされ、その後リミックスもリリースされた。2024年を華々しく締めくくるカジノ・ハーツは、あざやかなニュー・シングルを公開した。

 

「Ice In Mouth」は、トリオが気温の急降下を受け入れているのがわかる。セイラムを彷彿とさせるこの曲には、ゴシックな雰囲気が漂い、傷ついたロマンチシズムが黒く染め上げられている。

 

このシングルについて、フォレストはこう語っている。 「Ice In Mouthは、去年の冬の吹雪の中で恋に落ちた後に書いた」


「Ice In Mouth」

 

Why Bonnie

ニューヨーク発テキサス経由のプロジェクト、Why Bonnieがニューシングル「Rainbow And Ridges」を発表した。

 

2ndアルバム『Wish on the Bone』は、Pitchfork、Stereogum、Consequence、FLOODなどから多くの賞賛を受け、後者ではWhy Bonnieの "明るいギターと重厚なビルドアップに加え、(彼らの)ソングライティングを照らす揺るぎない希望の光を模倣した特徴的な西部劇の影響 "を称賛している。


「Rainbows and Ridges」はブレイズ・フォーリーの名曲のカヴァーで、『ウィッシュ・オン・ザ・ボーン』のレコーディング・セッションのカッティング・ルーム・フロアから持ち出された。

 

この曲では、ホワイ・ボニーらしい切ないボーカルを中心に、テープディレイなどを配した実験的なポップソングとなっている。曲の盛り上がりとともに、伸びやかなボーカルが音楽的な世界観の広がりを象徴付ける。

 

リード・シンガーのブレア・ハワートンは、「これは私の大好きな曲のカヴァー」と語る。「人生の二面性、つまり美しさと苦しみを浮き彫りにしています」

 

ホワイ・ボニーの "Rainbows and Ridges "のカヴァーは、今週木曜日のダラスのRuinsを皮切りに、サン・アントニオ、オースティン、ヒューストンを含むテキサス・ツアーに先駆けたものだ。来年、Why BonnieはVideo Ageと共に西海岸ツアーに出るほか、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなどでヘッドライン公演を行う予定。

 

 

 「Rainbow And Ridges」

 

 

バーモント州最高峰のGreg Freeman(グレッグ・フリーマン)は、デビューアルバムのリイシューを発表した。最近、シンガーソングライターはCanvasback/ Transgressive Recordsと契約したばかり。高い評価を得た彼のデビューアルバムが、2曲のボーナス・トラックを加えて再発売される。

 

2025年1月17日には、初のレコード盤もリリース。  この再発盤には、マース・レモンとのスペシャル・コラボレーションを含む「Long Distance Driver (Acoustic)」が新たに収録されている。

 

この曲についてグレッグは、「この曲を書いたのは数年前、世界が恐ろしく不確かな時代に突入し、希望が儚く、とても遠くに感じられた時だった。  この曲は、そのような世界でつながりを見出したいということを歌っている。  

 

「ある意味、この時点で私には古い曲のように感じられるが、不確かな場所は、この曲を書いたときよりもさらに顕著に感じられる。  アコースティック・バージョンは、よりまばらになっている。  サックスの代わりにハーモニカが入っている。  ドラムもない。  高音パートはマース、低音パートは私。  レコーディングではコンサーティーナも吹いている。  友人のネイト・キャンピージがピッツバーグのミスター・スモールズ・スタジオ(ビデオもここでレコーディングした)でレコーディングした。  昔は古い教会だったんだ」

 

さらに、レコード・リリース限定の最後のボーナス・トラックは、「サウンド・テスト、スクラップ、リスト」と題された魅惑的な音楽のコラージュで、この傑作デビュー作の制作中に集められた音、曲、断片を織り交ぜている。

 

2022年にリリースされた「I Looked Out」は、UPROXXのスティーヴン・ハイデンが「2023年に発見した2022年のお気に入りのアルバム」と評し、Paste Magazineが「2020年代のベストデビューアルバム 25」に選出するなど、著名な批評家から賞賛を集めている。   

 

フリーマンは、1月15日に彼のノイジーなアート・ロック・アメリカーナを初めて英国で披露する。ザ・ライン・オブ・ベスト・フィットが毎年行っているファイブ・デイ・フォーキャストのライヴに抜擢されたのだ。リチャード・トンプソンやエルヴィス・コステロから影響を受けたというフリーマンの音楽は、アメリカやイギリスの民俗的な伝統や物語に魅了され、アメリカーナとイギリス的なソングライティングの伝統をうまく融合させている。

 

グレッグ・フリーマンは現在、2025年リリース予定のセカンド・アルバムに取り組んでいる。



『I Looked Out』- Reissue



Tracklist:

1.Horns

2.Right Before the Last Waves Took Vestris

3.Long Distance Driver

4.Colorado

5.Come and Change My Body

6.Connect To Host

7.Tower

8.I’ll See You In My Mind

9.Souvenir Heart

10.Palms

11.Long Distance Driver Acoustic (feat. Merce Lemon) *digital only*

12.Sound Tests, Scraps, Lists


Pre-order: https://transgressive.lnk.to/gfilookedout  (日本国内では各レコード店舗でご購入下さい)

 


ロサンゼルスのインディーロックバンド、Cheekfaceがニューシングル「Hard Mode」をリリースした。この曲は、パンキーなインディー・ロック・ナンバーで、ハイハットの連打とバック・ヴォーカルが印象的だ。


「目新しさを楽しんで、次に進んだのか?""もちろん、私はそれが大好きなんだ」ボーカル/ギターのグレッグ・カッツが説明する。

 

「この曲は、成長について、そしてそれがどれほど厄介なものであるかについて歌っている。ハードモードで人生を生きる」というフレーズは、ツアー中のキーボード奏者AJが、日常的な仕事を不必要に難しくするようなことをするときに好んで言う言葉だ。例えば、誰かに渡してもらえばいいのに、不器用なやり方で何かに手を伸ばすようなことだ」

 


BBC Radio 6 Music Festivalがグレーター・マンチェスターにて来春再び開催される。2025年3月26日から29日の4日間に渡って開催されるこのイベントは、ライブ・パフォーマンスとDJセットのミックスを地域中の会場で披露する予定だ。このニュースは今朝(12月3日)、放送作家のニック・グリムショーによって生放送で発表された。


フェスティバル期間中、6 MusicチームはサルフォードのメディアシティU.K.から生放送を行う。現在のプレゼンターは、イギー・ポップ、フュー・スティーブンス、メアリー・アン・ホッブス、そして元ロンドンの夜の帝王エイミー・ラメなど。


6 Music FestivalはBBCのフラッグシップ・イベントで、BBCのラジオ、テレビ、オンライン・チャンネルで放送されている。2023年からはグレーター・マンチェスターで開催されているが、それ以前のフェスティバルは、カーディフ、ロンドン、グラスゴー、リバプール、ニューカッスルなど、イギリス全土のさまざまな都市で毎年開催されていた。


BBC Radio 6 Musicの責任者であるサマンサ・モイは次のように述べている。「私たちのフェスティバルが、グレーター・マンチェスターから登場する素晴らしいアーティストを祝福するとともに、リスナーの皆さんが愛するアーティストによる本当にユニークなパフォーマンスをお届けできることを本当に誇りに思います。私たちは、グレーター・マンチェスターに再び局を挙げて、4日間にわたって素晴らしいライブ・ミュージックをお届けできることをとても楽しみにしています」


6ミュージック・フェスティバルの2025年版のラインナップは2月に発表される。2024年のイベントでは、ヘッドライナーのヤング・ファーザーズ、ゴシップ、ザ・スマイルが出演し、CMATやハク・ベイカーも週末に出演した。


2014年1月、BBCはデイモン・アルバーンをヘッドライナーに迎え、マンチェスターで「6 Music Festival」をスタートさせた。その後も、デペッシュ・モード、フォンテーヌD.C.、ファーザー・ジョン・ミスティ、ネネ・チェリーなど、世界的に有名なアーティストが出演している。