アンドリュー・ベイリー、コリン・コールフィールド、ベン・ニューマン、ザッカリー・コール・スミスの4人組、DIIVが、4thアルバム『Frog in Boiling Water』の最新プレビューとして「Everyone Out」を公開した。


以前公開された、SNLのフェイクビデオでフレッド・ダーストとコラボしたアルバム・プレビュー「Brown Paper Bag」と「Soul-Net」に続き、DIIVは2019年の『Deceiver』に続くアルバムの新曲「Everyone Out」を公開した。


バンドはこの曲について、「アコースティック楽器、重ねたテープループ、シンセサイザーといった、よりソフトで質感のあるサウンドパレットを利用している」と語っている。


「この曲は感情的で親密で、希望的ともシニカルとも解釈できるし、若さゆえの純朴さから苦い幻滅への素早い移行を中心とした人物研究なのかもしれないし、そうでないのかもしれない。この希望の喪失は、社会から完全に離脱したいという願望に現れているのかもしれないし、社会の崩壊を加速させたいという願望に現れているのかもしれない。あるいはその両方かもしれないし、そのどちらでもないかもしれない」



「Everyone Out」

 


デビューEP「In Her Dream」が「ファナ・モリーナやアントニオ・ロウレイロを想起させる」と評されるなど注目を集めた''marucoporoporo''。数年間の沈黙を経て、ついにファーストアルバムをFLAUから5月15日にリリースする。


アルバムの最初の先行シングルとなる「Cycle of Love」は、命の循環をテーマにした新作の幹となる、メロディアスなエスノ・アンビエント・フォークともいえる楽曲。日本人ばなれした歌唱力と抽象的な音像の中にじんわり溶け込むハートフルなボーカルが神秘的な雰囲気を生み出す。その歌唱力の透明感美麗なナチュラルさは北欧のアイスランドのシンガーに比するものがある。


独自の変則チューニングから繰り出されるアコースティック・ギター、そして唸るような低音から透き通るハイトーンまでを行き来する美しい歌声、深遠な水の底まで落ちていくかのようなドリーミーなアンビエンスが、唯一無二の世界を形作っている。先行シングルの視聴、及び配信リンクは下記より。

 





「Cycle of Love」-Lead Single



Label: FLAU
Release:2024/3/27

Tracklist:

1. 「Cycle of Love」


Pre-save/Pre-add:(先行シングルの配信):

 https://marucoporoporo.lnk.to/ConceivetheSea



『Conceive the Sea』-Deview Album


Label: FLAU

Release: 2024/5/15

1. Conceive the Sea

2. Cycle of Love

2. Cycle of Love

3. From a Distance

4. Double Helix

5. Core

6. Tubulin

7. As I Am

8. Reminiscence


Pre-order(先行予約): 

https://marucoporoporo.lnk.to/ConceivetheSea

 

POND Creative


ニューヨークを拠点に活動するSSWの新星、S. Raekwon(S.レイクウォン)は、j次作アルバム『Steven』の最新シングル「If There's No God...」をリリースした。フォーク・ミュージックとソウルを融合させたスタイルは「Folk-Soul」とも称するべきだろうか。この曲は、前作「Old Thing」と「Steven's Smile」に続くシングル。この曲のミュージックビデオは以下よりご覧下さい。


「『If There's No God...』はアルバムの感情的、テーマ的な中心作なんだ。自分の中にある醜さが自分という人間を定義しているのかどうかを問うている。人間というのは、自分の最悪の部分によって判断されるべきなのだろうか? それとも、私はちょっとだけ自分に厳しすぎるのだろうか? しばらくの間、この曲をどんなふうに仕上げるか迷っていたんだ。やはり、宗教と道徳は大きなテーマになっている。でも、この作品が本当に好きなのは、そのどれにも答えようとしないからなんだ。誰も批判しちゃいない。だれも自分のことしか考えていないだけだよ」


PONDクリエイティブはビデオについてこう付け加えた。「ニューヨークを中心としたグラウンドホッグ・デイのような物語を実現するため、マンハッタンからスタテン島まで、スタテン島フェリーに乗り、何度も何度も往復してみた」

 

「日の出、日没、朝、昼、夜明け、夕暮れ、後悔から羞恥心、怒り、混沌まで、スティーヴンがフェリーの壁の中で様々な感情を経験するのを見守っていた」


S. Raekwonによる新作アルバム『Steven』は5月3日にFather/Daughter Recordsからリリースされる。黄昏に照らされるマンハッタンのフェリーのミュージックビデオは、ヴィンテージな映像処理が施され、クールで美しい。アーティストはマンハッタンの望洋の果てに何を見るのか??



「If There's No God...」


Blondeshell(ブロンドシェル)が、Bully(バリー)と組んで新曲「Docket」をリリースした。双方ともアメリカの現行のロックシーンをリードするクールな女性シンガー。今回のコラボシングルには2人のフレンドシップが感じられる。男性同士にも友情あり、そして女性同士にも友情はつきもの。


Blondshell(ティーテルバウムのロック・プロジェクト)、セルフ・タイトル・デビューに浸透していたアルト・ロックのヴァイブスを倍増させた "Docket "は、Bully(アリシア・ボグナンノのロック・プロジェクト)とアーティストが繋がり、人間関係に関してあまり健康的でない振る舞いをする人物の視点を提示しながら、自問自答の物語を紡ぐ。


「ティテルバウムは、ドライブするパワーコードと飽和したドラムにのせて歌う。彼はもっと恋をしている人と一緒にいるべき/タダで食べている人じゃない/私の最悪の悪夢は私/少なくとも彼らは正直!」


「私はこの曲で別の人のためのスペースを持っていたし、私はそこにBullyの声を聞き続けた 」とティーテルバウムは声明で述べている。


「私は彼女の大ファンで、去年の夏のツアー中、彼女のアルバムを聴くのを止められなかった。正直なところ、スタジオで彼女の歌声を聴いたとき、ただただ衝撃を受け、畏敬の念を抱くばかりだった。彼女がわたしと一緒に曲を作ることにイエスと言ってくれて本当に嬉しい」


「私はサブリナの大ファンで、彼女は信じられないほど素晴らしいと思っています。インディーズの世界で多くのミュージシャンが互いをサポートし、賞賛し合っているのを見ると、本当に嬉しくなる。だから、ありがとうサブリナ。そして、私が大ファンである彼女の愛犬にも特別なエールを送りたいよ」


「Docket」はBlondshellの2024年最初の新作となる。この曲には新しいプロジェクトに関する発表はないが、アーティストはA24のトリビュートアルバム『Stop Making Sense』に参加する。ブリーは最近、2023年の作品『Lucky for You』に続く破壊的な「Atom Bomb」を発表した。


Blondshellは、現時点では2024年のツアーを計画していないもの、ロラパルーザ、ボストン・コーリング、ガバナーズ・ボール、グラストンベリー、シェイキー・ニーズなど、今後数ヶ月の間に数多くのフェスティバルに出演する予定。一方、Bulyは現在グループ・ラブとのツアーを終えたばかりだ。

 


「Docket」

 

©︎Alexa Viscius

アメリカン・フットボールのフロントマン/ヴォーカリスト、マイク・キンセラ(Mike Kinsella)は、別名プロジェクトのOwenのアルバム『The Falls of Sioux』から2曲を同時に発表した。「Virtue Misspent」と「Hit and Run」はリード・シングル「Baucoup」に続く。


「"Virtue Misspent''はずっと好きだったバンド、New Orderへのオマージュ。ギターパートはいつもピーター・フックのベースラインのように聴こえたから、スタジオではシンセストリングスを加えたり、エレキ・ギターをそのままボードにつないだりして、それを取り入れた。このビデオは、人生を生きてきて、その過程でたくさん失敗してきた僕へのオマージュなんだ」


監督のバッセとムーアはこうコメントしている。「この曲を聴くと、自分の過去と、その後に続くジェットコースターのようなエモーションを最後の最後で垣間見るような気がする。誰もが経験する普遍的なノスタルジーを味わうことができるはずだよ。その感情を視覚化するために、私たちは自分たちの青春時代の冒険を再現することを目指してみたんだ」


「中西部で経験した懐かしい思い出と完璧な日々の融合……。少年時代の驚き、少しの反抗、そして、本物の友情……。これらのイリュージョンを捉えるため、私たちは基本的に少年たちを遊ばせた。私たちはこのようなシナリオを作り、そして、彼らに自由に楽しんでほしいと言った。幸いにも少年たちは優秀で、私たちは共鳴し、誠実さを感じられる作品に仕上がったと思う」


「Hit And Run」について、マイク・キンセラは次のように付け加えた。「自分のアルバムには、たいてい1曲は泣ける曲があるけれど、この曲がそうなんだ」

 

Owenによる新作アルバム「The Falls of Sioux(スーの滝)」は4月26日にPolyvinyl/Big Scary Monstersからリリースされる。

 


「Virtue Misspent」

 

 

 「Hit And Run」

 

 


Velvet Undergroundのオリジナルメンバー、John Cale(ジョン・ケイル)が次作『POPtical Illusion』を発表し、そのリード・シングル「How We See The Light」を公開した。


遊び心溢れるアルバム・タイトルとは裏腹に、ケイルのわずか1年ぶりとなるセカンド・アルバムには、高評価された2023年発表のアルバム『MERCY』に見受けられたような、激しく詮索好きな怒りの感情がまだ含まれている。


『POPtical Illusion』では、ケイルは豪華なキャストを差し置いて、シンセサイザーとサンプル、オルガン、ピアノが入り組んだ迷路に一人で潜り込んだ。ケイルと長年のアーティスティック・パートナー、ニタ・スコットがロサンゼルスのスタジオで制作した『POPtical Illusion』は、まさにケイルがいつもそうしてきたように、未来に向かおうとする人の作品である。

 


「How We See The Light」


 

John Caleによる新作アルバム『POPtical Illusion』はドミノから6月14日にリリースされる。

 

 

John Cale 『POPtical Illusion』

 

Label: Domino

Release: 2024/06/14


Tracklist:


God Made Me Do It (don’t ask me again)

Davies and Wales

Calling You Out

Edge of Reason

I’m Angry

How We See The Light

Company Commander

Setting Fires

Shark-Shark

Funkball the Brewster

All To The Good

Laughing In My Sleep

There Will Be No River

 

Pre-add:

 

https://johncale.ffm.to/howweseethelight 


 


西アフリカのトゥアレグ族のハードロックグループ、Mdou Moctarがニューシングル「Imouhar」をリリースした。この曲は、近日発売予定のアルバム『Funeral For Justice』の最新シングル。


西アフリカのニジェールでは、2000年頃から携帯電話が普及し、市民の間でごく普通に音楽がデバイスでやりとりされるようになった。Mdou Moctorはそんな現代化と都市化が進むニジェールの中で、国際的な流れの中に文化性が飲み込まれていくことを危惧している。そのうちに彼らの言語性が奪いとられ、最終的には民族衣装をもどこかに消え去っていくのではないかと。

 

ニューシングル「Imouhar」は、バンドが属するトゥアレグ族のタマシェク語を守りぬくよう全体に呼びかけている。タマシェク語は消滅の危機に瀕しており、モクターは彼のコミュニティの中で数少ないタマシェク語の語法を知っている。そして言語性の消去はとりも直さず、国民性の消去でもある。彼らが行うのは、それを音楽という形で次の世代に伝えることなのである。


「ここの人たちはフランス語ばかり使っている。自分たちの言葉を忘れ始めているんだ。100年後には誰もタマシェク語をうまく話せなくなるような気がして、それは私たちにとってとても怖いことなのです」

 


「Imouhar」

 


ニューヨークのバンド、ビーン・ステラ(Been Stellar)が、6月14日にDirty Hitからリリースされるデビューアルバム『Scream from New York, NY』の最新シングル「All in One」を発表した。このシングルは、リードカット「Passing Judgment」に続くシングル。この曲のビデオは以下から。


「この曲とその歌詞は、いろいろな意味でアルバムの核心をついている。「この曲とその歌詞は、いろいろな意味でアルバムの核心をついている。この歌詞は、私たち全員が行っているありふれた日々の仕事を処理すること、それが私たちの人生をより大きな意味で理解することにどうつながるかをテーマにしている」


「ニューヨークのような凝縮された都市での生活の多くは、とても小さな箱の中で過ごすことになる。私たちはこのビデオで、その経験から来る狂気を描きたかった。EPで取り上げた独在論や実存的な不確かさというテーマは、この曲と結びついているように感じる。この曲は、私たちにとってクリエイティブな結論のようなもので、何年も取り組んできたような曲だ。レコーディングまでの最後の数週間で完成させたんだけど、その出来栄えはこれ以上ないくらい誇らしい」


「Passing Judgment」

 

©︎Jessica Fowly

カナダのシンガー、シャーロット・デイ・ウィルソン(Charlotte Day Wilson)は、次作アルバム『Cyan Blue(シアン・ブルー)』から新曲「Canopy」を発表した。この曲は、以前に発表されたシングル「I Don't Love You」と「Forever」に続く。


ウィルソン曰く、この曲は「愛を失い別れることは、愛を見つけることと同じくらい感動的なことなのだということを思い出させてくれる曲」だという。


シルヴァン・ショッセが撮影し、メラニー・サンチェスがスタイリングしたビデオは以下よりご覧下さい。『Cyan Blue』は5月3日にStone  Woman Music/XLよりリリース予定。


「Canopy」

 


アイスランドのミュージックシーンの象徴的なエレクトロデュオ、Kiasmos(キアスモス)が7年ぶりに復活する。


アーティストのオラファー・アルナルズとヤヌス・ラスムッセンからなるエレクトロニック・デュオ、キアスモスが新作EPをリリースした。『Flown』は、バンドが2017年に最後のプロジェクト『Blurred』、それ以来世界中でDJ活動に専念していた後の正真正銘のサプライズリリースである。


「私たちは、この新しいバージョンの私たちを共有することに興奮しています。それは、私たちが以前にやったこととは少し異なりますが、今は私たちに合っていると感じています」ラスムッセンは、3曲入りEPについて説明している。


「彼の3曲は世界の異なる地域で書かれたもので、それぞれの曲の個性を際立たせるのに役立った。''Flown''は比較的新しい曲で、できるだけ早く生まれたかったような曲のひとつだ。そういう曲は、あまり時間をかけて考えることがないので、私たちのお気に入りの曲になる傾向がある」


「"Flown''は私たちの共同作業による帰還であり、好奇心と発見の旅なんだ。アイスランドで書かれたこの曲は、UKのエレクトロニック・ミュージックとモダン・クラシック・ミュージックにインスパイアされた。タイトル・トラックに続く'Told'と'Dazed'は、当初は世界中を旅することについて書かれている。熱帯雨林の音やバリの楽器ガムランなど、その土地の環境音からの影響を加えているんだ」





週末の特集記事は以下よりお読み下さい。


WEEKLY MUSIC FEATURE - KIASMOS - II  エモーショナルなレイヴミュージック、その究極形

 Sam Evian 『Plunge』

 

Label: Flying Cloud Recordings

Release: 2024/03/22



Review

 

サム・エヴィアン(Sam Evian)はニューヨークのシンガーソングライター。前作『Time To Melt』で好調なストリーミング回数を記録し、徐々に知名度を高めつつあるアーティスト。エヴィアンの音楽的な指針としては、サイケ、フォーク、ローファイ、R&Bなどをクロスオーバーし、コアなインディーロックへと昇華しようというもの。彼の制作現場には、アナログのテープレコーダーがあり、現在の主流のデジタル・サウンドとは異なる音の質感を追求している。このあたりはニューヨークというよりもロサンゼルスのシーンのサイケサウンドが絡んでいる。


サム・エヴィアンは『Plunge』でもビンテージなテイストのロックを追求している。オープニングを飾る「Wild Days」は、70年代のアメリカン・ロックや、エルヴィス・コステロの名作『My Aim Is True』のようなジャングルポップ、そしてアナログのテープレコーダーを用いたサイケ/ローファイのサウンドを吸収し、個性的なサウンドが組みあげられている。ノスタルジックなロックサウンドという点では、Real Estateに近いニュアンスも求められるが、エヴィアンの場合はスタンダードなロックというより、レコードコレクターらしい音楽が主な特徴となっている。

 

70年代のUSロックに依拠したサウンドは、ジャンルを問わず、現代の米国の多くのミュージシャンやバンドがその音楽が持つ普遍的な価値をあらためて再訪しようとしている。ご多分に漏れず、サム・エヴィアンの新作のオープナーも、いかにもヴィンテージなものを知り尽くしている、というアーティストの自負が込められている。これは決してひけらかすような感じで生み出されるのではなく、純粋に好きな音楽を追求しているという感じに好感をおぼえる。イントロのドラムのロールが立ち上がると、ソロアーティストとは思えない緻密なバンドサウンドが展開され、そこにウェストコーストサウンドの首領であるDoobie BrothersのようなR&Bを反映させたロックサウンド、そしてエヴィアンのボーカルが入る。トラックメイクの試行錯誤を何度も重ねながら、どこにシンコペーションを置くのか、グルーヴの重点を据えるのか。いくつもの試作が重ねられ、かなり緻密なサウンドが生み出されている。このオープナーには確かに、いかなるレコードコレクターをも唸らせる、コアなロックサウンドが敷き詰められている。

 

 

「Jacket」以降もエヴィアンの志す音楽は普遍的である。同じく、Doobie Brothers、Byrds、CSN&Yを彷彿とさせる音楽で今や古びかけたと思われたものを、きわめて現代的な表現として2024年の時間軸に鮮明に浮かび上がらせる手腕については脱帽である。このサウンドは70年代のアナログレコードの旨味を知るリスナーにとどまらず、それらのサウンドを初体験する若いリスナーにも新しいサウンドとして親しまれるだろう。 その中にチェンバーポップやバロックポップ、つまりビートルズの中期の音楽性、あるいは、それ以降の米国の西海岸のフォロワーのバンドの系譜にあるサウンドを組み上げてゆく。ロックソングの中に遊びのような箇所を設け、マッカートニーのようなおどけたコーラスやハネ感のあるリズムで曲そのものをリードしていく。

 

サム・エヴィアンの制作現場にあるアナログレコーダーは、ロックソングのノイズという箇所に反映される。「Rolling In」も、70年代のUSロックに依拠しているが、その中にレコードの視聴で発生するヒスノイズをレコーダーで発生させ、擬似的な70年代のレコードの音を再現している。ここには良質なロックソングメイカーにとどまらず、プロデューサー的なエヴィアンの才覚がキラリと光る。そして彼はまるで70年代にタイムスリップしたような感じで、それらの古い時代の雰囲気に浸りきり、ムードたっぷりにニール・ヤングの系譜にあるフォーク・ロックを歌う。これには『Back To The Future』のエメット・ブラウン博士も驚かずにはいられない。


もし、先週末のエイドリアン・レンカーの『Bright Future』が女性的な性質やロマンチシズムを持つフォーク・ミュージックであると仮定するなら、エヴィアンの場合は、ジャック・アントノフ率いるブリーチャーズと同じように、きわめて男性的なロマンチズムが示されている。それはおそらくアーティストの興味の一貫として示されるスポーツカーやスーパーカー、ヴィンテージのアメリカン・カジュアルのようなファッション、あるいはジョージ・ルーカス監督の『アメリカン・グラフィティ』に登場するような郊外にあるドライブスルー、そういったアメリカの代名詞的なハイカルチャーが2020年代の視点から回顧され、それらの良き時代への親しみが示唆される。それは例えば、バイカーやカーマニアのカスタムメイド、それに類するファッションというような嗜好性と密に結び付けられる。女性から見ると不可解なものであるかもしれないが、それは男性にとってはこの上なく魅了的なものに映り、そしてそれはある意味では人生において欠かさざるものとなる。エヴィアンは、そういった均一化され中性化した文化観ではなく、男性的な趣向性ーー個別の価値観ーーを華麗なまでに探求してみせるのである。

 

本作の序盤では一貫してUSのテイストが漂うが、彼のビンテージにまつわる興味は続く「Why Does It Takes So Long」において、UKのモッズテイストに代わる。モッズとはThe Whoやポール・ウェラーに象徴づけられるモノトーンのファッションのことをいい、例えば、セミカジュアルのスーツや丈の短いスラックス等に代表される。特に、The Whoの最初期のサウンドはビートルズとは異なる音楽的な意義をUKロックシーンにもたらしたのだったが、まるでエヴィアンはピート・タウンゼントが奏でるような快活なイントロのリフを鳴らし、それを起点としてウェスト・コーストロックを展開させる。ここには、UKとUSの音楽性の融合という、今までありそうでなかったスタイルが存在する。それらはやはりアナログレコードマニアとしての気風が反映され、シンコペーション、アナログな質感を持つドラム、クランチなギターと考えられるかぎりにおいて最もビンテージなロックサウンドが構築される。そして不思議なことに、引用的なサウンドではありながら、エヴィアンのロックサウンドには間違いなく新しい何かが内在する。

 

そして、アルバムの序盤では、アメリカ的な観念として提示されたものが、中盤を境に国境を越えて、明らかにブギーを主体としたローリング・ストーンズのイギリスの60年代の古典的なロックサウンドへと肉薄する。「Freakz」はキース・リチャーズの弾くブルースを主体としたブギーのリフにより、耳の肥えたリスナーやギターフリークを唸らせる。エヴィアンのギターは、リチャーズになりきったかのような渋さと細かいニュアンスを併せ持つ。しかし、それらの根底にあるUKロックサウンドは、現代のロサンゼルス等のローファイシーン等に根ざしたサイケデリアにより彩られたとたん、現代的な音の質感を持つようになる。結局、現代的とか回顧的といった指針は、どこまでそれを突き詰めるのかが重要で、その深さにより、実際の印象も変化してくる。エヴィアンのコアなサイケロックサウンドは、ファンクとロックを融合させた70年代のファンカデリックのようなR&B寄りの華やかなサウンドとして組み上げられる。ギタリストとしてのこだわりは、Pファンク風のグルーヴィーなカッティングギターに見いだせる。

 

同じように70’sのテイストを持つロックサウンドを挟んだ後、「Runaway」ではエヴィアンのロックとは別のフォーク音楽に対する親しみがイントロに反映されている。それはビートルズのアート・ロックに根ざした60年代後半のサウンドへと変化していく。エヴィアンのボーカルは稀にマッカートニーのファニーなボーカルを思わせる。それを、ビクトロンのような音色を持つアナログシンセサイザーの音色、そして、リッケンバッカーに近い重厚さと繊細さを持つギターサウンド、同音反復を特徴とするビートルズのバロック・ポップの音階進行やビートの形をしたたかに踏襲し、それらをしなやかなロックソングへと昇華させる。コーラスワークに関しても、やはりビートルズの初期から中期にかけてのニュアンスを踏まえ、ソロプロジェクトでありながら、録音のフィールドにポールの他にレノンのスピリットを召喚させるのである。これらはたしかに模倣的なサウンドとも言えなくもないが、少なくとも嫌味な感じはない。それは先にも述べたように、エヴィアンがこれらの音楽を心から愛しているからなのだろうか。

 

ウェストコーストロック、サンフランシスコのサイケ、さらにストーンズやビートルズの時代の古典的なUKロックという流れでアーティストの音楽が示されてきたが、アルバムの終盤の2曲はどちらかと言えば、エルヴィス・コステロのようなジャングル・ポップやパワー・ポップの原点に近づいていく、そのコーラスの中には、Cheap Trickのニールセンとサンダーのボーカルのやり取り、または、武道館公演の時代のチープ・トリックの音楽性が反映されているように見受けられる。厳密に言えば、アイドル的なロックではなくて、どちらかといえば、パンキッシュな嗜好性を持つコステロの骨太なサウンドの形を介して昇華される。果たして、これらの音楽にマニア性以上のものが存在するのか? それは実際のリスニングで確認していただきたいが、少なくともロックファンを唸らせる何かが一つや二つくらいは潜んでいるような気がする。

 

アルバムのオープナー「Wild Days」とクローズの「Stay」はジャングルポップや良質なインディーフォークなので聴き逃がせない。

 


76/100

 

 

 

Best Track- 「Stay」

 


ロサンゼルスのシンガーソングライター、マリーナ・アレン(Marina Allen)が3rdアルバム『Eight Pointed Star』をFireより6月7日にリリースすることを発表した。

 

プロデューサーにクリス・コーエン(Chris Cohen)を迎えて制作されたこのアルバムには、ハンド・ハビッツ(Hand Habits)のメグ・ダフィー、ケーシー・ヨハンシングらが参加している。

 

「ネブラスカにまつわるイメージは、私にとっていつも鮮明だった。私の祖母がデイジーという名のポニーに乗って学校に通っていたことを、母が話してくれたんだわ。世界はこんなにも短い間に変わってしまったんだということを実感させられたと思う」

 

「私たちは『オズの魔法使い』を見ていて、ドロシーが私の遺産のように感じたの。家族の物語の多くは、自分が何者であるかを定義するもので、その多くは真実でなかったり、間違って聞いたり、ある一部分だけを受け継いだ誰かによって受け継がれた、ある一部分だけを受け継いだりする。私はそれを使って遊んでみたかった。私を中心に、これらのイメージが渦巻いていた」


アルバムからのファーストシングルは「Red Cloud」。これを聴く限り、『Eight Pointed Star』はマリーナらしい牧歌的なフォーク・サウンドを保ちつつも、従来の作品よりもモダンなサウンドのアルバムに仕上がっているようだ。ウェス・アンダーソンとのコラボレーターであるエリエル・フォードが監督した "Red Cloud "のミュージックビデオは以下から見ることができる。

 

「Red Cloud」



Marina Allen(マリーナ・アレン)の前作アルバムは『Centrifics』。このアルバムは週間のおすすめとしてご紹介しています。


Marina Allen 『Eight Pointed Star』


Label: Fire

Release: 2024/06/07 


Tracklist:

1. I’m the Same

2. Deep Fake

3. Red Cloud

4. Swinging Doors

5. Bad Eye Opal

6. Easy

7. Love Comes Back

8. Landlocked

9. Between Seasons


Pre-order:


https://marinaallen.lnk.to/EightPointedStarID


 


フィラデルフィアを拠点に活動するKaho Matsui(松井夏帆)がニューシングル「i don't have to tell the rest」をストリーミングでリリースした。著名なジャズ演奏家を親に持つ松井は「エモ・アンビエント」と呼ばれる新しい作風でインディーズシーンに新風を呼び込む。


アーティストは今年始めにフルレングス「i want it more than i want to be well」を発表したばかり。


松井夏帆は昨年までポートランドで活動をしていたが、夏に引っ越そうと話していた。また音楽的な影響としては、オースティンを拠点とするアーティスト、More Eazeこと、Mari Maurice Rubioがいる。松井の作品にも名を連ねているが、マリに関してアーティストは次のように述べている。


「私は何年も[マリ]を尊敬してきたので、彼女が『ああ、あなたの音楽を聴いた、本当に素晴らしい』という感じだったのは少し意外だった」と松井。「私にとっては、まさかという感じだった。そして、彼女は「私たちは協力すべきだ」という感じだった」


More Eazeの音楽は、感情的な表現を強調するロック音楽のスタイルに因んで、「エモ・アンビエント」として規定されている。あまり聞きなれない用語だが、どうやら松井もこの用語に親近感を覚えているらしい。松井は、音楽的なアプローチに関して、エモを直接参照するのではなく、アイデアの提示方法に革新性をもたらそうとしている。


音楽的なプロセスには明らかにClairoのようなベッドルームポップの影響が感じられるが、一方、スノビズムやナードであることをまったく恐れていない。ギター演奏は、アメリカン・フットボールのような中西部のエモバンドによって開拓されたスピンドリースタイルの影響を受けているという。また、シカゴのジェフ・パーカーに近い音の独特な繊細なニュアンスを生み出す。


松井の音楽にはジャズ、アンビエントやエモに加え、ローファイ的な音のニュアンスが付加される。もう一つアーティストは、EDMからの影響も挙げている。クレア・ラウジーのポスト世代として注目しておきたい。


 

©︎Caylin Ofsanko

ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライター兼プロデューサーのスチュワート・ブロノーのプロジェクト、Lionlimbが新作アルバム『Limbo』を発表した。2021年の『Spiral Groove』に続くこの作品は、5月24日にBayonet Recordsからリリースされる。本日の発表では、リード・シングル「Hurricane」がリリースされた。アルバムのジャケットとトラックリストは以下からご覧ください。


「Hurricane』は、人間であることの不安や居心地の悪さから逃避し、フロー状態に入れるような感覚を探すことをテーマにしている。「創造性は助けになるし、もっと有害な方法もある。この曲は、そういったものに別れを告げることを歌っているんだけど、私はいつも次のものを探しているような気がするんだ。


BronaughはLimboの作曲、プロデュース、ミキシングを手がけ、Robin Eatonがレコーディング、Joshua Jaegerが生ドラム、Angel Olsenがヴォーカルを担当した。「音楽に取り組んでいる時は、自分の世界を作ろうとしているような感じなんだ。「どこかに存在したいという感覚なんだ。何かを表現して、自分の頭や体から抜け出そうとしているんだ」






Lionlimb 『Limbo』


Label: Bayonet

Release: 2024/05/24


Tracklist:


1. Sun

2. Hurricane

3. Underwater

4. Hiss

5. Dream Of You (feat. Angel Olsen)

6. Runaway

7. Two Kinds of Tears

8. Nowhere to Hide

9. Til It’s Gone

10. You Belong To Me

USロックのボス、ブルース・スプリングスティーンは先週、フェニックスでパフォーマンスへの凱旋を果たした。


彼は消化性潰瘍疾患との闘病による6ヶ月の休養の後、Eストリート・バンドと共にステージに立ち、ワールド・ツアーを再開した。しかし、スプリングスティーンは健康上の懸念をかかえながらツアーを続行していたようだ。


E Street Radioの司会者ジム・ロトロとのインタビュー(via Deadline)で、74歳のロック・アイコンは、最近、もう二度とライブをやらないかもしれないと恐れていた時期があったと語った。


「歌い始めたら、歌のリハーサルをすることはできるけど、リハーサルでは声が違うんだ。胃の病気になったとき、大きな問題のひとつは歌えなくなったことだった」と語ったスプリングスティーンは、胃の病気の深刻な影響のため、9月に予定されていたEストリートの2023年から2024年にかけてのワールド・ツアーを一時中断した。


「横隔膜で歌うんだ。横隔膜がとても痛くて、歌おうと努力すると死ぬほど痛かったんだ。「だから、文字通り、まったく歌えなかったんだ。ある時点で、スプリングスティーンは、彼の特徴であるハイ・エナジーなパフォーマンス・スタイルに戻れるかどうか全く分からなかったと語った。


『僕は、みんなに言われる前は、もうダメかもと思う。でも、これは僕が一番好きなことのひとつなんだ。 医者から大丈夫だとか。最初は、誰もそんなことは言わなかった。誰もそう言ってくれなかったから、不安になった。それでも結局、素晴らしい医者たちに出会えて、彼らが僕を正してくれたのさ」


医療チームのおかげで、スプリングスティーンは復帰し、3月19日のフェニックス公演(当初は11月30日に予定されていた)では、セットの最後の曲まで、医療問題に触れることなく29曲を歌い切った。スプリングスティーンの直近のツアーは3月25日(月)にサンディエゴのパチェンガ・アリーナで開催される。ライブには復帰したものの、実際はかなり治療のためにやつれているご様子。顔はやつれた感じで肉体はシュワルツネッガーというアンバランスな感じが心配になってくる……。

 Waxahatchee 『Tigers Blood』

 

Label: Anti-

Release: 2024/03/22

 

Review


今週のもうひとつの注目作がAnti-からリリースされたワクサハッチーによる最新作『Tigers Blood』。このアルバムもエイドリアン・レンカーと同じく、アメリカーナやカントリー、フォークを主体としている。ワクサハッチーはジェス・ウィリアムソンとのデュオ、Plainsとして活動しており、このプロジェクトもアメリカーナとロックやポップスを結びつけようとしている。

 

今回のアルバムはアートワークを見ると分かる通り、カンサス出身のワクサハッチーが米国南部的なルーツを掘り下げようとしたもの。しかし、ワクサハッチー自身はこれまで人生を行きてきた中で、南部的なルーツを隠そうとはしなかったものの、それを明るみには出さなかったという。そしてこのアルバムは、Anti-のスタッフの方が言及する通り、「それが存在する前からそこにあったような気がする」という、普遍的なアメリカン・ロックとなっている。どこまでも純粋なアメリカンロックで、それがかなり親しみやすい形で昇華されている。非常に聞きやすい。

 

全般的にはそれほどアメリカーナというジャンルを前面に押し出していないように思えるが、それは飽くまで表向きの話。オープニングを飾る「3 Sister」からインディーロックを基調としたソングライティングの中にスティールギターを模したエレクトロニックギターを織り交ぜたり、そして歌唱の中にもボーカルピッチをずらしてう歌うアメリカーナのサングのスタイルが取り入れられている。しかし、ワクサハッチーはそれをあまりひけらかさないように、オブラートに包み込む。おおらかなソングライティングの中で彼女が理想とするポップを体現させようとする。

 

続く「Evil Spawn」はコラボレーターのジェス・ウィリアムソンのソングライティングに近く、アメリカン・ロックを温和なムードで包み込んでいる。ウィリアムソンの最新作ではいかにもアリゾナにありそうな砂漠や幹線道路を砂埃を上げて走る車のようなイメージが立ち上ってくることがあったが、ワクサハッチーの曲のイメージは、より牧歌的な温和さに縁取られている。その歌声の中には温かさがあり、また雄大な自然のムードが反映されているように思える。


アルバムはその後、70年代のウエストコーストロックや、サザンロックのビンテージなロックへと続いている。「Ice Cold」は、ソロアーティストというよりもバンドスタイルで書かれた曲で、ByrdsやCCRを始めとするUSロックの源流へと迫っている。セッション自体も楽しげであり、聴いているだけで気持ちが沸き立ってくるような気がする。その中で、ワクサハッチーは南部的な風景やムードを上手く反映させている。時折、それはボーカルの節回し、あるいはメロディーの進行と理論的に展開させるというよりも、体感したものを音楽という形で表現していく。

 

アメリカーナの固有の楽器も取り入れられている。続く「Right Back To It」ではスーパーチャンクの名曲「1000 Pounds」にようなインディーロックとアメリカーナの融合のソングライティングに取り組んでいる。しかし、ワクサハッチーの場合は、ロックソングというよりも普遍的なポップスに焦点が絞られ、映画のワンシーンで流れるような寛いだサウンドトラックを思わせる。それほど聞きこませるというよりも、聞き流せるという音楽として楽しめる。ワクサハッチーの音楽は主要なメインテーマといよりかは、BGMや効果音のような聞きやすいポップスなのである。

 

ワクサハッチーの音楽は、単なる古い時代の音楽を尋ねるというよりも、どこかの時代にラジオで流れていた70年代や80年代のロックやポップス、それらの記憶を元に、現代的に親しみやすいポップソングに再構築しようというような意図が感じられる。


「Burns Out at Midnight」はスプリングスティーンのようなUSロックの王道を行くが、その中には単なるイミテーションという形ではなく、子供の頃に聴いていたラジオからノイズとともに聞こえ来る音楽を再現しようという狙いが伺える。それは、ノスタルジアなのか、それとも回顧的というべきなのかは分からないが、懐かしさに拠る共感覚のようなものを曲を通じてもたらすのである。続く「Bored」に関してもこれと同様に、映画のサウンドトラックで流れていた曲、そしてその音楽がもたらすムードや雰囲気を曲の中で再現させようとしているように感じられる。


クラシカルな音楽に対する親しみはその後より深い領域に差し掛かる。「Lone Star Lake」、「Crimes Of The Heart」は、ムードたっぷりのバンジョーやスティールギターがやはり南部的な空気感を生み出している。穏やかさと牧歌的な気風が反映されているが、正直なところ、このあたりはなにか二番煎じの感が否めない。穏やかな感覚はどこかで阻害されているという気がし、残念だと思うのは、ルーツまでたどり着いていないこと。それがなんによるものかは定かではないが、本当の音楽がなにかによってせき止められてしまっているような気がする。

 

難しいけれど、遠慮ともいうべきもので、米国南部的な感性が都会的な感性にからめとられてしまっているからなのかもしれない。純粋なカントリーやフォーク音楽に対して、なにか遠慮が感じられる。奥ゆかしさともいうべきもので、長所たりえるのだけれど、音楽の核心に至る途中で終わっている。ただ、「Crowbar」は閃きがあり、また比較的明るいエネルギーが感じられて素晴らしい。アルバムの中では、ポップに内在するソウルやR&Bに近いアーティストのもう一つのルーツに迫ることが出来る。

 

「365」はよりポピュラー寄りの音楽に進むが、シンプルなポップスとして楽しんでもらいたい。「The Wolves」は全般的な印象と連動して、少し寂しい感じをおぼえるわ、もう少し、編集的なプロダクションや楽器を増やしても面白かったかもしれない。

 

ワクサハッチーは個人的にも好きなアーティストではあり、表現すべき世界観や音楽観を持っている良いミュージシャンであるが、ピアノやバイオリンがないのが、結局、レンカーのような遊び心のある作品にならなかった理由なのかもしれない。本作の中盤から終盤にかけて、安らいだ感じを越えて、少し音楽が緩みすぎているところがあるのが難点。ただ、アメリカンロックやポップスにこれから親しんでみようというリスナーには最適なアルバムになるはず。

 



72/100