「”Mama say make I honor am”は、言い換えれば、"Mother says I must honor her"というようになる。この曲は本質的に私たちの生活にいる女性に力を与え、高揚させることを歌っている。コーラスのアルペジオは、ジュノ60で演奏している。さらに、ヴァースの西アフリカのヴォーカル・スタイルは、これらのエレクトロニックな要素とは対照的な雰囲気を醸し出している」
Wu-Luは新作アルバム『Learning To Swim on Empty』の制作を発表した。このアルバムはWARPから5月17日にリリースされる。おそらく2024年の注目作の一つとなりそうだ。
待望のニューアルバム「Learning To Swim On Empty」は、ウー・ルーのサウンドの深みと幅が増していることを示している。反ジェントリフィケーションのアンセム「South」でブレイクし、アルバム『LOGGERHEAD』は爆発的なエネルギーを持ち、広く賞賛されたが、タイトル曲でWu-Luがよりニュアンスに富んだ個人的なアプローチをとっていることがわかる。
今作の音楽はスコットランドのギター・ポップを元に、シンセ・ポップや1990年代のUKロックを反映させている。その中には、シューゲイザーの元祖であるJesus And Mary Chainや同地のロックシーンへのリスペクトが示されている。しかし、80年代から90年代のUKロック、スコットランドのギター・ポップが音楽の重要な背景として示されようとも、RIDEの音楽は、決して古びてはない。いや、むしろ彼らのギターロックの音楽の持つ魅力、そしてメロディーの良さ、アンディ・ベルのギター、ボーカルに関しても、その醍醐味はいや増しつつある。これは、実際的に、RIDEが現在進行系のロックバンドでありつづけることを示唆している。もちろん、これからギター・ポップやシューゲイズに親しむリスナーの心をがっちり捉えるだろう。
シューゲイズサウンドやギターポップの魅力の中には、抽象的なサウンドが含まれている。アンビエントとまではいかないものの、ギターサウンドを通じてエレクトロニックに近い音楽性を示す場合がある。RIDEの場合は、三曲目の「Light In a Quiet Room」にそのことが反映され、 それをビーディー・アイのようなクールなロックとして展開させる。アンディ・ベルのボーカルの中に多少、リアム・ギャラガーのようなボーカルのニュアンスがあるのはリスペクト代わりなのかもしれない。少なくとも、この曲において、近年その意義が失われつつあったUKロックのオリジナリティーとその魅力を捉えられる。それは曲から醸し出される空気感とも呼ぶべきもので、感覚的なものなのだけれど、他の都市のロックには見出しづらいものなのである。
続く「I Came to See The Wreck」でも80年代のマンチェスターサウンドに依拠したサウンドがイントロを占める。「Waterfall」を思わせるギターのサウンドから、エレクトロニック・サウンドへと移行していく瞬間は、UKロックの80年代から90年代にかけてのその音楽の歩みを振り返るかのようである。その中に、さりげなくAOR/ソフト・ロックやシンセロックの要素をまぶす。しかし、異なるサウンドへ移行しようとも、根幹的なRIDEサウンドがブレることはない。
続く「Stay Free」は、従来のRIDEとは異なるポップバラードに挑戦している。アコースティックギターに関しては、フォーク・ミュージック寄りのアプローチが敷かれているが、ギターサウンドのダイナミクスがトラック全体に重厚感を与えている。いわば、円熟味を増したロックソングの形として楽しめる。そしてここにもさりげなく、Alice In Chains,Soundgardenのようなワイルドな90年代のUSロックの影響が見え隠れする。もっといえばそれはグランジやストーナー的なヘヴィネスがポップバラードの中に織り交ぜられているといった感じである。しかし、ベルのボーカルには繊細な艶気のようなものが漂う。中盤でのUSロック風の展開の後、再びイントロと同じようにアイリッシュフォークに近いサウンドへと舞い戻る。
「Essaouira」はマンチェスターのクラブ・ミュージックの源流を形作るイビサ島のクラブミュージック、あるいは現代的なUKのEDMが反映されたかと思えば、クローズ「Yesterdays Is Just a Song」では男性アーティストとしては珍しい例であるが、エクスペリメンタル・ポップのアプローチを選んでいる。強かな経験を重ねたがゆえのアーティストとしての魅力がこの最後のトラックに滲み出ているのは疑いない。それは哀愁とも呼ぶべきもの、つまり、奇しくも1992年の『Nowhere』の名曲「VapourTrail」と相通じるものがあることに気づく。
84/100
「Peace Sign」
LA Priest(別名: サム・イーストゲート)は、新曲「City Warm Heart 」と共に、近日リリース予定のEP『La Fusion』を発表した。このEPはDomino Recordingsから5月3日に発売される。
P昨年リリースされたサード・スタジオ・アルバム『フェイズ・ルナ』に続き、LAプリーストは次作『ラ・フュージョン』の詳細を発表した。前作は、イリノイ大学で教授を務めたダニエル・L・エヴェレット(Daniel L eonard Everett)の著作『Don't Sleep There Are Snakes (邦題: ピダハン』のように、コスタリカにアーティストが数ヶ月滞在し、その土地の文化性を汲み取り、それを音楽として昇華させた。(ちなみに、この著作の中で、ダニエル・エヴェレット教授は、文化的なプログラムの一貫として、キリスト教の伝道師としてアマゾンに家族と一緒に滞在する。逆に、ピダハン族の人間として生きることの智慧に感化されてしまったのである)
ニュー・シングル「If I Could Make You Care」は、彼らの核となる価値観に触れ、渦巻くようなミニマルなアレンジがカージナルスを最も魅力的に見せている。歌詞にはシナトラへの微妙な言及があり、パフォーマンスにはある種のドラマが込められている。
フロントマンのユアン・マニングが、この曲について次のように付け加えている。
「この曲の歌詞については、フランク・シナトラの『I Could Make You Care』から引用したタイトルを除けば、多くを語ることはない。この曲は私とオスカルの共作で、私たちの間で特別なものになるまで黙々と取り組んだ。バンドとのアレンジがドラマとスケールをもたらし、予想以上に大きなものになった。この曲を書いたときは、人生のある部分に終止符を打ったような、大きな安堵感があったんだ」
今日、デヴィッド・バザンによるインディーロックプロジェクト、ペドロ・ザ・ライオン(Pedro The Lion)は6月7日発売のアルバム『Santa Cruz』を発表した。2022年の前作『Havasu』はハザンが若い時代を過ごしたアリゾナを訪れ、その追憶と共に書かれた作品だった。このアルバムには「Teenage Sequencer」を始め、素晴らしいインディーロックナンバーが収録されていた。
TOPSのリードシンガー、Jane Penny(ジェーン・ペニー)が今週末発売されるデビューEP『Surfacing』から最終シングル「Beautiful Ordinary」をリリースした。メロウで親しみやすいシンセポップ・ナンバー先行配信された「Messages」、「Wear You Out」に続く三作目のシングルとなる。
シカゴのソングライター、Lala Lalaとしても知られるLillie West(リリー・ウェスト)が、自身初の名義でのプロジェクト、インストゥルメンタルアルバム『If I were a real man I would be able to break the neck of a suffering bird』を発表した。アルバムは4月5日(金)にHardly Artよりリリースされる。
このアルバムはアイスランドで録音された。公式の声明で、リリー・ウェストはこう語っている。
「『If I were a real man I could break the neck of a suffering bird』の大半は、2022年1月、アイスランドのSeyðisfjörður(セイジスフィヨルズル)にあるLungA Landでの滞在中に書かれ、レコーディングされた。Seyðisfjörðurはアイスランドの東海岸にある人口約650人の町、冬の間は太陽がフィヨルドに入ることはない」
最近、Kazumaの音楽は、海外のリスナーの注目が集めるようになっている。Spotifyのアンビエントのプレイリストで特集が組まれ、スコットランドの老舗ファッション・ブランド、Johnstons of Elgin(ジョンストンズ・オブ・エルガン)の製品のルック動画の音楽を手掛け、米国のギタリスト、Hollie Kenniffとのコラボも行った。今後、海外での知名度も徐々に高まっていく可能性もある。
自身の経験の中で最も古いアンビエントに近い音楽に触れるきっかけは、2004年にRed Hot Chili Peppersのギタリスト、John Frusciante(ジョン・フルシアンテ)のソロアルバム『The Will To Death』の「Helical」という一曲との出会いでした。スプリングリバーブの心地よい響きと即興演奏によるエレクトリック・ギターの1発録りは、今でも自分が憧れるギターアンビエント像そのものでした。繰り返し何度も聴いた覚えがあります。
オーストラリア出身のシンガー・ソングライター、Phoebe Go(フィービー・ゴー: 本名フィービー・ルー)は、近日発売予定のデビューアルバムを発表した。サイモン・ラム(Charli XCX、Cub Sport)との共同プロデュースによる『Marmalade』は、AWALから5月17日にリリースされる。最近のシングル「7 Up」と 「Something You Were Trying」を収録している。