Coming Up Rosesは、シンガポールで結成後、デビュー作『Waters』(2018年)と2nd EP『Everything Is』(2022年)の2枚のEPをリリースしている。2024年4月、シングル「Don't Let It Break Your Heart」と「Back The Way We Came」に先駆けて、セルフタイトルの3rd EPをリリースした。
#1「Don't Let It Break Heart」は彼らを知らぬリスナーに対する名刺代わりのナンバーだ。シューゲイズギターとシンプルなリズム構成に加えられるエミリーのボーカルのフレーズはバンドの音楽に聞きやすさをもたらす。
2曲目に収録されている「Back The Way Come」はバンドの飛翔作と言えるかもしれない。Say Sue Meを彷彿とせる純粋な感情を込めたメロディアスなロックが展開される。音の運びやバンドアンサンブルは簡素だが、カナダのAlvvaysを思わせるパンキッシュなメロディーが込められている。それらが世界水準に達しているかは分からないけれど、この曲の中にはオルタナティヴロックの普遍的な魅力があるのは明確である。ボーカルはポピュラリティーが重視されているが、アウトロのダリウス・オーンのギターリフにはアルトロックのニュアンスが含まれている。今後、バンドサウンドの中で、どのようなエフェクトを及ぼすのか楽しみである。この曲のアウトロにかけてのエレクトロニカ風の音響効果の導入を見るかぎり、バンドのスペシャリティーが少しずつ芽生え始めているように思える。
『シンクロニシティ』は、1983年6月にA&Mレコードから発売されました。バンドで最も成功を収めたともいえる本作には、ヒットシングル「Every Breath You Take」、「King of Pain」、「Wrapped Around Your Finger」、「Synchronicity II」が収録。アルバムのタイトルと曲の多くは、アーサー・ケストラーの著書『偶然の根源』(1972年)にインスパイアされている。
アルバムには、2枚のナンバーワン・シングル、タイトル曲と "I Can't Go for That (No Can Do)"、トップ10シングル "Did It in a Minute "が収録。「I Can't Go for That (No Can Do)」はR&Bチャートでも1週間首位を獲得。この曲は現在でも古びていない。2020年代の商業音楽にも共鳴する何かがある!?
このコンピレーションは1980年代を通した3枚のソロ・アルバムのヘンリーのヒット曲を網羅しています。3曲の新曲、「The Garden of Allah」、「You Don't Know Me at All」、ヘンリーによる「Everybody Knows」のカヴァーが収録。この作品集はチャート最高48位を記録、プラチナに達した。「The Garden of Allah」はメインストリーム・ロック・トラックス・チャートで16位を記録。
2010年、彼らの出身地であるブリスベンの有料橋が、彼らにちなんでゴー・ビトウィーンズ・ブリッジと改名された。1988年、『16 Lovers Lane』からのファースト・シングル「Streets of Your Town」は、オーストラリアのケント・ミュージック・レポート・チャートとイギリスのUKシングル・チャートの両方でトップ100入り。
シングル 「Was There Anything I Could Do?」は、アメリカのビルボード・モダン・ロック・チャートで16位のヒットを記録した。2001年5月、1983年の『Before Hollywood』に収録された「Cattle and Cane」が、オーストラリア演奏権協会(APRA)により、オーストラリアの歴代トップ30曲に選ばれた。2008年、スペシャル・ブロードキャスティング・サービス(SBS)TVの『The Great Australian Albums』シリーズで『16 Lovers Lane』が取り上げられた。
上記に紹介してきたバンドやアーティストに比べると、現在はそれほど知名度に恵まれているかは不明であるThe Go Betweensであるものの、男女混合のボーカルはティアーズフォーフィアーズの清涼感のあるポップスに匹敵する。
特に、名盤と名高い1988年のアルバム『16 Lovers Lane』ではバンドとしての試行錯誤の痕跡が見出される。彼らはこのアルバムで、ネオ・アコースティック、シンセ・ポップ、そしてMTV全盛期のダンス・ポップ等、その当時のトレンドの音楽を咀嚼しながら、The Go Betweensとしての独自の音楽的な表現性を追求している。16曲の収録曲は1980年代後半の時代を巧みに反映させており、どことなく浮足立ったような空気感を味わうことができる。
いわば1980年代は、アナログの時代からデジタルの時代へと移り変わる最後の年代であったことは確かなのであるが、上記のバンドやアーティストと同様に人間が次の時代に移行する過渡期を親しみやすいポピュラーミュージックという形で表現したことに関しては、再評価されるべき点もあるかもしれない。特に、そういった試行錯誤の中で生み出されたヒット曲「The Streets of Your Own」は、ティアーズ・フォー・フィアーズの名曲に比肩すると見ても違和感がない。ギター・ポップとシンセ・ポップを組み合わせたスタイルは時代を先取りするもので、現代のミュージック・シーンの音楽とも共鳴するものが含まれているように感じられる。
ニューヨークのアンビエント・プロデューサー、Rafael Anton Irissari(ラファエル・イリサリ)がセルビア在住の音楽家、Abul Mogardとのコラボレーション作品を発表した。アブル・モガードの経歴はほとんど知られておらず、ベルグラードの工場を2012年に退職した後、音楽活動を行うようになった。
Bat For Lashesのアルバム『The Dream of Delphi』はMercury KXから5月31日にリリースされる。
「Home」
4月27日、東京のオルタナティヴロックバンド"PSP Social"が4作目のフルアルバム『Second Communication』をリリースする。バンドは新宿にある''Hill Valley Studio''(東京のアンダーグラウンドパンク/ハードコアの象徴的なライブスポット、Antiknockの親会社が運営)での自主企画を定期的に打ちながら、東京のコアなベースメントシーンでじわじわと存在感を示し始めている。
1992年以来、世界中のクラブ、ギャラリー、DIYスペースや、ポンデュセンター、ホイットニー美術館、ハンマー、ブロードなどの会場でパフォーマンスを行っている。 ミュージシャンは、カルト・クラシック映画『Half-Cocked』に主演し、『His Lost Name』、『Great Speeches From a Dying World』などの長編映画の音楽を担当した。彼女のビジュアル・アート作品は、ロンドン、東京、LA、ニューヨーク、ポートランドなどで展示され、3冊のモノグラフが出版されている。
オニールのアルバム『The Cool Cloud of Okayness』は、セルフ・タイトルから7年(その間、魅力的なコラボレーション、トリビュート、レアもの、実験作がリリースされている)の小競り合いとシャッフルの中で書かれた。TJOがカリフォルニア州アッパー・オハイの自宅スタジオで録音した。トーマス火災で消失した自宅の灰の上に建てられたスタジオにて。
「The Cool Cloud of Okayness」の9曲の多くは、山火事と再建の間、ロックダウンと再開の間に開発された。TJOと彼女のパートナー(ダンサー、振付師、頻繁なコラボレーター)であるジェイミー・ジェームス・キッドと彼らの犬は、南カリフォルニアの高地砂漠とケンタッキー州ルイビルの深い郊外で嵐から避難した。
『The Cool Cloud of Okayness』は、異質であまり聴いたことがないタイプのアルバムで、唯一、プログレの代表格、YESの『Fragile』が近い印象を持つ作品として思い浮かべられるかもしれない。アルバムジャケットのシュールレアリスティックなイメージを入り口とし、ミステリアスな世界への扉が開かれる。
アルバムの#1「The Cool Cloud of Okayness」はサイケデリックロックをベースにしているが、ハワイアンやボサノヴァのように緩やかな気風のフォーク音楽が繰り広げられる。心地良いギターとオニールの歌は、寄せては返す波のような美しさ。浜辺のヨットロックのような安らぎとカルフォルニアの海が夕景に染め上げられていくような淡い印象を浮かび上がらせる。この曲は、序章”オープニング”の意味をなす。
同年6月には、ワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) も行い、ソールドアウト。10月にはタイ・バンコクでの海外公演を行い、2023年3月17日より、NY、ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、サンディエゴ、LAの全7都市にて「US Tour 2023」、9月には中国「Strawberry Music Festival 2023」を含む全7都市「China Tour 2023」、10月には韓国のストリートカルチャーコンベンション「FLOPPY 1.0 - Let’s FLOPPY」、11月にはインドネシア「Joyland Festival」に出演するなど海外展開も積極的に行う。