シングル作「Day After Tomorrow」は美麗なバラードであり、曲の最終盤でクリスマス定番ソングの「Silent Night」の合唱が不意にサンプリングとしてバックトラックに挿入されるのは圧巻といえる。11月30日リリースであったので、グラミー賞にはノミネートされなかったが、今年のアメリカの女性シンガーソングライターのリリースの中でも最高峰の名曲。
8・Norah Jones
「I'll Be Home For Christmas」from (I Dream For Christmas [Deluxe])
I Dream Of Christmas (Deluxe)
ノラ・ジョーンズの「I Dream Of Chrismas」のオリジナル盤は10月14日にブルーノートからリリースされたが、セールスが好調だったためか、12月3日、追加の楽曲を収録したデラックスバージョンがリリースされた。
デラックスバージョンは、オリジナルの十三曲に加え、三曲が追加で収録。追加の三曲は、どれも力の入りようが半端でないため、レコーディングを予め行っていたものの、オリジナルに収録しきれなかった楽曲を追加で収録したのかもしれない。ラストトラックに収録された「I'll Be Home For Christmas」は、美しいクリスマスバラードで、ウキウキとした気分に浸れる一曲。ノラ・ジョーンズのシンガーとしての前向きな進化の様子が伺える。
9・The Jelly Granelli Trio
「Christmas Time Is Here」 from 「The Jelly Ganelli Trio Plays Guaraldi and Mose Allison」
The Jelly Granelli Trio Plays Gyraldi and Mose Allison
スタジオ・アルバム「The Jelli Granelli Trio Plays Guaraldi and Mose Allison」は、2020年にリリースされた作品である。そして、このアルバムのラストトラックとして収録されている「Christmas Time Is Here」はクリスマスのジャズソングとして魅力的な一曲。ピアノの流麗な演奏、ウッドベースの渋いカウンターポイント。
なんといっても、ジェリー・グラネリのパーカッション演奏は、この楽曲に、優雅で、穏やかで、温かな響きをもたらしている。口惜しいのは、ジェリー・グラネリの演奏を二度と生で聴くことが叶わなくなったこと。しかし、この作品の素晴らしさは永遠不変、一抹の寂しさを補ってあまりあると思う。ジェリー・グラネリトリオの「Christmas Time Is Here」は、クリスマスジャズの新しいジャズアレンジ定番曲。
10・Blossom Dearie
「The Christmas Card」 from 「My New Celebrity Is You」