ヴィッキー・フェアウェル(Vicky Farewell)の2ndアルバム『Give a Damn』はMac's Record Labelから5月10日にリリースされる。その名の通り、LAを拠点とするこのアーティストを、スウィートなヴォーカルに彩られたR&Bのスロージャムと官能的なシンセファンクの立役者として紹介している。


アルバムの最新シングル "Push It "は、彼女の最もシュガーコーティングされた作品のひとつに数えられる。ミニマルな催眠インストゥルメンタルが、昔の恋愛を回想するファーウェルのクーイング・ヴォーカルの土台を築く。


「この曲では、『ジョパディ!』のテーマ・ソングの私なりのひねったバージョンを目指していたの」と彼女はこの曲のシンプルで効果的なメロディについて話している。歌詞についてこう続ける。


「停滞することへのフラストレーションを表現したかった。時には、みんなを一緒に連れて行くことができない、という悲痛な現実に直面することもあるのだから。ポール・サイモンの『Still Crazy After All These Years』という曲をいつも思い出す。この特別な曲をどの視点から見るかにもよるけれど、『Push It』はそれを私が翻案したものなの」


この曲と一緒に、フェアウェルはアルバムジャケットにある西海岸の雰囲気を見事にアニメーション化したミュージックビデオを公開している。

 

 

「Push It」 

 




Vicky Farewell 『Give A Down』


Label : Mac's Record Label

Release: 2024年5月10日

 

Tracklist:

1. Intro (Remember Me)

2. Semi Auto

3. Make Me

4. Push It

5. Textbook

6. Isn't It Strange

7. Tern Me On

8. Luxury Hellscape

9. Love Ya Like Me

10. Always There

 

©Thomas Neukum


カナダ出身の敏腕エレクトロニック・プロデューサー、数学者でもあるダン・スナイス(Dan Snaith)ことCaribouが「Honey」を発表した。アーティストは別名義の”Daphni”として作品を発表する場合もある。今回のニューシングルはダン・スナイスの名義としては3年ぶりの新曲となる。

 

グリッチ/ミニマル・テクノの作風でよく知られるCaribouであるが、今回のニューシングルはディープハウス/アシッド・ハウス寄りのアッパーなEDMで、ダンスフロア向けの作品と言えそうだ。今回のシングルでは、彼の作品としては珍しく女性ボーカルがフィーチャーされている。


2022年、ダン・スナイスはダフニとしての最新アルバム『Cherry』をリリースした。カリブーの最後のシングルは2021年の「You Can Do It」。

 

「Honey」

 


米国のフォークバンド、Bonnie Light Horseman(ボニー・ライト・ホースマン)が、20曲入りの2枚組アルバム『Keep Me On Your Mind/See You Free』を発表した。このアルバムは6月7日にJagujaguwarからリリースされる。


バンドメンバーのアナイス・ミッチェル、エリック・D・ジョンソン、ジョシュ・カウフマンは、ベーシストのキャメロン・ラルストン、ドラマーのJT・ベイツは、アイルランドの100年以上の歴史を持つ由緒あるパブ、”リーヴィス・コーナー・ハウス”で3日間の大半をレコーディングに費やした。その3日目には、ライブ・オーディエンスを招き、演奏とレコーディングを行いながら彼らのエネルギーを吸収した。

 

今作は、ジョシュ・カウフマンがプロデュースし、D・ジェイムズ・グッドウィンがミキシングを担当し、ニューヨーク北部のドリームランド・レコーディング・スタジオで完成させた。Bon Iver(ボン・イヴェール)のマイク・ルイスがベースとテナー・サックスを演奏し、さらにアニー・ネロがアップライト・ベースとバッキング・ハーモニーを担当した。


アルバムには最近のシングル曲 「When I Was Younger 」とリリースされたばかりの 「I Know You Know」が収録されている。

 

ボニー・ライト・ホースマンらしいユニークなインディー・フォークのテイストを帯びるリード曲は、トリオ初のミュージック・ビデオと合わせて公開された。エリック・D・ジョンソンはこう説明している。


「ボニー・ライト・ホースマン初の(!!)ミュージックビデオの監督を考えた時、キンバリー・スタックウィッシュが頭に浮かんだ。彼女の挑発的な作品の長年のファンだったし、僕らのバンドにとって、彼女なら "わかってくれるかも "と感じた。人生の多元的な世界、喜びと苦しみの二面性、私たちの選択によって、どちらか一方への道を歩むことになる。モハベ砂漠の平原で、夕日と塩辛いコヨーテの群れから逃れようと、砂漠のペリカンに見守られながら撮影したんだ」

 


「I Know You Know」




Bonnie Light Horseman 『Keep Me On Your Mind/See You Free』

Label: Jagujaguwar

Release: 2024/06/07


Tracklist

1. Keep Me on Your Mind

2. Lover Take It Easy

3. I Know You Know

4. grinch/funeral

5. Old Dutch

6. When I Was Younger

7. Waiting and Waiting

8. Hare and Hound

9. Rock the Cradle

10. Singing to the Mandolin

11. The Clover

12. Into the O

13. Don’t Know Why You Move Me

14. Speak to Me Muse

15. think of the royalties, lads

16. Tumblin Down

17. I Wanna Be Where You Are

18. Over the Pass

19. Your Arms (All the Time)

20. See You Free


Billie Eillish(ビリー・アイリッシュ)が3枚目のスタジオ・アルバム『Hit me Hard and Soft』の制作を発表した。Darkroom / Interscope Recordsから5月17日にリリースされる。アルバムの先行シングルは配信されないとの情報。


『Hit me Hard and Soft』は彼女のこれまでで最も大胆な作品であり、多様でありながらまとまりのある曲のコレクション。彼女の弟で、唯一のコラボレーターであるフィニアスの協力を得て、ふたりは地元ロサンゼルスでアルバムの作曲、レコーディング、プロデュースを行なった。今作は、大成功を収めた2枚のアルバム『When We All Fall Asleep, Where do We Go?"』と『Happier Than Ever』に続き、ビリー・アイリッシュの世界をさらに発展させる内容となっている。


ビリー・アイリッシュは、インスタグラムの「Close Friends」のストーリーにフォロワー全員を追加して、ティーザーとしてソーシャルに投稿した後、2019年のデビュー作『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DOE WE GO?"』の成功に続く、2021年の『Happier Than Ever』の続編を発表した。


2月、彼女はアルバムが完成したことを報告し、「私のアルバムはマスタリング完了」と書いた。彼女のセカンド・アルバムは、2022年のグラミー賞で年間最優秀アルバム賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞、年間最優秀楽曲賞、年間最優秀レコード賞を含む7部門にノミネートされた。


そして今回、アイリッシュはインスタグラムで3枚目のスタジオ・アルバムを発表した。「so crazy to be writing this right now I'm nervyyyyy & exciteddd not doing singles I wanna give it to all at once you :PPP」( このことを皆に報告することはすごくクレイジー。先行シングルは配信されません。発売日に合わせて、全てをあなたがたの元に届けたいと思うから、とした上で、ビリー・アイリッシュは次のようにファンに書いている。フィニアスと私は本当にこのアルバムをこれ以上ないほど誇りに思っています。)



Trailor




Billie Eilish 『Hit me Hard and Soft』


Label: Darkroom / Interscope Records

Release: 2024/05/17


*収録曲は未定



Billie Eilish:


ビリー・アイリッシュ(2001年12月18日生まれ)はアメリカのシンガーソングライター。2015年、デビュー・シングル「Ocean Eyes」で世間の注目を浴びる。この曲の作詞・作曲・プロデュースは、彼女が楽曲やライブでコラボレーションしている兄のフィニアス・オコネルが担当。2017年には『Don't Smile at Me』というタイトルのデビュー・エクステンデッド・プレイ(EP)をリリースした。


アイリッシュのファースト・スタジオ・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?(2019年)は、USビルボード200とUKアルバム・チャートで首位デビューを果たした。5枚目のシングル「Bad Guy」の成功に後押しされ、アイリッシュにとって初の全米ビルボード・ホット100での1位を獲得し、今年最も売れたアルバムのひとつとなった。


このヒットにより、アイリッシュは21世紀生まれのアーティストとして初めてチャート1位を獲得した。翌年、アイリッシュは同名のジェームズ・ボンド映画の主題歌「No Time to Die」を披露し、全英シングル・チャートの首位を獲得、2022年度アカデミー賞オリジナル楽曲賞を受賞した。その後のシングル「Everything I Wanted」、「My Future」、「Therefore I Am」、「Your Power」は全米と全英でトップ10入りを果たした。セカンド・スタジオ・アルバム『Happier Than Ever』(2021年)は25カ国のチャートで首位を獲得。

 Fabiana Palladino 『Fabiana Palladino』

 

 

Label: XL Recordings(Paul Institute)

Release: 2024/ 04/05



Review


ロンドンを拠点に活動するソングライター/プロデューサーによる記念すべきデビュー・アルバム『Fabiana Palladino』は、大胆不敵にもアーティスト名をタイトルに冠している。ファビアーナは、間違いなくジェシー・ウェアのポスト世代に位置づけられるシンガーである。現在、ロンドンではR&Bのリバイバルが盛んで、JUNGLEを始めとする、ディスコソウルをヒップホップ的に解釈するグループ、もしくはGirl Rayのようにディスコサウンドをインディーロック風に再解釈を試みるグループ等、多彩なディスコリバイバルによるシーンが構築されつつあるようだ。

 

レディオヘッドなどのリリースでおなじみのXL Recordingsは90年代にはロックのリリースも手掛けるようになったが、80年代まではクラブミュージックを得意としていたレーベルであった。つまり、今回のファビアーナ・パラディーノの最新作は、レーベルにとって原点回帰のような意味を持つ。R&Bにとってターニングポイントとなるようなリリースになるかもしれない。

 

ファビアーナ・パラディーノのサウンドは、やはりリバイバルの気風に彩られている。 アーティストは、80年代のクインシー、ダイアナ・ロス、ジョージ・ベンソンといったブラック・コンテンポラリー/アーバン・コンテンポラリーの象徴的なアーティストの音楽の系譜を受け継ぎ、それらを現代的なクラブミュージックの視点を通し、斑のないモダンなサウンドを見事に構築する。それらのモダンなテイストは、現代のR&Bのスター、ジェシー・ウェア、ロイシン・マーフィーのようなデュープ・ハウスを絡めた重厚なサウンドのプロダクションが特徴である。

 

しかし、リバイバルや現代の音楽シーンを踏襲しているとはいえ、アーティストの唯一無二のカラーがないかといえばそうではない。ロジャー・プリンスがかつて、ファンクソウルを下地にジャズやロック、ラップ、そしてポップスと、このジャンルの可能性を敷衍してみせたように、ファビアーナもアーバン・コンテンポラリーをベースとして、多彩なサウンドをその中に織り交ぜる。これこそが、このアーティストが”次世代のプリンス”と称される所以なのである。

 

 

アルバムのオープニングを飾る「Closer」はディープ・ハウスの気風を残しつつも、そのサウンドの風味は驚くほど軽やかで爽やかである。それはかつてのアーバン・コンテンポラリーに属するアーティストがR&Bとポップスを融合させ、ブラック・ミュージックとしての深みとは対極にある軽やかさという点に焦点を絞っていたのを思い出す。これらのサウンドの最終形態は、チャカ・カーンの1984年の「Feel For You」によって集大成を見ることになった。チャカ・カーン等のニューソウルにまつわるサウンドについては、ブラック・ミュージックの評論の専門家によると、以前のR&Bに比べて、「編集的なサウンド」と称される場合がある。これはソングライターのリアルな歌唱力や、R&Bそのものが持つ渋さとは相異なる新境地を開拓し、その後のマイケル・ジャクスンに象徴されるような、きらびやかなポップスへの流れを形作った経緯がある。これは、現代的なオルタナティヴロックと同じように、録音したものをスティーブ・ライヒのようにミュージック・コンクレートの編集を加え、磨き上げるという手法によく似ている。

 

しかし、ソロ作品としてのプロデュース的なサウンドが目立つとはいえ、ファビアーナの生み出すサウンドは驚くほど耳に馴染む。編集的なサウンドだからといって、複雑な構成を避けて、ジェシー・ウェアのようなビートに乗りやすく、そして、なめらかな曲の構成が重視されている。そこにロジャー・プリンスのように色彩的な和音やメロディーが加わる。これが現時点のファビアーナの音楽の最大の長所であり、言い換えれば唯一無二のオリジナリティである。

 

迫力のあるベースラインを強調するロイシンやジェシーとは異なり、明らかにファビアーナのR&Bサウンドは、軽妙なAOR/ソフト・ロックの系譜に属する。いわばその軽やかさは、二曲目の「Can You Look In The Mirror?」で示されるように、クインシー・ジョーンズやマーヴィンの80年代のアプローチに近いものがある。そしてこの点が低音域が強調されるハウスのサウンドとはまったく異なる。ファビアーナのサウンドは、ココ・シャネルのデザインのように足し算ではなく引き算によって生み出される。これがおそらく耳にすんなりと馴染む理由なのだろう。

 

80年代のアーバンコンテンポラリーの見過ごせない特徴として、いわばドリーミーな感覚がR&Bサウンドの中に織り込まれていた。それらの特徴は、「I Can't Dream Anymore」に見出すことが可能だ。そして面白いことに、パラディーノの場合はそれらをエクスペリメンタルポップのフィルターを通し、かつてのプリンスが試みたように近未来的なR&Bを構築するのである。もうひとつ、現代的なR&Bのシーンのアーティストとは少し異なるサウンドの特徴が垣間見える。それが80年代以前のブラック・ミュージックの重要なテーマのひとつだったファンクの要素である。これらは、カーティス・メイフィールドのR&Bやマーヴィン・ゲイの曲のベースという形で繋がっていったのだったが、それらの系譜をファビアーナは踏襲した上で、最終的には、やはり軽快で聞きやすいポップスとして落とし込んでいる。ここにもアーティストのシンガーソングライターとは相異なる、敏腕プロデューサーとしての表情を伺い知ることができる。

 

そして、かならずしもR&Bという枠組みに囚われていないということも痛感し得る。「I Care」では現代的なUKのピューラーミュージックを踏襲し、ボウルの中でかき混ぜ、R&Bやネオソウルのテイストをバニラ・エッセンスのようにまぶす。これがメロウなサウンドから、ほんのりと甘い香りが立ち込めてきそうな理由なのだ。特に、心を惹かれるのは、商業主義のポピュラーサウンドに軸をおいた上で、その中にエクスペリメンタルポップのニュアンスを添えていること。ここにも歌手とは異なるプロデューサーとしての才覚が非常にさりげなく示されている。

 

R&Bシンガーとしての才覚が遺憾なく発揮された「Stay With Me Through The Night」はこのアルバムのハイライトとなりそうだ。ダイアナ・ロスの80年代の作風をわずかに思い出させる。この時代、ロスは以前の時代の作風から離れ、開放的で明るいサウンドを志向していた。ファビアーナの場合は、それよりも落ち着いたメロウなサウンドを作り出している。この曲には、デビューアルバムということを忘れさせてしまうほど、どっしりとした安定感が込められている。もちろん、その道二十年で活躍するようなベテランのシンガーのような信頼感がある。また他の曲に比べ、ファンクソウルの性質が強く、そしてベースラインも強調されている。これが他の曲よりも深いグルーブ感をもたらしている。ダンスフロア向きのナンバーと言えそうだ。

 

80年代のジョージ・ベンソンを始めとする、偉大なブラックミュージックの開拓者は、あの時代に何を求めていたのか、そして何を提示しようとしていたのか。おそらくであるが、彼らすべてのブラックミュージックに属する歌手やグループは、どのような苦難の時代にあろうとも明るい未来を見据えていたし、そして心から希望を歌っていた。だからこそ、多くの人を勇気づけてきたのだった。最終的には決して絶望を歌うことはなかったことは、ライオネル・リッチーやマイケル・ジャクスンといった面々が示したことである。ファビアーナの場合も同様で、現代的な悲壮感に基軸を置く場合もあるが、ベンソンのように未来における希望を歌おうとしている。そして、これが音楽そのものにワクワクした感覚や漠然とした期待感をもたらす。

 

ファビアーナ・パラディーノのアーバンソウル/ネオソウルの次世代を行くサウンドは、その後、さらに明るい印象を以ってクライマックスへと向かう。 「Deeper」では同じように、ジョージ・ベンソンの近未来的なソウルのバトンを受け継ぎ、よりモダンな印象を持つサウンドへと昇華させる。続く「In The Fire」では、低音域の強いディープ・ハウス、アシッド的な香りを持つR&BをEDMのサウンドと結びつける。パラディーノのR&Bの表現は、その後もスムーズに繋がっていく。これらの流動的なR&Bサウンドを経たのち、クローズ「Forever」において、しっとりとしたメロウなソウルでエンディングを迎える。分けてもバラードという側面でシンガーの並々ならぬ才覚が発揮された瞬間だ。今年度のR&Bの中では間違いなく注目作の一つとなる。

 

 

 

90/100

 

 

Best Track- 「I Can't Dream Anymore」

 

石若駿&畠山地平
 

日本を代表するアンビエント/ドローン·ミュージック・シーンを牽引する存在となったChihei Hatakeyamaこと畠山地平が、この度ジャズ・ドラマーの石若駿とのコラボレーションを発表した。 

 

ラジオ番組の収録で出会って以来、ライヴ活動などでステージを共にすることはあった2人だが、作品を発表するのは今回が初めて。

 

『Magnificent Little Dudes』と名付けられた今作は、2部作となっており、2024年5月に”ヴォリューム1”が、同夏に”ヴォリューム2”がリリース予定となっている。

 

 
その場、その日、季節、天気などからインスピレーションを得て演奏すること」をコンセプトに、あえて事前に準備することはせず、あくまでも即興演奏を収録。

 

ファースト・シングル「M4」には日本人ヴォーカリスト、Hatis Noitをゲストに迎えた。ギター・ドローンの演奏をしていると、その音色が女性ヴォーカルのように聞こえる瞬間があることから、いつか女性ヴォーカルとのコラボレーションをしたいと思っていた畠山。

 

今回の石若駿との録音でその時が来たように感じたので、即興レコーディングの演奏中、いつもは使っている音域やスペースを空けてギターを演奏しました。ちょうどこのレコーディングの3週間くらい前に彼女のライヴ観ていたので、Hatis Noitさんの声をイメージしてギターを演奏しました」と話す。

 

畠山地平、石若駿、Hatis Noit、世界を股にかけて活動する日本人アーティスト3組のコラボレーションが実現した『Magnificent Little Dudes Vol.1』は、日本国内外で話題となること間違い無い。

 

 

昨年、掲載された畠山地平のロングインタビューはこちらよりお読みいただけます。

 

 

 

Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka(畠山地平&石若駿)
  『Magnificent Little Dudes Vol.1』(マグニィフィセント・リトル・デューズ・ヴォリューム 1)

 


※日本先行発売(予定)
レーベル: Gearbox Records



発売日: 2024年5月22日(水) 

品番 (CD/LP):GB1594CD / GB1594


価格 (CD/LP):2,500円(+税)/ 4,000円(+税)

 

 

Tracklist(収録曲):

 1. M0 

2. M1.1 

3. M1.2 

4. M4 (feat. Hatis Noit) 

5. M7




Biography:

 
<Chihei Hatakeyama> 

 

2006年に前衛音楽専門レーベルとして定評のあるアメリカの<Kranky>より、ファースト・アルバ ムをリリース。以後、オーストラリア<Room40>、ルクセンブルク<Own Records>、イギリス <Under The Spire>、<hibernate>、日本<Home Normal>など、国内外のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表している。デジタルとアナログの機材を駆使したサウンドが構築する、 美しいアンビエント・ドローン作品を特徴としており、主に海外での人気が高く、Spotifyの2017 年「海外で最も再生された国内アーティスト」ではトップ10にランクインした。

 

2021年4月、イギ リス<Gearbox Records>からの第一弾リリースとなるアルバム『Late Spring』を発表。その後、 2023年5月にはドキュメンタリー映画 『ライフ・イズ・クライミング!』の劇中音楽集もリリー ス。

 

映画音楽では他にも、松村浩行監督作品『TOCHKA』の環境音を使用したCD作品『The Secret distance of TOCHKA』を発表。第86回アカデミー賞<長編ドキュメンタリー部門>にノミ ネートされた篠原有司男を描いたザカリー・ハインザーリング監督作品『キューティー&ボクサー』(2013年)でも楽曲が使用された。


また、NHKアニメワールド:プチプチ・アニメ『エんエんニコリ』の音楽を担当。2010年以来、世界中でツアーを精力的に行なっており、2022 年には全米15箇所に及ぶUS ツアーを、2023年は2回に渡りヨーロッパ・ツアーを敢行した。

 


<Shun Ishiwaka> 

 

 1992年北海道生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校打楽器専攻を経て、同大学を卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。2006年、日野皓正special quintetのメンバーと して札幌にてライヴを行なう。2012年、アニメ『坂道のアポロン』 の川渕千太郎役ドラム演奏、 モーションを担当。

 

2015年には初のリーダー作となるアルバム「Cleanup」を発表した。また同世 代の仲間である小西遼、小田朋美らとCRCK/LCKSも結成。さらに2016年からは「うた」をテー マにしたプロジェクト「Songbook」も始動させている。近年はゲスト・ミュージシャンとしても 評価が高く、くるり、KID FRESINOなど幅広いジャンルの作品やライヴに参加している。2019年 には新たなプロジェクトAnswer To Rememberをスタートさせた。2023年公開の劇場アニメ 『BLUE GIANT』では、登場人物の玉田俊二が作中で担当するドラムパートの実演奏を手がけた。

 


リバプールのロックバンド、The Zutonsが16年ぶりのアルバム『The Big Decider』を4月26日にICEPOPからリリースする。 3枚目のシングルとなるタイトル曲「The Big Decider」が公開。また、19年ぶりとなる本格的な全米ツアーも発表された。


ズートンズは、デイヴ・マッケイブ(ギター、リード・ヴォーカル)、アビ・ハーディング(サックス、ヴォーカル)、ショーン・ペイン(ドラムス、ヴォーカル)の3人組。

 

バンドは3年前に再結成し、シックの共同創設者であるナイル・ロジャースのプロデュースによる新作をレコーディングする意向を発表した。バンドはこのアルバムをアビーロード・スタジオでレコーディングし、オリジナル・プロデューサーのイアン・ブルーディーとも仕事をした。


『The Big Decider』について、デイヴ・マッケイブは次のように語っている。「イアン・ブルーディーは、"Big Decider "のデモを聴いて涙が出たと言っていた。この曲は、アルバムのために最初に書いた曲のひとつだったから、イアンからこのような反応をもらったとき、自分たちが何か正しいことをしている気がした。この曲は、人生においてチャンスが巡ってきたときにそれをものにすること、そして同時に、慎重になること、過去の失敗から学ぶことを歌っている。僕にとっては、ベガスへの公平な乗り物のようなもので、最後に勝てればいいなと思うよ」


以前、バンドは『The Big Decider』から「Creeping on the Dancefloor」「Pauline」を先行公開している。

 


「The Big Decider」



TRENDSは、提携レーベルからご提供いただいたリリース情報を中心に、J-POPの注目のシングルをジャンルレスに紹介するというコーナーです。

 

3月は渋谷系の伝説的なソングライター、カジヒデキの新作アルバム『Being Pure At Heart−ありのままでいいんじゃない』のリリースが発表され、タイトル曲が公開されたほか、Luby SparksのYeah Yeah Yeahsのカバーソングもリリース。注目は、Space Showerの新星、tiger bae。”FLAU”からミステリアスなエクスペリメンタルポップアーティストも登場しています。アルバムのシングルカットも含めて、下記よりJ-POPの注目曲を改めてチェックしてみて下さい。

 

 

 

カジヒデキ 「Being Pure Heart -ありのままでいいんじゃない」

 

 

平成時代の渋谷系の伝説的なシンガーソングライターに挙げられるカジヒデキ。

 

5年ぶりとなるアルバム「Being Pure Heart -ありのままでいいんじゃない」のリリースを発表した。アルバムは今月24日に発売予定。アルバムに関しては、北欧で録音され、渋谷系の重要な音楽性を司るギターポップやネオアコースティックへの原点回帰を果たした作品となる。

 

先行公開されたタイトル曲は、アーティストのプレスリリースのときに言葉に違わず、平成時代のJ-Popの核心を捉え、渋谷系の重要な特徴である親しみやすいメロディラインが展開される。シングルを聴くと、平成時代の音楽がどのようなものであったのか、その魅力の一端にふれることができる。今聴くと、現代のソフト・ロックやAORにも近い音楽性があることがわかる。

 

 

 

配信リンク:

https://ssm.lnk.to/BPAH 

 

 

Luby Sparks 「Maps」




洋楽としても聴くことが出来るし、邦楽としても結構楽しめるのがLuby Sparksの最大の魅力である。バンドは、2ndアルバム発表後の2023年からアジアやUSツアーを行い、徐々にその活躍のフィールドを広げつつある。年明けに2024年最初のシングル「Stayaway」を発表したバンドは、今回、数年前から恒例となっているカバーリリースに挑んでいる。「Maps」の原曲はニューヨークのYeah Yeah Yeahsで、2003年のアルバム『Fever To Tell』に収録されている。


原曲はYYY’Sの最初期からのガレージ・ロックの色合いをポップソングの中にとどめているが、Sparksのカバーはそれよりもさらにポップソング寄りである。アレンジも含め、ファンシーなイメージが加えられるが、アウトロのギターリフがロックソングのテイストの余韻を残す。シンプルなカバーではありながら、原曲とは異なる雰囲気が味わえるナイスなカヴァーソングとなっている。

 

 

 

配信リンク:

https://lubysparks.lnk.to/Maps 

 

 

soraya 「ひとり」

 


先月はじめにセルフタイトルのデビュー・アルバムを発表した壺阪健登と石川紅奈によるユニット、Soraya。日本のジャズポップスシーンを担う期待のユニット。

 

セルフタイトルアルバムに収録される「ひとり」は、壺阪健登のジャズ・ピアノと石川紅奈のふんわりとしたボーカルが巧みにマッチし、親しみやすいポップソングとして昇華されている。sorayaとしてはじめて作った星座にまつわる内容でsorayaのテーマ曲とも言える内容であり、同時にリリースされた「ちいさくさよならを」は、ピアノ、パーカッション、フルートによるアンサンブルが心地よい雰囲気を醸し出す。童謡のように誰でも親しめるメロディが魅力。

 

 

 

配信リンク:

https://ssm.lnk.to/soraya 

 

 Drawgss 「Black Rain」

 


ベース・ヴォーカル森光奏太とドラムの上原俊亮によるR&Bユニット、 Drawgss(ドーグス)。2022年のデビューシングル「ORANGE」を筆頭に、MELRAWがホーンアレンジにて参加した「FINALE」、ゲスト・ヴォーカルに”さらさ”を迎えた「祈り」といった楽曲を次々とリリースした。

 

ソウルを軸にしたグルーヴ感とメロウネス、ベースとドラムを中心とした抜群のバンドアンサンブルも高評価を受けた。同年6月に開催した初のワンマン・ライブはソールドアウト。VIVA LA ROCK、Fuji Rock Festival、Local Green Festivalといった大型フェスの出演経験がある。

 

「Black Rain」は4月3日に発売された同名のEPのオープナー。他の曲に関してはファンク、ソウル、アフロジャズ的なニュアンスが含まれているが、このシングルは、ユニットのJ-POPに近い要素と甘酸っぱいメロディーが融合している。森光のボーカルには、少し渋谷系やAORに近いニュアンスがある。少なくとも、日曜の午後に鼻歌で口ずさみたくなるような爽快なナンバー。


 

 

 

配信リンク:

https://ssm.lnk.to/Tenderness_


 

 

tiger bae  ー 「Distant Calls」 ー Best New Tracks(J-POP) 

 


2021年東京で結成されたシンセポップ・バンド、tiger bae。

 

Pitchfork、FADER等でも高評価を受け世界的な活動を展開しながら2013年突如解散した”HOTEL MEXICO”のメンバー2人にヴォーカリスト”Yuco”を加え、2021年に結成された3ピースバンド。

 

率直に言うと、素晴らしいバンド。西海岸のチルアウト、ローファイの雰囲気を漂わせながらも、それをJ-POPの文脈に置き換えるセンスには脱帽するしかない。今後急上昇が予想され、当サイトでもイチオシしたいシンセ・ポップバンドとなる。ロンドンのbeabadoobee、Mui Zyu、あるいはニューヨークのマーガレット・ソーンなど、注目のアジア系シンガーが台頭しており、その一角に入ったとしても違和感がない。海外でも活躍しそうな気配。

 


 

 

配信リンク:

 https://ssm.lnk.to/DistantCalls

 

 

marucoporoporo 「Cycle of Love」


 

デビューEP「In Her Dream」が「ファナ・モリーナやアントニオ・ロウレイロを想起させる」と評されるなど注目を集めた''marucoporoporo''。アコースティックギターの弾き語りのスタイルで活動することが多い。数年間の沈黙を経て、ついにファーストアルバムをFLAUから5月15日にリリースする。


アルバムの最初の先行シングル「Cycle of Love」は、命の循環をテーマにした新作の幹となる、メロディアスなエスノ・アンビエント・フォークともいえる楽曲。日本人ばなれした歌唱力と抽象的な音像の中にじんわり溶け込むハートフルなボーカルが神秘的な雰囲気を生み出す。その歌唱力の透明感美麗なナチュラルさは北欧のアイスランドのシンガーに比するものがある。


独自の変則チューニングから繰り出されるアコースティック・ギター、そして唸るような低音から透き通るハイトーンまでを行き来する美しい歌声、深遠な水の底まで落ちていくかのようなドリーミーなアンビエンスが、唯一無二の世界を形作っている。

 

 

 

 

 

配信リンク:

https://marucoporoporo.lnk.to/ConceivetheSea 

 

 

柴田聡子 「Movie Light」

 

アルバムのジャケット

2月下旬に待望のニューアルバム『Your Favorite Thing』をリリースしたシンガーソングライター、柴田さん。本作のオープナーとして収録されている「Movie Light」は、日本語歌詞によるドリーム・ポップ風の淡いエモーションが漂う。


シンガーの日本の昭和時代の歌謡曲に軸をおいたノスタルジア満点のボーカルは、何か古き時代へといざなわれそうな雰囲気。細野晴臣の「ハネムーン」に見られるヨットロック風の安らかなギター、ボンゴのような民族的なパーカッションの導入も◎。曲を聞き終えた時、メロウな気分に浸れるはずだ。

 

MVの映像を手掛けたのは、林響太朗さん。インスタレーション、パフォーミングアーツ、プロジェクトマッピングを用いた映像作品を手掛ける。2016年のヴェネチア・ヴィエンナーレの日本館、上海ワールド・フィナンシャル・センターの8周年を記念するプロモーションを監修した。

 

星野源、スピッツ、Mr.Children、Bump Of Chicken、米津玄師、あいみょん、菅田将暉、緑黄色社会、秦基博のミュージックビデオを手掛けている。J-POPシーンでは著名な敏腕クリエイターである。TVのCM関連では、資生堂、ソニー、トヨタ、ホンダの映像も手掛けている。

 

映像については、春めいた穏やかさ、ファンシー&ドリーミーな空気感が絶妙にマッチしている。

 

 

 

 ・前回のJ-Pop Trends(2月号)はこちらからお読み下さい。

 



オーストラリアのインディーロックバンド、Last Dinosaurs(ラスト・ダイナソーズ)がEP『KYO』をリリースした。ダイナソーズは”OKAMOTO'S”とも友好関係を築いている。新作EPを発売を記念して、先行シングル「Paranoia Paradise」のMVが公開された。下記よりご覧ください。

 

今作は、前作『RYU』で描かれた “1000年後の人工知能の台頭と衰退によって文明が荒廃した未来” を舞台にした物語の続きを描いている。 

 

日本のシティポップから影響を受け、新しくもどこか懐かしさを感じさせるロックチューンが代表的なラスト・ダイナソーズだが、今作では90s’感あふれるギターロックを軸に爽やかな疾走感と、EPのストーリーともリンクした個性豊かなサウンドが加わり、ラスト・ダイナソーズの新境地を切り開いている。




先行リリースされた1曲目の「Keys To Your Civic」は ”なんとなく生きてるんじゃないですか?” というドキッとする日本語のスピーチの一節を大胆にサンプリングしたイントロから物語が始まる。

 

斬新かつ思い切った演出が意表を突く、スピード感溢れるノンストップ・ロック・チューンは、資本主義に囚われてしまった世の中を風刺する。

 

同じく、先行シングルである「N.P.D」は人間のいやらしさや陰謀をラスト・ダイナソーズ独特の視点で描き、過去と未来が交差する、音楽という枠を超えた《オーディオ・シネマ》とも言える5分31秒の大作となった。


続く「Self-Serving Human Being」、「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」は、舞台となっているディストピアの都市で住民が絶え間ない混乱に巻き込まれている様子を描く。 


テキサス出身のポストパンクバンド ”GLAZE”をフィーチャーしたリード曲でもある「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」の曲中では、ラスト・ダイナソーズらしいアップテンポな前半と打って変わって、後半にはイージーリスニングなインストビートの後ろでラジオから本EPのメインテーマである “自己中心主義” を議題にした「他人のことなんて気にせず、自己中心的にならないと、この世界では生き残れない」 、「少数の頭の良い人が操るこのディストピアの世界では、自己中心主義やエゴセントリズムの問題は大きな課題だ」という内容の会話が聞こえてくる。
 

最後の収録曲「14 Occasions」では、ディストピアの混乱の中、響き渡る男性の不明瞭な叫び声を歌詞として反映。ダイナソーズの音楽は、人々が抱える不満や不安に共鳴するようにシンフォニーを奏でる。


さらにこのEPの物語を描いたコミックも公開! 日本語でも読むことができ、ビジュアルを通してラスト・ダイナソーズが描く世界をより深く理解できる。(マンガのファイルはこちらより確認できる)




ーーーーー前作から続くストーリー ーーーーー

 



RYU:時は3023年。人工知能による革命が勃発。地球は前の文明の衛星や宇宙ごみの破片で覆われてしまった。最も強力なAI衛星のバッテリーは極端に低下。機能が停止しないよう、AI衛生はプロトコルを自身で再プログラムしていた。それは遠く昔に破滅したラジオ衛生のように機能し、前の文明から学んだアルゴリズムに基づいて音楽を生成。この衛星から傍受された音楽をコレクションして “RYU”という作品が完成した。

KYO:ラスト・ダイナソーズは"RYU”に続く2つ目の衛星からの音楽コレクションとして、”KYO”を送り出す。その物語は人類の没落を導いた自己中心性と強欲に焦点を当てたポストアポカリプスの物語の結末へと繋がっている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




EPのタイトルは日本にルーツをもつキャスキー兄弟のミドルネーム ’Ryuhei’ と ’Kyohei’ から名付けられ、タイトルを合わせるとバンド名「ラスト・ダイナソーズ」 の象徴でもある”KYO-RYU” (恐竜)になるという、壮大な物語の裏側にあるラスト・ダイナソーズの遊び心も楽しめる。


日本にルーツを持つ彼らならではの音の世界と、彼らが作り出す新しい神話の世界に、リスナーとしてだけではなく、音、映像、コミックを通じて、物語の登場人物の一人となった気持ちで浸ってほしい。


これまで、数々の日本のサブカルチャーにオマージュを捧げた作品を発表してきたラスト・ダイナソーズ。日本でもその仕掛けが話題を呼び、日本でのファンベースを着実に拡げてきたバンドの動向から目が離せない!

 

 「Paranoia Paradise (feat GLAZE)」




Last Dinosaurs 『KYO』 New EP



Label(日本国内): ASTERI ENTERTAINMENT
Format:ストリーミング&ダウンロード


Pre-save/Pre−add(配信リンク): 

 

https://asteri.lnk.to/LD_KYO



Last Dinosaurs:


オーストラリアと日本の血を引くLachlan Caskey(ロクラン・キャスキー)(Gt.)、Sean Caskey(ショーン・キャスキー)(Vo.)兄弟、そしてMichael Sloane(マイケル・スローン)(Ba.)の3人からなる、オーストラリアのインディーロックバンド。

2012年にリリースされた1stアルバム『In A Million Years』は、オーストラリアのARIAチャートで初登場8位を記録し、大きな注目を集めた。このアルバムの成功によりオーストラリア全土のライブをソールドアウトにし、イギリス、ヨーロッパ、東南アジア、南アフリカで大規模なヘッドラインツアーとフェスへの出演を果たした。


2ndアルバム『Wellness』、3rdアルバム『Yumeno Garden』をリリース後、2018年12月には初のUSツアーを発表し、LAの第1弾公演はチケット販売開始1分以内にソールドアウト!その後すぐに全米で17公演がソールドアウトに。
Webster Hall、Fonda Theatre、The Fillmoreなどの有名な会場で21日間のヘッドラインツアーを含むアメリカとカナダの2つのソールドアウトツアーも行った。その後、バンドはイギリスとEUに渡り、パリ、ベルリン、アムステルダム、ロンドンでの2日間のツアーをソールドアウトにし、東南アジアでの公演も大成功を収めた。

また、Last Dinosaursは、Foals、Matt & Kim、Lost Valentin、Foster the Peopleなどといった国際的なアーティストをサポート。対バンやフェスでの共演も数多く、グローバルに活躍している。

コロナ禍では、メキシコとオーストラリアのスタジオに入り作曲とレコーディングを行い、4thアルバムとなる『From Mexico With Love』を2022年にリリース。

またルーツだけでなく、日本の音楽シーンとも関わりが深く、The fin.の日本国内リリースツアーへのゲスト参加、オカモトショウ(OKAMOTO'S)のソロアルバムにフィーチャリング参加、さらに2022年9月〜10月に開催されたOKAMOTO'Sとの日本国内対バンツアーは大成功のうちに幕を閉じた。

 Interview- Mei Semones  

 

  -Brooklyn's Singer-songwriter's Voice-   ブルックリンの新進気鋭のシンガーソングライター 音楽的なバックグランドを語る

 

Mei Semones ©Sophie Minello

 

Mei Semones is a singer-songwriter/guitarist based in Brooklyn. The artist became acquainted with music at an early age through playing the piano her grandmother bought her; she began playing guitar at the age of 11 and eventually discovered jazz by the time she was in high school. Thereafter, Semones specialized in jazz harmony and improvisation while attending Berklee College of Music.

 
A new EP by the artist, "Kabutomushi" was released today on Bayonet Records. In this interview, we had the opportunity to talk with the artist about musical background, her EP, what she learned at Berklee College of Music, as well as valuable insights about her Japanese lyrics and the charms of the city of Brooklyn.  Read the full episode below.


 

Music Tribune:


To begin with, let me ask you a few questions about your musical background. Your biography by your label indicates that you have been playing piano and guitar since you were young. Tell us about how you started playing an instrument.



Mei Semones:


My grandma bought my family a piano when me and my sister were 4 years old. I started taking piano lessons then, and around the age of 11 I switched to guitar. I started with rock music, and in high school I was introduced to jazz, and I went on to study jazz guitar at Berklee College of Music.

 

 

Music Tribune:

 

What kind of family did you grow up in? What kind of person do you think you were as a child?

 



Mei Semones:

 

My parents have always been very supportive of everything I want to do. I have a twin sister (fraternal) named Saki. My mom is from Yokosuka, Japan, and my dad is from Ohio. I grew up in the suburbs of Ann Arbor, Michigan, and I would say it was a pretty peaceful place to grow up. As a child I think I was somewhat shy, quiet, and self conscious, but happy for the most part.

 


Music Tribune:


You started playing jazz guitar in high school and later studied music at Berklee College of Music. Were you ever in a band during your high school years? Also, I have the impression that Berklee has a strong focus on jazz education, with Pat Metheny as an instructor. What did you learn in school?

 

 

Mei Semones:

 

I played in the jazz combos at my high school, which were mostly quartets and quintets, with a heavy emphasis on improvisation. I also played guitar in a band called Rosewood in high school, which was kind of a neo-soul/pop type band. 

I think I became a much better guitar player during my time at Berklee. Most of the classes I took were jazz performance focused, so I learned a lot about jazz harmony and improvisation. The content of my classes were things like analyzing jazz harmony, learning about different improvisational techniques and guitar voicings / comping techniques, learning the repertoire, transcriptions, rhythmic exercises, etc.




Music Tribune: 

 

Your previous songs include lyrics in Japanese. Why did you decide to sing both in English and Japanese? 



Mei Semones:

 

I am half Japanese, and growing up in the US as a Japanese American person it has been a big part of my identity. Japanese was the first language I spoke, and it’s the only way I communicate with my mother. The first song that I ever released, Hfoas, is the first song I wrote that had Japanese lyrics. That song was a turning point for me — it was the first song that felt like it truly represented me as a person and as an artist. I hope that my music encourages people that listen to it to be proud of their own identities and cultural backgrounds.

 



Music Tribune:

 

We would like to ask you about your new EP "kabutomushi". Please tell us about the production process of this EP. What did you focus on in the recording process?

 

 

Mei Semones:


The songs on the Kabutomushi EP were mostly written in the fall/winter of 2022, and recorded in the spring of 2023. The process started with me writing the songs (chords, melody, lyrics) and then I brought them to my band: Noah Leong (viola), Claudius Agrippa (violin), Jaden Raso (bass), and Ransom McCafferty (drums). They are all such incredible musicians, and their playing and arranging makes the songs so special. In the recording process, we focused on getting a clean, tight sound, with a locked arrangement where all the parts are working together.



Music Tribune:

 
Can I ask you a few personal questions? On Instagram, you posted a photo of yourself wearing a kimono in Japan. It was very nice, but was that for sightseeing? Or were you visiting an acquaintance?

 

Mei Semones:


I think there’s a couple photos of me in a kimono on my instagram — one of them is from our 成人式(Seijin-shiki)’s photos, because my mom wanted to do that for me and my sister. The other one is from my most recent trip to Japan. It was my boyfriend’s first time in Japan, so I thought it would be fun to go on a date to Kamakura and wear kimonos, so that’s where that most recent photo is from.



Music Tribune:


Your music seems to contain influences of bossa nova, jazz, and post-rock. In particular, I have the impression that your guitar playing style is similar to that of Chicago's Jeff Parker. Are there any players in particular that have influenced you as a guitarist?



Mei Semones:

 

I think the guitarists that have influenced me the most are Grant Green, Wes Montgomery, and Jim Hall. I’ve transcribed/listened to them the most, and have also studied some Kurt Rosenwinkel, Barney Kessel, Kenny Burrell, and Joe Pass. I think I’ve also taken influence from some of my professors I studied with at Berklee, such as Larry Baione and Tim Miller.



Music Tribune:



The artwork of your past music works and artist's goods attract our attention with their cute illustrations. Do you have any concept behind your use of these designs?


Mei Semones:


All of the illustrations and design for the Kabutomushi EP are by my mom, Seiko Semones. She’s a really talented artist and graphic designer and it means a lot to me that she is willing to work with me on my artist project. She is one of the people in this world who knows me best, so I think that these illustrations reflect my personality and the intention behind the songs really well. Otherwise the artwork for my previous releases doesn’t have too much of a concept — it’s mostly just personal taste / art that I like the look of.




Music Tribune:

A new EP is coming out on Bayonet. If you had to name your favorite song on the EP, which would it be? Also, do you have any requests as to how you would like the music to be heard in this way?



Mei Semones:

 

I love all of the songs on the EP, so it’s hard for me to pick one, but if I had to I would say it’s the title track, Kabutomushi. It’s a special song to me because it is dedicated to my late grandmother. The lyrics are centered around memories of visiting her in Yokosuka when I was little. I was also able to make a really amazing music video for it during my last visit to Tokyo, with director Takuto Shimpo.

Regardless of where it’s being heard, I would like for my music to be a source of comfort for those who hear it. I would like for it to help people feel less alone, and feel like there is a place where they belong.



Music Tribune:



Do you currently live in Brooklyn? What do you find attractive about this city? Are there any spots you would recommend?


Mei Semones:


I live in an area of Brooklyn called Bushwick. I love the city and I love the neighborhood I live in. What I love about it is how alive it is — it’s a little chaotic, but I love the people, the buildings, the trains, even the rats, the trash, the smell, the noise. Some of my favorite spots in the city are the parks, like Maria Hernandez and Tompkins Square. I really like Greenpoint, Williamsburg, Chinatown, LES, Ktown, and St Marks Place. I also like going to the West Village whenever I’m over there.



Music Tribune:

 

Thank you for your answer. I look forward to your future career. Arigato!!

 

 

 

 

Mei Semones ©Sophie Minello

 

 

・Episode In Japanese

 

メイ・シモネスは、ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター/ギタリスト。アーティストは、幼い頃に祖母から買ってもらったピアノの演奏を通じて音楽に親しむようになった。11歳の頃にギターの演奏を始め、やがて、高校生の頃にはジャズに目覚める。以後、シモネスはバークリー音楽院の在学中に、ジャズのハーモニーやインプロヴィゼーションを専門に学んだ。

 

本日、アーティストによる新作EP『Kabutomushi』がBayonet Recordsからリリースされた。今回のインタビューでは、音楽的なバックグラウンドから新作EP、バークリー音楽院でどのような学習を重ねたのか、さらに、日本語の歌詞についてや、ブルックリンの街の魅力について貴重なお話を伺うことが出来ました。以下にそのエピソードの全容をご紹介します。

 

 

Music Tribune :

 

まず始めに、音楽的なバックグラウンドについて質問させてください。レーベルによるバイオグラフィーを見ると、あなたは若い頃からピアノやギターを演奏しています。最初に楽器を演奏するようになった経緯について教えていただきたいと思います。

 

Mei Semones:

 

私と妹が4歳のとき、祖母が家族にピアノを買ってくれたんです。その頃からピアノを習い始めて、11歳頃にギターに転向しました。ロックから始めて、高校でジャズに出会い、バークリー音楽大学でジャズ・ギターを学びました。



Music Tribune:

 

メイさんはミシガン州の出身だということですが、どのような家庭で育ちましたか。また現在のメイさんから見て、子供の時のあなたの姿はどのような人物として映りますか?

 

Mei Semones:

 

私の両親は、私がやりたいことすべてにいつも協力的でした。私には、”サキ”という双子の妹(二卵性)がいるんです。母は日本の横須賀の出身で、父はオハイオ州出身です。私はミシガン州アナーバーの郊外で育ちましたが、とても平和なところでした。子供の頃は、内気でおとなしく、自意識過剰なところがあったと思いますが、大抵は幸せでした。



Music Tribune:

 

メイさんは高校の頃からジャズギターを始め、その後バークリー音楽院で音楽を勉強されたようですね。ハイスクールの時期にバンドで活動していたことはありますか? またバークレーはパット・メセニーが講師をしていたり、ジャズの教育に力を入れている印象があります。学校ではどのようなことを学びましたか?



Mei Semones:

 

高校のジャズ・コンボでは、主にカルテットやクインテットで、即興演奏に重点を置いて演奏していた。高校時代には、ローズウッドというネオ・ソウル/ポップ・タイプのバンドでもギターを弾いていました。

 

バークリー在学中に、私はより優れたギタリストになったと思う。ほとんどの授業がジャズ演奏中心だったので、ジャズのハーモニーやインプロヴィゼーションについてたくさん学びました。授業の内容は、ジャズ・ハーモニーの分析、様々な即興テクニック、ギター・ヴォイシング/コンピング・テクニックの学習、レパートリーの学習、トランスクリプション、リズム練習などでした。

 


Music Tribune:

 

これまでの曲には日本語の歌詞も含まれてますよね。英語と日本語の両方で歌おうと思ったのはなぜでしょうか? 

 

 

Mei Semones:

 

私は日本人のハーフなので、日系アメリカ人としてアメリカで育ったことは、私のアイデンティティの大きな部分を占めています。日本語は、私が最初に話した言語であり、母との唯一のコミュニケーション手段でもあるんです。初めてリリースした曲『Hfoas』は、私が初めて書いた日本語の歌詞の曲です。あの曲は私にとって転機となった曲で、人間として、そしてアーティストとして、私を本当に表していると感じた最初の曲でした。私の音楽を聴いてくれた人たちが、自分自身のアイデンティティや文化的背景に誇りを持てるようになればいいなと思ってます。


Music Tribune:

 

新作EP「kabutomushi」に関してご質問します。このEPの制作過程について教えていただけますか? レコーディングではどんなことに重点を置きましたか?



Mei Semones:


Kabutomushi EPの収録曲のほとんどは、2022年の秋から冬にかけて書かれ、2023年の春にレコーディングされたものです。そのプロセスは、まず私が曲(コード、メロディ、歌詞)を書き、それを私のバンドに持ち込むことから始まりました。

 

ノア・レオン(ヴィオラ)、クラウディウス・アグリッパ(ヴァイオリン)、ジェイデン・ラソ(ベース)、ランサム・マカファティ(ドラムス)。彼らはみんな素晴らしいミュージシャンで、彼らの演奏とアレンジが曲を特別なものにしています。レコーディングの過程では、クリーンでタイトなサウンドを得ることに集中し、すべてのパートが一体となったロックなアレンジに仕上げました。




Music Tribune;

少しプライベートな質問をしてもいいですか? Instagramでは日本で着物を着た写真を投稿されていましたね? とても素敵だったのですが、あれは観光だったのでしょうか? それとも知人のところに遊びにいらしたのですか?



Mei Semones:

 

私のインスタグラムには、着物姿の写真が何枚かアップされていると思うんだけど、そのうちの1枚は成人式の写真で、母が私と妹のためにそうしたかったからなの。もう一枚は、最近日本に行ったときのものです。ボーイフレンドが初めての日本だったので、鎌倉にデートに行って、着物を着たら、楽しいだろうなと思って、それが一番最近の写真ですね。

 

Music Tribune:

 

メイさんの音楽には、ボサノヴァ、ジャズ、ポストロックの影響が含まれているように感じられます。特にシカゴのジェフ・パーカーのギターの演奏スタイルに近いという印象を受けました。(例えが下手で申し訳ありません)特にギタリストとして影響を受けたプレイヤーはいますか??




Mei Semones:

 

最も影響を受けたギタリストは、グラント・グリーン、ウェス・モンゴメリー、ジム・ホールだと思う。

 

彼らを一番よく聴いたし、カート・ローゼンウィンケル、バーニー・ケッセル、ケニー・バレル、ジョー・パスも勉強しました。バークリーで一緒に学んだラリー・バイオーンやティム・ミラーといった教授たちからも影響を受けていると思います。

 


Music Tribune:


これまでの音楽作品のアートワークやアーティストのグッズには、可愛らしいイラストが目を惹きます。こういったデザインを使用することについて、何かコンセプトをお持ちですか??



Mei Semones:

 

『Kabutomushi(カブトムシ)』のEPのイラストとデザインはすべて、私の母、世以子・シモネスによるものです。

 

彼女は本当に才能のあるアーティストであり、グラフィックデザイナーでもあるんです。彼女が私のアーティスト・プロジェクトに協力してくれることは、私にとって大きな意味があります。

 

彼女は、この世界で私のことを一番よく知っている人のひとりなので、このイラストは私の個性と曲に込められた意図を上手く反映していると思う。それ以外の過去のリリースのアートワークにはあまりコンセプトがなくて、ほとんどが個人的な好み/見た目が好きなアートなんです。



Music Tribune:

 

新作EPが4月にBayonet Recordsから発売されます。このEPのお気に入りの曲を挙げるとしたら、どれでしょうか? また、音楽をこういうふうに聴いてもらいたいというような要望はありますか?

 


Mei Semones:


EPに収録されている曲はどれも大好きなので、1曲を選ぶのは難しいですね。強いて言うならタイトル曲の「カブトムシ」かな。

 

亡き祖母に捧げた曲なので、私にとって特別な意味が込められています。歌詞は、小さい頃に横須賀にいた祖母を訪ねた思い出が中心になっています。この曲のミュージック・ビデオも、最後に東京を訪れたときに、新保拓人監督と一緒にとても素晴らしいものを作ることができた。


また、どんな場所で聴かれるかに関係なく、私の音楽が聴く人の心を癒すものになってほしいと思ってます。人々が孤独を感じなくなり、自分の居場所があるように感じられるようになれば。



Music Tribune:

 

現在はブルックリンにお住まいですか? この街の魅力的なところを教えてください。またおすすめのスポットはありますか??

 

Mei Semones:

 

今、ブルックリンのブッシュウィックという地域に住んでいます。私は、この街が大好きだし、住んでいる地域も大好き。少し混沌としているけれど、人、建物、電車、ネズミ、ゴミ、匂い、騒音までもが好きなんです。街で好きなスポットは、マリア・ヘルナンデスやトンプキンス・スクエアのような公園。グリーンポイント、ウィリアムズバーグ、チャイナタウン、LES、Kタウン、セント・マークス・プレイスも好き。ウェスト・ビレッジに行くのも好きだよ!! 



Mei Semones ©Sophie Minello


 

Music Tribune:
 

お忙しい中、お答えいただき、本当に感謝いたします。今後のご活躍を期待しています。ありがとう!!


 

©Park Jong Ha


ロンドンを拠点に活動するDJ/プロデューサー、レーベルのオーナーと多彩な表情を持つペギー・グー(Peggy Gou)がデビュー・アルバムを発表した。『I Hear You』はXL Recordingsから6月7日にリリースされる。


グーは、ドイツ/ハイデルベルグの伝説的なプロデューサー、D Man (Move D?)と親交を持ち、ジャーマン・エレクトロニックの薫陶を受けた。その後、ロンドンのクラブシーンに馴染み、自主レーベルを立ち上げた他、ソロアーティストとしても活躍している。

 

新作アルバムには、先行リリースされた「(It Goes Like) Nanana」、及び、レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)とのコラボ曲「I Believe in Love Again」に加え、ニューシングル「1+1=11」が収録。オラファー・エリアソンが監督したビデオは以下よりチェック。


「”I Hear You”は単なるデビュー・アルバムではありません」とペギー・グー。「このアルバムは、時代を超越したものを創り出すための私の旅における数え切れないほどの献身的な時間を具現化したものであり、自分自身とお互いに耳を傾けることの力の証です」


さらに同時公開されたミュージックビデオについて、エリアソンは次のようにコメントしている。


「ダンスは変容をもたらすもの! 時間と空間との関係をねじ曲げ、再構築してくれるんです。私が10代の頃、ブレイクダンスが私の人生を変えました。ポッピングやロボットのような動き、エレクトリック・ブギに夢中でした。ストリートダンスによって、私は自分の身体と周りの世界との関係を探ることができた。動くことで、空間を変えられることに気がつきました。見るもの、感じるものを変えられた。そして、これらの経験は、その後の私の芸術活動の基礎となったのです」


 「彫刻とダンスは、いずれも非言語的な言語です。コミュニケーションをとるためには、ただ動くしかないこともある。ペギーと初めて会ったときもそうだった。私たちは昼食をとりながら、サイコソニックス、リズム、ムーブメントといった共通の関心事について話していたんだ」


アーティストはフジロックフェスティバル 2024に出演が決定している。スマッシュのプロモーターとしての慧眼には大いに敬意を表します。

 


「1+1=11」

 

 

 

Peggy Gou 『 I Hear You』


Label: XL Recordings

Release: 2024/06/07


Tracklist:


1. Your Art

2. Back To One

3. I Believe In Love Again (with Lenny Kravitz)

4. All That (feat. Villano Antillano)

5. (It Goes Like) Nanana

6. Lobster Telephone

7. Seoulsi Peggygou (서울시페기구)

8. I Go

9. Purple Ho

 



愛には100万通りのアプローチの仕方があり、100万通りの愛の体験の仕方があり、100万通りの愛が私たちの人生の道筋を形作り、私たちがその道筋をどう進むかを選んでいく。


Bnnyのジェシカ・ヴィシウスは、セカンドアルバムで、愛をその多くの目で正面から見つめ、自己認識とユーモアを携え、自分が何を見たかだけでなく、それが何を感じさせたかを描写している。

 

深いロマンチックな愛、息をのむような欲望、寛大な自己愛、その対極にある自己嫌悪、憤り、失望、これらすべてが、Bnnyの啓示的なセカンドアルバム『One Million Love Songs』に登場する。


デビュー作『Everything』は、Visciusのパートナーであるシカゴ出身のミュージシャン、Trey Gruberの死という悲劇に直面して書かれた。生々しく、実直なアルバム、曲はまるで個人的な風土のようにヴィシウスから発散されているようだった。Pitchofork誌は、『エヴリシング』を "隅々まで美しいレコード、心に傷を負った不眠症患者のための慰めの栄養 "と評した。


これらの曲は、そのパワーの一片すらも失ってはいない。アメリカとヨーロッパで毎晩ライブで演奏することで、新たな、そして違った種類の疲れが生まれた。自分の悲しみに常にアクセスするのは難しい。それを共有するのはさらに困難だ。「演奏していて、ワクワクするような曲、ハッピーな気分になれるような曲を作りたかったの」とヴィシウスは言う。「このアルバムは、喪失後の愛、年を重ねること、それから失恋しても楽しもうとすることについて歌っている」


『One Million Love Songs』は、アレンジャー/アーティストとして、ヴィシウスが大きく成長したことを示す、明るく充実した作品となっている。「Good Stuff 」は、エコー・アンド・ザ・バニーメンを思わせるソフトなスローコアとして始まる。この曲が目覚めるにつれ、ヴィシウスは90年代の陽気なコードと気楽な魅力を表現するにいたる。彼女の歌声はふくよかで豊かで、このセリフが意味する目眩と、その目眩がいかに愚かなものかという自覚の両方がある。


「Something Blue」は、立ち上がり、ため息をつき、緊張の中で静止する。「Changes」では、シーツを物干し竿にかけるように、シンプルな歌詞を素直なメロディーに乗せ、マジー・スターをチャネリングし、新しい人とすべてを始められることに気づいたときの、柔らかく、ゴワゴワした、新鮮な感覚を模倣している。「叫びたいくらい幸せ」と彼女は歌い、そして叫ぶのだ。


しかし、人間の感情が一辺倒なことはない。その人の中にさまざまな感覚がつねに捉え難く渦巻いているのだ。そして、どのような悲しみのなかにも喜びはある。「失恋も、物事を整理して、人生がいかに不条理で儚いものかを考えれば、楽しいものなのです」とヴィシウスは言う。


『ワン・ミリオン・ラヴ・ソングス』は、深い内省と彼女自身の自己破壊的傾向との格闘を促した別れをきっかけに書かれた。収録曲の多くは、愛が終わることを自然な出来事として受け入れている。「クレイジー・ベイビー」では、ヴィシウスはラブソングへのアプローチをこう語っている。


「愛の最初の瞬間の青々とした芽を捉えようとする試みは、同時に、その木が枯れ朽ちていくことも内包していることを示唆している。「”Sweet "は自己嫌悪に満ちており、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚目のレコードのような、ほとんどブルージーな嘆きそのものである。"私はとても甘い "と彼女は歌い、その声は皮肉で毒々しく、"私を知りたくないの?"と歌う。


『One Million Love Songs』は、アッシュヴィルのドロップ・オブ・サンでレコーディングされ、アレックス・ファーラー(Wednesday、Indigo De Souza、Snail Mailの作品を手掛けた)と共にヴィシウスがプロデュースした。


ジャケットは、アレクサがアラスカでバックパック中にジェスを撮った写真。曖昧なイメージで、ヴィシウスがリラックスしてくつろいでいるようにも読め、完全に疲れ切って消耗しているようにも読める。このイメージは、ラブソングそのものと同じように、時を超越して存在する。


人生というのは水の流れにも喩えられる。私たちは常に、互いに惹かれたり離れたりするものなのであり、その動きは何百万、何千万もの複雑さを伴う。すべては過ぎ去ることを思い出しつつ、すべてを受け入れる。アルバムでヴィシウスが最後に歌う言葉が、"もう誰も私を愛してくれない "というのは示唆的である。それが完全に自由に聞こえることも、同様に示唆的である。



Bnny  『One Million Love Songs』‐ Fire Talk




ある作品を契機に、まったく別の人間が作ったかのようなレコードを制作するアーティストやバンドがいる。それは、人間的な成長がその音楽に乗り移ったとも解釈できるし、何かの出来事が、その人や音楽を変えたとも捉えられる。結果として現れるもの、その途中にある過程ですらも千差万別なので、これといった類型に置くことは難しい。どのような形でターニングポイントが到来するのかは分からない。方程式を作ることも不可能である。どこから、どのように、どのようなものがやってくるかは誰にも分からないのだ。でも、少なくとも、今回、シカゴから登場するジェシカ・ヴィシウスによるプロジェクト、Bnnyの最新作はそういった表現が相応しい。つまり、バントメイトの死の悲しみを糧にし、着実にアーティストは成長しているのである。


Bnnyの場合は、バンドメイトの死という内在的なテーマがある。同じようなレコードとしてシカゴのSmutの「How The Light Felt」やSay Sue Meの『The Last Thing Left』などがある。前者のアルバムはボーカリストが妹の死をテーマに取り上げており、それをほろ苦いインディーロックソングに昇華させた。しかし、いずれのレコードとも、一般的には暗いとされている敬遠されがちな出来事がテーマに置かれているのに、リスナーとしては癒やされる瞬間がある。そしてもちろん、それらの暗さの中には、不思議なほど明るく純粋なものが潜んでいたのだ。人は手軽に明るいものに手を伸ばすが、明るさにたどり着くためには、みずからの「最も暗い部分」に目を凝らさねばならない。つまり、暗さを、みずからの明るさによって照らし出すことに尽きるのである。軽やかさというのは暗いものを経た後に訪れる清々しさでもあるのだ。

 

『One Million Love Songs』は、まさに最も暗い部分を勇敢に凝視した結果として表れ出た産物だ。ジェスの掲げるテーマには、複雑な愛、傷つき、脱力、切なさ、暗さ、そういった数々の経験を経た後、アルバムジャケットに描かれるような清々しい開けた場所にたどり着いたことを表している。しかし、それは、身の回りにまとっていた、それまでの固定観念を脱ぎ捨なければならなかったことが暗に示されている。つまり、アルバムのジャケットは、LZの『House Of The Holy』の単なるオマージュでもなければ、セクシャルな意味が込められているわけでもない。

 

音楽が、そのデザインを何よりも深く表しているのは事実だが、形而下にある内的な深層心理が重要なメタファーとして機能しているのである。ためしに、アルバムを聴く前と聞いた後、アートワークを見比べてみてほしい。その印象がガラリと変化していることに気がつくはずなのである。



アルバムの構造としても、従来にはあまりなかったような独特な収録方法が採用されており、最後に収録されるはずのエンディング曲が、最初のオープニング(一曲目)に収録されている。つまり、クライマックスやエンディングとして機能するはずの曲が最初に収められていることにより、二度目に聴いたとき、まったく異なる意味合いが込められているのに気がつく。そして、楽曲の雰囲気もリスニングの回数ごとに微妙に変化するという奇妙なレコードである。これはつまり、カメレオンの保護色のような意味を持つ、これまで存在しなかった作品なのだ。

 

Bnnyの音楽は、基本的には、同レーベルのPACKSと同じように、オルタナティヴロックに根ざしている。しかし、PACKSの音楽が、どことなく斜に構えたようなものであると仮定づけるなら、Bnnyの場合はどこまでも純粋で直情的である。そしてその純粋さは稀に、傷つきやすさや脆さという側面を持つが、恐ろしいことに、ジェシカ・ヴィシウスは内面の暗さや脆さからまったく逃げないのである。脆弱性の対極にあるタフネス、これが、2ndアルバムの最大の凄みとなっている。オープニングはバーミンガムのデュオ、Broadcastの音楽性を彷彿とさせ、ドリーム・ポップを暗鬱な感覚を擁するオルタナティヴロックのスタイルに落とし込んでいる。

 

Bnnyの場合は、バロックポップやチェンバーポップの要素はほとんどない。Wednesday、Slow Pulp,Squirrel Flower(Ella Williams)といった現代的なオルトロックの文脈の系譜に属する。ただ、上記のバンドのいずれも、内面の痛みや脆さを鋭く直視しながらも、未来へと目が向けられているが、ジェシカ・ヴィシウスの場合は、それとは反対に過去や現在を見つめ、窮地から強引に抜け出そうとはしない。むしろ悲哀や停滞といった避けられがちな状況を受け入れ、それらを考えられる限りにおいて、最も甘く美しいドリーム・ポップソングに落とし込む。

 

オープナー「Missing」は、失われた愛や、この世を去ったバンドメイトの喪失にまつわる悲しみが元になっているが、ヴィシウスはその悲哀をじっくり噛みしめるように歌う。そしてこの脆弱性の対極にある”勇ましさ”が甘さを持つメロディー、ウィスパーボイスに近い抽象的な歌唱のニュアンスにより、深い共鳴をもたらす。それはペーソスの向こうにあるエンパシーである。そして、そのエンパシーを噛み締めた時、ほとんど涙ぐむような温かい感情性が滲む。

 

以後、アルバムは、深刻さと柔和さの中間を絶えずゆらめきながら、アンビバレントな音楽の世界を構築していく。「Good Stuff」は、ドリーム・ポップ風のイントロから、アンニュイな感覚のあるオルトロックソングに移行する。曲そのものは、上記に挙げたWednesdayや、Phoebe Goを始めとするベッドルームポップに近い軽やかなロックソングへと変遷していく。しかし、親しみやすい音楽性の中を揺らめくヴィシウスの声は、どこまでも切ない感覚に縁取られている。この曲にはポップネスに対する親しみもあるが、同時にナードなものに対する理解もある。そのどちらとも決めつけがたい曖昧でナイーブな感覚がシューゲイズ風の轟音の中に溶け込む。 

 

「Missing」 

 

 

序盤ではドリーム・ポップ/シューゲイズ風の音楽性が特徴となっているが、本作の魅力はロック性だけにとどまらない。続く「Crazy, Baby」は、オルト・フォークからの影響が反映され、エイドリアン・レンカーやビックシーフのように、ニューヨークのインディーフォークを参考にして、安らいだ感覚を持つポップソングに昇華させる。アメリカーナを織り交ぜたオルト・ロックという点では、Slow Pulpの音楽的な方向性や、バンドのボーカリストのエミリー・マッシーの声に近く、エモーショナルな感覚が漂う。加えて、グランジのような静と動を織り交ぜるという点では、Snail Mail、Soccer Mommyとも共通する何かが込められている。いわば、現代的なUSロックの系譜に属するナンバーとして、この曲を楽しむことができる。

 

過去の悲しみと葬り去られた愛、ヴィスシウスにとって、以前はそれは報われぬものという考えがあったかもしれない。けれども、悲しみや憂い、やるせないような切なさ、それらの複雑な気持ちが、どこかの地点で、全く別様に変化することがある。「Something Blue」は、再生であり、バンドメイトの死により失われたと思われた愛という感覚が、最も死の根源にちかづいた時、それまで思いもよらなかったような形で再生がなされることを意味している。音楽としては、深刻さとユニークな感覚が混在し、それらがコーラスワークにより強調される。曲の中盤では、シューゲイズに近い轟音性により、それらの微妙な感覚が引き上げられる。その次には、驚くべきことに、序盤での憂いや悲しみがそれとは対極にある喜びや楽しみに代わる。

 

Bnnyの音楽は、その後、パンクに近いアプローチを取る場合もある。「Something Blue」はニューヨークのプロトパンクの基礎を形成した、Television、Patti Smithのようにインテリジェンスを擁するインディーロックの形で再現される。しかし、比較的クラシカルな音楽性を選ぼうとも、Bnnyの音楽は、現代的なオルトロックに焦点が絞られているため、それほど古びた感覚をもたらすことはない。ボーカルは、心なしかグランジのような暗鬱さが主な印象を形作り、曲の終盤では、ほとんど内面の痛みや悲しみをありのまま吐露するかのような激しさを増していく。しかし、それはヘヴィ・ロックやメタルとは異なる”内面に響き渡る轟音”なのである。暗鬱でダウナーな感覚は一転し、続く「Sweet」で、アルバムジャケットに描かれるような開放的な感覚に変化する。それらはバディー・ホリーのような古典的なロックのスケールをもとにし、サーフロックやドゥワップのような米国の古典的なロックのスタイルへと接近する。

 

「アメリカーナ」は今、米国のシンガーが注目しているジャンルで、以降、「ポスト・アメリカーナ」とも称すべきジャンルも生まれそうな気配もある。少なくとも、このアルバムでは、オルトロックとの融合という簡素な形で表される。スティールギターを用いるのは一般的であるが、「Nothing Like」ではPavementのような浮遊感のある心地よいインディーロックソングが繰り広げられる。そして、エレクトリック・ギターの使用が多い序盤から中盤にかけての収録曲の中で、この曲ではアコースティックギターが登場し、緩やかな牧歌的なオルトフォークの世界観を形作る。深刻さとそれとは対極にある和らいだ感覚が交差するような感覚がある。

 

 

ロック、フォーク、また、それとは別にオルタナティヴな音楽性が目立つ中、シンプルで親しみやすいバラード・ソングも収録されている。「Rainbow」は、チューブアンプを通し、プリミティヴなギターがイントロで、スロウコアというフィルターを通して立ち上がる。それは遠方に揺らめく蜃気楼、もしくは、遠い日の夏の入道雲さながらに、ロックサウンドの向こうに立ち上り、ジェシカ・ヴィシウスはその蜃気楼にむけ、甘い歌をうたうのである。どことなくその音楽性の中には、ディラン、ヤングのようなフォークへの親しみが込められている。これらは古典的なものと現代的なものの間を微妙に揺らめきながら、感覚的な音楽がアウトプットされる。

 

中盤では比較的安らぎと柔和さが目立つが、いよいよアルバムの終盤にむけてロック的な性質を持つ楽曲が少しずつその激烈さを増す。

 

コクトー・ツインズやブロードキャストの系譜にある、いわゆる甘美的でどこまでも純粋にみずからの内的な世界に浸りきるかのような陶酔的な”ドリームポップ・ワールド”は、ニューヨークの”Asobi Seksu”のような叙情的なニュアンスを保ちながら、徐々にエクストリームな表現へ接近していく。クライマックスの始まりとなるのが「Chandes」であり、ドリーム・ポップとアメリカーナの合間にあるスイートな感覚を保ちながら、徐々に感情が引き上げられる。

 

曲の終盤では”メタリカ”のようにいくつかの季節が一巡りし、何かが変わったとが暗示される。続く「Get It Right」は前曲の流れを受け継ぎ、ポスト・ロック的な音楽性を織り交ぜ、劇的なドリームポップ・ワールドを構築していく。ジェシカ・ヴィスシウスのボーカルが、なだらかなメロディーの曲線を描きながら、背後のドラムとギターの轟音を支えにしながら、このアルバムで最もドラマティックな瞬間を迎える時、アルバムの最初の悲しみは、すでにどこかに消えさってしまったのだ。いわば、アーティストが悲しみの理由を突き止め、それを消化し、今から次なる瞬間へ、そして闇の向こうにある光が差す方に歩き始めたことを暗示している。

 

アルバムのクローズ「No One」は、エイドリアン・レンカーが手遊びで作ったデモトラックのような親しみやすさがある。(もちろん、そんな音源が存在するのかは分からない) 「No One」では、誰からも愛されぬことの嘆きが歌われているが、The Velvet Undergroungのセルフタイトルアルバムのように”ララバイ”に比する意味が込められている。それは、かつてのVUの「After Hours」のように”悲しみに対する受容”の意味合いが含まれている。悲しみが受容という段階を経たあと、ようやく人は次のステップへと歩き出せる。アルバムの最後のイメージは、驚くほどクリアで、さっぱりしている。後味をまったくのこさないで、音楽や録音の制作現場から軽やかに離れていること。これこそ、One Million Love Songs'の最大の醍醐味なのだ。しかし、それらの表現がものすごくシンプルなので、かえって琴線に深く響くものがある。

 

 

88/100



Weekend Track 「Get It Right」




Bnnyによる新作アルバム『One Million Love Songs』はFire Talkより本日(4/5)に発売。



先週のWMFはSAYA GRAY『QWENTY Ⅱ』。レビューはこちらからお読み下さい。

 

©Nikita Freyermuth


Yaya Bey(ヤヤ・ベイ)が新曲「me and all my n*****s」を発表した。この曲は、彼女の次のアルバム『Ten Fold』に収録される。この曲には、シャシディ・デイヴィッドが監督し、ベイ自身が振り付けをしたビデオが付属している。

 

「このビデオは、私の父と彼のファースト・アルバムのスタイルへのオード」と彼女は説明した。彼女の父でラッパーの故グランド・ダディI.U.は、1990年にデビューアルバム『Smooth Assassin』をリリースした。


Yaya Bey(ヤヤ・ベイ)による新作アルバム『Ten Fold』は5月10日にBig Dadaからリリースされる。

  

「me and all my n*****s」

 
Kim Gordonが米国のテレビ番組「ジミー・キンメル・ライブ」のステージに登場した。この放送は4月3日に放映された。キム・ゴードンは最新作のハイライト曲「Bye Bye」をステージでバンドセットを率いてパフォーマンスした。音源よりもライブの方がはるかにクール。下記より。


「Bye Bye」は、ゴードンが3月にMatadorからリリースしたセカンドアルバム『The Collective』に収録されている。(Reviewを読む)

 
 
 
 「Bye Bye」

 


今年2月下旬に発売された柴田聡子による新作アルバム『Your Favorite Things』は現在話題沸騰中である。早耳のリスナーは、ぜひチェックしてみてほしい。今回、シンガーソングライターは、ニューアルバムの注目のトラック「Movie Light」のミュージックビデオを初公開した。

 

映像を手掛けたのは林響太朗。インスタレーション、パフォーミングアーツ、プロジェクトマッピングを用いた映像作品を手掛ける。2016年のヴェネチア・ヴィエンナーレの日本館、上海ワールド・フィナンシャル・センターの8周年を記念するプロモーションを監修した。

 

音楽関連では、星野源、スピッツ、Mr.Children、Bump Of Chicken,米津玄師、あいみょん、菅田将暉、緑黄色社会、秦基博のミュージックビデオを手掛けた、J-POPシーンでは著名な敏腕クリエイター。TVのCM関連では、資生堂、ソニー、トヨタ、ホンダの映像も手掛けている。

 

今回の映像では、春の到来を感じさせる桜をイメージ。日本的な美しさとアーティストによるナンバーがどのように鮮やかな世界を作り出すのかに注目したい。林監督のコメントは次の通り。

 


曖昧の心地よさ。わからない気持ちよさ。静かで、丸みのある柔らかな時間。

もしかしたら、ただ、支離滅裂に感じてしまうようなそんな時間の魅力を重ねていく。

柴田さんの歌う姿を「揺らぎの中」でとらえていく。

短い中に煌めきを感じる鮮やかな色と歌詞の単語に合わせた不可解なインサート。

いつの間にかに終わってしまったコース料理のように。色とりどりの曖昧さを。 

 

ーー林響太朗(Kyotaro Hayashi)

 

柴田聡子の最新作『Your Favorite Things』は5月25日にLP盤がリリースされます。詳細はこちら


「Movie Light」

 


Charli XCX(チャーリー)が6枚目のアルバム『Brat』から2曲の新曲を配信リリースした。「Club classics」、「B2b」はクラブレディなバンガー。以下より試聴できる。次作の詳細も明らかになった。

 

チャーリーいわく新作アルバムでは、純粋なクラブミュージックの楽しさを追求したという。『Brat』は6月7日(金)にアトランティックからリリースされる。トラックリストも情報解禁となった。


チャーリーは最近、同名義による6月のライブとDJセットのスケジュールを発表した。今年2月に行われたボイラー・ルーム・セットでは、A.G.クック、ジョージ・ダニエル、フィン・キーン、ドスをフィーチャーしており、アディソン・レイとジュリア・フォックスも出演を果たした。

 

 

「Club Classics」

 

 

「B2b」

 

Charli XCX 『Brat』

 

Tracklist:

1. 360 

2. Club classics 

3. Sympathy is a knife 

4. I might say something stupid 

5. Talk talk 

6. Von dutch 

7. Everything is romantic 

8. Rewind 

9. So I 

10. Girl, so confusing 

11. Apple 

12. B2b 

13. Mean girls 

14. I think about it all the time 

15. 365