現在、最新アルバムのツアーを行っているニューヨークのソングライター、MitskiがSpotify Singlesシリーズの新曲を発表した。


そのうちの1曲は、ピーター・ラファージュが書いたがピート・シーガーが広めた「Coyote, My Little Brother」のカバーである。もう1曲は、ミツキの7枚目のスタジオ・アルバム『The Land Is Inhospitable And So Are We』に収録されている「Buffalo Replaced」の新曲だ。


スポティファイ・シングル・バージョンの「Buffalo Replaced」では、貨物列車の鳴き声が、長い間姿を消していたバッファローの振動に置き換わっている。


"ここでは、希望そのものが擬人化され、眠っている生き物に擬人化され、この曲の語り手は、彼女がいなければ人生はもっと楽になるのだろうかと考える"


ミツキの『The Land Is Inhospitable And So Are We』ツアーはシカゴで再開され、3月21日から24日まで4公演行われる。シカゴ公演と同時に、ミツキはHere On Earthを発表した。書店''Exile In Bookville''とのコラボレーションによるシカゴ・ギャラリーとポップアップ・ショップ。この4日間のポップアップでは、フォトグラファー、Ebru Yildizのキュレーションによる『The Land Is Inhospitable And So Are We』の写真セレクションが展示される。


Spotifyのストリーミングはこちらから。

 

 

最新作 『The Land Is Inhospitable And So Are We』は、旧来のシンセ・ポップのスタイルから脱却を試み、ポピュラーミュージックの流れに変化を及ぼした。アーティストはアメリカのルーツに迫り、カントリー、フォーク音楽のスタンダードを映画音楽やポップ、ミュージカルと結びつけた。後半部では特に日本的なルーツに迫る箇所があった。アルバムの収録曲でハイライトでもある「My Love All Mine」はストリーミングでも好調な再生数を記録した。リリース後、Clairoがこの曲をカバーした。


ピッチフォーク・ミュージック・フェスティバルの2024年のラインナップが発表された。例年通り、7月19日から21日にかけてシカゴのユニオン・パークで開催される。


イベントのヘッドライナーは、金曜日にブラック・ピュマス、ジェイ・ポール、100ゲックス、土曜日にジェイミーXX、カーリー・レイ・ジェプセン、ジェシー・ウェア、日曜日にアラニス・モリセット、ブリタニー・ハワード、MUNAが務める。


フェスティバルのチケットは現在発売中で、3日間通し券は219ドルから、1日券は109ドルからとなっている。


今年のフェスティバルではプレミアチケットの特典サービスが豪華。新しいVIPチケットは、「プレミアムビューイングエリア」、バックステージラウンジへの無制限アクセス、無料ドリンク、毎日のケータリング料理、モバイル充電ステーション、タロット占い、マッサージなどを提供する。ピッチフォークVIPアップグレードは、3日間パスが699ドル、1日パスが379ドルとなる。



 

 

渋谷系”の愛称でJ-POPのシーンを牽引したカジ・ヒデキが五年ぶりの新作アルバムを引っ提げて帰ってくる。

 

カジ・ヒデキは新作アルバム『Being Pure At Heart~ありのままでいいんじゃない」の制作を発表した。アーティストにとって19作目となるフルレングスは4月24日に発売される。オリジナル盤と合わせてフィジカルのデラックス・エディションも発売。デラックスバージョンにはオリジナルのアルバムに7inchシングルとキーホルダー、ポストカードなど特典グッズが付属する。

 

アルバムの発表に合わせてタイトル曲が本日配信リリースされた。アルバムの詳細と合わせて下記よりチェックしてみよう。

 

この作品で、カジ・ヒデキは渋谷系、そしてアーティストの原点に立ち返り、ネオ・アコースティック/ギター・ポップの音楽性をあらためて再訪している。果たして新作はどのような内容になるのだろう??

 

 

カジヒデキのコメント:

 

ーーこのアルバムは、カジヒデキの一番大きな音楽的ルーツである『ネオ・アコースティック』『ギターポップ』と言われるジャンルに、今一度真剣に向き合った作品になりました。実は最初からそう思っていた訳ではありません。

 

このアルバムの制作に入った2020年頃はより新鮮な音楽を求めて『ネオソウル』や『シティポップ』な楽曲を書き始めていたのです。

 

このアルバムの中で一番最初に配信リリースした『Dreams Never End』や、次作の『Naked Coffee Affogato』(共に2021年発売)がソウル・フィーリングなのはそのためです。

 

ただ、コロナ禍が一向に収束しない中で、自分自身を見つめる機会が増えた事、そして、僕のルーツである80~90年代のUKインディー・シーンをテーマにした2本のドキュメンタリー映画(注1)を見て大きな感銘を受け、良いメロディと美しいギターのアルペジオやフレーズに溢れたあの頃の音楽を再び鳴らしてみたいと思った事が、ネオ・アコースティック(以下ネオアコ)に向かわせた大きな理由と言っていいでしょう。


そのネオアコやギターポップと言われる音楽の重要な要素は、なんと言ってもギター!!「優れたセンスとテクニックを持つギタリストとチャーミングなヴォーカリストが居て成り立つジャンル」と僕は思っているのですが、今作に収録した12曲の楽曲に対し7名のギタリストに参加してもらい、それぞれのカラフルなスタイルで、ネオアコの持ち味であるジャンルを超えた自由な発想で、個性豊かに表現してもらいました。


このアルバムの参加ギタリストは、中森泰弘 (ヒックスヴィル)、深沼元昭 (PLAGUES, Uniolla)、永井聖一 (QUBIT, TESTSET)、佐藤寛 (KONCOS)、牛尾健太 (おとぎ話)、オオニシレイジ (Nagakumo)、そして僕カジヒデキと、ベテランから若手有望株まで素晴らしいラインナップになりました。

 

ちなみに女性コーラスも素晴らしく、真城めぐみ、ミサト(Crispy Camera Club)、みらん、kiss the gambler、Nao☆(Negicco)とこちらもベテランから若手有望株までずらり・・・。

 

また、このアルバムは、四季の彩りを描いたカレンダー・アルバムである事もコンセプトの一つです。(From Season to Season by The Arcadians)

 

2020年に始まったコロナ禍。時間が止まったような毎日。否が応でも日々の暮らしに目がいき、季節の移り変わりを強く感じたこの4年間。2021年6月にリリースした配信シングル『Dreams Never End』から、その時々の季節に合わせて、季節を意識したシングルを発表して来ました。

 

そもそも、コロナ禍に突入した頃、プロデューサーの堀江博久氏から、僕の楽曲の約80%は「夏をテーマにした『サマーソング』ではないか?」と指摘されました。

 

それは大袈裟だとしても、元来ネオアコ ・ボーイ(&伯父さん)である僕はサマーソング好き! しかしそれは見直した方が良いのではないかと、改めて、これまで僕が書いてきた夏以外をテーマにした楽曲を聴き直しました。

 

コロナ禍に隔月で開催してきたライブ・イベント『IVORY CAFE』で演奏をする中で、それぞれの季節に、その季節の歌を歌うことの風情や心地良さを感じた事は、このアルバムに繋がる大きな収穫でした。

 

カレンダー・アルバムの名盤と言えば、やはり大瀧詠一さんの『NIAGARA CALENDAR』。ジュリー・ロンドンの『カレンダー・ガール』も魅力的な一枚。僕はブリッジの頃に『トラットリア・カレンダー』のサウンドトラック的なカレンダー・コンピレーション・アルバム『The World Shines Brightly』を監修した事があります。



そして、このアルバムは『青春賛歌』でもあります。ほとんどの歌詞はPOPSやROCKの基本である『BOY MEETS GIRL』であり、青春映画そのものです。

 

コロナ禍において『愛する人と居る時間の尊さ』は、日々の生活の中でとても大切なテーマになり、『愛』『生きること』『友』がこのアルバムの重要なキーワードになっています。


97年1月にリリースされたソロデビューアルバム『ミニスカート』以来、これまでに数多くの作品をスウェーデンでレコーディングしてきましたが、今回はマスタリングをThe MopedsのDavid Carlsson氏に依頼。

 

The Mopedsには90年代、僕の楽曲やライブでホーンを吹いて貰ったり、2000年にリリースした『You Will Love Me』を一緒にレコーディングした仲。北欧の優しくマイルドな空気でアルバムを包み込んでくれました!!



このアルバムはこの4年間の記録であり、「DREAMS NEVER END = 夢は決して終わらない。夢を諦めない」為に、この16の季節の中で僕自身の気持ちの移り変わりを「PURE」な気持ちで表現した、本当の意味での”シンガーソングライター的な作品”になったと思います。ーー

 

 


・カジヒデキ「BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない (Single)」




Digital | BBC017_1 | 2024.03.13 Release | Released by BLUE BOYS CLUB | AWDR/LR2

 

配信リンク:  https://ssm.lnk.to/BPAH


Being Pure At Heart

(Hideki Kaji / Hideki Kaji)

produced by Hirohisa Horie and Hideki Kaji


Hideki Kaji - vocal, electric & acoustic guitars, bass, chorus

Hirohisa Horie - keyboards

Reiji Onishi - electric & acoustic guitars

Hideki "GEN" Hara - drums

Kanafun - chorus

 

recorded by Kosuke Takahashi at STUDIO K5

vocal recorded by Shuhei Ueda at Itsutsuji Sanbou

mixed by Zin Yoshida at Garden Wall

Mastered by David Carlsson at Gula Studion (Sweden)

 

 

・カジヒデキ「BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない (New Album)」



 
Digital | BBC017 | 2024.04.26 Release | Released by BLUE BOYS CLUB | AWDR/LR2

 

PRE-ADD/PRE-SAVE(ご予約):  https://ssm.lnk.to/BEINGPUREATHEART



・カジヒデキ「BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない [Deluxe Edition]」

 


 PRE-ORDER(ご予約): https://fikarast.thebase.in/items/84136404

 

<予約受付期間>3月15日(金)正午から4月05日(金)23:59まで受付いたします。数に限りがございますので、お早めのご予約をお願いいたします。


・10,000 Yen
・CD [ BEING PURE AT HEART~ありのままでいいんじゃない]
・7INCHアナログ盤 [ BEING PURE AT HEART / Dreams Never End」*単品リリースの予定はございません
・A2 Poster ZINE
・アクリル・スタンド・キーホルダー
・オリジナル・デザインの手拭い(900 X 330)
・5枚組ポストカード・セット
・オリジナル・バッジ




カジヒデキ:


千葉県富津市出身。富津市観光大使。

1997年1月に発表した1stアルバム「MINI SKIRT」では、世界的なブームになる直前のスウェディッシュ・ポップの要素を取り入れ、30万枚を超える大ヒットを記録するなど、90年代の渋谷系を牽引した。

その後もトーレ・ヨハンソン、エッグストーン、パステルズ、ベルトラン・ブルガラらと制作した作品を発表するなど自身のルーツとなるネオ・アコースティックをベースに音楽的な領域を拡げている。2024年4月24日に約5年ぶり19枚目のアルバム「BEING PURE AT HEART  〜 ありのままでいいんじゃない」の発売が決定している。


先週、ジェイムス・ブレイクは一連のツイートを投稿し、アーティストが音楽で生計を立てる上で直面する困難をめぐる様々な問題を取り上げた。


ブレイクは、業界の経済モデルがミュージシャンを支援するのに十分な役割を果たしていないと主張した。「ストリーミング・サービスは適切な報酬を支払わないし、レーベルはこれまで以上に大きな分け前を欲しがり、ただ座ってバイラルになるのを待つだけで、TikTokは適切な報酬を支払わないし、ツアーには法外な費用がかかるようになっている」


週末、ブレイクは再び投稿し、フォロワーに「同じような考えを持つ人たちと素晴らしい会話を交わしている」と伝え、最初のツイートで取り上げた問題に対する「素晴らしい解決策にたどり着いた」と語った。


詳細は不明だが、9日後の3月20日に発表があるという。ブレイクが何に取り組んでいるのかはまだ明らかになっていない。


Twitterユーザーは、「ストリーミングサービスから離れることが答えではないと思う。プラットフォームと協力して音楽を消費する新しい方法を導入することで、解決策を見つけたと言ってほしい。さらにお金を払う犠牲の上に、プレイリストやすべてのデータを放棄する人はいないのだから」と反論する。


また、ブレイクにストリーミング・プラットフォームから楽曲を引き揚げ、Bandcampのみでリリースするよう求める声もあり、大物アーティストが率先して取り組むことで、業界全体の変化を促すことができると主張している。


「洗脳が功を奏し、今や人々は音楽は無料だと思っている」とブレイクは以前のツイートで述べている。「質の高い音楽を求めるなら、誰かがそれにお金を払わなければならないんだ」とした上で次のように述べた。


「業界はめちゃくちゃで、ミュージシャンは誰よりも大変な目に遭っているんだ。ストリーミングに支配される前、そして僕らに隠れてこのような怪しげな取引が行われる前にこの世界に入れたことは、とても幸運だった」





【Report】


この1週間で、60組以上のアーティストがオースティンの音楽祭、SXSW 2024(サウス・バイ・サウス・ウエスト)の出演をボイコットし、フェスティバルのスポンサーを務める防衛関連企業との関係やイスラエルのガザ侵攻に抗議した。当初はアイルランド/ベルファウストのバンド、ニーキャップが反対声明を示した後、現在はシカゴのアーティスト、スクイレル・フラワーがこのボイコット運動を呼びかけているという。


テキサス州知事のグレッグ・アボット氏がこの状況についてツイートしたことを受け、同フェスティバルは現在、ソーシャルメディア上で抗議に対処している。


「米陸軍のスポンサーシップをめぐり、バンドがSXSWから撤退したことは分かっている」とアボットは書き、抗議に関するニュース記事をリンクした。


「サヨナラ、二度と戻ってこないでほしい。オースティンは陸軍未来司令部の本部のまま。サンアントニオはミリタリー・シティUSAだ。我々はテキサスの米軍を誇りに思っている。嫌なら来ないように」


これに対し、同フェスティバルの代表者はこう返信した。「SXSWはアボット知事に賛同していません。私たちは多様な視点を歓迎する団体です。音楽はSXSWの魂であり、長い間、私たちの遺産です。私たちは、アーティストたちが言論の自由を行使するために下した決断を十分に尊重します」


米軍やコリンズ・エアロスペース社との関係について、SXSWはこう続けた。


「世界中で、私たちは言葉にできない悲劇、抑圧的な政権の台頭、暴力的な紛争の拡大などを目の当たりにしています。このような大きな人道的問題を解決するために、私たちが一致団結することは、これまで以上に極めて重要です」


「防衛産業は歴史的に、今日私たちが頼りにしている多くのシステムの実験場となってきた。このような機関は、新興テクノロジーのリーダーであることが多く、そのアプローチが私たちの生活にどのような影響を与えるかを理解することが望ましいと私たちは考えています」


「陸軍のスポンサーシップは、私たちの世界を形作るアイデアを前進させるという私たちのコミットメントの一部です。コリンズ・エアロスペースに関しては、今年2つのSXSWピッチ・カテゴリーのスポンサーとして参加し、起業家たちに知名度を与え、ゲームを変える可能性のある仕事に資金を提供した」


「私たちはこれまでも、そしてこれからも、すべての人の人権を支援していきます。中東情勢は悲劇的であり、不公正に対して団結することの重要性を浮き彫りにしている」


SXSWへの出演をボイコットしたアーティストには、スクイレル・フラワー、シャローム、スカウル、ニーキャップ、SPRINTS、トマト・フラワー、グッド・ルックス、ママラーキー、ランブリーニ・ガールズ、リップ・クリティック、ホース・ジャンパー・オブ・ラブ、イライザ・マクラム、ストレンジ・ジョイ、ブルームズデイ、ザイ・アー・ガット・ア・ボディ・オブ・ウォーター、ディス・イズ・ローレライ、ファンタジー・オブ・ア・ブロークン・ハート、トラウマ・レイ、オムニ、ザ・アームド、アレグラ・クリーガー、ヤヤ・ベイ、クムガール8などがいる。




【Background】


出演者のSXSW(サウスバイサウスウエスト)のキャンセルキャンペーンが始まったのは、今年2月の下旬のことだった。アメリカでのテレビデビューをきっかけに、ニーキャップが先週末のSXSWフェスティバルの出演をボイコットし、キャンセルしたことから始まったが、SXSWへの出演資金を得ていたアイルランドのバンドが、抗議のためにすべてキャンセルする結果となった。


撤退する最新の行為はベルファストのバンド、ニーキャップは、Xで3つのショーを撤回する決定は「パレスチナの人々と連帯して」行われたと述べ、フェスティバルが「閉じ込められた人口に対するジェノサイドと飢饉を可能にしている」とし、武器会社や米軍とのつながりを強調した。


「私たちは良心を持って、米国を持つ芸術祭に参加することはできません。陸軍は「スーパースポンサー」として、RTX(旧レイセオン)、コリンズ・エアロスペース、BAEシステムズをプラットフォーム化しています。31,000人のパレスチナ人を殺害した武器を販売しており、そのうち21,000人以上が女性と子供です」とバンドは述べています。


前例のないことだが、テキサス州オースティンで開催される今年のSXSWフェスティバルのアイルランド共和国公式ショーケース・アーティストとしてリストアップされていた10バンドすべてが、米軍や防衛関連企業との関係が明らかになったことを受け、公式ショーケース・ショーをキャンセルした。


先日報道されたように、米陸軍がフェスティバルの "Featured Partner "として、防衛関連企業のRTX(旧レイセオン)、コリンズ・エアロスペース、BAEシステムズとともにリストアップされているというニュースに、アーティストたちは反応した。


今回のショーケースのキャンセルは、地元のグループ、Austin 4 PalestineがSXSWに対し、"レイセオン、コリンズ・エアロスペース、BAEシステムズをフェスティバルから退場させる "こと、そして "フェスティバルが主催するイベントやディスカッションに国防総省の機関を含めることを再検討する "ことを要求した後に起こった。


同団体によると、RTX社はイスラエル軍にミサイルや爆弾を製造し、コリンズ・エアロスペース社はイスラエル国防総省の航空機に部品を提供し、BAEシステムズ社はパレスチナ自治区の占領で使用される武器を供給している。


キャンセルをしたアイルランドのバンドからの声明の多くは、これらの企業によって作られた兵器によって、現在進行中の大量虐殺にさらされているパレスチナの人々への連帯を明らかにしており、アート/アーティストと彼らが出演することになっていたフェスティバルの間に、摩擦と隙間のある道徳的な欠陥を作り出している。Kneecapが公式ショーケースをキャンセルした最初のアクトであり、続いてSprints、Soda Blonde、Gavin James、Robert Grace、Mick Flannery、そしてChalkがキャンセルした。


今回のSXSWの出演アーティストによるボイコット運動は、2月下旬に続くもので、その波及はどこまで及ぶのか定かではない。


 zakè 『B⁴+3 』

 

 

 

Label: zakè drone recordings

Release: 2024/03/08

 

 

【Review】



zakèはザック・フリゼル(Zack Frizzell)のアンビエント/ドローンの別名義であり、アメリカでは「Past Inside the Present」のレーベル・ボスでもある。反復と質感のあるアンビエントドローンが彼のオーディオ・アウトプットの真髄である。

 

ザック・フリゼルは、Pillarsのオリジナル・ドラマーとして活動し、以前、dunk!records / A Thousand Armsから「Cavum」をリリースし、高評価を得た。dunk!recordsからの初のソロ・リリースは、スロー・ダンシング・ソサエティとのコラボ・リミックス・トラックで、ピラーズの「Cavum Reimaged」2xLPに収録されている。


『B⁴+3 』は「煉獄状態におかれたまま」の状態を表しており、未完成のものをそのままにしておく。それはつまり、アルバムの音楽の向こう側に、余白や続きがあることを示唆している。zakèのアルバムでのアプローチは一貫している。グリッチノイズ、ヒスノイズ、ホワイトノイズをアンビエントやダウンテンポの中に散りばめ、精妙な感覚をドローン音楽の形で表現する。アウトプットの手法は、ニューヨークのラファエル・アントン・イリサリに近いものがある。

 

しかし、イリサリの最新リマスター作『Midnight Colours』がディストピアへの道筋を示したものであるとするなら、ザックのアンビエントはその先に続くユートピアへの道筋を暗示する。しかし、「人々が天国と地獄の中間にある煉獄に置かれたまま」と仮定するなら、このアンビエント作品は先見の明があり、理にかなったものだと言える。

 

どこまでも永続的であり、まったく終わることのない抽象音楽がリスナーの前に用意されている。多くのポピュラーやロックとは異なり、ザックの音楽は聞き手に1つの解釈を強制することはない。何かを強いるということは受け手の心を締め上げる行為である。


 

彼は、無限の選択肢を用意し、それを受け手に投げかけ、恣意的にその中にある解答を受け手に選ばせる。それが良いものなのか、悪いものなのかを決めるのは、受け手次第なのであり、無数の解答が用意されている。ある意味では、それは「受け手側が作り出した影の反映」とも言うべきものである。さながらブライアン・イーノが開発した「オブリーク・ストラテジーズ」や、ブラック・ボックスの中にあるカードを引くかのようでもあり、受け手次第により、音楽の意義も異なるものに変わる。zakèが差し出した7つの無色透明のカードに書かれている音楽的言語の意味がナンセンスと取るのか、それとも、有意義であるかを選ぶのは受け手次第である。音楽そのものが、受け手側の解釈や価値観、あるいは、意識がどの階層にあるのかによって、理解度や解釈が異なるのと同じように、zakèの音楽は1つの価値観にとどまることはない。

 

ただ、アルバムの中に流れる音楽が、何らかの意図に欠けたもので、設計もなしにランダムに制作されたと思うのは早計となるかもしれない。本作に流れるアンビエントは無限の時間の中に存在するように思える一方、地形的な起伏が設けられ、その中に複数のアクセントが置かれている。山岳地帯の精妙な空気感を反映したようなドローン・アンビエントの抽象的な音像の中には、デジタルの信号を刻した効果音(SE)が導入され、それが曲の中にアクセントをもたらしている。

 

アルバムの収録曲は、「記号論のアンビエント」として制作されており、仮に、1から7曲までを別のアルファベットや数字、ローマ数字に置き換えることも出来るかもしれない。少なくとも、アルバムの収録曲ごとに調性と雰囲気を変え、制作者が意図する「煉獄におかれたままであるということ」を段階的に表現しているということが、リスニングを通して伝わってくる。それは記号論的に言えば、AーGまでの7つの表層的な音楽が別の意図を持ち、異なる性質を持ち、そして、煉獄の中にある異なる段階を表しているとも解釈することが出来る。例えば「A」という階層に親近感を覚える受け手もいるだろうし、最後の「G」という階層に心地よいものを覚える受け手もいる。いわば受け手のアンテナの周波数の差により音の解釈が変わるのだ。

 

因数分解のような不可解な数式をタイトルに冠した曲は、例えば、他にもウィリアム・バシンスキーの『On Time Out Of Time(2019)』のクローズに収録されている「4(E+D)4(ER=EPR)」がある。また、数学的な周波数を元にグリッチを発生させるアーティストとして、パリを拠点に活動している池田亮司が挙げられる。これらのアーティストは、前の時代の黄金比や純正律といった音楽の音階の基礎を作り出した方法論に対し、新しい意義を与えようというグループである。zakèに関しても、同じように7つの曲の中で異なる調性の階層を設けている。良く聴くと、アンビエント・ドローンのアウトプット方式も若干異なることが理解出来るはずである。それは、グリッチノイズやホワイトノイズの出力方式、あるいは王道の抽象的なサウンドスケープを呼び覚ますためのシークエンス、パンフルートのプリセットをアレンジしたパッドの音色、そしてシンセの波形を操作し、パイプオルガンのような音色を作り、それらをスウェーデンのアーティストのように保続音として伸ばすというもの。このアルバムに収録された七曲それぞれに、ザック・フリゼルは異なる意匠を凝らし、バリエーションをもたらしている。


 

78/100

 

 



 

©Devyn Galindo


レイナ・トロピカル(Reyna Tropical)は、3月29日にリリースされるデビューアルバム『Malegría』から軽快なディープハウスのトラック「Conexión Ancestral」を発表した。コンゴ、ペルー、クンビアのリズムやメ キシコ人ギタリストでシンガーのChavela Vargasからの音楽と文化的伝統から大きな影響を受けて現在に継承したファビ・レイナによるプロジェクト。

 

「"Conexión Ancestral”は、私の祖先の別の部分と関係を持つための旅を始めることについて歌っている "とトロピカルは声明で説明した。

 

「私にとって、それは先住民の祖先とつながることであり、土地とその本来の管理者たち、ひいては私自身と私のコミュニティへの愛と傾聴を通して、私が受け継いできた知識とつながることだ。それは、地球と互恵的な信頼関係を築くチャンスのため、私がこれまで知っていたすべてを犠牲にすることを厭わないということで、その関係が私の帰属への道しるべとなることを認めるということ」


「私たちの土地、歴史、物語、コミュニティから切り離された私たちの人々は、何世代にもわたって、どこに行けばいいのかわからなくなっている」とレイナは説明する。「ステージでは、自分の動きが自分の動きでないと感じることがある。ステージ上では、自分の動きが自分の動きではないと感じることがある。私の祖先がそこにいるとき、決断が私たちであるとき、私は自分の体でわかるのです」



「Conexión Ancestral」

 

 

 

 Reyna Tropical『Malegría』

https://www.inpartmaint.com/wp-content/uploads/2024/02/PSY040-scaled.jpg 

 

Tracklist:


1. Aquí Te Cuido
2. Radio Esperanza
3. Cartagena 03:32
4. Goosebumps
5. Lo Siento
6. Singing
7. Conocerla
8. Movimiento
9. Suavecito
10. Ñeke
11. La Mamá
12. Malegría
13. Pajarito
14. Puerto Rico
15. Mestizaje
16. Cuaji
17. Queer Love & Afro-Mexico
18. Conexión Ancestral
19. Guitarra
20. Huītzilin 

 

©Dimitris Lambridis


ロンドンを拠点に活動するエレクトロニック・コンポーザー、マリア・キアラ・アルジロ(Maria Chiara Argiro)が、近日リリース予定のアルバム『Closer』から新曲「Light」を発表した。ラウル・ポーレ監督によるビデオも公開された。


「この曲は、自分の内面と、ひいては他者との、より軽やかでバランスの取れた関係を築くことをテーマにしています。無理に物事を進めることなく、"ソフト "で "軽い "方法で人生を探求することで、自分自身と他者と純粋につながることができる。


2022年の『Forest City』に続く『Closer』は、Innovative Leisureから4月26日にリリースされる。


「Light」

 

©︎Molly Matalon

アメリカーナ・サウンドの重要な継承者であるWaxahatchee(ワクサハッチー)は、近日発売予定のアルバム『Tigers Blood』から3作目のシングル「365」をリリースした。ケイティ・クラッチフィールドはジェス・ウィリアムソンとのユニット、Plainsのメンバーとしても活動している。

 

このトラックは、頻繁にコラボレーションしているコルベット・ジョーンズとニック・サイモナイトが監督したミュージックビデオ付きで公開された。以下からニューシングルをチェックしてほしい。


ケイティ・クラッチフィールドは声明の中で次のように説明している。

 

「『365』は、中毒や中毒者との関係に関連する共依存についての曲です」ケイティ・クラッチフィールドは声明の中でこう説明している。「この曲は、私がこれまでの人生で何度も向き合ってきたことで、この曲ではその神経と感情を最も純粋な形に凝縮したかったの。「ブラッド・クックと私はこの曲のためにたくさんのアイデアを試したけど、最終的には彼とジェイク・レンダーマンと私の3人だけで部屋で何度か曲を走らせながらライヴ・レコーディングした」


ワクサハッチーによる『Tigers Blood』は3月22日にANTI- Recordsからリリースされる。アルバムからは先行シングルとして「Right Back To It」「Bored」が公開されています。レビューはこちらからお読み下さい。

 

2022年、クラッチフィールドは盟友のJess Williamsonと組み、コラボレーションアルバム『I Walked With You A Ways』をPlainsの名義で発表した。

 

「365」

 


JAZZの新世代として注目を集めるピアニストの【壷阪健登】とベーシスト/ヴォーカリストの【石川紅奈】によるユニット【soraya】1st Album「soraya」が本日リリースされる。
 

2024年3月29日(金)には「soraya 1st Alubum Release Live "ゆうとぴあは そこに"が東京キネマ倶楽部で開催。こちらもアルバムのリリース情報とあわせて下記より確認してみて下さい。

 

JAZZの新世代として注目を集めるピアニストの【壷阪健登】とベーシスト/ヴォーカリストの【石川紅奈】によるユニット【soraya】。1st Album「soraya」のリリースが3月13日に決定。JAZZや洋楽ポップスの要素を起点に古今東西、様々な音楽をユニークにとりいれた全9曲のコンテンポラリーポップ集「soraya」。ジャズ・ポップスファンは要チェックのアルバムです。

 

 

soraya「soraya」

 



Digital/CD [4543034053032 / 3,000Yen] | DDCB-13056 | 2024.03.13 Release
Released by B.J.L. X AWDR/LR2

 

配信リンク:

https://ssm.lnk.to/soraya


先行リリースを行っている「ひとり」は、sorayaとしてはじめて作った星座にまつわる内容でsorayaのテーマ曲とも言える内容で、同時にリリースされた「ちいさくさよならを」は、ピアノ、パーカッション、フルートによるアンサンブルが心地よい雰囲気。童謡のように誰でも親しめるメロディが融合している。

 


セカンド・シングルとしてリリースされた「BAKU」は、タイトルの通り、幻の動物である獏をテーマにしたバクのワークソング。リズムマシンに加え、民族音楽から着想を得た様々なリズムを採用したトラックに「バクバク...」の連呼が癖になる楽曲となっている。サード・シングルとなった「耳を澄ませて」は、「自由」をテーマに彼らのホームであるJAZZの要素大きくとりいれた壮大なポップ・ソング。4曲目のシングルとなった「ゆうとぴあ」は、マリンバやストリングスなどを導入したsorayaによるエキゾチカ再解釈となっており、ゴージャスでロマンティックなサウンドとなった。歌詞は、カール・ブッセ「山のあなた」から影響を受け創作した。


先行シングル以外のアルバム収録曲「風の中で」は、大自然の中で、前へ前へと駆け抜けるようなサウンド。歌詞をRuri Matsumuraに依頼して制作された。「ルーシー」は、美しいアコースティック・ギターが全体を彩るフィルム映像のような温かさを覚える楽曲となっている。「レコード」は、soraya流のジャパニーズ・シティポップ/歌謡曲とも言える曲。可愛らしくも、一癖あるメロディがアクセントとなっている。そして、アルバムの最後は、ピアノとヴォーカル/ベースのみのシンプルな編成でのスピッツのカヴァー「愛のしるし」が収録されている。


サウンド・プロダクションはsorayaの親交のある気鋭のミュージシャンを多数起用。レコーディング/ミックスには葛西敏彦と吉井雅之を起用。



soyara  Events:


soraya 1st Album Release Live "ゆうとぴあは そこに"


2024.03.29 (Fri)
Open/Start 19:00/19:30
東京キネマ倶楽部 TOKYO KINEMA CLUB, Tokyo


Ticket PIA [ 0570-02-9999 ] 

e+ [ https://eplus.jp/soraya

LAWSON [ 0570-084-003 ]


[ 前売 / ADV. ] 5,000 Yen [+1D]




soraya:


JAZZフィールドで活躍中の音楽家、壷阪健登と石川紅奈による、国も世代も超えて分かち合うポップスをお届けするユニット。
 

海の向こうのお気に入りのアーティストの曲名、中東の国の親しみのある女性の名、宇宙に浮かぶ星団の名でもある「soraya」(ソラヤ)という、遥か遠くの何処か想起させる、不思議で親しみやすい響きの言葉を由来とする。


2022年4月シングル「ひとり / ちいさくさよならを」でデビュー。2023年夏は「Love Supreme Jazz Festival Japan」や「日比谷音楽祭」などのフェスへも出演。


各メンバーのソロ活動も活発化しており、石川紅奈は2023年春にVerveよりメジャーデビュー。壷阪健登も国内での単独公演を成功させ、スペイン「San Sebastian Jazz Festival」への出演を果たすなど、ミュージシャンとして世界への拡がりを見せている。


3月13日にsorayaとしてファースト・アルバム「soraya」をリリース。3月29日(金)には、集大成となるリリース・ライブを東京キネマ倶楽部で行われる。

 




今年初め、トロントのインディーロックバンド、Tokyo Police Clubは、2024年がバンドとしての最後の年になると明かした。今日、彼らはプロデューサーのジェシー・ターンブルとレコーディングした最後の2曲「Just a Scratch」と「Catch Me If You Can」を公開した。また、お別れ北米ツアーも発表された。新曲のストリーミングはこちらから。ツアースケジュールはこちら



「デモの状態でも、TPCとして最後のリリースになると知る前でも、この曲は私にとって総括的なものに感じられた」

 

「あの頃、ガレージで思いついたかもしれない断片も聴こえるし、今までは夢にも思わなかったような断片も聴こえる。そして最も重要なのは、私たち4人、TPCというハイブマインド、そのアイデアと熱意が聞こえてくることなんだ」


シンガーのデイヴ・モンクスはこう付け加えた。

 

「グラハムがインストゥルメンタルのループやブリップ、曲の断片が詰まったドライブ・フォルダを送ってくれて、宝箱のようにそれを掘り起こしたのを覚えている。ProToolsにドラッグして、いろいろな方法で移動させるのは、以前『La Ferrassie』や『Feel the Effect』でいじくりまわした楽しい作業だった。だから、"Catch Me If You Can "ではドラムが何度も脱落しているんだ。あれはグラハムが送ってきたループの一部だったんだけど、僕らが自然に思いつかないような方法でアレンジに加わっているのが気に入っているよ」


最後のツアーについて、ドラマーのグレッグ・アルソップはこう語っている。

 

「バンドが終わること、そしてそれが長年にわたって彼らにとってどのような意味を持ってきたかについて、みんなが手を差し伸べてくれて、気持ちを分かち合ってくれたことは、とても素晴らしいことだった。こうしてまたみんなとつながることは、とても気分を高揚させてくれるし、この1年に起こることすべてに活力とエネルギーを与えてくれた。音楽を発表し、ライヴを行い、東京ポリスクラブであり続けるという、これまでやってきたことを少しでも長く続けられることをとても嬉しく思う」


ギタリストのジョシュ・フックはこうコメントしている。

 

「卒業式から誕生日、そしてステージ上でのプロポーズまで。ツアーが始まった当初から変わらずに駆けつけてくれる顔なじみの人たちに会えること、そして20年近い人生の中で音楽を通じて多くの人たちとつながれたことは、本当に光栄なことだ。この最後のツアーは、誰もが望む最高の引退パーティになるだろう。このワイルドな旅に付き合ってくれて本当にありがとう」



 

 

 


 

ビッグ・シーフのヴォーカリスト、またソロ活動も行うシンガーソングライター/ギタリスト、Adrianne Lenkerが6曲入りのデモ集『i won't let go of your hand』を発表した。Bandcampで入手可能で、このリリースの収益の100%はパレスチナ児童救済基金に寄付される。


デモ集と同時に、レンカーはイスラエルとパレスチナの戦争における恒久的かつ即時の停戦を求める声明を発表した。


「私が言おうと思っていることはすべて、メッセージを伝えるために必要な力のほんの一部にも満たないように感じます。パレスチナ人に対する現在進行形の暴力について、どれほど悲しく、腹立たしいことか。殺戮は止めなければならない。停戦の必要性は緊急性を超えている。今すぐ恒久停戦を要求します!」


レンカーがイスラエル・パレスチナ紛争に言及するのは、『i won't let go of your hand』が初めてのことではない。

 

ビッグ・シーフは2017年にイスラエルのテルアビブで公演し、2020年に公演を予定していたが、パンデミックのためキャンセルした。2022年、彼らはテルアビブでさらに2回公演することを発表したが、ファンやイスラエルへの文化的ボイコット支持者の両方から異質な反発を受けてキャンセル。バンドメンバーのマックス・オレアチクがイスラエル出身であることを明らかにした。


『i won't let go of your hand』の全トラックリストは以下から。Bandcampでの購入はこちら


エイドリアンレンカーは今週金曜日にニューアルバム『Bright Future』を4ADからリリースします。

 




Adrian Lenker『i won’t let go of your hand』



Tracklist:

1. the music

2. feel it all

3. fangs lungs ankles

4. i won’t let go of your hand

5. relief

6. someone to


70年代のポップ・ロック・バンド、ラズベリーズのフロントマンであり、「All By Myself」や「Hungry Eyes」などのソロ・ヒット曲を歌ったエリック・カルメンが74歳で亡くなりました。カルメンの妻、エイミーが自身のウェブサイトへの投稿で訃報を発表した。死因は明らかにされていない。


「エリック・カルメンが亡くなったという悲痛なニュースを共有することは、とてつもなく悲しいことです。


「私たちの優しく、愛情深く、才能豊かなエリックは、週末、眠っている間に亡くなりました。何十年もの間、彼の音楽が多くの人々に感動を与え、彼の永遠の遺産となったことを知ることは、彼に大きな喜びをもたらしました。私たちが莫大な損失を悼む間、家族のプライバシーを尊重してください。愛がすべて...忠実で永遠に」


オハイオ州クリーブランドに生まれたカーメンは、2歳半でクリーブランド音楽院に入学し、6歳になるとクリーブランド交響楽団のヴァイオリニストだった叔母からヴァイオリンのレッスンを受けた。大学では地元のバンド、サイラス・エリーに加入し、1970年にクワイアというグループのメンバーと合体してラズベリーズを結成した。


フーやビートルズといったブリティッシュ・インヴェイジョン・バンドの影響を受けたこのバンドは、当初、カルメンがリズム・ギター、ヴォーカル、ピアノ、ジム・ボンファンティがドラム、ウォーリー・ブライソンがリード・ギターとヴォーカル、ジョン・アレクシックがベースを担当し、パワー・ポップ・ムーヴメントの先駆者となった。


ジョン・アレクシックが脱退し、後任に元コワールのシンガー、デイヴ・スマリーが加入した後、ラズベリーズはキャピトル・レコードと契約し、1972年にセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリースした。

 Kim Gordon 『The Collective』



 

Label: Matador

Release: 2023/03/08


Listen/ Stream



【Review】

 


ニューヨークのアンダーグランドシーンの大御所のジョン・ケールがソロ・アルバムをリリースしたとなれば、手をこまねいているわけにはいかなかったのだろう。ノイズロックとアートロックを融合させた『No Home Record』に続く『The Collective』は、ボーカリストーーキム・ゴードンがいまだ芸術的な感性を失わず、先鋭的なアヴァンギャルド性とアイデンティティを内側に秘めていることを明らかにする。

 

キム・ゴードンはこのアルバムを通して、ヤー・ヤー・ヤーズ(YYY’s)、リル・ヨッティ(Lil Yachty)、Charli XCX,イヴ・トゥモア(Yves Tumor)といった現代のポピュラーシーンに一家言を持つバンドやアーティストとコラボレーションを行い、同じように、一家言を持つレコードを制作したということになる。


アルバムの冒頭を飾る「BYE BYE」ではNYドリルが炸裂し、不敵なスポークンワードが披露される。ノイズロックとオルトロックを通過した、いかにもこのアーティストらしいナンバーは、ソニック・ユース時代からの定番のノイズ・ギターによって絡め取られる。そんな中、縦横無尽に張り巡らされた蜘蛛の巣を縫うかのように、スタイリッシュかつパンチ力のあるボーカルを披露する。ロックシンガー、そしてラッパーでもあるキム・ゴードンは、それらの合間のアンビバレントな領域を探ろうと試みる。


このレコードは率直に言えば、旧来のロックという文脈からしばし離れ、ハイパーポップの領域へと歩みを進めたことを示唆している。アプローチが多少遊び心に満ちているとは言え、ゴードンのボーカルは従来と変わらず緊張感があり、リスニングに際して程よいストレスを生じさせる。それはつまり、このレコードがヘヴィネスの切り口から制作されていることを示すのである。


二曲目の「The Candy House」では、NYドリルとトラップをかけあわせた前衛的なスタイルを介し、JPEGMAFIA、Billy Woods、Armand Hammerといった米国のアブストラクトヒップホップシーンの最前線にいる、いかにもやばげなラッパーの感性を吸収しようとする。


''甦るロックとラップの吸血鬼''ーーそんな呼称がふさわしいかは定かではないが、実際のところ、ニューヨークのアンダーグランドの気風を吸い込んだロックとラップの融合は、先鋭的な気風を持ち合わせている。

 

最初期のソニック・ユースの象徴的なサウンドと言えばメタルに近い硬質なノイズギターが挙げられるが、サーストン・ムーアが不在だとしても、3曲目「I Don't Miss A Mind」では文字通り、それらの原初的なノイズ性(アーティストが持つスピリット)を未だに失っていないことを示唆している。


インダストリアル・ロック風の苛烈なノイズに支えられ、NYドリルの先鋭的なリズムを交え、”ノイズ・ラップ”とも称すべきスタイルにより、JPEGMAFIAのアブストラクト・ヒップホップに肉薄していこうとする。


トラックに乗せられるライオットガールを基調としたアジテーションに富むゴードンのボーカル。そこに加えられるわずかなメロディー、セント・ヴィンセントのシンセポップの風味。これらは、この数年間、ゴードンが現代のミュージックシーンに無関心ではなかったことを象徴付けている。そして、改めてアーティストが知る最もクールな手法でそれらを体現させている。

 

ラップとノイズの融合性は、続く「I'm A Man」により、最高潮に達する。アーティストは、現代的なノンバイナリーの感覚や、トランスジェンダーの感覚を聡く捉えながら、まるで秘められた内的な男性性、獣的な感性を外側に開放するかのように、ワイルドで迫力のあるボーカルを披露する。

 

シネマティックなサウンドはビートの実験性と結びつくこともある。「Tropies」では、ハリウッド映画のアクションシーン等で使用されるオーケストラ・ヒットをラップのドリルから解釈し、前衛的なリズムを生み出す。そして、ゴードンは、ハリウッドスターやムービースターに与えられる栄誉に対し、若干のシニカルな眼差しを向ける。


それはゴードンによる「横目の疑いの眼差し」とも呼ぶべきものである。そのトロフィーは墓場に持っていくほど価値のあるものなのか、というような現代的な虚栄に対する内在的な指摘は、ライオット・ガールの範疇にあるボーカルという表現を以て昇華される。そして、そこには確かに華美なアワードやレセプションに見いだせる虚偽への皮肉や揶揄が含まれている。これが奇妙な共感やカタルシスを呼び起こす。

 

キム・ゴードンは根幹となる音楽観こそ持つけれど、決して決め打ちはしない。アルバムの中に見えるノイズロック、ヒップホップという2つの両極的な性質は、常にせめぎ合い、収録曲ごとにどちら側に傾くのか全然分からない。いわば、曲の再生をしてみないと、どちらの方向にかたむくのか分からないという「シュレディンガーの猫」のような同時性とパラレルの面白みがある。


続く「I’m A Dark Inside」では、ブレイクビーツの手法を選び、ノイズと融合させる。音が次の瞬間に飛ぶようなトリッピーな感覚を活かし、Yves Tumorのデビューアルバムに近い音楽の方向性を選んでいる。それに「No New York」の頃の前衛性とサイケデリアの要素を加えているが、それは最終的に「ハイパーポップのノイズ性」というフィルターを通してアウトプットされる。


また、方法論的なディレクションが全面的なレコードの印象を作るが、感覚的で抽象的な音楽も収録される。「Pychedelic Orgasm」ではアーティストの中に棲まう2つの人格を対比させながら、ソニック・ユース時代から培われたスポークンワードに近いクールなボーカルで表現しようとする。


音楽表現という範疇に収まらず、ボーカルアート、パフォーミングアートという切り口からゴードンは語りを解釈し、2つの性質を持ち合わせたボーカルを対角線上に交差させる。そして、その2つの別の性質を持つエネルギーを掛け合わせ、中心点に別の異なるエネルギーを生じさせる。これは平均的な歌手ではなしえない神業で、新しいボーカル・パフォーマンスの手法が示されたと見て良い。ここにも音楽的な蓄積を重ねてきたゴードンの真骨頂が垣間見える。

 

ヒップホップのドリルという比較的オーバーグラウンドに位置する音楽スタイルを選ぼうとも、その表現性がNYのアンダーグラウンドの系譜の属するのは、ゴードンが平凡なミュージシャンでないことの証である。

 

「Tree House」では、アーティストが知りうるかぎりのアヴァン・ロックの手法が示されている。ガレージロック、「No New York」のノーウェイヴ、ドイツのインダストリアルロックがカオスに混ざり合いながら、アナログレコードの向こうから流れてくるかのようだ。レコードの回転数を変えるかのように、ローファイな質感を持つこともある。この曲には、10年どころか、いや、それ以上の時間の流れていて、30年、40年のアヴァン・ロックの音楽が追憶の形式をとり、かすかに立ち上ってくる。


終盤でも、ゴードンがソニック・ユースやソロ活動を通して表現しようとしてきたことの集大成が構築されている。そこには一部の隙もなければ、遠慮会釈もない。「Shelf Warmer」では、ロンドンのドリルに近い手法が示される。しかし、オーバーグラウンドの音楽に属するとはいえども、商業主義やコマーシャリズムに一切媚びることなく、絶妙なラインを探っている。続く「The Believer」は、インダストリアル・ノイズに精妙な感覚を織り交ぜたワイアードなサウンドである。

 

クローズでは、Sleaford Modsの英国のポストパンク(当局が宣伝するものとは異なる)を吸収して、ゴツゴツとした硬派な感覚のあるアプローチを図る。そこに、盟友のYYY'sのサイケ・ガレージの色合いを添えていることは言うまでもない。『The Collective』はロサンゼルスでレコーディングされたアルバム。にもかかわらず、驚くほどニューヨークの香りが漂う作品なのである。



80/100

 


Best Track‐ 「Dream Dollar」

 "Eras Tour" at the Tokyo Dome, Wednesday, Feb. 7, 2024, in Tokyo.


月曜日(3月11日)、テイラー・スウィフトがABCのトーク番組で、グッド・モーニング・アメリカとの提携により、彼女の『Eras Tour』のディズニー+版でフィーチャーされる独占アコースティック・サプライズ・ソングを1日1曲ずつこっそり披露する予定であることを明らかにした。


GMAのソーシャルに投稿された映像の中で、"アンチ・ヒーロー "の歌手は、現在進行中のErasツアーのコンサートのステージに立つ直前だったようで、このニュースをファンと共有した。


「おはよう、アメリカ!」と、彼女は3時間のショーのオープニングで着る、きらびやかな色とりどりのレオタードを着てカメラに向かって言った。(このポップ・スーパースターは、シンガポールでの一連の公演を終えたばかりで、次のアルバム『The Tortured Poets Department』が4月19日にリリースされる前のErasツアーの最終公演でもある。ツアーは5月9日にパリで再開される)


 

「今週は毎日、Erasツアーのアコースティック・ソング、私バージョンを独占入手するためにチャンネルを合わせてね 」と彼女は微笑みながら続けた。「今週木曜日[3月14日]午後6時(太平洋標準時)にDisney+で配信される映画もお見逃しなく」


スウィフトは火曜日(3月12日)に4曲のサプライズ曲のうち最初の曲を披露する予定だという。"テイラー・ウィークです "と番組はミュージシャンのクリップにキャプションをつけた。"@taylorswift13が、@disneyplus版の「テイラー・スウィフト/ザ・エラス・ツアー(テイラー・バージョン)」に収録される4曲のアコースティック・ソングを、1週間を通してスニークピークしています。"  


グラミー賞を受賞したこの大ヒット映画は、10月にAMCの劇場で初公開され、週末1日だけで9,280万ドル以上を稼ぎ出し、コンサート映画史上トップの興行収入を記録した。12月、スウィフトは34歳の誕生日を記念して、"Wildest Dreams"、"The Archer"、"Long Live "のパフォーマンスをフィーチャーした拡大カットをオンデマンドでレンタル配信した。


Disney+版には、さらに未公開コンテンツが含まれる。4曲のアコースティック新曲(最近の予告編によると、そのうちの1曲は「マルーン」)に加え、ストリーミング版では、テイラー・スウィフトがフォークロアのシングル「カーディガン」を初披露する映像が収録される。





国際女性デーのインディペンデント紙とのインタビューで、リナ・サワヤマが音楽業界における女性差別についての考えを語り、彼女が直面してきた静かな戦いを振り返った。旧来から。音楽業界のミソジニーは問題視されてきた。女性軽視の現状を訴えかけるのはサワヤマだけではない。


昨年、グラストンベリー・フェスティバル2023でのセット中、サワヤマはダーティ・ヒット・レコードのレーベルメイトであるマティ・ヒーリーに対して発言したことは記憶に新しい。彼の名前は言わなかったが、澤山はThe 1975のフロントマンがここ数ヶ月で物議を醸した発言について言及した。「この次の曲''STFU!''は、マイクロアグレッションにうんざりして書いたの。だから今夜、この曲は(ポルノ・シリーズ)『Ghetto Gaggers』を観て、ポッドキャストでアジア人をバカにしている白人男性に贈る。彼は私のマスターも所有している。もうたくさん」


数ヵ月後、NOSアライブ・フェスティバルで、彼女はヒーリーをまた侮辱するようにこう言った。「謝罪についていろいろ考えていたの。人種差別的なことを言ったとか、性差別的なことを言ったとか...。人生で一度くらい、自分のことを棚に上げて謝ったらどう?」


サワヤマは自分自身のために立ち上がり、ヒーリーの行動を非難したことで多くの人から支持されたが、それに対する反発もあった。今、彼女は自身のインスタグラムに声明を投稿し、昨夏の論争の余波とどう向き合ってきたかを詳しく述べている。


「すべての女性たち、とりわけこの業界と日々静かな戦いを強いられている女性たちに、国際女性デーおめでとう!


 この1年のことを正直に(というか、安全だと思えるレベルまで詳細に)話したのは初めてです。正直なところ、私の精神状態は最悪で、2023年のコミットメントを完遂することはできたが、今年も同じだったとは言えない。ファンをがっかりさせてしまったのなら申し訳ない。いつも応援してくれて、本当に感謝している。幸運なことに、自分のビジネスを維持し、自分自身とチームを支える方法を見つけることができたが、新しい音楽に関しては、今の状況では次のアルバムをリリースすることはできない。本当に追い詰められている感じで、どうしたらいいのかわからない。


 ここで勇敢にも自分のストーリーを語ってくれた女性たち、そしてそれをまとめてくれたロワジンとクロエに感謝する。


 私はこの記事の力強さに活気づけられたが、業界が本当に腐っていることに涙した。これは、実際に起こっていることのほんの一部に過ぎない。このような話、もっとひどい話も、他のアーティストからプライベートで聞いたことがある。高い地位で安定した仕事に就いている複数の女性にひどいことをした男たちがいる。本当に恐ろしいことです。


 もし私たちに協力したいのであれば、この記事をシェアし、取り上げられた人たちに愛と支援の言葉を送ってください。私はいつか、もっと多くの出版物がこの風土病的な問題をこの記事以外でも取り上げてくれることを望んでいる。


 記事にも書きましたが、私は女性差別を経験したことのない女性を知らりません。学校での音楽への情熱は、その後、私の十代の数年間私を手なずけた音楽の先生に利用された者として、それは若い頃から始まります。音楽業界は、絶対に''MeToo運動''が必要であり、私たちはあなたの増幅が必要です。そうでなければ、このようなアーティストは業界から消えてしまうでしょう。若い人たちには、彼女たちのような経験をしてほしくない。男性にもこのことを広めてほしい。


 これは私たちの職場であり、女性はこのような扱いを受けるに値しない。これは通過儀礼ではないのです」