アイルランド/ダブリンのガレージロックバンド、Sprints(スプリンツ)が2曲の新曲「Drones & Help Me, I'm Spiralling」と「Drones」を発表しました。どちらも、1月にリリースされたアイルランドのバンドのデビュー・アルバム『Letter to Self』のセッションでレコーディングされたのだそうです。彼らはまた、アメリカ、イギリス、ヨーロッパを回る大規模なツアーを発表しています。
「"Letter To Self "のレコーディング・プロセスであったカオスとカタルシスの名残を分かち合えることを嬉しく思っています。Black Box Sessionsには、「Drones」と「Help Me, I'm Spiralling」が収録されており、不確かさ、不安、疑念をテーマにしている。狂気とノイズを受け入れたいよ」
3作目のEP「Stone Woman」でもウィルソンは注目を集めた。収録曲「Falling Apart」はジェイムス・ブレイクが「I Keep Calling」でサンプリングを行った。2021年頃にはR&Bアーティストとして国内で評価される。2021年のシドをフィーチャリングしたシングル「Take Care Of You」でジュノー賞のトラディショナルR&B/ソウルのレコーディング・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
その後の#4「Forever」でもボーカルのオートチューンや複雑な対旋律的なコーラスの導入は顕著な形で表れる。この曲にはエレクトロニックの影響があり、サンプリング的に処理されたピアノとソフトシンセの実験的なエフェクト処理が施されたマテリアルが多角的なネオソウルを作り上げる。ウィルソンのボーカルについても、「しっとりとしたソウル」とよく言われるように、落ち着いたアルトボイスを基本に構成される。けれども、それらのボーカルのニュアンスはジェイムス・ブレイクが以前話していた”ビンテージソウルの温かみ”がある。最新鋭のレコーディングシステムや多数のプラグインを使用しようとも、ボーカルやトラックには深いエモーションが漂い、それがそのままアルバムの導入部の魅力ともなっている。さらに曲の後半では、ミックスボイスに近い伸びやかな鼻声のボーカルが華やかさを最大限に引き上げていきます。続く#5「Do U Still」でも中音域のボーカルを中心にして、しっとりとした曲が作り上げられる。この曲では、旋律よりもリズムが強調され、それはスキッターな打ち込みのドラムが、ボーカリストがさらりと歌い上げるメロディーや複合的な和音のメロウさを引き立てている。
この2曲はダンスフロアのクールダウンのような意図を持つリラックスした箇所として楽しめる。そして、中盤の最大のハイライトがジュディー・ガーランドのカバー「Over The Rainbow」である。''オズの魔法使い''の主題歌でもあったこの曲を、デイ・ウィルソンは、ゴスペルとネオソウルという二つの切り口から解釈している。ここには、カバーの模範的なお手本が示されていると言えるでしょう。つまり、原曲を忠実に準えた上で、新しい現代的な解釈を添えるのである。基本的なメロディーは変わっていませんが、何か深く心を揺さぶられるものがある。これはデイ・ウィルソンが悲劇のポップスターの名曲を心から敬愛し、そして、霊歌や現代のソウルR&Bに至るまで、すべてにリスペクトを示しているからこそなし得ることなのでしょうか? そしてミュージシャンの幼少期の記憶らしきものが、最後の子供の声のサンプリングに体現される。
#11「I Don't Love You」では「Over The Rainbow」と同じく、古いゴスペルを鮮やかなネオソウルに生まれ変わらせる。ピアノとボーカルにはデチューンが施され、入れ子構造やメタ構造のような意図を持つ弾き語りのナンバーとも解釈出来る。落ち着いた感じのイントロ、中盤部のブリッジからサビの部分にかけて緩やかな旋律のジャンプアップを見せる箇所に素晴らしさがある。なおかつタイトルのボーカルの箇所では、シンガーの持つ卓越したポピュラリティーが現れる。しかし、多幸感のある感覚は、アウトロにかけて落ち着いた感覚に代わる。ウッドベースに合わせて歌われるウィルソンの神妙なボーカルは、このアルバムの最大の聞き所となりそう。
”Cyan Blue”は全体的にブルージーな情感もあり、ほのかなペーソスもあるが、アルバムの最後はわずかに明るい感覚をもってエンディングを迎える。クローズ「Walk With Me」は他の曲と同じように落ち着いていて、メロウな空気感が漂うが、ドラムのリズムはアシッドなグルーヴ感を呼び起こし、それに加えてローファイの要素が心地よさをもたらす。スタイリッシュさやアーバンな雰囲気が堪能出来るのはもちろん、超実力派のシンガーによるR&Bの快作の登場です。
Why Bonnieは前作『90 in November』においてアメリカーナとインディーロックを融合させた。その作風はウェンズデーやワクサハッチーと比較されることもある。ブレア・ハワートンは最新作の制作時、テキサスからニューヨークへと活動拠点を移したが、これらのホームタウンへの思いが秀逸なオルタナティヴロックソングに昇華されることがあった。特にこのアルバムに収録されている「Nowhere in LA』はテキサスの雄大な土地を思わせる素晴らしい楽曲でした。
彼は、2020年にハックニー地区で生まれた息子に”Homerton”という曲を捧げ、観客はコラボレーターであるJNR WILLIAMSのソウルフルなボーカルに酔いしれた。「Blood On My Nikes」はカーナーが16歳の時に銃乱射事件を目撃したことに触れている。若者の議員アティアン・アケックをはじめとする少数の優柔不断さのため、これほど貴重なものが失われた事例はない。このような問題に対し英国政府から意味のある行動を引き出すのに苦労している国民の悲しみと絶望……。それはこの瞬間に捉えられ、あるファンは「ファック・ザ・トリーズ!」と叫んでいた。
最新アルバム『The Falls of Sioux』は、いつもよりドラマティックなサウンドを探求しているように感じられる。旧来のインディーロックやフォークの音楽性に、オーケストラベルを導入したり、アコースティックの録音を再構成として散りばめたりと、かなり作り込まれたプロダクションになっている。そこにマイク・キンセラによる音のストーリーテリングの要素が加えられた。
続く「Hit and Run」は、OWENの代名詞的な曲であり、ソングライターのフォークソングの涼し気なイメージが流れる滝のようにスムーズな質感をもって展開される。アルバムの序盤の2曲のようにエレクトリック/アコースティックギターの多重録音に加え、ピアノの美麗な旋律が曲に優しげな印象を添えている。また、ネイト・キンセラとのデュオの活動で培われたシンセサウンドは飾りのような形でアレンジに取り入れられている。ギターの旋律やコード進行の巧緻さはもちろんのこと、そこにヴァイオリン/フィドルの上品な対旋律を加えながら、気品のあるフォークミュージックが作り上げられる。それらは複数の演奏を入念に行った後で、緻密に最終的なサウンドを構築する過程が記されているのである。始めから出来上がったものを示するのではなしに、一つずつ着実に音の要素を積み上げていく過程は圧巻である。そこにオルタネイトな旋律やアメリカーナのギターが加わることで、癒やしのあるサウンドが作り上げられる。
『スーの滝』はベテラン・ミュージシャンによる飽くなき音楽の探求心が刻印されているように思える。クローズを飾る「With You Without You」では、Cap N' Jazzの時代から存在した中西部のインディーフォークの要素が、華やかなシンセストリングスとドラムのダイナミックなリズムによって美麗なエンディングを作り上げる。バスドラの連打に合わせて歌われるキンセラの歌はエモーショナルの領域を越えて、何かしら晴れやかな感覚に近づく。アウトロの巧みなアコースティックのギター、そのなかに織り交ぜられる繊細なエレクトリック・ギターやストリングスに支えられるようにして、このアルバムは最後に最もドラマティックな瞬間を迎える。
スペインとオランダで育ち、現在はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、プロデューサー、ミュージシャン。親密で詩的な独自の音楽世界を創り出す彼女は、ドーター、マロ、ビリー・マーティンなどからインスピレーションを受け、生々しいヴォーカルと誠実なソングライティングで聴く者を内省と静寂の世界へと誘う。最新EP『flourish』は、Spotifyの「New Music Friday UK」、「NL」、「BE」にセレクトされ、「the most beautiful songs in the world」プレイリストでも紹介された。2024年5月1日、最新デジタル・シングル「A Messenger」をリリース。現在は、西ロンドンのスタジオ13で、ジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とバンドと共に新曲のレコーディングに取り組んでいる。
リバプールのシンガーソングライター、ピクシーは、デビューアルバム「Million Dollar Baby」をチェス・クラブ・レコードから8月2日にリリースすることを発表しました。
このアルバムは、「Colours」(2019年)、「Free To Live In Colour」と「Sunshine State」(共に2021年)、そして「Dreams, Pains & Paper Planes」(2022年)という4枚の小規模プロジェクトの後にリリースされる。彼女の生まれ故郷であるリバプールとロンドンの間で作曲されました。トム・マクファーランドとリッチ・ターヴェイと共にピクシー自身がプロデュースした「Million Dollar Baby」は、90年代のノスタルジックなブレイクビーツへの彼女の愛と、モダンなオルタナポップへの才能を融合させた作品となっています。
途中から加わるFemdot.、Jenkinsのフロウのニュアンスは、mynameisntjmackと見事なコントラストを形作っている。三者三様のフロウにはまったく異なるスペシャリティーがあり、とてもユニークである。トラックメイクの全般的な印象としては、ジャズ、R&Bをクロスオーバーした『Elphant In The Room』の作風を彷彿とさせる。メロウで落ち着いた空気感を体感出来るはずです。
「High Kick」
La Luzが『News Of The Universe』のニューシングル「I'll Go With You」をリリースした。サイケロック風のイントロから夢想的なアルトポップソングへ移行する。クルアンビンを彷彿とさせるアンサンブルの巧みさはもちろん、クリーブランドのボーカルは浮遊感をもたしている。
La Luzはサブ・ポップのご当地バンド。クリーブランドを中心にシアトルで2012年に結成。現在のラインアップは、オードリー・ジョンソン、マリアム・クデュス、リー・ジョンソン。バンドはDick DaleやVenturesから音楽的な触発を受けているらしく、サーフ、ドゥ・ワップ、ネオサイケ等、コアなロック/ポップを展開する。Los Bitchos、Khruanbinと並んで、ラテン音楽を始めとするワールドミュージックを絡めたロックバンドとして注目しておきたいところです。
La Luzの新作アルバム『News Of The Universe』』は5月24日にサブ・ポップからリリースされる。