先週、ビリー・アイリッシュが三作目のアルバム『Hit Me Hard And Soft』をリリースした。昨晩、シンガーはスティーブン・コルベアのレイト・ショーに出演し、ライブパフォーマンスとインタビューを行った。
『Hit Me Hard And Soft』のレコード発売に合わせて、エイリッシュは最もキャッチーで即効性のある曲「Lunch」のミュージックビデオを発表した。「Lunch」は声明代わりでもあり、ビリー・アイリッシュが同性の欲望についての遊び心を吐露したものである。コルベールの出演時、エイリッシュは「Lunch」を初めてライブで披露した。彼女のバック・バンドには、いつものように彼女の弟でコラボレーターのフィニアスがギターとキーボードを演奏した。
1. Welcome 2. No Problems 3. Better Than Monday 4. There Was A Time 5. All Night 6. CM 7. Only You 8. Kaze 9. Giddy Up 10. Think Cool 11. Show 10 12. Take Me Back (Owakare No Jikan)
パーソナル・トレーナーは、主にフロントマンでバンド・リーダーのウィレム・スミットと、共同プロデューサー/コラボレーターのキャスパー・ヴァン・デル・ランスのプロジェクト。しかし、ライブではフルバンド構成でパフォーマンスを行い、コレクティブの形式で活動しています。『Still Waiting』は、2022年のデビュー作『Big Love Blanket』に続く作品です。このアルバムには、バンドの前シングル「Intangible」が収録されています。
「"please be ok (どうかご無事で)''にはいろいろな意味があります。支持的な意味もあれば、批判的な意味もあれば、平凡な意味もあれば、合格点、上出来(それがどんな意味であれ)という意味もある。この曲の制作を始めたとき、ミス・グリッドに手伝ってもらってもいいのかな?と思ったけど、結局、答えはOKでした。ミスグリッドは曲とプロダクションに様々な魔法をかけ、特別なものにしてくれました(それはそれでいいのですが……)」とmui zyuは説明しています。
mui zyuはこの夏、イギリスのフェスティバルに出演し、10月にはグラスゴー、リーズ、ブリストル、ロンドンでヘッドラインUKツアーを行う。5月22日には、Bandcampリスニング・パーティーを開催します。Bandcampのリスニングパーティーに参加するには、muizyu.bandcamp.comをご覧ください。
mui zyuのセカンド・アルバム『nothing or something to die for』は5月24日にFather/Daughterからリリースされます。『Rotten Bun For An Eggless Century』のレビューはこちらからお読みください。
「please be ok」
Beth Gibbons - Lives Outgrown
Label: Domino
Release: 2024/05/17
Review ベス・ギボンズの音楽家としての多彩な表情
ケンドリック・ラマーの最新作『Mr. Morale & The Big Steppers』の「Mother I Sober」へのボーカル提供や、ヘンリク・グレツキの交響曲第3番等をライブで演奏し、最近では、ほとんどジャンルにとらわれることのないボーカルアートの領域へと挑戦を試みてきたベス・ギボンズの最新作『Live Outgrown』は、ストリングスやオーケストラヒットを頻繁に使用した多角的なポピュラー・ミュージックだ。これらの収録曲にPJ Harveyのような現代詩のような試みがあるのかは寡聞にして知らない。
少なくとも、冒頭の楽曲「Tell Me What Who You Are Today」ではヴェルヴェットアンダーグラウンドのようなオーケストラヒットとストリングスが重なり合い、やや重苦しい感じの音楽で始まる。それはバロックポップの現代版ともいえ、もちろん、それは90年代以降のトリップ・ホップの形とはまったく異なる。メインプロジェクトを離れたミュージシャンにとっては、定冠詞のようなグループ名は重荷になることがあるかもしれない。そういった意味では、このアルバムはソロアーティストとしての従来とは異なる音楽性を捉えることが出来る。しかし、以前からの音楽的な蓄積を投げ打ったと見ることも賢明ではないだろう。そこには、”ブリストルサウンド”ともいうべきアンニュイなボーカルのニュアンスを捉えることも出来、ある意味では、アルバムの最初のイメージは、やはり旧来のギボンズの音楽的な感性の上に構築されていると見るべきか。
アルバムの冒頭のオープナーは、鈍重とも、暗鬱とも、重厚感があるとも、複数の見方や解釈が用意されている。続く「Floating A Moment」では、オルタナティヴフォークともエクスペリメンタルフォークともつかないアブストラクトな作風へと舵を取る。そのギターサウンドに載せられるギボンズのボーカルも明るいとも暗いともつかない、微妙な感覚が背景となるギターの繊細なアルペジオに重なる。それは''瞬間性''という得難い概念の中にあり、熟練のボーカリストが自らの声の表現性を介して、その時々の感覚を形がないものとして表するかのようである。
アルバムのプレスリリースでは、アーティストによる絶望や諦観の思いが赤裸々に語られていた。「#2 Burden Of Life」はいわば、理想主義に生きるアーティストやミュージシャンがどこかの時代の節目において何らかの絶望性を捉えることを反映している。それはオーケストラヒットとストリングスを併用したオーケストラポップという形で昇華されている。ギボンズの楽曲性は、内面に溢れる軋轢を反映するかのように、不協和音を描き、それに対して、嘆きや祈りのような意味を持つ奥深いボーカルのニュアンスへと変化することもある。そして、それらは、背後のストリングスとパーカッションの効果を受け、リアリティに充ちた音楽性へと続いている。これらの現実的な感覚は、弦楽器のクレッシェンドや巧みなレガート、ボーカルを器楽的に見立てたギボンズの声によって、柔らかくも強固な印象を持つサウンドが形作られていく。
「#3 Lost Change」もオーケストラのパーカッションをアンビエンスとしてトラックの背景に配置し、それらの音響効果の中でマイナー調の憂いに充ちたバラードへと昇華させている。多少、ギボンズの歌声には重苦しさもあるが、ボーカルの中には、何かしら不思議な癒やしの感覚がにじみ出て来る場合もある。
本作の終盤では、アヴァンギャルド・ジャズとワールド・ミュージックへの傾倒が見いだせる。「Beyond The Sun」では、オーネット・コールマンが探し求めたニュージャズの対極にある原始的なアヴァンジャズの魅力をとどめたサクスフォーンやクラリネットの演奏を基底にして、ギボンズは唯一無二のボーカルアートを探求している。分けてもドラムのリズムに関しては、クラシックなジャズドラマーが演奏したような民族音楽とジャズの合間にある表現性を重視している。これらは、本作の気品に充ちた音楽性の中でスリリングな印象をもたらす。以上の9曲を聴いていると、意外性に満ち溢あふれ、最後にどんな曲が来るのか容易に想像出来ない。意外にも最後は、マイルドな感覚を持つポップソングで『Lives Outgrown』は締めくくられる。この最終曲は、言い知れない安心感と信頼感に満ちている。鳥の声の平らかなサンプリングが脳裏から遠ざかる時、アルバムの音楽から何を読み取るべきなのかがあらわとなる。この段階に来てようやく、ベス・ギボンズが何を表現しようとしていたのかが明らかになるのである。
88/100
「Wispering Love」
ニューヨークのオルタナティヴロックバンド、DIIVは、今週末発売予定のニューアルバム『Frog in Boiling Water』の最後のシングルとして「Raining On Your Pillow」をリリースしました。
ニューアルバムのリリース発表後から、バンドは複数のプレスリリースを通じて、米国の帝国主義の中にある欺瞞を暗にほのめかしてきた。それはファンタジーという観点を通してシニカルなリアリズムを表現するということである。このシングルについても、それは変わらない。DIIVは次のように說明しています。「『Raining on Your Pillow』は、アメリカ帝国主義の恥ずべき過去(そして、現在まで)を思い起こさせる曲です。恐ろしい風景に迷い込んだ孤独な兵士は、紛争から遠く離れた自分自身の風景の存在を反芻している。この場所が実在するかどうかは重要なのでしょうか? 絶望の中で生きる意味を与えてくれるのは、偽りの希望だけで良いのでしょうか? アナログ・シンセとテープ・ループの濁った雰囲気の中、ドライブするリズムの下でループするギターが奏でられる。威嚇的で、破滅的で、不思議な希望に満ちている」
アルバム『Frog In Boiling Water』リリースの最終回として、DIIVはシングル "Raining On Your Pillow "のミュージックビデオを装ったコンセプチュアル・フィルムを制作した。バンドは、実験映画監督チーム、TRLLM(Jak Ritger & K8 Howl)および、美術家、Harry Gould Harvey IVとコラボレーション。彼らは共に、軍隊からの離脱、慰めの欲求、自分のイデオロギーへの挑戦という曲のテーマを、高速ビデオ撮影と手描きの抽象的なコラージュに変換した。
DIIVの新作アルバム『Frog in Boiling Water』は5月24日にファンタジー・レコードからリリースされます。
今年初め、Youth Lagoon(ユース・ラグーン)こと、トレヴァー・パワーズは昨年の『Heaven Is A Junkyard』以来となる楽曲「Football」を発表した。今日、彼はロダイド・マクドナルドと共同プロデュースした「Lucy Takes A Picture」で戻ってきた。(ストリーミングの試聴はこちらから)
「2月、私はバス停を通り過ぎ、金属製のベンチの鉄格子に挟まれた小さな紙切れに気づいた。錯乱したような、聖書のような、震える筆跡で、「これは私の復活の物語である。私は死んだ。私は近くの草むらを見つけ、人形のように横になった。このメモは、天使からのメッセージか、中毒者の戯言か、もしかしたら、両方かもしれない。地獄を垣間見ることなしに、真の人格を持つことは不可能なんだと思う。もしかしたら、そういう意味なのかもしれない。W.H.オーデンの言葉を借りれば、"私の悪魔を追い払わないで、私の天使も行ってしまうから"ということかもしれない。この詩的ないたずら者、天使、小鬼が何を言いたかったのか知らないけれど、この言葉は私の魂の鐘を鳴らした。私は家に帰り、"Lucy Takes a Picture "を書いたんだ」
アメリカのオルタナティヴロックの代表格、Pavement(ペイヴメント)が先週末、大きな快挙を成し遂げました。後に1999年のEP『Spit on a Stranger』に収録されたB面曲 "Harness Your Hopes "がRIAAからゴールド認定を受けた。これはペイヴメントにとって初のRIAA認定となります。
今回、見事ゴールド認定を受けた「Harness Your Hopes」は、ペイヴメントの1997年の4枚目のスタジオ・アルバム『Brighten the Corners』のためにレコーディングされましたが、フロントマンのスティーヴン・マルクマスは、「正当な理由なく」アルバムに収録しないことを選択し、B面に収録するにとどめた。しかし、それから数年後、「Harness Your Hopes」は、2017年頃にストリーミング数を大きく伸ばし、TikTokで拡散され、今や50万枚以上のセールスを記録している。
リリースからしばらくして思いがけぬメガヒットを記録する事例は、近年では、Netflixのホラームービー「Stranger Things- 未知の世界」の放映によってスポットライトを浴びたケイト・ブッシュのシングル「Running Up That Hill」などがある。ケイト・ブッシュの場合は80年代にリリースした曲が40年後に大ヒットを記録するというかなりレアなケースでした。
ペイブメントの「Harness Your Hopes」の人気急上昇の直接的な要因は現時点のところ明らかになっていません。が、アメリカの音楽メディア、Stereogumは、”ストリーミング数の上昇を2017年のSpotifyのアルゴリズムの変更に起因する”と指摘しています。その後、2020年頃にTikTokのユーザーが、この曲の振り付けをつけたダンス動画を投稿し始め、爆発的な人気に獲得した。
「Harness Your Hopes」はペイヴメントのファンに最も愛されています。バンドは2022年の再結成以来、75回もこの曲をライヴのセットリストに入れている。彼らは2022年に『Spit on a Stranger EP』を再発、アレックス・ロス・ペリーが監督、イエロージャケッツの”ソフィー・サッチャー”が出演した「Harness Your Hopes」のミュージックビデオを公開しました。
Zoomers made a fifteen year old pavement b-side go viral on tiktok resulting in the band’s first RIAA gold certified record pic.twitter.com/CuYLKbvE9S
昨年のTim Hecker(ティム・ヘッカー)の『No High』、次いで、今年に入ってから、Rafael Anton Irissari(ラファエル・アントン・イリサーリ)のセルビアの無名の音楽家とのコラボなど、近年、著名なアンビエントプロデューサーは、”ダーク・アンビエント/ダーク・ドローン”とも称するべき流れを作りつつある。ロスシルもニューシングルで暗鬱であるものの、マクロの荘厳な音楽世界を構築する。モジュラーシンセで演奏される均一の通奏低音の波形がどのように拡大と縮小を重ねるのかに注目である。アウトロにかけてのチャーチ・オルガンのような静謐な瞬間に戻る瞬間は鳥肌ものである。
現在、プリマヴェーラは、代理の出演バンドをブッキングしている最中である。代わりに、アルビニのファンのためにリスニング・パーティー「To All Trains」を開催する予定だ。フェスティバルの開催期間中、Duster、Scowl、Gel、Hannah Diamond、Brutusといったアーティストがアルビニのステージに出演する。フェスティバルのタイムテーブルはこちらにアップされている。
LA/コンプトン出身のラッパー、Vince Staples(ヴィンス・ステイプルズ)が待望のニューアルバム『Dark Times』を発表した。2022年の『Ramona Park Broke My Heart』に続くこのアルバムは半ばサプライズのような形で今週金曜日、5月24日にリリースされる。この発表に伴い、ラッパーは新曲「Shame on the Devil」のビデオを公開した。以下よりチェックしてほしい。
“Close Your Eyes and Swing” “Black & Blue” “Government Cheese” “Children’s Song” “Shame On the Devil” “Étouffée” “Liars” “Justin” “‘Radio’” “Nothing Matters” “Little Homies” “Freeman” “Why Won’t the Sun Come Out?