©Eleanor Petry

アイルランド/ダブリンのガレージロックバンド、Sprints(スプリンツ)が2曲の新曲「Drones & Help Me, I'm Spiralling」と「Drones」を発表しました。どちらも、1月にリリースされたアイルランドのバンドのデビュー・アルバム『Letter to Self』のセッションでレコーディングされたのだそうです。彼らはまた、アメリカ、イギリス、ヨーロッパを回る大規模なツアーを発表しています。


「"Letter To Self "のレコーディング・プロセスであったカオスとカタルシスの名残を分かち合えることを嬉しく思っています。Black Box Sessionsには、「Drones」と「Help Me, I'm Spiralling」が収録されており、不確かさ、不安、疑念をテーマにしている。狂気とノイズを受け入れたいよ」




 
Charlotte Day Wilson-



トロント出身のシンガーソングライター/プロデューサー、シャーロット・デイ・ウィルソン(CDW)が、待望の2ndアルバム『Cyan Blue』を5月3日にリリースする。


『シアン・ブルー』は、ゴスペル・ピアノ、温かみのあるソウルのベースライン、雰囲気のあるエレクトロニクス、そしてR&Bの突き抜けたメロディーなど、ウィルソンが永遠に影響を受け続けてきたシアン・タペストリーを滑らかに織り上げています。そして、この作品には、ウィルソンの新時代の到来を告げるに足るセンスがある。


「シアン・ブルー』の制作について、ウィルソンは次のように語っている。「多くの荷物がなかった頃、多くの人生を生きる前について。でも、若い頃の自分と合わせて現在の自分を見てほしいとも思う。私が今持っている知恵や明晰さの一部を、伝授することができたらいいなと思う」


レオン・トーマス(SZA、アリアナ・グランデ、ポスト・マローン)、ジャック・ロション(H.E.R、ダニエル・シーザー)といったプロデューサーと組んだ『シアン・ブルー』は、ウィルソンの音響的な専門知識を示すと同時に、彼女の時を超えたソングライティングの次なる進化を披露している。


13曲のヒプノティックなトラックを通して、彼女は音楽を人間関係を解きほぐす器として使い続けている。しかしながら、『シアン・ブルー』では、彼女は完璧主義者の傾向を一蹴することに挑戦しています。「それ以前の私は、強固な基礎、芸術的な完全性を備えた音楽を創ることに熱心でした」とウィルソンは振り返る。「でも、それは少し息苦しかった。"時の試練に耐えられるような素晴らしい作品を、プレッシャーなく作らせてほしい "という感じでした。今は、すべてが完璧でなければならないという、凍りついた状態から抜け出せたと思います。それよりも、その瞬間に起こった感情をその瞬間にとらえ、その瞬間に残すことに興味があります」


このアルバムはまだ通算2作目にもかかわらず、ウィルソンの音楽における影響力はメインストリームに大きな影響を及ぼし続けている。

 

ウィルソンは2016年に絶賛されたEP『CDW』でブレイクし、2018年の『Stone Woman』に続き、2021年には絶賛された自主制作盤『Alpha』でスタジオ・デビュー・アルバムを正式なカミング・アウトの瞬間とした。過去10年間、その楽曲は、ドレイク、ジョン・メイヤー、ジェイムス・ブレイクにサンプリングされ、最近では、パティ・スミスがウィルソンの2016年のブレイク・シングル "Work "を賞賛しカバーしている。さらに、ケイト・ラナダ、BADBADNOTGOOD、SGルイスといったアーティストともコラボレーション経験がある。ウィルソンが適応できない音はない。彼女はシアンブルーの魔法を振りかけることができることを示す。

 


『Cyan Blue』‐ Stone Woman Music/ XL Recordings

 

・Background

 

シャーロット・デイ・ウィルソンは、10代の頃にAppleのGaragebandで音楽制作をはじめ、幼初期にクラシックピアノを学んでいる。ハリファックスに引っ越し、大学で音楽を学習する予定だったが、その後、キャリアに専念するために大学を去った。十数年前から音源のリリースを行い、2012年にはEPのセルフリリースを行い、以後の数年間で、スタンドアロンのシングルを三作発表した。また、それらのソロシンガーとしてのキャリアに加え、ファンクバンドでも活動したことがあった。The Wayoではボーカル、キーボード、サックスを演奏していたという。


ケベック州モントリオールで過ごした後、ウィルソンはトロントに戻り、アーツ&クラフツプロダクションでインターンを行う。


その頃、ダニエル・シーザー、リバーテイバー、BadBadNotGoodなどのコラボに取り組むことになった。2016年には、リリースしたEPの収録曲「Work」が注目を集めはじめ、Socanソングライティング賞にノミネートされ、ポラリス音楽賞のロングリストに残った。また、ウィルソンはプロデューサーとしても高い評価を得ている。2017年のジュノー賞ではプロデューサー・オブ・ザ・イヤーにノミネート。ファンタヴィアス・フリッツ監督が手掛けた「ワーク」のビデオも好評で、2018年度のプリズム賞を受賞している。

 

3作目のEP「Stone Woman」でもウィルソンは注目を集めた。収録曲「Falling Apart」はジェイムス・ブレイクが「I Keep Calling」でサンプリングを行った。2021年頃にはR&Bアーティストとして国内で評価される。2021年のシドをフィーチャリングしたシングル「Take Care Of You」でジュノー賞のトラディショナルR&B/ソウルのレコーディング・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 

着実に実績を重ね、イギリスのXL recordingsと契約し、満を持してリリースされるアルバム『Cyan Blue』はウィルソンの初期のキャリアを決定づける可能性が高い。もしかするとマーキュリー賞にノミネートされても不思議ではない作品である。13曲とヴォリューム感のあるアルバムであることは間違いないが、驚くほどスムーズに曲が展開され、そして作品の中に幾つかの感動的なハイライトが用意されています。本作はプロデューサーとしての蓄積が高水準のネオソウルとして昇華され、加えて、ファルセット、ウィスパーボイス、ミックスボイス、そしてアルトボイス等など、驚くほど多彩なヴォーカリストとしての性質が見事に反映されている。


シャーロット・デイ・ウィルソンのソウル/R&Bは、例えば、SZA、Samphaといった最も注目を集めるシンガーとも無関係とは言えません。しかし、上記の二人とは異なり、基本的には低音域のアルトボイスを中心の歌われる。その歌声は基本的には落ち着いていて、ダウナーともいうべき印象をもたらすが、稀にファルセットや高音域のミックスボイス等が披露されると、曲の印象が一転して、驚くべき華やかさがもたらされる。あらゆるボーカルスタイルを披露しながら、細部に至るまで多角的なサウンドを作り込もうとする。”完璧主義から距離を置いた音楽を選んだ”というシンガーの言葉は捉え方によっては、ボーカルにしてもプロデュースにしても、それ以前の音楽的な蓄積が、少し緩さのある軽妙なネオソウルを作り上げるための布石となった。

 

2ndアルバム”Cyan Blue”はアーバンなソウル、メロウさ、それとは対象的な爽快さを併せ持つ稀有な作品となっています。その中にはファンクバンドとしての経験を織り交ぜたものもある。そしてカナダのミュージック・シーンに何らかの触発を受けてのことか、ローファイなサウンドメイキングが施されている。例えば、ボーカルのオートチューンの使用はダフト・パンクのようなロボット声を越え、ユニークなボーカルの録音という形で表れる。ただ、マニアックなプロディースの形式が選ばれているからとは言え、アルバム全体としてはすごく聞きやすさがある。

 

 

・1「My Way」〜 5「Do U Still」

 

オープナー「My Way」ではギターサウンドをローファイ的に処理し、それにダブステップのような”ダビーなリズム”というようにコアな音楽が展開される。しかし、そのトラックに載せられるウィルソンのボーカルは、メロウな雰囲気を漂わせながらも、驚くほど軽やかである。イギリスのシンガーソングライター、Samphaを思わせるネオソウルは、サビでコーラスが入ると、親しみやすく乗りやすいポピュラー・ソングへと変化する。徹底して無駄や脚色を削ぎ落とした、スタイリッシュかつタイトな質感を持つサウンドが繰り広げられます。さらに、デイ・ウィルソンのR&Bにはモダンでアーバンな空気感が漂う。#2「Money」でも、最初のメロウな雰囲気が引き継がれる。曲そのものはポピュラーなのに、新しい試みもある。デチューンをトラック全体に掛け、サイケな曲の輪郭を作り出し、アウトロにかけて、ラップのサンプリングをクールに導入している。こう言うと、難解なサウンドを思い浮かべるかもしれませんが、全般的にはメロディーの心地よさ、リズムの乗りやすさにポイントが絞られているので聞きやすさがある。もちろん、リズムの心地よさに身を委ねるという楽しみ方もありかもしれない。

 

ウィルソンのファンクバンドとしての演奏経験は続く#3「Dovetail」に表れている。Pファンクの代表格である”Bootsy Collins”のようなしなやかなファンクサウンドを基調としているが、デイ・ウィルソンのソウルは、チルウェイブの影響を取り入れることで、モダンな雰囲気と聞きやすさを併せ持つトラックに昇華される。アルトボイス中心の落ち着いたボーカルに色彩的な和音が加わり、スマイルの最新作やジェイムス・ブレイクなどのレコーディングでお馴染みのボーカルのエフェクト効果がリズムや旋律と混ざり合い、大人の感覚を持つR&Bが構築される。


その後の#4「Forever」でもボーカルのオートチューンや複雑な対旋律的なコーラスの導入は顕著な形で表れる。この曲にはエレクトロニックの影響があり、サンプリング的に処理されたピアノとソフトシンセの実験的なエフェクト処理が施されたマテリアルが多角的なネオソウルを作り上げる。ウィルソンのボーカルについても、「しっとりとしたソウル」とよく言われるように、落ち着いたアルトボイスを基本に構成される。けれども、それらのボーカルのニュアンスはジェイムス・ブレイクが以前話していた”ビンテージソウルの温かみ”がある。最新鋭のレコーディングシステムや多数のプラグインを使用しようとも、ボーカルやトラックには深いエモーションが漂い、それがそのままアルバムの導入部の魅力ともなっている。さらに曲の後半では、ミックスボイスに近い伸びやかな鼻声のボーカルが華やかさを最大限に引き上げていきます。続く#5「Do U Still」でも中音域のボーカルを中心にして、しっとりとした曲が作り上げられる。この曲では、旋律よりもリズムが強調され、それはスキッターな打ち込みのドラムが、ボーカリストがさらりと歌い上げるメロディーや複合的な和音のメロウさを引き立てている。

 


 「My Way」




・6「New Day」~ 9「Over The Rainbow」


アルトボイスとミックスボイスを中心に構成されていたアルバムの導入部。しかしながら、アーティストは驚くべきことに、手の内を全部見せたわけではなかった。ボーカリストとしての歌唱法の選択肢の多さは、中盤部において感動的な瞬間を呼び起こす箇所がある。中盤の収録されている#6「New Day」を聴けば、ウィルソンのボーカリストとして卓越した技巧がどれほど凄いのかを体感していただけるに違いない。イントロではゴスペルを下地にした霊妙なハミング/ウィスパーボイスとジェイムス・ブレイクの作風を思わせるピアノ、それに続いて優しく語りかけるようなデイ・ウィルソンのボーカルが続く。背後には、XL Recordingsが得意とするボーカル・ディレイが複合的に重ねられ、トリップホップを思わせる霊妙な音楽へとつながる。そして曲の中盤から、それまで力を溜め込んでいたかのように、華やかで伸びやかなビブラートでボーカリストがこの曲を巧みにリードしていく。これこそソロシンガーとしての凄さ。

 

歌にとどまらず、音楽のバラエティー性にも目を瞠るものがある。#7「Last Call」ではサンファを彷彿とさせる落ち着きと爽快感を兼ね備えるネオソウルを披露したかと思えば、#8「Canopy」では、アルバムの一曲目と同様に、ローファイなギター、エレクトロニカ風のエフェクトという現行のネオソウルやヒップホップの影響があるが、それらをブレイクビーツとして処理している。もちろん上記の2曲でも依然として、メロウさやモダンな感覚が維持される。

 

この2曲はダンスフロアのクールダウンのような意図を持つリラックスした箇所として楽しめる。そして、中盤の最大のハイライトがジュディー・ガーランドのカバー「Over The Rainbow」である。''オズの魔法使い''の主題歌でもあったこの曲を、デイ・ウィルソンは、ゴスペルとネオソウルという二つの切り口から解釈している。ここには、カバーの模範的なお手本が示されていると言えるでしょう。つまり、原曲を忠実に準えた上で、新しい現代的な解釈を添えるのである。基本的なメロディーは変わっていませんが、何か深く心を揺さぶられるものがある。これはデイ・ウィルソンが悲劇のポップスターの名曲を心から敬愛し、そして、霊歌や現代のソウルR&Bに至るまで、すべてにリスペクトを示しているからこそなし得ることなのでしょうか? そしてミュージシャンの幼少期の記憶らしきものが、最後の子供の声のサンプリングに体現される。 

 

 

 「Over The Rainbow」

 

 

 

 ・10「Kiss & Tell」〜13「Walk With Me」

 

アルバムの後半では、UKのアンダーグランドのダンスミュージックの影響が親しみやすいポピュラー・ソングの形で繰り広げられる。


#10「Kiss & Tell」では、ベースラインを基にして、トリップ・ホップやダブステップのリズムをミックスして織り交ぜながら、それらを最終的に深みのあるネオソウルに昇華させています。特にこの後の2曲は、アルバムの最高の聞きどころで、またハイライトになるかもしれない。


#11「I Don't Love You」では「Over The Rainbow」と同じく、古いゴスペルを鮮やかなネオソウルに生まれ変わらせる。ピアノとボーカルにはデチューンが施され、入れ子構造やメタ構造のような意図を持つ弾き語りのナンバーとも解釈出来る。落ち着いた感じのイントロ、中盤部のブリッジからサビの部分にかけて緩やかな旋律のジャンプアップを見せる箇所に素晴らしさがある。なおかつタイトルのボーカルの箇所では、シンガーの持つ卓越したポピュラリティーが現れる。しかし、多幸感のある感覚は、アウトロにかけて落ち着いた感覚に代わる。ウッドベースに合わせて歌われるウィルソンの神妙なボーカルは、このアルバムの最大の聞き所となりそう。

 

タイトル曲「Cyan Blue」のイントロでは複雑なエフェクトが施され、サンファの系譜にある艷やかな空気感のあるネオソウルというかたちで昇華させる。しかし、そういった前衛的なサウンド加工を施しながらも、普遍的なポピュラーミュージックの響きが込められている。この曲では古典的なポピュラーソングのスタイルを採用し、ポール・サイモン、ジョニ・ミッチェル、ウェイツのような穏やかで美しいピアノ・バラードがモダンな感覚に縁取られている。この曲でもシャーロット・ウィルソンのソウル/R&Bシンガーとしての歌唱力は素晴らしいものがあり、ビブラートの微細なニュアンスの変化により、この曲に霊妙さと深みをもたらしています。

 

”Cyan Blue”は全体的にブルージーな情感もあり、ほのかなペーソスもあるが、アルバムの最後はわずかに明るい感覚をもってエンディングを迎える。クローズ「Walk With Me」は他の曲と同じように落ち着いていて、メロウな空気感が漂うが、ドラムのリズムはアシッドなグルーヴ感を呼び起こし、それに加えてローファイの要素が心地よさをもたらす。スタイリッシュさやアーバンな雰囲気が堪能出来るのはもちろん、超実力派のシンガーによるR&Bの快作の登場です。

 

 

* プロデュース面での作り込みの凄さに始終圧倒されてしまいました。それ以前にどれほど多くの試行錯誤が重ねられたのかは予想もできないほど……。一度聴いただけで、その全容を把握することは難しいかもしれません。しかし、その一方で、純粋なネオソウルとしても気軽に楽しめるはず。

 

 

 

96/100

 

 

 

 Best Track-「I Don't Love You」

©︎Ernest Green


現在のチルウェイブやローファイの象徴的なアーティストであるアーネスト・グリーンのプロジェクト、Washed Outが5枚目のアルバム『Notes from a Quiet Life』をSub Popから6月28日にリリースする。

 

本作はウォッシュト・アウトのアーネスト・グリーンが初めて自身でプロデュースし、ネイサン・ボディ(ジェイムス・ブレイク、ムラ・マサ)とデヴィッド・レンチ(カリブー、フローレンス+ザ・マシーン)がミックスした。タイトルは、アトランタを離れ、彼が育ったジョージア州メーコンの田舎に戻るというグリーンの決断を意味している。このアルバムについて、グリーンはこう語っている。

 

「5年、いや10年ごとに、あなたは実質的に別人になる。「あなたが経験していることは、結局あなたを変えることになり、あなたは別人のようなものだ。このアルバムはその反映なんだ。絵画や彫刻の実験は、私の音楽を助けてくれる。互いに影響し合っている。それは私にとってある種の気づきだった。いつか自分の人生を振り返って、『ああ、すべては生産性を最大化するためだった』なんて思いたくない。これを楽しみたい」


最初のシングルは "The Hardest Part "で、アーティストのポール・トリロがOpenAIのSoraを使って制作したビデオと合わせて公開された。アーネスト・グリーンは次のように説明しています。


「『The Hardest Part』は、ノスタルジアと失われた愛についての物語です。ビデオでは、この物語を真摯な方法で、エキサイティングで意外性のあるものにしたいと思いました。私は長い間ポールのファンで、彼は単に衝撃や畏怖で物語を補うのではなく、物語を高める最先端の視覚効果を取り入れることに驚くほど長けている。彼は私の協力者候補の筆頭だった」


「彼が生み出したものは、ノスタルジックで、悲しく、高揚感があり、しばしば非常に奇妙だ。しかし、それでも彼は登場人物に感情移入させ、彼らの人生がどのように進んでいくのかという旅に投資させることに成功している。ポールが、このビデオはこの新しいAI技術を使わなければ作れなかったと言っているのは正しいと思う。私の意見では、Soraのクリップの幻覚的な質は、それ自体が新しいジャンルの始まりのような気がする。超現実的で予測不可能な、従来の映画やアニメーションにもまったくないものなんだ」

 

 

 「The Hardest Part」




Washed Out 『Notes from a Quiet Life』

Tracklist:

1. Waking Up

2. Say Goodbye

3. Got Your Back

4. The Hardest Part

5. A Sign

6. Second Sight

7. Running Away

8. Wait on You

9. Wondrous Life

10. Letting Go


 


ニューヨークを拠点に活動するブレア・ハワートン擁するバンドプロジェクト、Why BonnieがFire Talkと新しい契約を交わした。この発表と同時に、ハワートンは「Dotted Line」を発表した。シングルの購入はこちらから。

 

この曲は、ハワートンとグレース・ペンドルトンが共同監督したミュージック・ビデオと共に公開された。以下で視聴できます。


ハワードンは、「資本主義の重さ」を体験し、地獄のようにお金がなかった時期に「Dotted Line」を書いたとプレスリリースで説明しています。「私たちが成功の印だと言われているものすべてについて考えてました。このままでは、私はおそらくどれも手に入れることはできないだろうって」

 

Why Bonnieは前作『90 in November』においてアメリカーナとインディーロックを融合させた。その作風はウェンズデーやワクサハッチーと比較されることもある。ブレア・ハワートンは最新作の制作時、テキサスからニューヨークへと活動拠点を移したが、これらのホームタウンへの思いが秀逸なオルタナティヴロックソングに昇華されることがあった。特にこのアルバムに収録されている「Nowhere in LA』はテキサスの雄大な土地を思わせる素晴らしい楽曲でした。

 

 

 「Dotted Line」


 サウスロンドンのロイル・カーナーは、多彩な音楽性をラップミュージックに取り入れてきた。ジャズやディープソウルを中心に構成される、カーナーのラップには奇妙な癒やしが存在する。喜びはもちろん、悲しみのような負の感情をもつことも時には大切なことなのではないかと。

 

 ロイル・カーナーは2023年、英国内外の大規模なフェスティバルや会場を飾ったが、中でもロンドンのウェンブリーOVOアリーナでの公演は、そのキャリアの中でも傑出したものだったと言われている。グラストンベリーのウェスト・ホルツ・ステージ、プリマヴェーラ・サウンド、そして最近ではレディング&リーズ・フェスティバルでのヘッドライン・スロットを含む。


 マーキュリー賞にノミネートされた最新作『hugo』は10曲からなる。カーナーは個人的なものから政治的なものに至るまで、さまざまなテーマを盛り込んでいる。映画的なスケールと広がりを持つ『hugo』は、炎の中で鍛えられた世代への叫び。混血の黒人として、アーティストとして、父親として、息子として、アルバムの他の部分を牽引する個人的な内的葛藤の研究でもある。


 有名プロデューサーのkwes.(ソランジュ、ケレラ)と共に、カーナーはこのアルバムでサウンドとストーリーの両面で手を抜かない。ゴージャスなネオ・ソウルの瞬間から轟音ヒップホップまで、即効性があり感染力のあるバンガーや非ミュージシャン(混血のガイアナ人の詩人ジョン・アガード、青年活動家で政治家のアティアン・アケック)のサンプリングによるインタールードを交えた10曲のアルバム。カーナーはミクロからマクロへとシームレスに移り変わり、家族との緊張した関係から階級差別による社会の涙まで、あらゆるものに立ち向かおうとした。



 ロイル・カーナーは29歳の誕生日、マーキュリー賞にノミネートされた『ヒューゴ』を記念し、一夜限りのロイヤル・アルバート・ホールに戻った。最初の10分でスタンディング・オベーションが起こったことからも、このショーはファンにとって忘れられないものになった。


 午後8時30分、サウス・ロンドン出身の彼がステージに登場する間、観客はその様子を注意深く見守っていた。ヴァイオリン、ハープ、生バッキング・ヴォーカルを含むオーケストラに飾られたカーナー(ベンジャミン・コイル=ラーナー)は観客の注目を集め、ファンがその瞬間に酔いしれる間、携帯電話はポケットにしまったまま。アルバムの中で人気のある曲『Plastic』を演奏した後、カーナーは宣言した。「信じられないほど感謝している。言葉では言い表せないくらい」


 カーナーが観客の誰かから青いバースデー・ハットをもらい、ファンから「ハッピー・バースデー!!」の大合唱を受ける、ほほえましい場面もあった。歌詞の鋭い弱さで知られるイギリス系ガイアナ人アーティストは、父性、許し、そして、都心部の凶悪犯罪にトラウマを持つ世代について触れている。通常、ヒップホップ・アーティストが触れることのないトピックから遠ざかることを恐れないカーナーは、すべてのリスナーが学ぶことのできる立派な弱さを示している。



 彼は、2020年にハックニー地区で生まれた息子に”Homerton”という曲を捧げ、観客はコラボレーターであるJNR WILLIAMSのソウルフルなボーカルに酔いしれた。「Blood On My Nikes」はカーナーが16歳の時に銃乱射事件を目撃したことに触れている。若者の議員アティアン・アケックをはじめとする少数の優柔不断さのため、これほど貴重なものが失われた事例はない。このような問題に対し英国政府から意味のある行動を引き出すのに苦労している国民の悲しみと絶望……。それはこの瞬間に捉えられ、あるファンは「ファック・ザ・トリーズ!」と叫んでいた。


 有害な男らしさについて、ロイル・カーナーは『私は男とは何かという考えがある場所で育った......。有害な男らしさなんてクソ食らえだよ』と言う。彼は、精神的な苦悩について信頼できる誰かに相談するように促していて、息子が自分の感情を率直に表現できることに誇りを示しているという。



 今後のプロジェクトからの数曲を披露し、アルバートホールのオーディエンスはジャングル/ブレイクビーツを取り入れた楽曲の一端を垣間見るという幸運にあやかった。Loose Endsのパフォーマンス中、2人の10代の少女が歌詞を一言一句唱和していたが、これはカーナーの感動的で親近感のわく歌詞が、さまざまな背景を持つファンの心を打つことを裏付けているのではないか。


 愛、家族、そして、赦しについて歌った「HDU」で誕生日を記念するショーを締めくくったこの曲は、感情的に痛烈でありながら、未来への希望に包まれたパフォーマンスで有終の美を飾った。

 

 ロイヤルアルバートホールでの公演の模様は音源化され、5月24日に発売される。アルバム発売に先駆けて「A Lasting Place」が公開された。再構成された曲には原曲よりもジャジーな落ち着いた雰囲気が漂う。


 



 Owen 『The Falls of Sioux』

 

 

Label: Polyvinyl

Release: 2024年4月26日

 

 

Review

 

マイク・キンセラはアメリカン・フットボールとは異なる音楽性を''Owen''というソロ・プロジェクトを通じて追求してきた。


アメリカンフットボールがインディーロック的なアプローチであるとするなら、Owenではインディーフォーク調の音楽性を追い求めている。2011年のアルバム等が有名だが、他にもレキシントンでのライブ・アルバムも聴き逃せない。観客との距離感を大切にしたこの音源では、イギリスのフットボールに関する微笑ましいやりとりも残されている。ある観客が「好きなフットボールチームはどこ?」と聞いて、キンセラは「フットボール!?」と苦笑いで答えた。いわば、インディーフォークの温かい感情を留めたアルバムだった。
 

最新アルバム『The Falls of Sioux』は、いつもよりドラマティックなサウンドを探求しているように感じられる。旧来のインディーロックやフォークの音楽性に、オーケストラベルを導入したり、アコースティックの録音を再構成として散りばめたりと、かなり作り込まれたプロダクションになっている。そこにマイク・キンセラによる音のストーリーテリングの要素が加えられた。
 
 
オープニング「A Reckoning」ではアコースティックギターの弾き語りを通じて、途中からインディーロックのダイナミックスを意識した迫力のあるサウンドへ変遷を辿る。その中には、編集的なプロダクションで新しいロックを提示したウィルコの最新アルバムに近い何かがある。そこにキンセラのエモーショナルなボーカルが加わり、オーウェンのサウンドが出来上がる。曲の後半では、エレクトリックとアコースティックギターの双方を緻密に重ね合わせて、きらびたかなサウンドへと移行していく。この曲にはエモやインディーフォークの象徴的なシンガーソングライターとして経験を重ねてきたキンセラの次なるステップが垣間見えるような気がする。


続く「Beacoup」はアメリカンフットボールに近い楽曲で、ソロプロジェクトではありながら、バンドアンサンブルの響きを重視している。強調されるベースライン、そして、シンプルではあるがツボを抑えたアコースティックギターとマイク・キンセラのボーカルの兼ね合いは、やはりアメリカンフットボールの音楽性の延長に位置する。しかし、この曲の中盤からはディレイ処理を施したピアノが導入されたりと、実験的なサウンドを織り交ぜている。そこにはこのシンガーソングライターの美的センスがなんとなくうかがえるような気がする。


続く「Hit and Run」は、OWENの代名詞的な曲であり、ソングライターのフォークソングの涼し気なイメージが流れる滝のようにスムーズな質感をもって展開される。アルバムの序盤の2曲のようにエレクトリック/アコースティックギターの多重録音に加え、ピアノの美麗な旋律が曲に優しげな印象を添えている。また、ネイト・キンセラとのデュオの活動で培われたシンセサウンドは飾りのような形でアレンジに取り入れられている。ギターの旋律やコード進行の巧緻さはもちろんのこと、そこにヴァイオリン/フィドルの上品な対旋律を加えながら、気品のあるフォークミュージックが作り上げられる。それらは複数の演奏を入念に行った後で、緻密に最終的なサウンドを構築する過程が記されているのである。始めから出来上がったものを示するのではなしに、一つずつ着実に音の要素を積み上げていく過程は圧巻である。そこにオルタネイトな旋律やアメリカーナのギターが加わることで、癒やしのあるサウンドが作り上げられる。
 
 
 「Cursed ID」はやや遊び心のある曲で、ギターのリズム性を意識したアルペジオを重ねながらイントロからアウトロにかけて起承転結がストーリーのような形をとって構築されていく。やはり、緻密なサウンドであるのは他の曲と同様なのだが、この曲ではピアノのアレンジに、ジャズ的な響きが加わる。そしてオーウェンの他の曲と同じように、だんだんと感情の流れがゆるやかに増幅していくような感じで、曲の構成が次なる段階へ移行していく。この曲には、タイトルの風景が少しずつ移ろい変わっていくようなサウンドスケープがオーウェンらしい形式で作り上げられていく。弦楽器のプロダクションにもこだわりがあり、ドローン風のレガートを散りばめたりと、インディーフォークを起点としながらも実験的なサウンドが繰り広げられる。

 

「Virtue Misspent」ではドラムのリズム性に重点を置いたエモが繰り広げられる。この曲には従来のアメリカンフットボールのファンもカタルシスや共感を覚えてもらえるかもしれない。「Never Meant」を彷彿とさせるギターのフレーズはもちろん、タイトルの部分ではマイク・キンセラ節ともいうべき他のアーティストには見られないような特異な歌唱が繰り広げられる。そこにシンセサイザーやグロッケンシュピールを加え、曲そのものにドラマ性をもたらそうとしている。最終的にはミニマルミュージックのような微細なマテリアルと、スポークンワードを織り交ぜることによって、従来にはなかったオーウェンの曲の形式が作り出されている。

 

 

終盤の3曲は従来のOwenのソングライティングの延長線上にあるナンバーとして楽しめる。しかし、そこはやはりベテランのミュージシャンで、旧来にはなかった新しい音楽性も付け加えられている。#6「Mount Cleverland」ではギターやドラムの演奏の中にジャズ・フュージョンやアフロビートからの影響がわずかにあるように思える。しかし、それらのエキゾチックなイメージはしだいにマイク・キンセラのフォーク・ミュージックの中に吸い込まれていく。この曲の中には音楽そのものにより雄大なアメリカの自然を物語るような感覚があって面白い。曲の中盤ではハードロック的なギターサウンドが展開されるが、やはりそれは、モダンなサウンドプロダクションとして昇華され、コラージュ的なサウンド(ミュージックコンクレート)として中盤のハイライトを形づくっている。しかし、たとえ、前衛的なサウンドの表情を見せることがあっても、その後はやはりマイク・キンセラらしい安心感のあるロックソングへと移行していく。ここにはこのアーティストによる様式美のようなものが体現されているのかもしれない。

 

『スーの滝』はベテラン・ミュージシャンによる飽くなき音楽の探求心が刻印されているように思える。クローズを飾る「With You Without You」では、Cap N' Jazzの時代から存在した中西部のインディーフォークの要素が、華やかなシンセストリングスとドラムのダイナミックなリズムによって美麗なエンディングを作り上げる。バスドラの連打に合わせて歌われるキンセラの歌はエモーショナルの領域を越えて、何かしら晴れやかな感覚に近づく。アウトロの巧みなアコースティックのギター、そのなかに織り交ぜられる繊細なエレクトリック・ギターやストリングスに支えられるようにして、このアルバムは最後に最もドラマティックな瞬間を迎える。

 

 

85/100

 

 

「With You Without You」

 

Luis Vidal
 

ロンドンを拠点に活動するプロデューサー/シンガー・ソングライターのLiza Lo(リザ・ロー)が、ニュー・シングル「A Messenger」をGear Box Recordsから発表しました。


オーストラリアのインディー・フォーク・ソングライター、ハリソン・ストームとのEU/UKツアーを完売させたばかりのリザは、ロンドンと故郷アムステルダムで公演を行ない、口コミで急速に知名度を上げています。このニュー・シングルは、彼女がセルフ・リリースした『flourish』EPに続くもので、インディー・フォークに優しく瞑想的なテイストを取り入れたこのEPは、幅広いプレイリストの支持を集め、プレスやラジオでも早くから高い評価を得ました。


ドーター、マロ、ビリー・マーティンなどからインスピレーションを得たリザ・ローのサウンドは、穏やかなフォーク風のインストゥルメンテーションとインディー・ポップが交差する。ジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とスタジオ13でレコーディングされた彼女の内省的な「A Messenger」は、繊細なストリングス・アレンジとゴッサムのようなギター・ワークが組み合わされ、リザの親密で詩的なヴォーカルを中心にうねり、花開いています。  



同楽曲についてリザ・ローは、「友人を失ったときの心の傷について書いたものなの。人は時に小さなメッセンジャーのようにやってきては、思いがけない足跡を残して去っていく。友情の突然の終焉に伴う痛みは誰もが知っていることだけど、このトピックはあまり語られることがないのよね。これは私がとある親友との会話の後に書きあげた曲なの」というように話しています。

 

 

 「A Messenger」

 

 

 


「A Messenger」ーNew Single

 

ダウンロード/試聴はこちら: https://bfan.link/a-messenger

 

 

Liza Lo Biography: 

 

スペインとオランダで育ち、現在はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、プロデューサー、ミュージシャン。親密で詩的な独自の音楽世界を創り出す彼女は、ドーター、マロ、ビリー・マーティンなどからインスピレーションを受け、生々しいヴォーカルと誠実なソングライティングで聴く者を内省と静寂の世界へと誘う。最新EP『flourish』は、Spotifyの「New Music Friday UK」、「NL」、「BE」にセレクトされ、「the most beautiful songs in the world」プレイリストでも紹介された。2024年5月1日、最新デジタル・シングル「A Messenger」をリリース。現在は、西ロンドンのスタジオ13で、ジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とバンドと共に新曲のレコーディングに取り組んでいる。

 


ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライター、スチュワート・ブロノーのプロジェクト、Lionlimb(ライオンリンブ)がアルバム『Limbo』の最新シングル「Underwater」をリリースしました。スチュワート・ブロノーはエンジェルオルセンバンドとしても活動しています。


前作「Hurricane」、エンジェル・オルセンをフィーチャーした「Dream of You」に続く新曲です。以下よりチェックしてみてください。




「Underwater」






2021年の『Spiral Groove』に続く『Limbo』は、5月24日にBayonet Recordsからリリースされる。
パンデミック(世界的大流行)の最中、ブルックリンのアパートに閉じこもっていたブローノーは『Limbo』を書いた。


70年代のソウル・シンガー、グロリア・アン・テイラーからイタリアの映画作曲家アレッサンドロ・アレッサンドロまで、古い無名の楽曲を探し求めた。ファンキーなベースライン、メロドラマティックなストリングス・アレンジ、ファズアウトしたギターにシタールのようなギターを重ねたブロノーは、西部劇のカウボーイ映画と同じように『ツイン・ピークス』にも登場しそうな音楽を作り出している。


デュエット・アルバム『Limbo』には、エンジェル・オルセン、エワ・シノヴィエツ、ジャスティン・オラル、ブリ・エイブラム、ゾーイ・フイン、テイラー・ベルといった女性ヴォーカリストが参加し、それぞれがブロノーの控えめなヴォーカル・パフォーマンスに質感のある対極を加えている。「私はヴォーカルを単なる楽器のひとつだと思っている。最初に他の人に歌ってもらおうとしたとき、私はそれが好きだった。これらのシンガーがブローノーとどのようにトレードオフし、双方が彼の内なる感情を表現するのか、そこには夢のようなクオリティがある」


 


トロントのローファイ・アーティスト、HOMESHAKEが早くもセカンドアルバムの構想を打ち出した。HOMESHAKEことピーター・サガーは、ローファイを制作することで知られています。オルタナティヴロックにとどまらず、エレクトロニックへの造形も深いミュージシャンであるという。

 

ピーター・サガーは今年初めにアルバム「CD Wallet」を発表した。このアルバムは週末の特集として紹介しています。ボリュームがあり、聴き応えのある素晴らしい作品でしたが、彼の才気煥発なクリエイティビティは前作だけでは終わらかった。HOMESHAKEは、わずか半年足らずで2枚目となる新作をリリースする。

 

『Horsie』は6月28日にSHHOAMKKE / Dine Alone Recordsから発売される。シンガー・ソングライターがライブ・パフォーマンスの世界に戻ることへの複雑な心境を探求し、旅先での不安や孤独というテーマをさらに検証している。この秋、彼は北米ツアーでその感情と正面から向き合う。


サウンドは、サガーの最新作と比べて、大きく変化していないようです。ホーシーは、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、フォー・テット、ディアンジェロ、セード、ライ・クーダーの影響を受けたテクスチャーとリズムのメドレーを採用している。エンソニックのEPSとローランドのジュノ60が、自宅スタジオでレコードをレコーディングする際のサガーの重要な機材だった。


リードシングル「Nothing 2 See」は、ジム・ラーソンが監督したミュージック・ビデオと共に発表された。このビデオでは、ビバリーヒルズの邸宅に集まった小さなカルト集団を通して、見え隠れするアーティストの白昼夢が描かれている。 

 

 

 「Nothing 2 See」



HOMESHAKE 『Horsie』



Tracklist:

 

1. Ravioli

2. Horsie

3. Dinner Plate

4. Blunt Talk

5. On A Roll

6. Smiling

7. Nothing 2 See

8. Simple

9. Easier Now

10. Believe

11. Empty Lot

12. Ice Tea

 


カナダ/トロントのR&Bシンガーソングライター、Charlotte Day Wilson(シャーロット・デイ・ウィルソン)が今週末に発売されるニューアルバム『Cyan Blue』から一挙に2曲の先行シングルを公開しました。

 

『シアン・ブルー』からの最新曲は「My Way」とLPのタイトル・トラック。どちらもセード全盛期の洗練された親密さを思い起こさせる、雰囲気のあるR&Bの没入感のある作品となっています。

 

シャーロット・デイ・ウィルソンはジャック・ロションと両曲を共同プロデュースし、レオン・トーマスもマックスウェルを取り入れた渦巻くネオ・ソウル・ジャム「My Way」を手がけた。「Cyan Blue」は比較的短く、控えめで、ウィルソンのささやくようなアルトボーカル、繊細なピアノ、スタンドアップ・ベースを中心に構成されている。2曲とも以下よりチェックしてみて下さい。

 


「My Way」
 

 

 「Cyan Blue」

 

 



リバプールのシンガーソングライター、ピクシーは、デビューアルバム「Million Dollar Baby」をチェス・クラブ・レコードから8月2日にリリースすることを発表しました。


このアルバムは、「Colours」(2019年)、「Free To Live In Colour」と「Sunshine State」(共に2021年)、そして「Dreams, Pains & Paper Planes」(2022年)という4枚の小規模プロジェクトの後にリリースされる。彼女の生まれ故郷であるリバプールとロンドンの間で作曲されました。トム・マクファーランドとリッチ・ターヴェイと共にピクシー自身がプロデュースした「Million Dollar Baby」は、90年代のノスタルジックなブレイクビーツへの彼女の愛と、モダンなオルタナポップへの才能を融合させた作品となっています。


アルバムについてピクシーはこう語っています。「このアルバムは、自分自身を証明しようとしてきた数年間の最終形なんです。私はいつも、何かに近づいているような気がしていました。このアルバムは、男性の視線を通した自分自身への認識をナビゲートする一方で、力を取り戻し、自分の本当のアイデンティティを形成しようとする物語なんです。成就への道は他人のためのパフォーマンスではなく、本物の自分になるための旅なのです」


この発表を記念して、スカウス出身のソングライター、プロデューサー、マルチ・インストゥルメンタリストは、LPのタイトル・トラックを公開し、また、このアルバムを引っさげて今秋、英国でヘッドライン・ミニ・ツアーに出ることを明らかにしています。


『「ミリオンダラー・ベイビー』は、有名になりたいと思っているLAの女の子との会話から生まれたの。この曲は風刺的で、名声を追い求めることの不条理さと、砂糖でコーティングされた野心を歌っている。この曲は、私がアルバムを書いている間に気づいた多くの真実を反映している。音楽業界のパフォーマンス的な性質は、しばしば幻想を売りつけるものであり、本当の充実感は音楽を書くことそのものから得られるものなのです」

 


Pixey 『Million Dollar Baby』

 


Tracklist:

1. Man Power

2. Million Dollar Baby

3. The Thrill Of It

4. Best Friend

5. Damage

6. Give A Little Of Your Love

7. Love Like Heaven

8. Bring Back The Beat

9. Oxygen

10. The War In My Mind





 

Le Makeupはモダンなポップソング、そしてヒップホップやローファイのサウンド処理をミックスし、独創的なボーカルソングを提供するシンガーです。

 

ミュージシャンの音楽には二面性があり、内省的な一面をうかがわせたかと思えば、それとは裏腹にエネルギッシュなポップで痛快な気分をリスナーにもたらす。前作アルバムはMakeupの魅力が存分に凝縮されていた。U-Zhaanとのコラボで知られる環ROYをフィーチャリング。Pitchforkがレビューを行ったとのことで、今後、アジア圏を中心にワールドワイドな活躍が期待される。

 

今回、 Le Makeupは初のワンマンライブの開催を発表した。会場は渋谷WWW。 5月21日に開催されます。また、昨年のフルレングスに収録されていた「Dress」のMVを公開した。UMMMLが映像の監督を務めた。このミュージックビデオに関しても下記よりチェックしてみてください。

 

初のワンマンライブに関するアーティストの声明は下記の通りです。

 
 

ーーソロとバンドセットで2020年に出した「微熱」というアルバムの曲から新しく出すアルバムの曲まで。もっと前の曲もやるかもしれないです。

 

知ってる人も知らない人も、この日聞いてもらえたら自分がどんなこと考えてる(考えてた)のかわかってもらえる気がする。わかる必要が皆さんにあるのかは置いといて。

 

絶対なにかを起こすとか、だれか救うとかそんなこと言う気ないけど、5月21日WWWに来てくれたら僕がパフォーマンスしてると思う。それだけは約束できそう。こんな機会待ってたから嬉しいし、楽しみですーー



 

 

 

 
Le Makeup One-Man Live "予感"




Date| 2024.05.21 [Tue] Open/Start 19:00/20:00
Venue| WWW (Shibuya, Tokyo)
Act| Le Makeup (Oneman Show)
Adv.| 3,000 Yen (Tax in) +1D
Door| 3,500 Yen (Tax in) +1D
Ticket| LivePocket [ https://t.livepocket.jp/e/lemakeup ]
Information| WWW [03-5458-7685]



 
Pitchforkで取り上げられ、話題となったLe Makeupの最新アルバム「Odorata」がLP化。5月21日(火)WWWにて会場先行で販売が決定。LP用に新ミックスや新曲も追加されています。



Le Makeup「Odorata [LP]」



 


LP | PURE008LP | 3,600 Yen + Tax | Released by AWDR/LR2

SIDE A

A1. Odorata
A2. あの日のこと
A3. うつくしい人
A4. Dress
A5. ふたりのかげ feat. Dove
A6. Alice feat. JUMADIBA
A7. Play feat. Tohji, gummyboy
A8. In the Mood for Summer

SIDE B

B1. EVERY Breath feat. 環ROY
B2. かさなるかげ feat. Dove
B3. カラブリア
B4. あたたかい陽、あたらしい街
B5. あの話の続き
B6. Drive My Car (あなたとわたし)
B7. Self Service
B8. Line (Outro)

 


Jessica Pratt(ジェシカ・プラット)は今週金曜日、メキシカン・サマーからリリースされる『Here In The Pitch』のサード・シングルを公開しました。アルバムのエンディング・トラック。


ロサンゼルスを拠点とするミュージシャンは、ブルックリンのゲーリーズ・エレクトリック・スタジオでレコーディングを行った。


彼女は以前からのコラボレーターであるマルチ・インストゥルメンタリスト/エンジニアのアル・カールソンとキーボーディストのマット・マクダーモットと仕事をしました。ベーシストのスペンサー・ザーンとパーカッショニストのマウロ・レフォスコ(デヴィッド・バーン、アトムス・フォー・ピース)もセッションに参加。ライリー・ウォーカー、ピーター・マッジ(マック・ミラー、J.I.D.)、アレックス・ゴールドバーグもアルバムに貢献しています。


「このアルバムを制作している間に、カリフォルニアの夢のダークサイドを象徴する人物に夢中になった」と、プラットは以前のプレスリリースで『Here in the Pitch』について語っています。


プラットはこのアルバムを2020年から2023年までの3年間に渡ってレコーディングした。アルバムとアルバムの間の5年間の空白について、彼女は次のように語っています。「こんなに長くかかるとは思わなかった。私は本当に完璧主義者なの。私はただ正しい感覚を得ようとしていただけなのよ。


 


ヴァージニアのラッパーmynameisntjmackが、Femdot.とMick Jenkinsをフィーチャリングした新曲をリリースした。ドリルのリズムトラックにmynameisntjmackのフロウが光る。下記よりチェックしてみてください。

 

mynameisntjmackは巧みなリリック捌きを披露する。ユニゾンで導入されるボーカルのコーラストラックは背景のエレクトリック・ピアノの音色はロマンティックなムードを盛り上げる。


途中から加わるFemdot.、Jenkinsのフロウのニュアンスは、mynameisntjmackと見事なコントラストを形作っている。三者三様のフロウにはまったく異なるスペシャリティーがあり、とてもユニークである。トラックメイクの全般的な印象としては、ジャズ、R&Bをクロスオーバーした『Elphant In The Room』の作風を彷彿とさせる。メロウで落ち着いた空気感を体感出来るはずです。


 

 「High Kick」

 


La Luzが『News Of The Universe』のニューシングル「I'll Go With You」をリリースした。サイケロック風のイントロから夢想的なアルトポップソングへ移行する。クルアンビンを彷彿とさせるアンサンブルの巧みさはもちろん、クリーブランドのボーカルは浮遊感をもたしている。

 

ヴォーカルのシャナ・クリーヴランドはプレスリリースの中で、「この曲はヤンティ・ベルサウダラ(インドネシアのポップバンド)から大きな影響を受けている」と説明しています。「この曲の歌詞は、ある晩、曲のメロディーを頭に浮かべながらベッドに入ったときに見た夢の再現でもある。別の言葉も考えていたのだけど、この甘く小さなロマンスの夢が支配してしまった」


La Luzはサブ・ポップのご当地バンド。クリーブランドを中心にシアトルで2012年に結成。現在のラインアップは、オードリー・ジョンソン、マリアム・クデュス、リー・ジョンソン。バンドはDick DaleやVenturesから音楽的な触発を受けているらしく、サーフ、ドゥ・ワップ、ネオサイケ等、コアなロック/ポップを展開する。Los Bitchos、Khruanbinと並んで、ラテン音楽を始めとするワールドミュージックを絡めたロックバンドとして注目しておきたいところです。

 

 

La Luzの新作アルバム『News Of The Universe』』は5月24日にサブ・ポップからリリースされる。

 

 「I'll Go With You」

 

渋谷クラブクアトロで開催される実験音楽家や個性的なロックバンドが出演する室内型イベント『ambient room』に注目。イベント第2弾が東京・渋谷”CLUB QUATTRO”で5月18日(土) に開催されます。

 

『ambient room』は喧騒から離れ、ライブハウスの閉じられた空間でアンビエントな世界を楽しむ企画。2回目の開催となる今年は海外アーティストを交えたカラフルなラインナップで開催。

 

オランダ/アムステルダムのレーベル"Guruguru Brain"よりデビュー作をリリースしているmaya ongakuをはじめ、韓国からインディーロックデュオ"Mukimukimanmansu"として活動していたMinhwi Leeが来日。本邦初公開の5名編成バンドでフルセットライブを披露します。

 

元CHAI姉妹による新ユニット、MANAKANAの出演も楽しみ。初ライブをアンビエントセットで敢行される。他にも、D.A.N.のベーシスト「JINYA」、DJとして「Suimin」「imus」、そしてニューヨークのレーベル、RVNGからリリースを行うエクスペリメンタルフォークアンビエントシンガー、Satomimagaeが登場します。Satomimagaeのインタビューはこちらよりお読み下さい。


 

・"ambient room"curated by Bias & Relax adv.

 

5月18日(土) 東京・渋谷CLUB QUATTRO

OPEN / START:16:00


出演:


maya ongaku/ 

Minhwi Lee (from KOREA / BAND SET) / 

MANAKANA (ex CHAI / AMBIENT LIVE SET) / 

satomimagae / 

JINYA (D.A.N.) / 

DJ Suimin / 

DJ imus


チケットの詳細:


https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2410241&rlsCd=001